ZZYZXにて逆上した韓国人。

手にはナイフのようなもの。

彼の怒りとナイフの矛先は完全に私に向いている。

 

恐怖で体が動かない。

 

そんな私の状況も関係なく、その韓国人はナイフをこちらに向け、飛び込んできた。

 

グサッ!!!

 

!!!

 

反射的に出た私の防御策、クラッチバック。

刃はそのバックを突き抜け、私の体の少し前で止った。

 

刃が止まったことで、さらに死の恐怖を感じた私は、思わずその韓国人を全力で前蹴り。

韓国人を吹っ飛ばした後、猛ダッシュで逃げた。

 

何度もこけながら、泣きながらホテルへダッシュした。

ホテルに戻ると、震えと涙が止まらない。

死にかけたのだ。

[1枚目:(たぶん)刺された側。2,3枚目:内側。4枚目:貫通した側]

 

どのくらい震えていたかわからないが、少しして私のスマホが鳴る。

レンジさんだ。

 

私「はい」

レンジ「ケンさんどこ行ったの?」

 

私「部屋です」

レンジ「部屋?なんで?みんな探してたよ」

 

私「殺されかけたの!!!!その場にいられるわけないでしょうが!!」

レンジ「は?殺され...?なんで?どういうこと?」

 

私「レンジさんその場にいたくせに見てなかったんですか!?信じれんわこの酔っぱらいが!!」

レンジ「とりあえず、マヤらと解散して部屋行くわ」

 

10分くらい後にレンジさんが部屋に来た。

私は、かなり声を荒げて一部始終を説明した。

 

レンジ「まじか。怪我ない?」

私「怪我はありません。バックに穴あきました」

 

レンジ「うわぁ...貫通してるじゃん」

私「・・・はい」

 

レンジ「・・・写真撮っておこう」

私「は?」

 

レンジ「いや、一応」

私「あ?一応?なんのために?」

 

レンジ「いや、すごい経験をした記録に」

私「レンジさん、こんな時でもクレマニネタですか?さすがに笑えん」

 

スマホをオカマにすられた時以来だろうか、本気でこの人を殴りたいと思ったのは。

私の心配をしていたとしても、レンジさんは当事者ではない。なにより、この人は今もなおかなり酔っぱらっている。

心配する体を装っていたとしても、完全に酔いが醒めている私からすれば、その酔っぱらっている感じさえ非常に苛立ちを覚える。

 

その後、激昂した私は怒りのすべてをレンジさんにぶつけた。

時間がいくらあっても足りない程だが、帰らないといけない時間が来たので、空港に向かい、無事日本に帰国することが出来た。

その間、私はほとんどレンジさんと会話していない。

 

帰国後、あまりのショックに寝られない日々が続き、内科で睡眠薬を処方してもらい、なんとか睡眠をとり、日々の業務を行っていた。

一時は心療内科の受診も考えたが、1週、2週間と時間が経つにつれて少しずつ状態はよくなってきた。

 

そうこうしていると、新型コロナウイルスが中国を中心に騒がれだし、フィリピンも早い段階で中国からの入国を禁止した。

2020年1月には、日本でも初感染者が発見され、日本だけではなく世界中が異様な雰囲気に包まれていた。

 

次の旅は2月中旬にすでに予定はしている。

が、飛行機やホテルの予約をまだしているわけでもない。ただ、スケジュール的には行くことが可能で、レンジさんと

 

その辺で行こうか

 

くらいの話をした程度のことである。

マヤと初凸凹達成、ハナの謎の行動、そして韓国人に殺されかける…色々ありすぎた前回旅で、もうフィリピンへの熱が冷め切ってしまった。熱の冷めというより、行くこと自体が恐怖というほうが正しいだろう。

 

このコロナの騒ぎが一つのタイミングだったのかもしれない。

そろそろ私も日本で、生きがいや楽しみを見つけるタイミングなのだ…と。

 

マヤは凸凹達成後、すぐに私のフィリピン行きの頻度が落ちると、やはり良い印象は与えないだろう。

しかし、このコロナのせいにして、会社から渡比NGがでてる、なんてそれらしい嘘をつけば、ひどく傷付けることもないだろう。

また再度フィリピンに渡る日が来るにしても、私にはもう少し時間が必要だ。

 

初フィリピンから2年半か…たくさん行ったなぁ、色んなことあったなぁ…

それらの経験が今後、私の人生に大きく貢献してくれたらいいな。

どれも本当に楽しい旅だった。

最後は最悪な思い出だったけど、本当にありがとうフィリピン。

そして、さようならフィリピン。

 

 

 

 

 

 

ケンさん

 

ケンさん

 

レンジ「ケンさん!」

私「は、はい!?」

 

レンジ「何ぼーっとして」

私「いや、ちょっと考え事を」

 

レンジ「らしくないね。完全に横顔がゴリラだったよ」

私「誰がゴリラやねん。それはそうと、レンジさん最近仕事の調子どうですか?」

 

レンジ「仕事はまあまあだけど、そろそろ他部署に飛ばされそうだね」

私「飛べない豚はただの豚ってやつですねわかります」

 

レンジ「誰が紅の豚やねん。紅くないわ」

私「否定するところはそこじゃないと思いますよ」

 

レンジ「マッチョめ」

私「で、飛ぶんですか?」

 

レンジ「もうこの部署ではやることやり尽くしたからね。次の部署ではもうちょい頑張るよ」

私「そうですか。寂しくなりますね」

 

レンジ「そう言ってくれると嬉しいね」

私「なんだかんだでレンジさんには本当に良くしてもらいましたから。本当に感謝しかないです」

 

レンジ「泣かすなよ」

私「良い豚汁でそうですね」

 

レンジ「誰が豚やねん」

私「じゃあ他部署に飛ぶ前に、今我々が手がけている例の一件を…」

 

レンジ「いや、仕事の話はもうええじゃん!ここフィリピンよ?KTVの話しようよ、LAの話しようよ、フィリピーナの話しようよ!!」

私「ですね。失礼しました。まずはLAで作戦会議ですね!行きましょう!!」

 

2020年2月中旬。

旅の1ヶ月ほど前までは私の精神的なものも含めて、今海外に行くことは危険だろうかとの見方もあったが、なんだかんだで私たちは再度フィリピンの地に降り立った。

 

無理だ。

 

フィリピンより生きがいになり、楽しいものなんかない。

命の危険?またフィリピーナに危険な目に遭わされる?

 

知らん知らん。

それも含めてフィリピンの魅力。

そこまで愛してフィリピンラバー。

 

私とレンジさん。

それぞれ立場が変わろうと、住む場所が変わろうと、私たちのフィリピン愛は変わらない。

どこにいようと、フィリピンが集合場所だ。

今もこれからもお互い、それだけは変わらずやっていきたい。

 

we are CRAZY for MANILA

 




 

 

後書き

最後までご覧いただきありがとうございます!

これにてオノケンの章は完全に完結となります。前回のように、新しいシーズンの幕開けなどは現在の所考えてはおりません。

すべてはコロナ次第、日本とフィリピンの入国制限次第です。

また再度、向こうに行けるようになればネタも貯まることと思いますが、どちらにしてもネタ充電も含めて、長期休みになるかと思います。

 

再開し、約2年越しの完結ですが、まさか公開できる運びになるとは思いませんでした。

ツイッタ―も含めて大変多くのコメントをいただき、今は完結にいたることができて非常にうれしい気持ちです。

また、再開できることを願って、完結の挨拶とさせていただきます。

本当にありがとうございました。

皆さんに幸あれ。

 

・・・

 

・・・

 

2022年2月14日。

私が新たな職に就いて1年が経とうとしている。

レンジさんも新しい部署で、忙しくも充実した日々を送っているようだ。

話す機会も連絡を取り合う機会も、以前に比べるとかなり減ってしまったが、お互いにフィリピンへの思いは持ち続けている。

 

フィリピンは、条件付きで観光も可能となり、日本も段階的に3月から入国制限を大幅に緩和していくようだ。

 

GWには、向こうに飛べるようになるんじゃね?向こうに行ったらまずはLAで乾杯だな!!

 

と、ようやく見えて来たゴールに2人とも胸を躍らせている。

早く向こうに行きたい。

行きたい理由はいくつもあるが、最も強い理由としては、向こうで私を待っているフィリピーナ彼女に会いに行くためだ。

 

彼女の名は、

 

 

 

 

 

 

ハナ

 

 

 

to be continued…?

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オノケン
オノケンは日本で働く普通の30代サラリーマン。先輩レンジの誘いから、マニラ旅行へ。それ以来、マニラに通うように。趣味はフィットネスで筋肉こそ正義だと思っている。海外旅行はリアルドラクエのため筋トレでレベル上げをしている。 オノケンブログでは、マニラ旅行記やフィリピーナとの恋愛をメインに、英会話の上達方法などを記事としてアップしていきます。

21 コメント

  1. オノケンさん、、ハナさん?えっ?えっ?えっ?
    懲りないすね〜笑。でもだから人生面白い👍🏻
    しかし咄嗟のクラッチバックとは流石です。
    普通は恐怖で固まります。
    ところで、合ってたらすみません、でも多分何箇所か2019年て書いてらっしゃるところは2020年では?と思ったのですが勘違いだったらすみません!🙇🏻
    筆者の方に大変失礼とは思ったのですが念のため。

  2. オノケンさん最終回の投稿お疲れ様です!!
    さすが筋肉に愛された人は一味違った、、、!!
    どんな目に遭ってもフィリピンに焦がれる姿は正にクレマニですね(´∀`)
    フィリピン行ってみたいなぁ(*´-`)

  3. 途中休憩があったにせよ、500話を超える投稿、お疲れ様でした。
    書く側の大変さは書いてみないと分かりません。

    書いてみても回を追う毎に増す期待やプレッシャーは計り知れないものがあると思います。
    本当に、本当に、本当に完結お疲れ様でした。

    ケンさん程、上手な表現が出来ないので、文章的にはシンプルになっちゃいますが、
    自分なりの表現で重いバトンを受け取ろうと思います。

    一緒にマニラで飲める日を楽しみにしてます。

    • ありがとうございます!
      500話を超えていますか…よく書きましたね(^_^;)
      長く書くのは大変ですので、無理のない範囲でよろしくお願いします!!

  4. 最終回、お疲れ様でした。
    怒涛の最終回でしたね。
    これからは、現地に行ける人は鬼のように通うんでしょうね🤣
    オノケンさんも ハナさん に会いに行かなければならないし、これから忙しくなりますね👍

  5. 最終話お疲れ様でした😊
    コロナのせいで、フィリピン熱が少し冷めつつありましたが、もうすぐ渡航できそうなのと、久しぶりのオノケンさんやポットさんのブログを見てまた熱が復活してきました。ありがとうございます🔥
    最後のハナは意外でしたが、GWが終わった辺りにまた続きが更新される事を楽しみにしたいと思います。

    • いえいえ、こちらこそうれしいコメントありがとうございます!!またテンション上げていきましょう!!ゴールはすぐそこ!!

  6. 近くにお店のセキュリティーは居なかったのかな?
    いたら、撃ち殺してもらえばよかったのに・・・・
    ま、逃げるのが正解なんでしょうけど
    狂った韓国人がそのままってのも、癪に触るな~

    • 考えてみてください。彼は私の全力、火事場の馬鹿力前蹴りをもろに腹部にくらっています。ワンチャン内臓破裂しています。事後の結果だけ見ると、被害者はむしろ彼の方かもしれません(笑)

  7. 最終回までの長きに渡る連載お疲れ様でした。

    ただ・・・・・・

    ハナ??????

    マヤではなく???

    こりゃ次章が楽しみですな(笑)

    あ~、フィリピン行きたいですね~

    • はい、マヤではなく、ハナです😃
      向こうに行けるようになり、ストーリーが進めまれるようになったら、まずはそこから話をしていかないとですね😄

  8. 完結お疲れ様でしたヾ(*´∀`*)ノ完結を見届けられて嬉しいやら、寂しいやらです(笑)
    そしてマヤかと思いきやハナ…ナイス切り替えです…っがケンさんの事ですから現地へ行ってからまたニューストーリーのマドンナを見つけてしまい、困惑するのかな?と思ってます(笑)とにかくお疲れ様でした、早く現地へ行けることを願ってます🌟

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