[オノケンブログ前回のあらすじ]
ケソンシティにてついに、起きてはいけないことが起こってしまいます。ケソンシティはしばしば銃声がきこえるらしく、決して治安が良いところとはいえませんが、それはマラテやその他の地域でも同じで、そういった危険なところをきちんと避けなくてはいけません。それを怠ったために起こってしまいました。
ケソンシティでの夜遊び最後に、ついに最悪の惨事が起こってしまう
オノケンブログを最初から(序章)読んで頂けると幸いですm(__)m
[ケソンシティのクラブにて大量出血!?渡比を後悔する惨劇]
頭から血を流し、テーブルに覆いかぶさるように伏せているレンジさん。
テーブルの上には、彼の血だまりが広がりつつあった。
誰かに刺されたのか!? 撃たれたのか!?
私が目を離していた時に、レンジさんの身に何が起こったのか!?
私「レンジさん!! 大丈夫ですか!? 何があったんですか!?」
レンジ「………」
声をかけても彼からの反応は全くない。
私自身も全身の血圧が急降下していくのを感じた。彼の様子を確認する限り、とても恐ろしかった。
どうすれば!? 混乱した私はすぐに取るべき行動がわからなかった。
私「レンジさん! レンジさん!…」
下手に動かさない方が良いだろうと判断した私は、レンジさんに触れずに声をかけ続けた。
反応を待つが、レンジさんはまったく動かない。そして、彼の出血は止まっているようには思えない。
ただただ、恐ろしかった。
慌て過ぎていた私は、とにかく近くにいたガードマンにこの異常事態を知らせた。ガードマンはこちらの状況を確認すると、すぐに無線で誰かと連絡を取り始めた。
また、店内のスタッフが駆け寄ってきて、レンジさんに声をかけるもやはり反応がない。
「誰かに刺されたのか!?」と聞かれるが、私もその時の状況はわからない。
周囲の客もこちらの事態に気付き、店内が異様にざわめき始めていた。
ガードマンは、救急車を呼んでくれたそうで、私に「安心しろ」と言う。
店内の暗い照明のため、どこから出血しているのかは確認できない。しかし、レンジさんの顔は血で染まり、かなりの出血量だと思われた。
救急車は、なかなか到着しない。1秒1秒が非常に長く感じる。
救急車を待つまでの間、何もできずにただ彼の体を擦った。
私「レンジさん、大丈夫です! もうすぐ救急車が来ますからもう少し耐えてください!」
声をかけるものの、今の状況が呑み込めず、何をするのが最善か全くわからない。
なぜこうなった?
なぜレンジさんは刺された?
なぜ俺は阻止することができなかった?
私が混乱しているこの間にも、レンジさんの出血は未だに止まっていない。
人の死に立ち会ったことなどない。ただ、
〝レンジさんはもうすぐ死ぬ”
そんな予感がした。
こんなことになるのなら、あの時レンジさんのクラブに行く誘いを断ればよかった。
いや、フィリピン旅行など始めから断ればよかったのだ。私は、全てを後悔していた。
レンジさんは呼び掛けに応じることはなくじっと動かない。
店内のミュージックは一旦止まり、人々がレンジさんの様子を見守っていた。
静寂に包まれたクラブ店内。
そして、聞こえてきたのは救急車の音…ではなかった。
レンジ「…ガーっ! ガーっ!…」
私「・・・・・!!!」
まさか、いびき???
一瞬、周囲の皆と顔を見合わせる。
ガードマン「おい、あんた大丈夫か!! しっかりしろ!!」
と言いながらガードマンが、レンジさんを強く揺らす。
レンジ「…はうあぁぁっ!!!」
レンジさんは驚いた様子で、勢いよく起き上った。
顔面は血で真っ赤に染まっている。B級ホラー映画にでてくるゾンビのような顔になっていた。
レンジ「・・・えっ?」
私「・・・えっ?」
レンジ「・・・え? うわっ!! なに!?」
レンジさんは今の大勢から取り囲まれている状況がまったく呑み込めていない様子であった。
私「えっ!? レンジさん大丈夫なんですか?」
レンジ「…何が?いつの間にか寝てたっ!!」
私「はっ!? だから大丈夫なんですか!?」
レンジ「…え!? うおっ!! 血ぃっ?! 俺の!? めっちゃ血がでてる!」
私「いったい何があったんですか!? 大丈夫ですか?」
レンジ「何がって…」
私は渡された濡れタオルで彼の顔の血を拭いた。傷を広げぬよう優しく。
すると、出血場所はどうやら彼の「額」のようだった。
良く見ると、額に3つか4つの米粒ほどの小さな刺し傷を確認することが出来た。
もちろん、刃物や銃痕のような傷ではないようだった。
一体、どこでそんな傷を負ったのだろうか??
傷の深さはわからないが出血は続いており、とりあえずその傷をタオルで抑えながら、救急車を待った。
そして10分ほどすると、爆音を鳴らしながら救急車到着。
レンジさんの様子を見ていると、救急車で運んでもらうような大けがではないように思えた。しかし、念のために病院で検査するため、救急車で病院へと向かった。
診察結果はただの刺し傷。複数個所だったが、小さなもので極浅の傷。頭部は傷が入ると、大した深さではないのにも関わらず、出血がひどくなるときがあるのだそう。
治療は大きめの絆創膏を貼り、メロンの包みのような包帯で頭を保護すると言う、とても簡単な処置だった。
それでも、救急車での搬送代約500ペソと、日本のものと比べるとずいぶんと高い治療費を支払うことになった。
私が大慌てをし、クラブの皆さまには大変な迷惑をかけてしまった。また、テロや犯罪を疑わせたかもしれない周囲への迷惑を考えると、とりかえしのつかない事態を招いていたかもしれない。
しかし、レンジさんには呆れたものだ。
傷が浅かったとしても、出血はそれなりにしていたのだ。
それにも関わらず、大慌てしている周りをよそに自分はいびきをかいて寝ているとは、この人の神経はいったいどういう構造をしているんだろう。
そしてなんという人騒がせな人なんだろう。
それにしても、そのような刺し傷をあの時、何処で負ったのだろうか…。
後に、レンジさんの記憶を聞くと…
その時、彼はフルーツを確かに食べていた。食べていたのだが、どうやらあまりに眠かった。
そして、フォークを持った状態で寝落ちし、そのフォークが勢いよく額に突き刺さったのだ。
その瞬間は彼もうっすら覚えているようで、もちろん、ものすごい痛みが走ったとのこと。
しかし、眠気には勝てず、傷を負った部分を押さえて伏せっているうちに、瞬時に寝入ってしまったようである。
何という人騒がせで、おバカな光景だろうか。
謝れ、傷ついた額を地面に擦り付けながら皆に土下座して謝るんだゾンビレンジよ。
もちろん、後日、二人でクラブへ謝罪と感謝を伝えに行った。
救急車を呼ぶような大騒ぎを起こしたのにも関わらず、大した怪我ではなかったことを、自分の友人のことのように喜び、笑い飛ばしてくれたこのクラブの関係者の方々の人柄の良さには大きな感謝である。
明け方、診察を終え、病院からタクシーでホテルに向かう車中、私達は二人反省していた。
私「もう、しっかりしてくださいよ!」
レンジ「いやー、本当申し訳ないね! 今、俺の頭メロンみたいだ、ははっ!」
私「ふざけるのもいい加減にしてください。自分で額にフォークを刺すなんて、30歳を超えたおっさんがしていいことではないです。そんなことコメディーマンガでも取り扱いませんよ。ただ、一時は本当に死んだと思ったので、レンジさんが無事で良かったです。いや本当に」
レンジ「そうだねー、本当に申し訳ない」
私「これに懲りたら、今後自分のリミットは適切に判断してください」
レンジ「そうだねー。そういえばお腹すいたんじゃない?何か食べに行く?だいぶ血が抜けただろうから、早く補充しないと、このままじゃ痩せちゃうよ!」
私「そのまま餓死することを許可します」
いやー、フルーツ盛りと、眠気、フォークで何となくわかりましたが、豪快?な、性格のレンジさんと、常識人のオノケンさんの素晴らしいコンビ益々のご活躍期待してます(^^)
hideさん
お久しぶりです♪
まったく、先輩ではありますが、守りをするのが大変ですよ笑
豆腐の角にではなく。。。
目で無くてよかった。
((((;゚Д゚)))))))
匿名さん
確かにそうですね……
今少しゾッとしました…