[オノケンブログ前回のあらすじ]
LAカフェはおもしろい所ではありますが、ここまで毎日行って店外デートするには少し引いてしまいます。短かったフィリピン旅を終え、パーティーが一人帰って行きました。さて、パンパシフィックホテルのトイレで一体何が起こったのでしょうか?
パンパシフィックホテルのトイレで通報!?LAカフェ狂いの帰国
オノケンブログを最初から(序章)読んで頂けると幸いですm(__)m
私がレンジと出会う前、レンジがどのような経験をフィリピンでしてきたのか、私がマニラに通うようになる以前について書かれていますので、レンジの章を読むことでよりクレマニを奥深くお楽しみいただけると思います。
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
[危険地帯!?東南アジア最大のスラム地帯スモーキーマウンテン]
リョウさんを見送った後、私はいつものマッサージ店に行き1時間コースのマッサージを受け部屋へ戻った。
総合的にいうとここのマッサージ店はコスパがいい。
しかし、当然マッサージ師によって良し悪しはあるものである。
今回私についたマッサージ師は、私にスーパーマンと名付けたおばちゃん。
このおばちゃん、筋をゴリゴリするタイプのマッサージをするため、けっこう痛いときがある。
その度にもう少し優しくするように伝えるため、1時間の間で寝落ちすることは少ない。
私の中でははずれの部類に入るマッサージ師である。
マッサージを終え、部屋に戻るとレンジさんは死んだように寝ていた。
私「おはようございます。そろそろ起きてください」
レンジ「お?おぉ、起きよう起きよう...すぴー」
私「おはようございます。そろそろ起きてください」
レンジ「ん?んん、起きる起きる...すぴー」
私「・・・・・」
私「おい、今から湯沸かすから、鼻から熱湯入れられたくなければ、沸く前に起きろや」
レンジ「・・・・・・・起きる。起きるよ、ぶっ」
私「貴様、人のベッドで起き掛けに屁をこくとはなんたる無礼な!!くせぇ!!窓開けろや!!」
レンジ「すみません」
寝起きこそ悪かったが、3時間集中して深い眠りについていたレンジさんはかなり元気になった様子であった。
レンジ「ありがとう。おかげですごく元気になったよ。とりあえず飯行って、その後どうしようか?」
私「そうですねー。昼の時間を使ってどこか行きたいんですが、どうしますか?」
レンジ「そうだね。スモーキーマウンテンに行ってみるかい?」
私「スモーキーマウンテンですか?いやあんな危ないところに行くんだったら、レンジさんもう少し体調が万全の時に行ったほうがいいんじゃないですか?」
レンジ「いや俺は大丈夫よ。お腹すいたからとりあえず焼肉でも食べれば睡眠不足なんて問題ないよ」
私「体力の回復の仕方がRPG式なんですね。便利でいいですね」
こうして私たちは近くの韓国焼き肉屋で焼肉を食べた。レンジさんの体の作りはどうなっているのか焼肉を食べることで確かに元気が増したように思える。
焼肉を食べる前にレンジさんが知り合いのガイドに連絡を取った。
今日でも大丈夫ということが確認できたため、私たちはスモーキーマウンテンに向かうことにした。
タクシーで現場まで向かったのだが、途中で事故現場を見た。
戦地に赴く前になんとも不吉なものを見たものである。
そしていざ到着。
事前にインターネット等で調べていた様子に比べるとそこまでスラム感はなく、団地が立ち並ぶ一体と言う感じであった。
人々の様子もさほど怖い感じもなく、あたりを写真撮影している私たちにポーズを取ったりしてくれ、非常に陽気な一面を見せてくれる人もたくさんいた。
レンジさんが連れてきたガイドによると、スモーキーマウンテンの主たるはここではなく、この山のことを指すのだと言う。
そしてそこに登るには役所のような所で許可をもらわないといけないそうである。
役所ではスモーキーマウンテンに上る際の注意事項の説明やこちらの目的などを問われ、一応危険な場所であると言う観点からガイドが1名つけられた。このガイドに後で謝礼として100ペソだけ渡すと言うのが条件だそうだ。
計2名のガイドを従え、いざスモーキーマウンテンに上がっていったのだが、危険なところに行くからとついて来たガイドの装備が“ただの木の棒”である。1メートルほどの木の棒である。
このガイドがどの程度この地域に詳しく、どの程度の戦闘力があるのかわからないが、私にはとてもそのガイドが強そうには見えない。正直、私でも勝てそうなほどの体の線の細さ、身長も低く戦闘向きと言うよりは村人Fといった感じである。
スモーキーマウンテンには、現在も多くの住人が住んでおり、その住民が集団となってこちらに襲いかかってきた場合、このガイドは私たちを守ってくれるのだろうか?
全くもって頼りない感じのガイドだったため、私はいつでも走って逃げ出せるように重心を低くどの方向にも走っていけるように身構えていた。
このスモーキーマウンテンに訪れる前、私はアジア最大級のスラムと言う言葉だけで、外部の人間を受け入れない、閉鎖された場所というような印象を持っていた。
だが、実際にスモーキーマウンテンを訪れてみると、人々は写真撮影にも快く応じてくれて(お礼はすると前もって言ったのがよかっただけかもしれないが)、決して恵まれた環境ではないにしても、多くの場所では笑顔が溢れ、皆それぞれ楽しく生活しているように私には見えた。
[ゲームセンターみたいなところもあった]
多くの場所を巡ることができたが、危険を感じるようなことは1度もなかった。
どの場所においてもいろんな人の笑顔に各所で触れることができた。
しかしそれは私たちが昼間の時間帯にそこに訪れているからそう感じるのであろう。
十分な街灯もないこの周辺は、夜の雰囲気はまたがらりと変わるのであろう。外部の人間だけもしくはガイドつきであったとしても、夜間にここを訪れる事は非常に危険を伴うことだというふうに感じた。
山に上がって1時間ほど経過したころだろうか、山を下りる道までたどり着いた。
ここまでの道中、拍子抜けするほどに身の危険を感じることはなかったが、やはりゴールが見えてほっとする。
2名のガイドはさくさく先に進んでいたが、レンジさんが良いアングルを見つけたと言い、最後の最後でやたら長く風景の写真撮影をしていた。
先に進んでしまったガイドたちに、もう少しだけ待つように伝え、私はレンジさんが写真撮影を終えるのを待っていた。
すると山の方向から誰かがこちらに向かってきた。
私「!!!!!!」
こちらに向かってきたのは20歳前後の男のフィリピン人。しかも顔面が怖すぎる。
体の至る所にタトゥーを入れており、異様なオーラを放つその青年からは危ないオーラしか感じなかった。
スモーキーマウンテンは一通り見て回ったが、他の住民の誰よりも圧倒的に危険なオーラをまとった人物が最後の最後で登場。
しかもその人物はレンジさんの後方約10mのところで立ち止まって、レンジさんのことをじっと見ている。
それに気が付いていないレンジさんは写真撮影に夢中である。