別れ際は、少し寂しい気持ちがあった。
ただ、最初の出会いとしては十分に距離を縮めることができ、次回の告白へつながる十分な感触だったため、満足感のほうが大きかった。
早めに解散したといっても、就寝したのは午前5時過ぎ。リビィエラマンションホテルのチェックアウトは12時なので、それまでゆっくりと睡眠をとることにした。
この12時チェックアウトはものすごく助かる。日本のホテルのほとんどは10時チェックアウトなので、この2時間のんびりできることは私としては非常にうれしい。
そして起床。荷物の準備等もあったため、11時には起床した。LINEを確認すると
レンジ「おはようさんさんサンシャイン!!会社で済まさないといけないことがあるから、ちょっと外にでてます。12時にフロント集合ね!」
このLINEが10時前に送られてきていた。
私「この人は、なぜこんなにエネルギッシュなんだろう」
帰りの準備を済ませ、12時にフロントに降りる。
チェックアウトを済ませ、レンジさんの合流を待っていた。
数分後、レンジさんが合流。
私「ん?」
なんとレンジさんの後ろにはマリーがいた。
レンジ「マリーが見送りにきてくれるんだって」
マリー「オハヨウ、ケンさん」
私(心の中)「かわいいんだか、悪魔なんだかわからない子だなぁ。レンジさんはそんな一筋縄ではいかない感じが好きなのかもしれないな」
リョウコは今日は自分の家に帰っているらしく、見送りには来ることができないようである。
マリーと挨拶を交わし、タクシーに乗り込む。
最初は
「スラムだ。死ぬ。早く帰りたい」
と思っていたこの町の風景にも慣れ、恋しく感じるほどになった。
目に焼き付けるように外を眺め続けていた。
レンジ「ケンさん、だいぶマニラにはまったようだね」
私「はい、この時期だともう少し長く居ることができたのに、こんな短い期間しか予定しなかったことを後悔しています」
レンジ「俺もだいたい帰るときはそんな気持ちだよ。帰りたくないと感じながら帰るくらいがちょうどいいんじゃない?」
私「そうですね。必ずまた来たいです!!」
マリー「マタ来テネ」
私「マタ来ルヨ」
空港に到着したところで、レンジさんがトイレに行った。
私とマリーの2人になったとき、マリーが私に話しかけた。
マリー「ケンさん、アリガトネ。スゴクタノシカッタ」
私「ありがとう。マリーのおかげでものすごくいい思い出になったよ」
マリー「オ願イアル。イイ?」
私(心の中)「ま、まさかレンジさんには内緒で付き合ってくれとか!?いやん、マリーかわいいけど、けっこう悪魔だし、そもそも俺にはリョウコという大本命がいる以上付き合うわけには…。いや、ただ先輩の彼女と秘密の交際...ゆ、夢の国なら許されることかもしれない。うん、そうだゆめ(以下省略)」
マリー「レンジ二他ノ女イタラ教エテ。イタラレンジ許サナイ。レンジニハ内緒ニシテ」
私「はい、わかりました」
最後に垣間見えたマリーの闇の部分。やはりマリーは私には乗りこなすことなど到底不可能だという想いを抱き、私たちは日本へと向けて出発した。
レンジ「マリーと何か話してたの?」
私「い、い、い、い、い、いいえ!!私は何も話してはおりません!!!!」
フィリピンペソは日本円に都度換金?夢の国から現実の世界へ
フィリピン女性の嫉妬は凄まじいですからね。私も経験者です。遊びくらいがちょうど良いのでしょうが、それでは本当にその国を知る事にならないような気がします。恋の深入りはどの国であっても覚悟が要りますね。