[レンジブログ 前回のあらすじ]
店内で田原の部下のエピソードを聞いたレンジ(私)。それを教訓として、自分はそのようなことになるまいとする。しかし遠くに見えるフィリピーナが気になり始めた。おそらく美人。そして、レンジもとうとうアクションを起こした。デートの交渉をするのか、果たして。
[前回の記事]
【レンジブログ24】LAカフェでの思い出話。その時、援助交際の約束は成立したのか
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
[レンジブログの第一話はこちらから]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
【レンジブログ25】LAカフェで好みの女の子と接触。デートに発展するのか
初めてのLAカフェ。私にとって、このような場所で女性にアプローチを掛けるのはハードルが高いと感じていたが。現地での開放感からか私は積極的だった。
[外観写真。LAカフェは男女が出会いを求めるマニラの有名なバー。]
向こうの席に座っていた彼女は、私の好みのように見えた。こちらからアクションを送ろうと思ったほどの女性。ゆっくりとこちらにやってくる。
おっ、立ち姿はスレンダー。美人だ、良いぞ。
ん? いや、まて。あれっ? なんか違う?
近づいてくると、顔がはっきりと見えて来た。あれ、やっぱり何処か違う。彼女の「私どう?」と言う積極的なアピールの表情は変わらないようだが、違う。
ベースには日本の元有名アナウンサーを感じるが、バランスが違う。何が違う? 鼻? 鼻下の距離感か? 猿を感じる。
猿感が強い顔。残念、求めていた女性とは違う。しかも、なぜか歯がいくつか抜けている。なぜだ。フィリピン女性は、日本人以上に歯を大切にするのに。
大変申し訳ないですけど、色々と不安があるため、ないです。あなたに申し訳ありませんが、お酒は一杯も奢れません。
ごめんなさい。
[その女性の似顔絵]
猿感の強い歯の抜けた美女「Hello」(こんにちは)
歯が無いため、発音も抜けていた。何かの病気だろうか? 私はこの距離で大丈夫か? ちょっと本当に勘弁してほしい。
私「I’m so sorry. Mistakes.」(本当ごめんなさい。ミステイクです。)
猿感の強い歯の抜けた美女「What?」(何?)
人生最短で断った。素直に謝った。今回のマニラ滞在中で一番深く頭を下げた。ミスったー。
田原「えっ、レンジさん、それはさすがに可愛そうよ。一杯くらい飲んでもらったら。」
はっと、田原さんの一言で我にかえる。
私「すいません!そうですね。」
田原さんの仰る通りだ。反省した。人としてあまりにも失礼だった。
[田原さんを紹介している記事はこちら 【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ ]
やはりそれでも怖いが、ジェントルマンを急に演じることにした。なんとかその場を取り繕う。
猿感の強い歯の抜けた美女に何を飲みたいか聞き、「名前は? 年齢は? 何でここにいるの? 良い音楽だねー」 など無難な会話で時を過ごした。
ただ私が彼女にアプローチするつもりはないことを伝えると、彼女の表情が一気に変わった。おそらく真剣に身の上話を始めてくれた。彼女のアピールモードは完全に消えていた。
話の内容から彼女のことが少しわかって来た。やはり男性との出会いを求めているらしい。毎日ではないが、経済的に困ったり、家族に問題があったりした場合にここへ来るのだという。将来的に貯金できれば大学に復学することも。
また、ここの女の子の中には確かに相手の部屋で泥棒するものがいるらしい。美人局まがいのことも良く聞くと言う。当然、相手の方も女性達を酷い目に合わすこともあるらしい。彼女自身も危ない目や強烈な暴行を何度かうけたことがあると。
そして、特に衝撃的だったのは、最近彼女自身が受けたある宿泊先のバスルームでの暴行だった。なぜ彼女の口が不自然に壊れているのか、交際相手の暴行が原因だったらしい。詳細についての記載はここでは控えさせていただく。
私はその話を聞きながら、心から「I’m very sorry to hear that. (それを聞いて大変残念に思います。)」と伝えたかったが、その勇気もなかった。一言も発することができなかった。初めて感じるほどのショックだった。
彼女はその時、冷たいタイルの上で、相手から理不尽な行為を迫られ、いつまでも執拗に強制されたとのこと。自分の人生を恨むことすら許されなかったと言う。
[現場のバスルームのイメージ写真]
彼女の場合、あくまでもデート代を払ってもらうとして、デート相手はどんな人であろうとも大丈夫とのこと。
優しくてジェントルマンな相手とのデートが好きらしい。特に日本人はいつも彼女へのリスペクトを感じるから一番好きとのこと。
しかし、不潔な客はもちろん若い男と、特定の国の人は粗暴だから嫌だと言っていた。
そのとき彼女が笑った。いびつに壊れた歯を見せながら 「ヘヘッ」 と笑った表情は素敵だった。とても素敵だった。
また、病気については皆お互いにメディカルチェックを受けていると言うが、ほぼ嘘だと思うとのこと。彼女も含めそこだけは常に不安だという。
特に多様な関係性を持つ人は絶対に嫌だと。どちらにしても、彼女も男性も、互いに大変危険な場所である事を親切に懇々と教えてくれた。
私はその時、日本人にはない親切さを感じた。
会話の終盤には彼女の猿感と歯抜けの事は忘れていた。
彼女は、本当はこのようなところで出会いを探したくない、一刻も早く歯を治したいが家族がもっと困っている、私の復学が将来的に大切なことはわかっている、でも「全てが許さず私は今ここにいる」と言う。
彼女は繰り返し、何度もそれを私に伝えていた。
それでも、人生はハッピーだと言う。
なるほど。現地の実際を少しだけ理解することができたかもしれない。
この時、普通のフィリピンパブよりも余程楽しく充実した会話が出来た様な気がした。人生を送る上で、このような生きた情報が心地よかった。
猿感の強い歯の抜けた美女様、ありがとう。
田原「よしっ、そろそろ行こうか。」
私「はい。田原さん、ここくらいは私に払わせてください。」
田原さん「あーっそう、面白かったわけね?」
私「はい。とても勉強になりました!」
田原「それは良かったね! 嬉しいよ。」
会計を済ませ、席に付いてくれていた二人にお礼を言い、店を出ることにした。
一階へ降りるとまたすごい人の数。女の子も入店時より増えたような気がする。わー、この子可愛いっ! という女性も出口付近で何人か見かけた。
すごいな、フィリピン マニラのLAカフェ。
店外へ出て、田原さんと二人タバコに火をつける。
田原「面白かったね! レンジさん、ごちそうさまでした。」
私「本当に良い勉強になりました! ありがとうございました。」
田原「OK! じゃ、とりあえず、タクシー捕まえようか。次行こう!」
[次回タイトル] LAカフェやゴーゴーバー GoGoBar より面白いところがあるらしい。
[次回あらすじ]
マニラで女性と出会うには、KTVやゴーゴーバーなどいろいろなところがある。しかし、そのようなところよりも断然おすすめだというところがあるらしい。