[レンジブログ 前回のあらすじ]
フィリピーナのマリーが働いている高級KTVへ。そして、アフターへ。そこではレンジがマリーの彼氏だと紹介される。
[前回の記事]
【レンジブログ92】フィリピーナの彼女のお店へ。そして、アフターへ
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
レンジブログ第二章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る
レンジブログ第三章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
【レンジブログ93】フィリピーナとホテルで部屋飲み。女性関係を疑われる。
今回の年末年始の滞在は、残り一週間となっていた。
私の滞在先は再びリヴィエラマンションホテルへ変更。
この頃、ホテルスタッフには完全に顔を覚えられ、皆私のことを「おかえりなさい!」と出迎えてくれるようになっていた。圧倒的なホーム感を感じるホテルになっていた。
[リヴィエラマンションホテルのエントランス写真]
この日、私は日中の業務を終え、夜8時頃、ホテルに戻った。
今日は1月8日。新年を迎え、一週間が経った。街の様子も、世間もほとんど日常に戻っているようだった。
新年、日本の会社も本格的に業務がスタートしている頃。私はこの期間、「海外旅行」ということで職場には長めの休暇を取ると伝えていた。
日本からの差し迫った連絡は特にない。一応、日本のことも頭にはあったので、心配していたが大丈夫のようだった。
マニラでの仕事も、何人かスタッフが入れ替わったが、主要なスタッフは皆頼りになるようで、私が帰国した後もしばらくは大丈夫だろう。
とにかく、ナオミには感謝である。彼女がビジネスパートナーで本当に良かった。田原さんに始まり、パーリーも。これも何かの縁であり、私は人に恵まれたようだ。
今後、マニラのビジネス上で、幾多のトラブルは発生し続けるのだが、この時私は順調なスタートだと感じていた。
そして、プライベートの方はと言うと、決して順調とは言い難い。
私はそろそろ、「ノーゴーラーのレンジ」あるいは「師匠」と呼ばれるレベルに到達しただろうか。
交際しているフィリピーナ達と、何回かゴールチャンスが訪れたが、未だに代表戦初ゴールを上げられずにいた。
まぁ、これが私だ。国が変わろうと、私の境遇はこんなものだ。普段の行いが悪すぎるのだろう。キリスト教の国だ。きっと神様が私からフィリピーナを守っているのだ。
そんな言い訳を考えながら、私は今回の滞在でゴールを奪うことは半ば諦めかけていた。
[リヴィエラマンションホテル室内写真]
部屋のソファでリラックスしながら、スマホを触る。
そして、いつものようにラインに登録されているフィリピーナ達へ「How are you today?」とブスな散弾召集レターを送る。
この時間帯、KTVで働く女性達は忙しくしているか、あるいはスマホがオンラインではないため、返信がすぐ来ることは少ない。
この時も既読がつかない、返信が来ないは普通だった。
しばらく待った後、今度はフィリピン用の電話(当時はガラケ)でもSMSを送る。
こちらの方が確実に女性からのレスポンスは良い。現地の電話回線を利用するので、オンラインである必要がないからだ。
すると、すぐに返信があった。
メッセージは「I’m fine. Coz dayoff!(元気。だって休みだから!)」と、アケミからだった。
私は彼女に電話を掛けた。
私「Good evening.」(こんばんは。)
アケミ「Good evening.」(こんばんは。)
彼女は元気そうだった。食事でも誘おうかと思ったが、彼女はもう食事は済ませたと言う。
私「I see. Please take care!」(分かりました。大事にしてくださいね!)
アケミ「Thank you. I miss you Range.」(ありがとう。レンジが恋しいです。)
何っ!?
私「Can I see you tonight?」(今夜会える?)
私はわずかな可能性に掛けた。
アケミ「Tonight? Okay. Where?」(今夜? 大丈夫です。何処で?)
よーし、よし、よし。
しかし、彼女はご飯を食べたと言う。それでは、クラブか? カラオケか?
いや、ここは仕掛けよう、チャレンジだ。
私「Do you come my room?」(部屋に来ますか?)
アケミ「Aahh, Wait… Can I call you later?」(あー、待って…。 後で電話しても良い?)
どうやら、彼女は今自分の部屋に居て、一人だと言う。
部屋の鍵を持っているので、ルームメイトに鍵を引き継がないと、外出が出来ないとのこと。
しかし、もうすぐその友達が帰宅してくるので、それまで待ってほしいと言う。
彼女はもちろん私にとって恋愛FIFAランク最上位クラスの女性だ。そして、私のような弱小男と試合など、可能性は低いと思っていた。
この展開、これはもしかして。
親善試合開催の可能性が出てきたか?
私は「OK. 待っています!」と伝え、電話を切った。
そして、彼女との試合、ゴールの可能性を信じて、ピッチを整える。
特に、ペナルティエリア内となるベッド周辺は綺麗に整える。薄いゴム素材の防具、公式ユニフォームの確認も忘れない。
[室内ベッドスペースの写真]
そして、一時間ほど待っていると、再びアケミから電話が掛ってきた。
私「Hi. Are you Okay?」(やあ、大丈夫?)
アケミ「Yeah, I’m in your hotel now.」(ええ、今、あなたのホテルです。)
私「What!?」(何っ!?)
アケミ「In front, outside.」(ホテル前、外です。)
えっ、もうホテル?
私は電話を切り、急いでホテルの一階に下りる。
この時、フロントは多くのチェックイン客で忙しそうだった。
そして、エントランスを出ると、そこにはアケミの姿が。
ホットパンツに、黒のノースリーブ姿で立っていた。
私は、「もうホテルに来ているとは驚きました。」と伝える。彼女は「早く会いたくて、連絡が出来なかったの。」と言う。
おっ、おう。
意味がよくわからないが良しとしよう。
「部屋には、飲み物とおつまみくらいしかないけど大丈夫?」と聞くと、彼女は「うん。気にしないで。お酒が飲みたいかな。」と言う。
部屋には、ウイスキーのボトルと数本のサンミゲルライトがあったはず。
私たちは、このまま部屋に向かうことにした。
二人でエレベーターに乗り、私の部屋のある階へ。
[ホテル廊下の写真]
このシチュエーションはザリの時とほとんど同じ、デジャブのようだ。
[参考記事]
【レンジブログ86】クリスマスイブにフィリピーナとホテルで過ごす。初ゴールなるか。
アケミを部屋に通す。
彼女は「わー、良い部屋ね!」と、嬉しそうに部屋を探索していた。
私は落ち着いた振りをするのが精一杯。今日いきなり彼女と部屋で二人っきりになる展開はさすがに予想していなかった。
私「What do you drink?」(何か飲む?)
アケミ「Whiskey?」(ウィスキーある?)
彼女は、実はお酒が大好きとのこと。私は、冷蔵庫にあった飲みかけのボトルを見せると、彼女は満面の笑みに。
とりあえず、私たちは部屋飲みすることになった。
二人でソファに座り、乾杯する。
アケミと一緒、私の部屋にいる。
こんな可憐なフィリピーナが目の前に居ることがまだ信じられなかった。
[アケミ似顔絵]
私は緊張のあまり、お酒のピッチが上がる。
彼女も、「このウィスキー、美味しいね。」と、お代わりをする。
そして、前回のクリスマスのアフターの話で盛り上がりながら、二人とも程良く出来上がって行った。
[参考記事]
【レンジブログ89】クリスマスの夜に、KTV巡りからのカラオケアフター
それにしても、お腹が空いた。私は、この夜はまだ夕食を取っていなかったので、かなりの空腹を感じていた。
私「I’ll go 7-11 to buy some snacks.」(何か軽食を買いにセブンに行きます。)
アケミ「Okay. Can I wait here?」(大丈夫。ここで待ってて良い?)
私は、彼女を部屋に残し、一人で外へ出た。
ホテルの隣にあるセブンに入り、手早く追加のお酒と氷、ミネラルウォーター、フライドシューマイ、チキン&ライスコンボを2セット購入。
部屋に戻った。
私「I’m home.」(帰りました。)
アケミはリラックスしている様子で、スマホを触っていた。
アケミ「Can I drink more?」(もっと飲んで良い?)
私「Sure.」(どうぞ。)
私は新しく買ってきたウィスキーのボトルを彼女に見せると、「あー、それ私の好きなやつ!」と幸せそうな笑顔を見せてくれた。
私は買ってきたチキンライスコンボにむしゃぶりつく。
[私のデフォルト食事]
それにしても、アケミはお酒が強いようだった。私よりお酒のペースは上かもしれない。
アケミ、これは試合前のウォーミングアップと捉えてよろしいのでしょうか。
私は十分温まった気がするが、彼女は未だのようであった。
時刻は12時を過ぎようとしていた。
二人とも酔っ払い、談笑の内容もヒートアップしていた。
私たちはお互いの過去の恋愛について、話し合う。そして、特にアケミの話については、かなり盛り上がった。
どうやら、彼女は過去に外国人の彼を何人か持ったことがあると言う。聞くと、相手はアメリカ人や韓国人とのこと。日本人とは付き合ったことがないらしい。
そして、今彼氏は居ないが、日本人の彼氏がほしいと言う。
私「How do you think about me?」(私はどうですか?)
アケミ「Of course, you’re very kind. I like you!」(もちろん、あなたは優しいし、好きです!)
この流れは、もうはっきりとさせるしかない。勇気を振り絞る。
私「Do you stay here tonight?」(今夜泊りますか?)
アケミ「Oh! Really!? But I’m shy.」(えっ、本当に!? でも恥ずかしいです。)
私「I wanna stay with you. Please Akemi.」(一緒に居たいです。お願いします、アケミ。)
アケミは恥ずかしそうに「Okay.」と言う。
よっし。
願ってもない超強豪だ。落ち着いて行け。
試合開催が約束されたようなもの。いや、もう選手としてピッチに立っており、いつものナショナルアンセムはもう歌われた後のようだった。
私たちは酔いも手伝って、その後は恋人のように言葉でイチャつき始めた。
雰囲気は十分。あとは、試合開始の笛を待つだけだった。
しかし、ここから少し困った展開になる。
アケミが奇妙な行動を取るようになったのだ。突然、笑い出したり、部屋の出窓に腰を掛けたり、その出窓から外に出ようとしたり、謎の行動を取るようになった。
そして、過去の彼氏の名前らしき単語を言いながら、泣き始めてしまった。
私にも「どうせ、あなたにも他に女がいるんでしょ!」と、キレ出す始末。
おそらく泥酔してしまったのだろうか。彼女は酒癖が良くないようで、すっかり、タチの悪い「泣き上戸」になってしまった。
私は困ってしまい、しばらく彼女の酔いが醒めるまで待つことにした。
彼女に「Please don’t drink anymore. Please take rest.(もう飲まないで。ちょっと休んで。)」と伝え、彼女のグラスをそっと隠した。
そして、彼女をお姫様抱っこし、ベッドへ運ぶ。彼女は気持ちよさそうに、布団の中に入って行く。彼女は大人しくなり、眠たそうだった。
よっし。少し寝たらまた元気になるだろう。
私は彼女の回復を待つことにした。
彼女の寝息が聞こえ始めてから一時間ほど経過した時、私のフィリピンの電話が鳴った。
マリーからだった。
私はバスルームに逃げ込み、すぐその電話を取る。
[バスルームの写真]
マリーは今仕事が終わったと言う。
そして、「レンジ、何してる? 何処にいる? すぐ出て来い! 飯行くぞ!」というものだった。
私はさすがに、「今夜は無理です。」と言い訳をする。
しかし、マリーも譲らない。彼女としばらく押し問答が続いた。
その時、突然バスルームの戸が開いた。焦った私は瞬時に電話を切る。
アケミが私に詰め寄ってくる。
アケミ「What are you doing?」(何してるの?)
私「Just call.」(ただ、電話だけど。)
アケミ「Girl!? Yeah Girl!」(女!? ねぇ、女でしょ!)
そう言いながら彼女は私の電話を取り上げる。私はそれをすぐに奪い返そうとするが、彼女も諦めない。
そして、彼女は電話を取ったまま、部屋の出窓のところへ行く。
「絶対に女でしょ!」と言いながら、出窓の外に出ようとする。
出窓の外は、ビルの間。下は細い路地。出窓の外には人一人が立てるくらいの足場スペースがあるが、ここは5階だ。大変危ないのは間違いない。
私は「絶対に違うから! 危ないし、とりあえず、部屋に入って!」と、何とか彼女を説得を試みる。
しかし、彼女は「Girl! Girl! Girl!」と叫びながら、外へ出てしまった。
もう、勘弁して。
と、そのとき彼女が「キャッ!」と小さく悲鳴を上げた。そして、何秒かの後、下の地面から着地音が聞こえた。
私の電話を手から落としてしまったのだ。
一瞬、空気が凍りつく。
アケミ「Sorry. I just just…」(ごめん、私はただ、ただ…)
私も頭が真っ白になってしまった。
とりあえず、部屋の中へ入っておいでと、アケミに手を差し伸べる。
彼女は瞬時に酔いが飛んだのか、急に力が抜けたようだった。彼女は私の手を取り、室内へ。
ショックを受けた様子でソファに座る。
私は出窓から顔を出し、下を覗き込む。地面まではかなり遠い。
さらに暗いビル陰、しかも今は夜中だ。
それでも、目を必死に凝らしていると、…あった! 微かに電話っぽいシルエットが地面に見える。
私は、すぐに部屋を出て、電話を探しに行く。
同フロアの突き当たり、非常口のところに清掃スタッフの姿があったので、声を掛ける。
「部屋の窓から、隣のビルの間に電話を落としてしまいました」と、何だかよくわからない事情を伝える。
そのスタッフは無線で、警備担当の人と連絡を取り合っているようだった。
しばらく待てとのことで、その場で無線のやり取りを聞く。
そして、スタッフが説明してくれる。
この下のビルの間は、入口に柵が設けてあり今は入れないとのこと。詳しくは明日になって、明るくなってからもう一度聞いてくれとのことだった。
今は深夜だし、この日は諦めるしかないか。
私はその説明に納得し、部屋に戻る。
部屋には反省しているアケミの姿があった。
私は、「明日になったら、ホテルのスタッフが拾ってくれるから気にしないで。」と伝える。
彼女は「本当にごめんなさい。」と言う。
良いよ、良いよと彼女を慰める。
そして、「実はさっきの電話は、私のスタッフが仕事上でトラブルを抱えてしまって。これからその対応のため少し外出するけど。アケミはこの部屋で待っててください。寝てていいからね。」と説明する。
アケミはすっかり聞きわけの良い子に変わっており、私の言い訳にウンウンと頷く。
私は、日本のスマホ(ラインは主にこちら)を確認する。
新規未読が30数件。
戦慄が走る。
全て、マリーからのものだった。
私は再度、アケミに「何時に戻ってくるか確かなことはまたラインで連絡します。ベッドで寝てていいからね!」と伝え、部屋を出る。
エントランスまで降り、マリーからのメッセージを開く。
30数件、全て『Call Missed』だった。
ヤバいっ!
私はすぐに折り返す。
そして、着信音も聞こえない内に、電話がつながる。
マリー「Here!」(ここだっ!)
えっ!?
私は、もしかしてと外を見る。
外には見覚えのある黒いSUVが止まっており、後部座席からマリーの目が見えた。
殺意を感じる目力。アーモンドアイの普段は美しい彼女の目が、この時は死神のものを彷彿とさせる。
私はすぐに外に出て、その車に乗り込む。
[次回あらすじ]
ホテルにアケミを残し、マリーと合流。激オコの彼女にどう言い訳するか。そして、この夜はどのように収まるのか。