[オノケンブログ前回のあらすじ]
LAカフェは暗黒のカフェです。様々な人種の人間がさまざまな思惑を胸に来店してきます。そこで私は見覚えのある人物と出会います。30代以上の人ならだれでもわかるあの人物です。そんな人物とLAカフェで出会うとは思いませんでした。
LAカフェで元日本代表選手と出会う!?そしてディビソリアで悲劇が起きる
オノケンブログを最初から(序章)読んで頂けると幸いですm(__)m
私がレンジと出会う前、レンジがどのような経験をフィリピンでしてきたのか、私がマニラに通うようになる以前について書かれていますので、レンジの章を読むことでよりクレマニを奥深くお楽しみいただけると思います。
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
[奇祭・ブラックナザレ祭りで有名なキアポ教会へ。悪ふざけで天罰!?]
ディビソリアでの買い物も一段落したところで、ディビソリアからほど近い“キアポ教会”に向かうことにした。
キアポ教会には何があるか。
そう、ブラックナザレ像である。
毎年1月9日には“ブラックナザレ祭り” がマニラにて開催される。
キアポ教会を神輿のように担がれてでたブラックナザレは、マニラの各地を巡り、最終的にまたキアポ教会へと戻ってくるのであるが、そのお祭りには毎年とてつもない人が参加するとのことである。
日本のテレビでも世界的に見ても奇祭の一つだと紹介された。
なぜここまで多くの人がこのお祭りに参加するか、熱狂するかということである。
ブラックナザレとは、黒いキリスト像である。
400年以上前、キリスト教の布教のためにメキシコからフィリピンにキリスト像が運ばれる途中に、船内での火災があった。
しかし、火災に見舞われたにもかかわらず、その形を崩すことなく残ったこと・そして火災により自分たちの肌に近い色に変わったという点で、ここまで深く信仰されているようである(諸説あり)
この像は非常に神秘的な存在とされており、触れることで病気が治る・願いが叶うと信じられている。祭りの最中は、このブラックナザレ像を触ろうとする参列者が押し寄せ、多数の怪我人、死傷者まででるほどである。
私もその祭りがあることを、今回の旅の少し前に知った。フィリピンのそのような大きな存在であるブラックナザレ像を、時間がある今回の旅で是非一目見てみたいという思いがあった。
ディビソリアの近くにキアポ教会があることは知らなかったが、ちょうど訪れてみたかったディビソリアとキアポ教会が近くにあるのは幸運だった。
さて、さっそくキアポ教会に向かおうとしたが、現時点私たちがいるところからは歩くと少し時間がかかるようなので、私たちはトライシクルを利用することにした。
レンジさんがトライシクルに乗る前、トライシクルの運ちゃんとサワがなにやらタガログ語でごにょごにょと会話をしている。
私は当然彼らが何を話しているのかわからない。ふとサワがレンジさんに尋ねた。
サワ「あなた、タガログ語は話せるの?」
レンジ「話すことはあまりできないけど、何を言っているかぐらいならわかるよ」
私「え?レンジさんタガログ語のリスニングできたんですか?」
レンジ「いや、ほとんどわからないよ」
私「めちゃくちゃさらっと嘘つきますやん。どうしたんですか?虚勢を張りたい年頃なんですか?」
レンジ「いや、もしここでタガログ語がまったくわからないと言ったら、運ちゃんとサワでわけのわからない打ち合わせでもされたら気持ち悪いじゃない。そもそも運ちゃんとひそひそと話している最中にタガログ語がわかるかって聞いてくる時点で、こっちにあまり聞いてほしくない会話をタガログでしようとしてる証拠じゃん。サワも所詮、お金目当てでガイドしてるだけだから、土地感無いような所で簡単に人を信用しすぎたら危ないよ」
私「た、確かに。さすがレンジさんです。ものすごい説得力です。虚勢張りたい年頃とか言ってすみませんでした。後で飲み物ご馳走させてください」
レンジ「尊敬した?」
私「その一言がある前は尊敬しましたが、今の余計なひと言のせいで半減しました」
こうしてやってきたキアポ教会。
私はてっきりブラックナザレ像には常時人が押し寄せ、教会周辺は人でごった返しているのだとばかり思っていたが、予想していたよりは人は多くはなく、あんなにブラックナザレ祭り中は触れることが困難そうだったブラックナザレ像も普通に触れることができそうである。
おそらくブラックナザレ祭り中に触れることで、よりご利益が高まるものなのであろう。
ブラックナザレ像に触れるために常に列をなしてはいるが、5~10人程度である。
人は…特に日本人は長時間列に並んで目的の物を得ることに価値を見出す人が多い。
私は、たかだか甘いものを食べるために1時間以上並ぶ日本人については理解できないが、このブラックナザレ像については、祭中にあれだけの人数が押し寄せていたのだ。少々並んででも近くで見てみたいという思いがあった。
しかし、実際に訪れてみると5人程度並ぶだけ、時間にして1分程度で触れることができることには少し拍子抜けである。
列に並んでいる人たちは。みな像を触ってお祈りのようなことをしたり、持っているハンカチで像を拭いていたりしていた。
私はキリスト教徒でもなんでもないため、そのような祈りを捧げることもなく、ただ単にブラックナザレ像に触れてみただけである。
その後、一度出口へと進んだが、ここで私の頭の中に子どものような発想が生まれる。
私(心の中)「写真撮影ができるんなら、“俺の筋肉とブラックナザレ”というテーマでレンジさんに写真撮影してもらえばいんじゃね?これぞインスタ映えってやつか」
こう思った私はレンジさんに写真撮影を頼み、もう一度入り口へと向かう。
列に並ぶ私の前後のフィリピン人は熱心に祈りを捧げているにもかかわらず、私はレンジさんに写真を撮ってもらいながらポージングをしていた。
そして、3日後に私に天罰が下る。