朝青龍が私の背中にキスをした。
オキニの子なら、むしろ喜ばしいこと。しかし、こんな訳のわからん小錦みたいな腹をした朝青龍におニューのお気に入りシャツを汚された日には、そりゃカチンとくる。

 

「本当にそれやめて。見て。白いシャツなの。今あなた口紅して、キスなんかしたら色がつくよね?分かるよね?このシャツ気に入ってるんだ。2度としないで。理解した?」

 

声は荒げてはいない。
が、静かな私の怒りに完全に朝青龍怯む。
終盤の終盤だったが、ようやく大人しくなった。

 

が、私の気持ちとその雰囲気も知らずにこのアマ(マリー)は、

 

「連絡先交換した?ちゃんと交換しときなさいよ❤️」←ウインクバチコーン

 

バチコーンじゃねんだよ。
いらないのよ朝青龍の連絡先なんて。
交換したところでまた俺のブロックリストが1つ増えるだけなのよ。

 

でも、断れない私は、嫌々ながらに交換。
朝青龍にQRコードで連絡先を渡し、向こうからのメッセージを受信。
そして、その画面を確認するついでにブロック処理を終えた。

 

 

退店。
一体いくらいったのか怖くて聞いてないが、LDだけで30杯は余裕で超えているはず。仮に1杯400ペソだとしても、LDだけで12000か。もうボトルにした方がよかったやつだ。
レンジさんはまるで銀行員のごとく鮮やかにペソを数えて支払っていた。

ようやく外に出られた。外の空気がこんなにも美味しいなんて。

それにしてもなんだこのクソみたいな無駄な時間は。
多分数十回と来ているフィリピンで最も無駄だと感じた時間だ。
なぜストレスを感じながらもJTVにいないといけなかったのか。

 

帰りたい。1秒でも早くマラテに帰りたい。

 

が、しかし、だがしかし。
外に出たところでウダウダとレンジさんとマリーが話している。

 

イライライライライライラ…

 

そしてレンジさんと話終わると、今度はマリーは私のところに。

 

「朝青龍、どう?気に入った?」

 

と聞いてきたのだ。
頭沸いてんのかこのアマ。冗談でも笑えない。
イライラが溜まりに溜まっていた私は、はっきりと

 

「ボケなの?気にいるわけないやん。彼女見てよ。どこが美人なの?あれが美人って、あなたの美的センス、ピリオドの向こう側行きすぎでしょ。眼科いけ眼科に。ボケが。あと、あのスタイルよ。そもそも巨乳と呼べる代物ではないし、腹よ。腹がですぎなのよ。相撲取りか?日本の国技バカにしてんのか?もしくは妊娠してんのか?おめでたかこら?ご懐妊かこら?元気な赤ちゃん産んでくださいってか?あと、一番なにがダメって、彼女下品なの。初対面の男が望んでもいないのに、ベタベタベタベタと。そりゃそんなんが好きな男もいるだろうよ。でも俺はあんなん絶対嫌。2度と紹介しないで。ボケ」

 

と上記の文を2秒ほどで心の中で言い、実際は

「うん、タイプじゃないな。少しアグレッシブな感じも好きじゃないからね。俺は控えめな感じの子が好きだし。連絡先は教えたけど、絶対連絡は取らない」

とだけ伝えた。
そろそろ次の旅あたりで、彼女ができたことをマリーには言おう。もう彼女からの紹介には全く期待できないことだけはわかった。

※私の今回の旅でのストーリー後は、レンジさんによるアナザーストーリーが展開されます。
同じ日程で旅をした二人の、それぞれの目線で綴ったストーリーをお楽しみいただければと思います。
そのため、私目線でのストーリーでは、レンジさんの状況等、特に彼のストーリーの核となるようなものについては、極力避けながら話を展開します。要約すれば、マリーに関する私たちの会話等は、私の章では割愛するという感じです。




さて、マラテに戻ってきた。
さぁ、プレミアクイーンに行って、サナの美人顔でお口直しだ💖

と行きたいところだが、今日サナは、体調不良で休みだと少し前に連絡が来ていた。
ただでさえも少ない日程。とっとと店に複数回行くことで関係を作りたいものだが…うまく事が運ばないな…

 

となると、次はやはりハナの店、Aijin愛人だな。
よし、レッツゴー!!

 

…と、このまま店に直行なんて、素人のすることよ!!
まず、私がなぜ直で愛人に行かないか、その理由を考えてほしい。

 

 

 

…もういいかい?

 

…まだかい?

 

…流石にもういいかい?

 

…答え行くぜ?

 

…自分で答えを出さずに、解答を見ようなんて楽しちゃダメよ?

 

…では正解に。

 

まずシャツについているかもしれない朝青龍の口紅をチェックしないといけない。
背中なので、ハナにも見つかりにくいだろうが、気が付かないところに朝青龍の痕跡が残っているかもしれない。
以前、街中でバクラに首すじにキスマークをつけられ、意中のフィリピーナと揉めた経験をここで活かす。

 

次に匂い。
あれだけ朝青龍にベタベタされたのだ。
ちゃんこ鍋みたいな匂いはついてしまっている可能性は高い。

 

もう日が変わる前だ。
「仕事でマカティに行ってくる」
なんてハナには伝えてでたが、こんな遅くまで仕事なんて、ハナに疑われても仕方がない。
疑われている以上、痕跡はきちんと消さないと。

そのため私はレンジさんに、30分後の再度集合をお願いし、部屋に戻った。

 

すぐにシャツをチェック。

 

クソ…やっぱり背中に口紅跡…クソが!!!

幸いべったりとしたものじゃないため、洗濯すれば目立たなくはなりそうだ。
とりあえずは、水で汚れ箇所をトントンして、においが漏れないように袋に入れ、そのあとシャワーを浴びた。
これで完璧だ。

 

30分後。シェラトン前の喫煙所。


ここの喫煙所は我々のお気に入りの場所だ。しかし、喫煙所の場所は変わっていないが、テーブルと椅子は撤去されている…
残念だ…
ここでまったり座って作戦会議をするのがどんなに好きだったか…

少ししてレンジさんと合流。
次なるKTVに向けて彷徨い出した。

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オノケン
オノケンは日本で働く普通の30代サラリーマン。先輩レンジの誘いから、マニラ旅行へ。それ以来、マニラに通うように。趣味はフィットネスで筋肉こそ正義だと思っている。海外旅行はリアルドラクエのため筋トレでレベル上げをしている。 オノケンブログでは、マニラ旅行記やフィリピーナとの恋愛をメインに、英会話の上達方法などを記事としてアップしていきます。

13 コメント

  1. マーキングされたのですね🤣自分も今回A子ちゃんとイチャイチャ予定だったのに、B子ちゃんに首をかじられてしまいハート形のマーキング😅飲んでて首元が赤くなるのでバレないと思ってましたが見事バレて撃沈😭
    それから滞在中はマーキングに対しケンさん同様厳しいチェックをしてました🤣

  2. 相撲部屋を出たらお口直しは必要ですよね🤩
    よく乗り越えましたね。私は腹立てて帰ってたかもしれません😅

  3. 最高です。これぞクレマニ的な回で期待を裏切りません!赤字の声は心の声だったんですね(笑)。言ってたらどうなっていたことか!。想像するだけでも笑えます。多分レンジさんに飛び火してただろうなぁ、なんて。

  4. これはもう…大相撲マニラ場所。
    素敵なストーリーごっつぁんです!
    やっぱり最高です。クレマニ!

  5. 赤字は心の声だと予想していましたよ。
    声に出すと何が起こるか気になります。

    次回の旅ではマリーが別の関取を紹介してくれるでしょう。マッスルvs関取の異種格闘技戦を楽しみにしています。

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