気の使えるチチが離席中、サナと二人きりになった。
サナは少し俯いてはいるが、やはりクソ可愛い。
昨日の狼藉をこの一瞬で後悔した。

チチが離席していた少しの間、サナと私が話した内容を記そうとした…いや、一回記した。
それを自ら読み返していて感じたことだが、思わず画面に唾を吐きかけたくなるほどのアホほどつまらない内容だったので割愛させて頂く。

 

昨日のことをひたすら謝る私と、あなたは怒ってると何度も言うサナ。
最終的にはきちんと仲直りして、飯食ってる間の多くはお手手繋いでたっていうなんでもない話だ。

 

仲直りが済み、ふと前の方に目をやると、チチがこちらの様子を柱の影から“家政婦は見た“ばりに伺っていた。
私が親指を立てると、私たちに近寄ってきて

 

「じゃあしゃぶしゃぶのソースを作りに行くよ!!」

 

とまた私とサナの腕を取り、ソースをとりに行った。
チチ…マジで気が使える子だな。
普通に友達としてこれからもよろしくお願いしたい。

チチは、3ヶ月前までは彼氏がいた。
しかし今はフリーであり、募集中だそうだ。
顔よし乳よし性格よしの彼女は、半年前ならかなりおすすめしたい、むしろ私が彼氏に立候補したいほどのフィリピーナだった。

 

しかし、今は少しぽっちゃりが進んでいる。
それでもまだぽっちゃりというより、ぽっちゃり寄りの普通体型といった体型だが、私のストライクゾーンからは外れた。
ただ、性格は抜群にいいので、次会うときにレンジさんにおすすめしよう。

 

私のレンジさんとしたいことの一つに、ダブルデートがある。
もちろんお互いがカップルじゃないとダメだ。
お互いのカップルを目の前にしてイチャイチャするんだ!!
きっと彼女のことはレンジさんも気に入ってくれるはずなので、恋の筋肉キューピットにでもなるか。

さて、ソース作りが終了し、運ばれてきた具材たちを鍋に放り込んで完成を待っていた頃。


サナとチチが入り口あたりに座った二人の男女に手を振った。

 

「ん?知り合い?」
「うん、女の子の方はね」

「そうなんだ。奇遇だね」
「いや、ここで合流しようって話してるから偶然じゃないよ」

「どういうこと?」
「見てよあの男。ケンさんどう思う?」

 

その男は、年齢は30歳くらいで、ちょうどオードリーの若林を身長160センチくらいに縮めて、さらに10キロくらい太らせた感じだ。

 

「いや…まぁ…優しそうだよね」←褒めるところがないときに日本人が使うワードNO1
「あれ中国人なんだけど、結構しつこくアプローチするくせに、英語ほとんど話せないんだよ。ただの体目当て」

「そうなんだ。旅行者?」
「マカティで働いてる。もう6年くらいになるって言ってたかな?」

 

「6年も?それで英語話せないの?」
「多分中国人ばかりの職場だから英語を話す必要ないんでしょ」

「でもアプローチしたいなら英語かタガログくらいは多少でも話せないとね」
「普段はメッセージだけだから、翻訳アプリとか使ってコミュニケーション取ってるみたいだけど、今みたいにアフター行った時は、ほとんど会話もないんだって」

 

「よくそんな人とアフター行こうって思うねあの子も」
「まぁ客だからね。頻繁に店にも来てそれなりにお金使ってくれてるみたいだし、アフターくらいはたまには付き合わないと、すぐ来なくなっちゃうでしょ。ポイントのためだよ」

「なるほどね。彼女はどこで働いてるの?」
「前は私たちと同じスーパースターで働いてたんだけど、マラテって体目当てのF××k男ばっかりでしょ?それに嫌気が差して、今はマカティの真理子って店で働いてるよ。あそこは終了時間もきっちりしてるし、マラテに比べると給与面とか客の質とかもいいし」

 

「そうなんだ………え、真理子!?」
「え、どうしたの?」

思わず声が大きくなってしまった。
真理子で働いているなんて、今最も話が聞きたい子やん。
旬な話題やん?マリーのこと聞きたいやん?

 

「いや、なんでもない。でもマカティからなんでわざわざここに?」
「彼女、家はこっちにあるし、どうせあの中国人とは長いアフターにはならないから、さっさと向こうのご飯を終わらせて、こっちに合流するって」

 

「あー、じゃああの中国人が帰った後にこっちにくるのね?」
「うんそうだけど、大丈夫かな?」
「うん、全然大丈夫。ウエルカムだよ」

 

 

 

おもろくなってきたやんけ!!
なにこの展開!!神風吹いとるやん!!
これこれー!!!




そうと決まれば、さっさとあの中国人帰らんかいボケ。

 

向こうのアフターの様子はひどいものだった。
会話ができないため、飯を食うか、お互いスマホをいじるかのどちらか。マジで全く会話がない。かと言って翻訳アプリを使ってメッセージをやりとりしてる感じもない。
しかも対面に座っているため、“会話がなくても二人の時間を楽しむ”とかそんな雰囲気でもない。
破局寸前のマンネリカップル状態。

中国人男よ。
お前なんでアフターに誘ってんだよ。
そんな控えめに言ってもクソみたいなアフターして、少しでも距離が縮まるとでも思ったのか?
もしかして、アフターOKしてくれる=ワンチャンくらいに思っているのか?
確かに店の外で会うんだから、それに期待する気持ちもわからなくもないが、残念ながら全く相手にされていないのが現実だ。

 

つか、最低限の努力はしろよ。英語なんて下手でもいんだよ。
喋れないところから努力して少しでも身につけたっていう姿勢が大事なんだよ。
そりゃ速攻で股開くガバガバフィリピーナだってそれなりにいるけど、お金で簡単にワンチャンできない子って、もう何度も店通って何度かアフターしたならわかるだろ。
気がつけよ。
そして早く帰れよ。

 

中国人は1時間もしないうちに帰って行った。
私はその後ろ姿に、言葉にできない優越感に浸りながらサナとチチと一緒になって手を振った。
そして中国人と一緒にいるときは本当につまらなさそうな顔をしていたフィリピーナは満面の笑顔でこちらに合流した。

 

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オノケン
オノケンは日本で働く普通の30代サラリーマン。先輩レンジの誘いから、マニラ旅行へ。それ以来、マニラに通うように。趣味はフィットネスで筋肉こそ正義だと思っている。海外旅行はリアルドラクエのため筋トレでレベル上げをしている。 オノケンブログでは、マニラ旅行記やフィリピーナとの恋愛をメインに、英会話の上達方法などを記事としてアップしていきます。

4 コメント

  1. 色々と情報を拾えるかもしれないと思うとドキドキしますね。でも逆も然りで、情報を渡してしまうこともあるのでご用心ですよ😅

  2. 中国人は基本中華思想があるから、多分、フィリピン人に対しても、「俺の彼女になるためには、中国語を勉強してみろや~」的に思っていると思いますよwww めんどくさい人種ですからね~

    但し、香港人と、台湾人を除きます。

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