ーーー空港に来るのも久しぶりだな。

ですね。てか、いうてまだ人少ないし、チェックインカウンターもあまりオープンしてないんですね。

 

まだ便数が少ないんだろうね。一日2万人だかの制限もあるし。

そんなタイミングでヘラヘラしながら海外旅行に行く我々はやはりクレイジーですね。

だな。

 

オープンしているチェックインカウンターは少ないが、フィリピン行きは結構な行列をなしていた。搭乗率は決して多くないはずなのになぜこんなにも列になるのか…その理由は列に並ぼうとした時に判明した。

 

Onehealthpass

なるものの存在である。

後にフィリピンに入国の際に必要なものというネット記事を再確認したが、確かにそこに書かれてあった。見落としである。

並ぶ前にそのonehealthpassを取得するためにGoogle検索からの、必要事項を入力する。

 

フィリピンに入国するためのものなので、当然表記は英語。

少なくとも私の英語レベルでは解読が厳しいものもあった。

事前に落ち着いて入力するのが絶対的にいいだろう。

 

さて、レンジさんに入力を助けてもらいながらなんとか終了。

列にあらためて並ぶ。

チェックイン自体はスムーズに進んだ。

蛇足だが、セブパシのチェックインカウンターのお姉さんが死ぬほど可愛かった。席を回転して、立ち上がる瞬間に少しだけ無防備になった太ももと太ももの狭間の、

パンちらするのかしないのかどっちなんだい

の瞬間が今でも目に焼き付いている。

 

それからいつもの最後の晩餐をし、飛行機に乗り込んだ。

 

今回の私たちの席は通路を挟んで隣同士。隣もおらず、なかなか快適な飛行機の旅になりそうだ。

そして幸運なことに、私の後方の席には誰も座っておらず、リクライニングが使える様子。これはラッキーと、リクライニングを倒そうとしたら、忘れていた。

セブパシにはリクライニングがないことを。なんと勿体無い。

 

それからスムーズな離陸を終え、レンジさんと話し始めた。

 

ーーーケンさん、スパイファミリーって観た?

えぇ、すごい好きですよ。特にOPがいい。僕、あの曲で髭男爵知りました。

https://youtu.be/CbH2F0kXgTY

そう、まさにその話題を振ろうと思ってたのよ。あの曲歌いたくてさ。

あの歌早いし、音程もすごい取りづらいし、何より高い。女性並みの高さですから、私には無理ですね。

 

高さはきっと大丈夫。問題はあのテンポについていけないのよね。

そうですね。

 

今回のフィリピンで歌いたい。ちょっとこの時間使って練習するわ。

はい、イメトレ頑張ってください。

 

イメトレ…飛行機内でできることといえばその程度だ…

しかし。彼はやはり私の考えの範囲内では括ることができない男だった。

 




 

その会話後、私はipadであらかじめダウンロードしていた映画を見ていた。

が…

 

オオオオオーーかkしgとだrk、なryきまかせのーーー

 

ん?

なんだ?イヤホンをつけているのに何か聞こえる…

 

イヤホンを外してみた。

音の出どころは…

彼だ…レンジさんだ…

 

飛行機内は決して静寂に包まれているわけではない。飛行音はそれなりに大きい。

しかし、彼は歌っているのだ。

普通に。全力で。ここはカラオケボックスかと思うほどに。なんならオオオオオーー!!!のところはシャウトだ。叫びだ。

 

フィリピン人は陽気な人も多く、よくレジやフロントの人が歌いながらの対応なんてことはよく見かける。

しかし、彼のそれは周りのフィリピン人ですら、

 

何こいつ、めちゃ歌ってんだけど。てか叫んでるんだけど。

 

みたいな怪訝な顔でチラチラみている。私はフィリピンに着くまでの間、完全に他人になることにした。

彼の熱唱は1時間近く続いたのであった。

 

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オノケン
オノケンは日本で働く普通の30代サラリーマン。先輩レンジの誘いから、マニラ旅行へ。それ以来、マニラに通うように。趣味はフィットネスで筋肉こそ正義だと思っている。海外旅行はリアルドラクエのため筋トレでレベル上げをしている。 オノケンブログでは、マニラ旅行記やフィリピーナとの恋愛をメインに、英会話の上達方法などを記事としてアップしていきます。

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