狂ったようなフィリピーナ。漆黒乳輪と白パンティ

マラテのKTV、愛人で出会った奇行種「常時白パンティ見え下品顔ヘルプフィリピーナ」のワカメ。

相変わらずこちらが全て英語で話しているにもかかわらず、日本語で話すことをやめない。
しかも日本語が無茶苦茶すぎて、英語で話してくれた方がよっぽど意思疎通ができそうだ。

そんな中、ワカメが私に聞いてきた。

「オキャクサン、ドリンクイイデスカ〜？」

いや、こいつバカなのか。
お前はただのヘルプ嬢。俺が指名しているのはハナだ。
なんでお前にドリンクを奢らねばならない。

「いや、俺は指名した子だけにドリンク奢ることにしてるから、ごめんね」

そう言ったら

「イイデスヨイデスヨ。ワタシイデスヨ」

と答えた。
理解してくれたかと思っていたら、何をトチ狂ったのか、いきなりハナが注文したサンミゲル(注文してすぐに他の指名客の所に行ったので、ほぼほぼ全部残っている)を持ち、グビグビ飲み始めた。

き…奇行種…

他の嬢が注文したドリンクをなぜお前が飲む？それで何になる…？

「シークレットシテネ。バレタラペナルティネ〜」

いや、いきなり飲んでおいて、なぜこちらに秘密を強要する？
意味がわからん。

「…ペナルティーなら飲まないほうがいいんじゃない？」
「オキャクサン、ドリンクイイデスカ〜？」

だめだこいつ…マジで話が通じねぇ…
断ったやんか、ものの数十秒前に。

言っておくが、ワカメは酔ってはいない。ちゃんと焦点は定まっている。
真っ直ぐな目でこちらを見、そして訳のわからないことを口走るのだ。

ハナ…マジで早く帰ってきてくれ。
時間稼ぎにさっきトイレ行っちゃったし…誰か助けて。

助けを求める私の強い念が通じたのか、店内の音楽が切り替わり、ショータイムの時間が到来したようだ。
左右に分かれているボックス席の中心の通路にフィリピーナが並ぶ。
よし、ワカメからしばし解放される。

…

…

…

ワカメよ。なぜお前が俺の目の前に立っているんだ。
頼む、どこか他の場所で踊ってくれ。なんならトイレの個室で踊ってきてくれ。
もう踊る前からパンティ見えてるから。

そして始まったショータイム。
結構ハイテンポな曲だ。
踊りが無駄に上手く、激しいワカメ。

予想はついていたが、パンティなんて見えすぎてやばい。
が、予想外なことが一つ。

通常Lサイズを着るべきワカメがSサイズを着ることで、少し動くだけでパンティーが見えるほどギリギリライン。
しかし、ギリギリなのは下だけではなかったのだ。
上もだ。上もギリギリだったのだ。

無駄に上手く激しく踊るものだから、服と共に肩紐のないブラがずり下がってきて、漆黒色した乳輪の上の方がこんにちは。
少しするとワカメも衣服が下がっていることに気が付き、グッと衣装を上に持ち上げる。
しかし、衣装を持ち上げたことで、下も持ち上がり、パンティーがバーンと見える。

少ししたらまた漆黒乳輪、衣服持ち上げ、白パンティーバーンという、漆黒乳輪&白パンティーの繰り返しだ。
黒と白のなんちゅうコントラスト。

しかも、ワカメは頻繁にこちらを見ている。時にはめっちゃこっちを見ながら踊っている。誘惑するような目をしながら。

地獄だ。

もう一回いうが、あなたはただのヘルプ嬢なんだ。全くタイプではない。
お前からフェロモンなんて出るわけねーだろ。クマモンみたいな体型しやがって。出ているのは漆黒乳輪と白パンティだけだ。

それにしても、何度乳輪の上の部分が見えようと、その状態で激しく踊ろうとも、乳首までは見えない。
乳首が引っかかっているのか？

だとしたら、その引っかかり力、どないなっとんねん。
形状がフックみたいになってんのか。
フック乳首かよ。

黒フック乳首ワカメが席に戻ってきた。
汗をかいたのか、戻ってきて早々に、私の前に置かれている「私の」おしぼりで体を拭き始めた。そしてハナのために注文した先ほどのサンミゲルをグビグビ飲んでいる。
破天荒がすぎる。

私は諦めた。

なんか隣でワカメが
「オキャクサン、ドリンクイイデスカー」
とか言うてるけど、すべてを諦めた。

無視だ。もう彼女のことは無視しよう。

私は何も聞こえない何も見えない誰からも話しかけられていない。

さようならワカメ。

個人的には、非常に好きな回でしたが、もし“ハードル上げてきた割には…”ってなっていたらすみません！