[レンジブログ 前回のあらすじ]
美しいフィリピーナのアミーとKTV内での接客を受ける。二回目のフィリピン、レンジの冒険はここから始まるのか。また、記事内でフィリピーナの出身地(どこの地方から上京してきたのか)について田原なりの考察を紹介。
[前回の記事]
【レンジブログ9】指名したフィリピン女性の性格は出身地でおおよそわかる?
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
[レンジブログの第一話はこちらから]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
【レンジブログ10】KTVの女性は子どもあり。来日経験者は日本人彼氏との恋愛経験あり。
話しを続ける内に、アミーは23歳である事、日本にタレントとして二回来日し、計一年ほど福岡で働いていたこと、在日中には中年日本人の彼氏がいたことなどを教えてくれた。
どうやら、日本人を接客する事、日本人の扱いには非常に慣れているようである。
少しだけ嫌な予感がしていた。すると、
アミー「ノミモノ、イイデスカー?」
やはり来た、慣れている。分かっているけど、本音としてはこちらが聞くまで待ってほしいかな。
後に知るが、こちらが飲み物どう?と聞いても断ろうとする働き始めの純粋な女性もいる。私はそんな子と出逢いたかったのだが。
ミスったかー…超美人だが、この妖艶な雰囲気で何人ものお客を手玉に取ってきたのだろう。
この女性には失礼な話だが、接客開始から15分程で私の戦意は一気に失っていた。
[アミーの似顔絵その2]
その後は、いつ仕事を始めたのか、この仕事はどうか、どこに住んでいるのかなど主に彼女の事を聞きながら場を過ごした。
特にその中での話題で、彼女の帰国後、ここでの仕事において知るところ。
彼女も含めここで働く女性達は、マニラ界隈での特定の国の人達の振る舞いに怒りを持っていたよう。私は、アミーから彼らの無礼な振る舞いに対するクレームを聞かされ続け、その処理にことごとく疲れた。
また、日本人に対するクレームもあった。とにかく日本人はパロパロ(蝶々という意味、パルパロとも言う)であると。
以前付き合っていた日本人は、浮気ばかりであったし二度と日本人は信じないとのこと。
はいはい…。早くももう、フィリピンに来ることはないかも、とまで思い始めていた。そして、さらに駄目押し。
アミー「ワタシノコドモ、ゴサイ」
本来は彼氏がいる事や子どもがいる事は接客上秘密にしなければならないらしいが、アミーは自分から話してきた。私は無難な客と思われたのだろうか。スマホに保存してある家族や元彼の写真を私に見せてくる。
私「Oh nice! Oh cute! Oh handsome!」(おー、素敵! おー、かわいい! おー、男前!)
英語圏の文化をイメージしてとりあえず褒めておく。
マニラつまんねー。この巻きはミスったー。
アミーは悪くないのだろうけど、ごめん。何だかその文化が好きになれない。このときは本気でそう思っていた。(それでもこのグランドヨーコには以後通わせて頂くことになります。スタッフさん達はとても親切で、女性のレベルも高く、大変おすすめの現地KTVです。)
ワンセット早く終われー、田原さん今回はごめんなさい。
フィリピンのデフォルトスタイル。
十代で子どもを産み、その彼氏はもちろん逃げた。家族皆、自身と同じく様々な問題を抱えており、一族単位でお金に困る。まともに働く意志があるのは私しかいない。血族皆のため、現地KTVで働く。若さが故その気になり、さらに稼げるかもとタレントとして来日。
しかし、現地と外国を仲介するブローカーの喰い物にされ続け、満足な給与を受け取れぬままビザ切れ。帰国しても、金づる頼みの日本人彼氏とは連絡が取れなくなり、自身が若い内は家族のために稼ぎの良いマニラのお店で働くしかない。そして、ビザが取れれば再び日本へ。
皆よく知るこれぞフィリピンパターン。悲しい現実である。
[フィリピンのことを良く知らない人は、フィリピーナと交際を始めるとすぐに「はっ? ふざけんなっ!! やってられるかー!!」とすぐなるかと思います。私もこの頃はそうでした。(JAPANが国際的に特殊すぎること、豊か過ぎることをご理解ください。)]
今後私は、様々なフィリピンパブ KTV に通うようになってわかってくる事なのだが、ここのような所謂夜のお店で働く女性には必ずその理由があるのだ。
子どもや親兄弟の医療費、借金、家賃、自身の学費を稼ぐ必要があるなど、プロブレムアルである。特に、日本へまで出稼ぎに行くということは相当な事情を抱えていることは間違いない。
後に、ここフィリピンのお店に限り、家族や自身に特に問題がない女性も稀にいる事を知るが、見た目のタイプとその事情はほとんど一致する事はない。
二回目のフィリピン、期待は大きかった。楽しみにしていた。一年ぶりの渡比、初っぱなのお店でこれですかと、ただ悲しかったことを覚えている。
やはり私はここでは外国人、彼女たちと恋愛関係につながることはないのだろう。
[田原と彼の指名した女性は楽しそうにカラオケをしようとはしゃいでいた]
田原と女の子「LOVE IS OVER~ ♪」
隣の歌声が聞こえてきた。私は心が早くも折れていたが、田原さん達はものすごく盛り上がっている様子で、二人してカラオケを楽しんでいる。
良いなー、楽しそうだ。これが本来の楽しみ方であろう。私のような下心満載の日本人にはラッキーはない。よし、せっかくフィリピンまで来ているし、私も何千ペソか払うなら飲むしかない!
指名チェンジの勇気はなかった。日本人特有の遠慮、お人好しかが抜けなかった。しょうがない、残り時間は飲んで歌って楽しく過ごそう!
それから、テーブルに置かれたウイスキーをソーダ割りで飲み続けた。ものの一時間でベロベロになるほど。
セット時間終了間際、一応アミーとラインの交換をした。彼女の日本人受けしそうなルックスは、私も好みだったからだ。酔いも回っていたし、子持ちの性根の悪い人かもしれないが、軽い交際だけならアリだなと気楽に思っていた。
田原さんもほんわり顔が赤くなっている。お酒にはあまり強くないのを私も知っている。
スタッフ「ジカンデスー」
気付けばラスト、会計の時だ。すかさず田原さんは私を制して伝票を受け取り、支払いを済ませる。私は感謝を込めて会釈する。
田原さんはおそらく4、5,000ペソを渡していたように見えた。
支払いが完了。指名された女性達にエスコートされ店外へ出る。
[次回タイトル] マニラの夜は、午前4時頃から再び活気づく。通りにはお店の女性がプライベートの姿で。
[次回あらすじ]
ほとんどのKTVは午前3~4時頃に閉店する。その後は当然働いていた女性達が店外へ出てくる。ホテルへ帰るまでのあいだ、フィリピーナの通りを歩く本来の姿が微笑ましい。