[レンジブログ 前回のあらすじ]
フィリピーナのマリーと、仕事終わりにディナーの約束をとりつけ、部屋で待つレンジ。なかなか彼女からメッセージが来ない。しかも、何だかトラブルの予感?
[前回の記事]
【レンジブログ47】フィリピーナが客の取り合いを始めて修羅場に?
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
【レンジブログ48】フィリピーナは難しいのか、日本人が難しいのか
マリーへ何度か電話と、「I wanna see you please」(あなたに会いたいです、お願いです。)とメッセージを送った。しかし、マリーが既読を付ける様子はなかった。
私は、マリーにコンタクトすることを諦めた。今回の私のマニラ旅行はここで終わった。
この昼の帰国に備えて、部屋で休むことにした。時刻は、午前五時を過ぎた頃。この後は4,5時間休んで、ホテルをチェックアウト、空港へ向かわなければならない。
私にとって2回目のフィリピン、マニラ旅行だった。3泊4日の旅程、私なりに頑張ったつもりだった。もちろん、すごく楽しかった。新しい発見があり、いろいろと社会勉強になった。今回、現地に何人か知り合いもできた。十分だ。
日本で普通に会社員をしていれば知るはずもない別世界をこの目で見学できた。日本からわずか4時間程度のフライトでこんなにも異なる世界が広がっている。
全てが非日常、刺激的で、いつまでもこの国この土地に居たいなと考えることもあったほど。マニラへの海外旅行、本当によく楽しんだと思う。
今一度、冷静になって私自身のことを考えてみる。
今日は月曜日、日本は祝日だ。
この日の午後に帰国すれば、次の日から自宅とオフィスを往復する日々が再び待っている。日本での日常が再開されるだけだ。
30歳を過ぎ、職場での責任とストレスは増え続けるが思い悩むほどではない。給料は日本で普通に暮らすくらいには貰えている。
贅沢ができるほど貯金額はないが、たまにはこうやって海外旅行へ来る時間的な余裕もある。
ごくこく一般的な日本の男性会社員だ。
[飛行機から見た日本。私は飛行機は嫌いだが、高いところからみる地球は好きだ。】
私が生まれた国は幸いにも、最も清潔で、安全で、豊かな場所。自然災害や情勢不安、貧困などの問題は確かにあるが、普通に生を全うするのには何一つ不自由のない国、現代の日本。
大学教育も母国語の日本語で受けられる希有な国家。
全世界で人々の人生幸福度を総合的にポイント化、ランキング化したときに、私の人生の順位は相当上位に来るはずだ。
将来的な不安と言えば、親の老後と自身が年金の貰える年齢まで健康でいられるかどうかくらいである。
悩みという悩みはない。
しいて言えば、海外リーグで活躍する日本人サッカー選手のニュースが生きがいである程度だ。
しかし、何故だろうか。
全く満たされているような気がしない。
無いものねだり、贅沢なのは分かっているのだが。おそらく日本に帰り、日常が始まれば、今の気持ちなどすぐに忘れるのだろう。
前回、初めてフィリピンに来た時も同じような気持ちだったと思う。
その時はもう二度とフィリピンに来ることはないだろうと思っていた。そして、今回も。
フィリピンの人々は明るく、心から笑っているように思う。そしてよく歌う。彼らが突然鼻歌を口にすることは初め驚いた。今では、その鼻歌を歌う仕草、それが大好きだ。
パーリーが以前、このようなことを言っていた。
パーリー「フィリピン人はね、みんな問題を抱えている。ストレスいっぱい。だけど、楽しく振る舞うために、鼻歌を歌う。考えたってしょうがない。」
[パーリーを紹介している記事はこちらから 【レンジブログ2】フィリピン人女性パーリー、美人現地責任者 ]
なるほど。
フィリピンへの旅行経験がある人は皆、フィリピーナは難しいと言う。私もそう思う。
彼女達は、文化や思考、宗教や社会背景の全てが違う。
フィリピンに限らず外国とはそういう場所。外国人旅行者の都合で現地の彼女達は生活していない。日本で当たり前のことがここでも当たり前のはずがない。
日本人男性は、今まで経験したことのない外国人女性の言動を前に、理解が至らず「難しい」と表現する。
もちろん、そこが一つの魅力であることは間違いない。
ただ、ここは彼女達の国であり、彼女達が普段通り自然に過ごしていることは当たり前。言葉、文化、宗教、気候、教育、法律、全てが日本とは異なる。
フィリピーナが難しいのではなく、正しくは日本人が難しいのだろう。
例えば、マリーの立場になって考えてみる。
[マリーの似顔絵がある記事はこちらから 【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ ]
私が彼女に気があるのなら、
・日本での仕事よりも彼女を優先するだろう。一日くらいフライトを伸ばせばいい。
・他のお店に行く時間があるのならば、彼女に会いに来るだろう。
・彼女のことが好きならば、他の女性を指名することはないだろう。
・彼女が疲れて眠いのだから、会うのは次の機会でも良いだろう。
・彼女には何よりも大切な家族がいるのだから、彼らを優先することは当たり前だ。
・お金を持っているのだから、持っていない人へ分け与えることは当たり前だ。
・独身で他に彼女がいないのであれば、短時間であっても頻繁に会いに来るはず。
・いつも彼女からのメッセージを気にしているはず。二時間も返信がないなど有り得ない。
・ここでは、通信費が高い、渋滞が激しい、日曜日は教会に行きたいなど現地の生活がある。彼女が好きならば、その背景全てを把握するはず。
・恋愛はゆっくり楽しみたい。彼女が好きならば、いつまでも待てるだろう。そんなに急ぐ必要などない。
など、彼女は考えているかもしれない。普通の日本人の感覚からしてみれば、それを自己中心的だと感じる。
しかし、フィリピーナからしてみれば至極当たり前の感覚。
まして、ここは自分の国。自分自身が難しいなどと考えるはずもない。
難しいのはアプローチしてきた外国人の方だ。私の様に勝手な都合を持つ男は彼女達には「難しい」のである。
しかし、フィリピーナは本当に優しい。
豊かなイメージのある国からやってきた異国の男性を受け入れようとする姿勢は強く感じる。貧困から抜け出す手段だと考えている女性もいるが、素直に恋愛を希望する女性もいる。
また確かめるように、パーリーの言葉が浮かぶ。
パーリー「そう。でもそれだけじゃない。色々な女性が日本にもいるでしょ。ここも同じで女性それぞれ理由やシチュエーションがある。本当にお金だけが目的の女もいるかもしれないし、純粋に恋愛感情を持ってる女もいる。本当、色々。」
[パーリーのこのストーリーがある記事はこちらから 【レンジブログ21】フィリピーナが外国人と交際する理由とは。 ]
色々な女性がいる。確かに。では日本の女性が簡単なのかと言えば、そんなことはない。さらに難しい場合もある。抱えている背景もフィリピーナより悲惨な場合はある。
女性との恋愛うんぬんを語る身分にもないことは分かっている。今日の午後には日本にいる自分。
一番卑怯なのは、私だ。マリーが早めに私を見抜いたことは、彼女にとってみれば正解なのだ。
いろいろ考え、なかなか寝付くことができない。
外はもう明るくなってきており、灰皿に溜まる吸殻が増える。マリーのくれたライターが、また火がつきやすく使いやすい。
これをさっき、彼女が私にプレゼントしてくれたんだよな。
彼女から私への初めてのプレゼントだ。もう一度だけマリーに会いたかったな。
と、ここで他人にはどうでも良いが、私は重要なことを思い出す。
今日って月曜日か…今日、そういえば私の誕生日だ!
今気付いた!
自身の誕生日付近だったことはわかっていた。しかし、最近はマニラ旅行のことで頭がいっぱい、さらにこちらにきて曜日と時間の感覚が狂っていたために、完全に頭から消えていた。
マリーがくれたライターは、私にとっては誕生日プレゼントだったのだ。そのことに今、気づいた。
[マリーがプレセントしてくれたライター。この時、パンパシフィックホテルの外はもう完全に明るかった。]
彼女は私の誕生日や事情など何も知らないし、そんなこと言われてもキモいの一言かもしれない。ストーカー傾向だと言われればすぐ撤退する。
でも、私はこの100円ライターがこれ以上ない宝物のような気がした。記憶にある中で、最も嬉しい誕生日プレゼントだった。本当に嬉しかった。
この事実を彼女に何としても伝えたかった。つまり、自分の気持ちがわかったと伝えたかった。直接彼女に感謝を伝えたいと思った。
何としてもまた会いたい。会いたい。
はっきりした。
私はマリーのことが好きだ。彼女に恋をした。
[次回タイトル] 日本へ帰国した後、現地フィリピーナとどのように連絡を取り続けるか
[次回あらすじ]
レンジにとって2回目のフィリピン旅行が終わり帰国する。初めて好きになったマリーと言う一人のフィリピーナとの今後の展開は果たして。