[前回のあらすじ]
フィリピーナ彼女とその家族と共に、フィリピン ダバオ旅行へ。二日目の夜、彼女と二人でダバオのロハスナイトマーケットへ出掛ける。そして、ホテルに戻り母親の手料理を食べる。
【レンジブログ110】ダバオのロハスナイトマーケットでパンティ購入
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
[レンジブログ第一章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
[レンジ外伝第一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた
【レンジブログ111】彼女の服装がセクシー? クロコダイルパークへ
翌朝、午前8時ころ。
父親の「Good morning.」という挨拶で目が覚めた。
私「Hi, good mornig.(おはようございます。)」
父親「Your snore can kill someone. I thought under construction.(お前のイビキは殺人的だな。工事現場にいるかと思ったぞ。)」
私「I know. I’m very sorry.(知っています。ごめんなさい。)」
父親「Haha, it’s okay. And you’ll cook now?(はは、いいよ。で、今朝は料理するのか?)」
私はこの朝、自慢の手料理を振る舞うことにしていた。
[宿泊していた部屋のダイニングキッチン]
メニューは、フィリピン人も絶対に気に入る、ザ・日本料理。
それこそ、
『名古屋名物、手羽先唐揚げ!』
ジョリビー関係者もザワつくこと必至。
おそらくフランチャイズ化を阻まれ、下手をするとこのダバオで私は消される恐れもある、究極のメニュー。
フィリピンと言えばフライドチキン。
それを“和”と融合させるのだ。
さあ、感じたことのない衝撃を受けろ、父親。
日本の手羽カラはアポ山どころではないぞ。
今までの食事人生を後悔するだろう、早く食べておけば良かったと。
と言っても、料理の手順は簡単である。
1.手羽先を素揚げする
2.砂糖を加えたダシ醤油に浸す
3.味塩胡椒を振る
たったこれだけである。
ダシ醤油については、初日夜のモールにて「日本食コーナー」を発見。そこで「天つゆ」を購入していた。
味塩胡椒について、「味の素」はフィリピンではメジャーな化学調味料。
このダバオでも至るところで見かけた。同じくモールで塩胡椒とともに購入済み。
私の調理が始まった。
冷蔵庫の手羽先をキッチンに出す。
父親と、起きてきた母親が興味深そうに私の料理を見つめる。
まずは、油を適温に温めて、手羽先をまるごと投入。
中華っぽいスタイルの方が様になるだろうと、オタマで油を掛けながら揚げていく。
ははっ、どうだ、手際が良いだろう?
揚がったら、甘いダシ醤油に潜らせて、味塩胡椒を振るだけ。
ものの10分ほどで、調理は終わった。
[このとき作った手羽先唐揚げ]
これぞ世界に誇る日本食。
全てが合理化された、理想的な料理。
盛りつけの酷さなど忘れてしまう美味さだ。
父親と母親の二人が、先に食す。
母親「Wow very masarap!(わお、とても美味しいわ!)」
父親「Yeah, I love it.(そうだね、気に入ったぞ。)」
そうでしょう。それはそうでしょう! 美味しいでしょう!!
私は、「ビールは良いの?」と声を掛けると、両親は「欲しいけど、朝はいらないわ!」と笑っていた。
さて、後はマルコと弟に食べてもらいたいのだが。
二人が起きてきたのは、それから一時間後のことだった。
マルコ「Fried chicken? It’s morning now.(フライドチキン? 今、朝よ。)」
私の料理を見た彼女の顔色が怪しい。
マルコは「こんな油っこいもの、朝から食べられない。」と不機嫌そうに席に着く。
たっ、たしかに。
彼女は母親に「レンジが作ったのよ。」と諭され、何とかフォークを付けるものの、
マルコ「Soso.(まぁまぁね。)」
の一言のみ。
すぐに牛乳を飲み出した。
弟に至っては、「フィリピンのやつの方が全然美味しい。」と言ってのけた。
その時、私の表情はまさに仏像のそれであっただろう。
さすがの手羽カラでも、朝食時に、しかも冷えた状態で出されれば、それは本領も発揮できない。
手羽カラのせいではない。強いて言えば、私が選んだメニューも食事時間も全てミスっていたのだ。
満を持して振る舞った手料理は、極めて微妙な結果に終わったのである。
朝食の片付けが終わり、皆が外出準備をする。
そして、支度ができた人から、車に乗り込み始めた。
[宿泊していたホテルの外観]
ダバオ旅行は今日で三日目。
この日は午前中に、ホテルから近いクロコダイルパークへ、午後からはフェリーに乗ってミンダナオ島の隣、「サマル島」のビーチへ行く予定だ。
車のエンジンを掛け、待つこと5分。
一番遅れて乗車したのはマルコだった。
えっ!?
私は助手席に座ろうとする彼女の服装を見て、唖然とする。
おいおい、それで外に行くのか?
彼女はお気に入りの白い短パンに、黒色の何シャツと言えば良いかわからない服を着ていた。
[この時の服の絵]
上半身は、肩も胸の谷間も素肌が出ており、ヘソも見えた。
特に胸の部分は、「それ、乳首で止まっています?」と疑う、摩訶不思議な着こなし。
おっぱいの半分近くは既に露出している。
他の女子へ完全に喧嘩を売っている格好だ。
いったい何処で買ったのだ。
そのような服で外出して良いのは、ハリウッドセレブくらいだろうに。
マルコは「だって、今日はビーチに行くでしょ!」と、座ったまま短パンをズラし、中を見せてくる。
ぶふぇっ!
紐パンのようなビキニだった。
私が悶絶した表情を見せると、「そんなに見ないでっ!」とビンタが飛んできた。
彼女は痛がる私を見て、大笑いしていた。
まさか、このバカ高いテンションのまま、ビーチでその「面積極小ビキニ」を披露するのではなかろうな。
いや、その前にクロコダイルパークに行くのだぞ? その上着で大丈夫だろうか。
彼女は自分のスタイルと美貌が人類最高レベルであることを十分に分かっている。
むしろ、彼女は自分が好きすぎて、それを隠そうともしない自信満々な様は、男の私でもウザい程だ。
少しは「恥じらい」の心を持って欲しい。男が女性の「羞恥心」に惹かれることを学んで欲しいのだが。
恥ずかしがらない超美人より、恥ずかしがる美人に私は興奮するのだ。
私と彼女が一緒にビーチに居れば、周囲にスケベ雑誌の撮影かと思われるかもしれない。
サングラスを掛けた私は富裕層のアジア人と言ったところか。立派に腹も出ているし。
父親はディレクター、母親はメイクさんか。
設定が出来すぎている。
はっ!
(私の心の中)「しかも、下に水着を着ているということは、昨夜購入したパンティは一体なんなのだ。私は疲れで死にかけながらも、彼女の要望で夜の買い物に付き合ったのに。泳いだ後に着用するのか? それにしても、その上半身の露出具合から察するに、パンティが何色で短パンから透けようが関係ないだろう。むしろ、下半身の着衣はパンティのみで釣り合うほどだ。」
意見したいことはたくさんあるが、彼女の機嫌を損ねることが何より怖い私には、少しの確認もすることができない。
ひたすら苦笑いで耐えるのみ。
私たちはクロコダイルパークへ向けて出発した。
[幹線道路、ダイバージョンロード]
そして、クロコダイルパークへは、ホテルから20分ほどで到着。
パーク手前の一帯は広大なスペースがあり、他にもゴルフ場やサッカー場、ダバオバタフライガーデンなどがあった。
目的地に着く前、母親から「バタフライガーデンも見たい。」と希望があり、もし、時間があればそちらも見学することになった。
[入園料は、大人が250ペソ、子ども(12歳以下)が150ペソ]
パーク内に入ってみての第一印象は、「クロコダイルメインの動物園」というものだった。
蛇などの爬虫類、虎などの哺乳類、鳥類、その他様々な動物が飼育されていた。
もちろん、クロコダイルの展示場所は複数あり、種類も豊富、多数が飼育されていた。
しかし、期待していたほどのサイズのものはおらず、少し残念だった。
[写真手前のオブジェくらいのサイズを期待していたのだが。]
それでも、弟は大変喜んでいる様子で、父親の手を引っ張り、あちらこちら見学していた。
まぁ、これはこれで良いか。
私たちも後を付いていく。
[木陰で休むクロコダイル。間近で観察できる。]
[大きな蛇が居たが、私以外は近寄らなかった。]
そして途中、ダチョウや山羊が放し飼いされているエリアを通る。
ここは、入園者が直接動物に触れても良いようである。
他の人たちは、ダチョウや柵内の動物に餌を与えていた。
どの動物も人に慣れているようであった。
[2mを超える大きなダチョウ]
マルコが「私も餌やりたい!」と、近くのスタッフから20ペソで購入。
その気配を察知したダチョウが、さっそく彼女に近づいてくる。
ダチョウが、マルコの手から勢いよく餌を食べる。
彼女は「くすぐったい!」と、はしゃいでいた。
私はその様子を「ほら、マルコこっち向いて!」とスマホでムービーに収める。
そして、すぐに餌が無くなり、ダチョウは「もっとくれ!」とマルコの肩や胸元を突く。
愛嬌の良いダチョウにご機嫌な彼女。
私にピースをしながら、嬉しそうに頭を撫でる様子は少女のようだった。
「キャッ!」
その時、マルコが悲鳴を上げた。
私もその瞬間をカメラ越しに見ていた。
ダチョウがマルコの服の胸元を咥え、そのまま引っ張り、そして…
今、見えたような。