[レンジブログ 前回のあらすじ]
KTVで働くフィリピン人の生活、人生の一例を紹介しています。もちろんフィリピンにも色々な女性がいますが、アミーは果たして。
[前回の記事]
【レンジブログ10】KTVの女性は子どもあり。来日経験者は日本人彼氏との恋愛経験あり。
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
[レンジブログの第一話はこちらから]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
【レンジブログ11】マラテの夜は午前4時頃から再び活気づく。お店の子のプライベート姿も。
田原「どうだった?」
私「ご馳走様でした、ありがとうございました!いやー、楽しかったですよ!良い子でした。」
田原「そう!良かったね!」
田原さんは良くも悪くも鈍感である。私が気にし過ぎなのかもしれないが。まー、よく飲んだし。初日はこれで良いか。
時刻は朝4時に迫る頃だったと思う。田原さんは50歳過ぎても元気だなと感心する。私は急激に疲れと眠気を感じた。
田原「歩いて戻ろうか。」
私「ですね。」
このお店からホテルまでは徒歩二分程でとても近い。さすがにタクシーを使う距離ではない。
[マビーニ通り Mabini St. を歩いた時の写真]
周囲を見渡す。この辺り一帯はとにかくフィリピンパブ KTV が多い。営業を終えた夜のお店からは、従業員達が帰宅の途に着くため次々と出てくる。その割合は女性の姿が圧倒的に多い印象だ。
ハイヒールを降りたばかりの足は皆、ようやく慣れたサンダル履き、さぞ恋しかったであろう。ワンピースのドレスは屑な小屋で脱ぎ捨て、普段着のTシャツとホットパンツ姿に戻る。本来この気候、この国のこの都市に生きるには、このスタイルであっただろうと容易に想像できる。
つい先ほどまで煌びやかな空間で働いていた彼女たち。職場での営業後のミーティングを終え、異文化と異空間からの開放。その自由な雰囲気がこちらにも伝わってくる。彼女らは今ようやく、ここマニラに溶け込んでいる、いや息を吹き返した様子だ。露天商の串をグループで頬張って談笑している光景はとても愛らしい。
[マビーニ通りにはたくさんのKTV フィリピンパブが軒を連ねる。]
他には夜勤を終えて家路を急ぐ人たち、皆それぞれ家族やこの後の予定があるのだろう。
お店の営業後、アフターに行く様子のカップルやグループとも多くすれ違う。そこには、外国人や富裕層であろう男性の姿が必ずあった。
マニラの夜、もうすぐ明け方だが、マビニ通りは多くの人で再び急に活気づいていた。本当のマニラの姿を知るのは本来この時間帯なのだろう。
私もこれなら徒歩でも大丈夫だろうと思った。それでもなるべく田原さんとの距離を近く保ち歩いたが。
周囲の喧噪を味わいながら、ホテルの南側エントランスへ。見覚えある場所に辿り着き、ホッとした。
[パンパシフィックホテル南側の写真]
田原「今日一日、長かったね。日本からさ。本当お疲れ様でした。」
私「本当ありがとうございました、楽しかったです。また明日よろしくお願いします!」
田原さん「朝ご飯食べたいね、起きられたら。じゃ、また明日連絡するね。おやすみ。」
私達はお互いの部屋に戻った。自分の部屋に戻ると、一気に落ち着く。同時に、虚しさが。この無駄に豪華な室内。何しているのだろう。
酔いに余力があった私は、冷蔵庫の中のビールを開けた。ラベルが英語バージョンのアサヒスーパードライ。美味い。飲みながら、バスタブに湯を貯める。ついでにベッドルームをエロく観察できる窓を開ける。ふふっ、虚しい。
風呂を済ませて、もう一缶ビールを空ける。それにしてもお腹すいたな。向かいのセブンに寄って軽食でも買っておけば良かった。明日はホテルの朝食絶対に行こうっと。
カーテンを開け、マニラの明るくなりつつある夜景を見つめる。東はマカティの明かりだろうか、いや間も無く日が昇るよう、いや昇る夜明けだ。
[パンパシフィックホテルから望む朝日の写真]
ホテルのwifiにスマホを接続。先ほどのアミーにとりあえずお礼だけ送っておく。期待は出来ないが、一応。
はー、疲れたっ。寝る!
[次回タイトル] パンパシフィックホテルの朝食。食べ過ぎ必至、とても美味しいのでおすすめ!
[次回あらすじ]
パンパシフィックの朝食ビュッフェを紹介します。多国籍料理が並び、どれもとても美味しく、お腹一杯に食べることができます。