[レンジブログ 前回のあらすじ]
レンジ(私)のちょっとした一言で、フィリピーナのマリーが大号泣を始める。ディスコ内という特殊な空間の中、何とか機嫌を直そうと試みる。ようやく落ち着いたようだったが、マリーの様子はまだ普通ではなかった。
[前回の記事]
【レンジブログ35】フィリピーナが会話中に大号泣。マラテのディスコ EXKLUSIVE にて
レンジブログを始めから読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
【レンジブログ36】フィリピーナがトイレへエスコートを求める。マラテのディスコ EXKLUSIVE にて
マリー「Range!!」
私「はい!!」
突然、マリーが私の手を持ち、立ち上がる。私は何が起きるのか全くわからなかった。やっぱり怒られるのだろうかとも考えた。
しかし、マリーは私の手を引っ張りながら、店内の奥へ。その奥にはトイレがあるようだ。
えっ、マジで? まさか、トイレでまさか? こちらも男だから下心がゼロだったとは言わないけど、早過ぎない?
そんなポルノみたいな展開があるのか、フィリピーナよ積極的すぎないか? でも、私は今ゴムなんて持ってないぞ。マリーは持っているのか?
いろいろな煩悩が酒に酔った脳内を巡る。すると、トイレの入り口でマリーは立ち止まった。
何? ここで?
マリー「Wait here!!」(ここで待ってて!!)
そう一言私に告げると、マリーは一人で奥の女子トイレへ消えて行った。
私(心の中)「ん? 何だこれ? ここで待てと言うこと?? そんなプレイがフィリピンにはあるのか?」
当時の私にはこの彼女の行動の意味が全くわからなかった。
[マラテのディスコ エクスクルーシブ EXklusive 店内画像]
とりあえず、5分ほどその場で一人待っていた。
マリーが女性トイレから出て来た。表情は下を向いているようだった。私を確認し、近づいてくる。
でもあれ? 目を合わせてくれないぞ。マリーは再び私の手を取る。
ん? これ強引にでもハグかキスでもした方がいいのか?
いや、わからない。おそらく好意があってのことでエスコートを求めてきたのだろう、とはわかる。
しかし、現地の恋愛の仕方や文化が全くわからない。
お互いアクションはなく、二人で元の席に戻る。マリーは私の手をそっと離した。
武本「おかえり! ねぇ、もう二人カップルなわけ!? ヒューヒュー!?」
武本さんのよくわからない表現もまた虚しく聞こえた。
私「はあ…」
私は武本さんに「いやー、どう振る舞えばいいのかわかりません。」と伝え、彼は苦笑いをして、私を励ましてくれた。
マリーは彼女の親友と何かをタガログ語で話していた。
武本「Okay, everyone!! じゃ、そろそろ出ようか!!」
会計は武本さんが既に済ませていたようである。気付けば、他の客の姿も疎らで店内は一気に閑散とし、スタッフが店内の清掃を始めていた。
四人で店外に出ると、もう完全に夜は明けていた。
[マラテのディスコ エクスクルーシブ EXklusive 明るい時間帯の外観画像]
武本さんと彼の女友達はタクシーを捕まえようと通りに二人で立っていた。
私の隣にマリーは立っていたが、お互い会話がなかった。というか、私は何を話し掛けて良いのか全くわからなかった。とにかく、何故かトイレにエスコートした辺りから、彼女が怒っているような気がした。
私「Marry, Nice meeting you. Thank you so much tonight.」(マリー、あなたに会えて嬉しかった。今夜はどうもありがとうございました。)
そう話しかけると、マリーはようやくニコッと笑顔を見せてくれた。
マリー「Me too」(私も)
その時、武本さん達がタクシーを捕まえたようで、女性達にどうぞお乗りくださいと促した。
私「Marry! Please take care always okay?」(マリー! いつも自分を大事にしてね、わかった?)
柔らかい表情だったマリーは突然私にハグを求め、私の頬に軽くキスをしてきた。
そして、マリーとその友達はタクシーに乗り込み、車の窓際でお別れを私たちとしっかりした後に出発した。
明け方の交通量はさすがに少なく、タクシーの姿はすぐに見えなくなった。
武本「レンジさん、凄いね! この短時間でどうやって口説いたの?」
私「いやー、あれって口説いたことになるんですかね。良い事なんですか?」
武本「バッチリだよ! 女友達が言っていたけど、レンジさんは相当好印象だったみたいよ。あのマリーって子、かなり難しい子だけどマジメでいい子らしいしね。美人だし、羨ましいなレンジさん!」
私「はぁ、ありがとうございます」
すぐにはピンと来なかったが、徐々にその嬉しさが込み上げてきた。
やった、やったー!
初めてプライベートでフィリピーナと出会い、今後が期待できそうだ。武本兄さんありがとうございます!
武本さんはそのあと、私をパンパシフィックまで送るよと、徒歩でエスコートしてくれた。ホテルのエントランスでお互い握手をして、これからもよろしくと連絡先を交換した。
[パンパシフィックホテル PanPacificHotel 明るい時間帯の外観写真]
そして、武本さんはこの後また用事があるからと言う。私は「えー、まだこれから何処かへ行くんですか!?」と言ったが、武本さんは笑顔で手を振りながら、徒歩でどこかへ消えていった。
私は長い一日を終え、ホテルのエントランスに入る。ホテルのスタッフさんも私のオール明けの姿を見て、苦笑いである。皆やれやれという表情。私の様な観光客はマニラにいくらでもいるのだろう。
フラフラになりながらもなんとか自分の部屋まで戻ってきた。そして、恋が始まりそうな予感から幸福な気持ちに包まれていたが、今さら重要なことに気付いた。
あっっ、マリーと連絡先を交換するのを忘れた!!
丸一日振り切ったつもりが、この悶々としたやりきれない思い。幸福な気持ちはどこかへ行ってしまい、やり残した感が頭の中を支配する。
そして、酒の覚醒作用も手伝い、この後、あまり眠ることが出来なかった。
ウトウトしながら、気付けば昼の12時が過ぎていた。
私は酒が抜けきっていない体を起こし、シャワーに向かう。アメニティの歯磨き粉を持参の歯ブラシに全て出し、ゴシゴシと歯を磨く。
鏡に映っている自分の顔は、過去最高に浮腫んでいた。弾けそうなほどパンパンだった。
はぁ。マニラ滞在最終日、せっかく素敵な出会いがあったかと思っていたのに。あーしかも、この朝のパンパシフィックのビュッフェは食べれなかったか。あれこれ残念すぎる。
[パンパシフィックの朝食ビュッフェについての記事はこちらから]
田原さんとの待ち合わせの時間には間に合ったが、酒の抜けていない体はとにかく重かった。
[次回タイトル] プライベートで、フィリピーナの連絡をとる方法。
[次回あらすじ]
マリーと出会い、素敵な時間を過ごしたが、痛恨の連絡先の交換忘れ。武本さん経由でレンジの連絡先を伝えるが、マリーからコンタクトはあるのか。果たして。