[レンジブログ 前回のあらすじ]

マリーと出会い、素敵な時間を過ごしたが、痛恨の連絡先の交換忘れ。武本さん経由でレンジの連絡先を伝えるが、その後マリーからコンタクトはあるのか。果たして。

[前回の記事]
【レンジブログ37】プライベートでフィリピーナと連絡を取る方法。

 

レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ

 

 

 

【レンジブログ38】マラテのレストランにて、物乞いに囲まれる。フィリピンの貧困について

 

田原さんとパーリーは、今日は日曜日のため特に予定は無いらしい。私ももちろん日中の予定はなかったので、二人に同行する。

 

パンパシフィックホテルを出て、ボブが配車してきた車に乗り込む。昨日までの車とは違い、今日は中型のSUVだった。どうやら車の持ち主は別におり、配車サービスを行う日のみ近所の友人からレンタルしているらしい。ドライバー以外の日には自宅のサリサリを手伝っている、普段は優しいお父さんとのこと。

[ボブの似顔絵と人物紹介はこちらの記事から 【レンジブログ2】フィリピン人女性パーリー、美人現地責任者 ]

 

車はアデリアティコ通りを南下、途中学校や教会などを通り過ぎ、目的のレストランへは五分もかからず到着した。アリストクラットレストラン The Aristocrat Restaurant という場所だった。向こうにはベイウェイ、マニラ湾が見える。

 

そして、今回はボブも一緒に食事を食べるとのこと。後に知ったが、ボブはいつも皆と共に食事をするらしい。昨夜ハーバービューレストランに行った時は彼に所用があったため私たちとは別行動だった。

 


[アリストクラットレストラン The Aristocrat Restaurant 外観写真]

 

レストラン前の駐車スペースにはすでに多くの車が駐車していた。ボブが何処か止める事ができるスペースはないかなと前のめりになって前方を見ている。

 

その時突然車の後部を手で叩く男性が現れた。その人は何かを叫びながら、我々の車の後部を叩き続ける。

 

何だ、ここは駐車禁止なのか?いや、違う。どうやらこの車のバックモニターの代わりを彼がしてくれているのだ。こっちが空いてる、そうだもっと車を寄せろと、車を叩いて駐車位置を伝えていた。駐車補助サービスとでも言えるだろう。

 

そして、駐車が完了するとボブはその人にいくらかチップを渡していた。そうか、このような駐車サポートサービスを思いつき日銭を稼いでいるのか。仕事がなければ、強引にでも創る。なるほどな、と思った。

 

また、フィリピンでは人々は基本的に助け合おうという考えが根付いているようだった。もちろん、日本でもそのように考える人は多い。しかし、ここではその人々の意識が特に強いように感じる。例えば、お金を多少なり持っている人は、持っていない人へ少しでも分け与えようとする感覚が普通なのである。日本ではお金の貸し借りや工面のお願いなどは恥ずかしいと考えるし、まずほとんどの人はそのようなことに陥らない。現代の日本は国も国民も十分に豊かだからだ。

 

ここフィリピンでは豊かさを感じるのはごく一部のエリアや人々であって、多くの場合は未だ極めて貧しい。貧困が身近にあるため、お互いに援助しあうという理解が深いのだろう。加えて、キリスト教徒ということも関係しているはずで、物乞いに対しては少しでも助けてあげようとする姿勢を感じた。車を持っているあるいは運転するほど余裕があるならば、それすら叶わない貧しい人々へ少しの寄付をする。それが当たり前のようだった。

 

私達が車を降りると、また違うフィリピン人が近づいてくる。陽によく焼けた肌をしたおばちゃんだった。いや、良く観察するとどうやら想像より若いような気がした。彼女は片手で花束と乳飲み子を抱え、もう片方の手を伸ばしてくる。花束をこの赤ちゃんのために買ってくれと言うことだろう。この辺りでは良く目にする組み合わせである。

 


[マニラでは、観光客に物乞いをしている方の姿を多く見かけた。]

 

その女性はまず田原さんの元へ。しかし田原さんはガン無視をしていた。女性は金持ちそうな日本人を諦め、今度はボブの方へ。しかしまたボブもガン無視。そして次は私にロックオンしたようだ。近づいてくる。もちろん私も皆に習い、ガン無視を貫いた。のはずが、この日本人はマニラ初心者だなと見抜かれたのか、私にだけ異様にしつこい。この赤ちゃんを抱いてみて、きっとわかるからと言うような事まで言われていたと思う。

 

んー、ちょっと困るんですけど。御察しの通り私はマニラ初心者なので、こういった物乞いのような人々を避ける術をあまり知らない。彼女を避けられずなかなか店の入口に近づけない。

 

ここで見兼ねたパーリーが、財布の中の小銭をごそっと取り、その女性に何か話ながら渡した。彼女は受け取ると、おそらくお礼も言わずにパーリーから去って行った。

 

このレストランはおそらく立地のためか、比較的裕福な現地人もしくは観光客が多く来る場所なのだろう。そしてこの駐車スペースは、貧しいフィリピン人が、お金を持っていると思わしき人にその都度援助を求める場所だったのである。公園が隣接しており、ホームレスのような人々の姿も多かった。

 

また我々がお金を渡すその光景を離れた場所から見ていたのだろうか、何処からか少年少女たちが同じように花束を持ちあるいは単に手を差し伸べながら次々にやってきた。私達はすぐに多くのフィリピン人達に囲まれる。これを対処することは流石に無理だと皆が判断したのだろう。パーリーも少し大きめの声を出し、タガログ語で制止しながらも、最終的にはガン無視を貫いていた。私たちもパーリーの様子から、もうどうしようもないと無視を貫き何とかその群れを抜けた。

 

 

そして、レストランの玄関前には今度は大きな絵画を売っている露天商の姿が。レストランの入り口、このようなところでレストラン側からその販売許可を取っているのだろうか。しかもその誰も買いそうもないセンスゼロの絵を。もちろん、ここでも買ってくれとしつこく絡まれた。

 

ラグビーのトライのようと表現するには至らないが、とにかくようやく店内に入る事ができた。




店内には、お昼時ということもあり多くのお客さんで席はほぼ埋まっているようだった。チェエーン店には思えなかったし、おそらく地元の人気レストランなのだろう。しかし、四人はすぐに席へ通された。

 

田原「レンジさん、何食べたい?ここはおすすめのレストランでね。フィリピン料理はだいたいあるよ。しかも何れも美味しいよ!」

 

私「そうですね、繁盛してそうですもんね。私は何でも食べますよ!」

 

何をオーダーするかは、田原さんとパーリーが少し相談した後、パーリーがスタッフを呼び注文を伝えていた。

 

忙しいそうな時間帯にもかかわらず、料理はすぐに出てきた。おー、何れも美味しそう!

 


[レストランでの食事風景 特にビーフンというメニューが大変美味しかった]

 

私達は皆連日の疲れもあり、テーブル上は比較的静かだった。特に田原さんはどうやら風邪を引いてしまったらしく、調子が悪そうであった。

 

田原「フィリピンに来るとね、毎回風邪引いてしまうんだよね。空調が何処も効き過ぎだし、寝不足で抵抗力も落ちてるんだと思う。」

 

私はその時元気だったが、後にこの田原さんの言葉は人ごとではなくなる。この滞在以降、フィリピンへ通うようようになるのだが、私も毎回風邪を引くようになってしまう。

 

昼食が終わり、外に出る。再び絵画の露天商が私達に絡んで来る。その他の周辺の物乞いの人々もすぐにロックオンしたようだ。タカられる例の気配がして来た。これ以上はどうしようもない。

 

私達は急いで車に向かい、乗り込む。

 

田原「さぁ日曜日だし、どうしよっか。ビジネスしていないと、昼間って本当にやる事ないんだよね、マニラは。観光って言ってもね… モール巡りとか歴史探訪してもね。レンジさんは何処か行き先の希望はある?」

 

私「いやー、特にここへ行きたいと言うのはないですね。」

 

パーリー「マーケットは?バクラランとか教会が良いんじゃない?」

 

田原さん「そうだね、良いね! レンジさん行ったことないよね?」

 

私「はい、そこに行きましょう!」

 

私達はバクラランと言うところへ向かうことにした。マニラではどうやら有名なマーケットや教会があるとのこと。

 

 

[次回タイトル] マニラのバクラランにて、教会やマーケットを観光

[次回あらすじ]
現地の有名な教会やマーケットを観光した様子を紹介。レンジはマリーからのコンタクトが何よりも気になっていたため、観光どころではなかったが、果たして。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

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