[レンジブログ 前回のあらすじ]

新たに訪れたKTVにて、終盤にオカマのティティとトイレへ。そこで、ティティに執拗に股間に迫られる。それにはある理由があった。

[前回の記事]
【レンジブログ78】KTVのトイレでオカマに襲われそうになる。下ネタには注意!

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ

レンジブログ第二章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る

レンジブログ第三章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。

 

また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m

オノケンブログの一覧はこちらから

 

【レンジブログ79】マニラのローカルな路地を散歩。職場ではさっそくスタッフが!

 

深夜も午前2時半を過ぎたころ。

KTVの入っていたビルを後にし、通りに出る。

トイレでの恐ろしい出来事のため、このとき私はすっかり酔いが冷めつつあった。

 

私はどうしてか、いつも地雷を踏んでしまう。前回もオカマさんに迫られたことがあった。あの日も調子に乗っていたのは間違いない。

他の女性達にもすぐに怒りを買ってしまう。

私に原因があり、皆の怒りスイッチを容易く踏んでしまうことは自覚している。しかし、そのスイッチが私には全く見えないのだ。

その都度は絶対に反省しているのだが、三歩ほど歩けばすぐに忘れてしまう。

そう、私は良く言えば天然ブス、悪く言えば台風の進路を変えるほどの猛烈バカなのだ。

 

この時も、散々な目にあった直後であったのに、通りのネオンを見てしまうと、まるで光に集まる蛾のごとく、その光に吸い寄せられる。

他の夜遊びスポットが再び魅力的に見え始めていた。

あー、もう一軒行こうかな…。

 


[マニラ、マラテエリアの夜の様子]

 

しかし、眠い。そして、ダメだ。少しは自分を律さなければ。

今夜はまっすぐ、ホテルに戻って明日の仕事に備えよう。

 

結局、この日は大人しくホテルに戻り、そして、泥のように寝た。

 

 

翌朝。

 

目覚め直前に突然、部屋に爆発音のごとく「ガガガッ!」と大きな音が轟いた。

私は驚きと恐怖で飛び起きた。

しかし、自分のイビキだったことにすぐ気づいた。

 

時刻は午前8時だった。出勤は10時までに行けば良いので、余裕のある朝だった。

昨日の出来事はすでに頭にはなく、清々しい朝だった。

歯磨きをして、顔を洗って身支度を始める。そして、朝食だ。

 


[コンビニの2チキン&1ライスのコンボ]

私はほとんどの場合、ホテルに戻る前に翌朝の食事を買って、部屋に戻る。この時も、例のメニューを買っていた。

朝はいつも痩せてしまいそうなほどお腹が空いている。実際、前日夜と翌朝の体重を比べると常に1kg以上も痩せている。なので、必ずしっかりと食べるようにしている。

ただし、普段は「2ライス」だが、最近はダイエットのため糖質制限を意識、「1ライス」のみのコンボだ。これを続けて行けば、必ず痩せていくだろう。

 

時刻は午前9時前。

少し早めだが、前日の私の遅刻のこともあったので、職場に向かうことにした。

 

バーチタワーを出ると、マニラの街はすでに喧騒に包まれていた。

 

現地の学生さんや社会人、観光客らしい人々、皆それぞれどこかへ向かっているようだった。

もう慣れた光景ではあるが、人々を観察し、その人の人生を想像してみることも面白い。

また、日本の街並みとは全く異なる品質の場所。そこには常に新しい興味深い発見がある。

本当にこの街はいつも楽しいのだ。

 

私は朝っぱらから「ニヤニヤ」しながら、通りを歩いて行った。

 

午前中は未だ静かな通りもある。

昼食時には、このような通りは路上飲食屋台エリアとなり賑わいを見せる。

 

すると、早くも店を開いているところが目に入ってくる。

 


[路上バーベキューの屋外に並べられた串]

 

私の足は、美女の裸を見たがごとく、『ビダッ』と止まった。

午前中からこのようなバーベキューの串パーティーが目に入ってきた折には、素通りするなど無理だ。

 

ここまで約10分の散歩。ちょうど小腹も空いたし、ちょっと頂こうか。

私はポークバーベキューとフランクフルトを一本ずつ、購入した。一本15ペソだった。

 

両手に串を持ち、食べながら歩く。

んー、どちらも美味い! マニラの屋台飯、いつも縁日のようだ、最高だ。

私は、気を良くして朝の散歩を楽しむ。

 

すると、ちょっとローカルな通りが気になった。


[マラテ内の生活道路]

 

ここを通ればショートカット出来そうだが。

しかし、入るにはさすがに少し勇気いるな。

 

と、私がその通りの前で立ち止まっていると、入口の角に座っていたおっさんが声を掛けてきた。

 

おっさん「You Japanese?」 (お前は日本人か?)

私「Yes.」(はい。)

 

私は、そのおっさんに「この通り入っても良いの?」と聞くと、「おー、良いぜ! この奥に俺んちがある。」と返答してきた。

その代り、「食べかけのそのフランクフルトをくれ」と言う。私は、フランクフルトが大好きなので一瞬ためらったが、おっさんに串を差し出す。

おっさんはとても嬉しそうに親指を立ててきた。

 

私は、一応住人に許可を得たぞ、これで安心だと思い、ワクワクしながら細い路地へと入って行った。

 

すると早速、現地の方々の生活の様子を伺い知ることができた。

 


[家の外で洗濯をするおばちゃん]

 


[その洗濯水で体を洗うおっさん]

 

路上で洗濯するおばちゃんや、その側溝を流れる水で体を洗っているおっさん。

なるほど。確かに普段目にする光景とはまた違った生活様式を知ることができる。

大変興味深い。

 

たまに、子ども達が「わーっ!」と元気よく細い路地を走り抜けていく。

私はその横を「失礼しまーす。」という低姿勢で、奥へと進んでいった。

 

そして、辺りは徐々に薄暗くなっていった。

 


[通りの中の様子]

 

午前中にも関わらず、所々電灯が点いていた。

通りが細く、住宅が密集しているため、太陽の光が十分に届かないのだ。曇りの日だとなおさらだろう。

 

それぞれの家は窓や戸が開いていた。暑さのためだろう。したがって、中が丸見えになっている家もあったり、中で団らん中の一家と目があったりした。

またこのような細い路地でも、窓先で小さなサリサリのような商店をしているところもあった。

 


[二階の窓外、家の間に干される洗濯物]

 

屋根の上にはどこも洗濯物が並べられていた。決して日当たりは良くないので、ちゃんと乾くのだろうか心配だ。

 


[マニラの住宅密集地]

 

住人達とすれ違う度に、ジロジロと見られた。おそらく、このような空間に外国人が入り込むことなどまずないからだろう。

時々、後ろを振り返ると、心細くなってくる。

私はこのまま進んで大丈夫なのだろうか。

 

もし、住人に絡まれた場合には、この食べかけのポークバーベキューを差し出せば良いか。あるいは、最悪の場合、この串は身を守るための唯一の武器となる。

買っておいて良かった。ラッキーだ、私はたまに強い幸運に恵まれる。

 

よっし。変に不安がっても怪しまれる。

私はバーベキューを手に持ち続け、堂々とこの路地を抜けていった。

 

また、この路地は直線ではなく、迷路のように入り組んでいた。

私は方向感覚が抜群に良く、日本では「歩くコンパスブス」と言うアダ名を持っている。

それでも、途中、太陽光が完全に届いていない場所では、現在地を見失うこともあった。迷子にはならなかったが。

 

そして、散策は終わり、見覚えのある広めの道路へ出た。

 

ふーっ、ちょっとドキドキしたけど、大変楽しい小冒険だった。

このような空間をこの目で見ることができて、フィリピンのことについてまた少し知ることが出来たかもしれない。

私は満足し、残しておいたポークバーベキューを食べきった。

 

そして、もうしばらく歩くと、オフィスのあるビルへ到着。

エレベーターに乗る。

 

このとき、職場には勤務時間の30分前に到着。

よっし。これぞマニラ新社会人のあるべき姿。スタッフもさすがにこの時間帯には姿がなかった。

一人でオフィスのカギを開け、中に入る。

 




 

しばらく時間もあるようだったので、ここは日本人として掃除をしながら待つことにした。

 

そして、そのまま勤務開始の10時を迎え、過ぎた。

 

心配になり一応、ナオミに連絡を取るが、電話に出ない。メッセージも返信がない。

 

結局、スタッフは誰も現れず、11時を迎えた。

 

そして、ようやくナオミがオフィスに現れた。両手にはあのケーキを持っていた。

 

ナオミ「Ah sir! I’m sorry to be late.」(あー、ダンナ! 遅れてごめんなさい。)

私「I worry. What’s happened?」(心配しました。何かあったの?)

ナオミ「Very traffic, sir!」(ひどい渋滞、ダンナ!)

 

ナオミに何があったのか聞くと、「渋滞」だと言う。

クリスマスシーズン、しかもこの日は水曜日であったので、「バクラランデー」。周辺道路含め大渋滞とのこと。

バクラランマーケットは毎週水曜にセールのような状態になり、大変な賑わいになる。しかも、12月ということで大変な混雑のようだ。

 

ナオミ「That’s why I’m late, sir.」(それが遅れた理由です、ダンナ。)

 

おっ、おう。

私(心の中)「ナオミ、言わせてもらうが、その両手のケーキは見覚えがあるぞ。近くのハリソンモールでさっき買ったものだろう。渋滞が酷かったにしても、その時間的余裕を感じさせる両手のケーキは何なんだ。あと、連絡がなかったことの理由が含まれていない。一体何なんだフィリピン。」

 

私は、そのことをできるだけ優しく彼女に伝えた。

彼女は「ダンナ、そうですよね。ごめんなさい。」と言いながら、私の言い分よりもケーキの方が気になっているようだった。

 

私「Anyway, how about other staff?」(ところで、他のスタッフはどうしたの?)

ナオミ「Ah, sir! They already called me. And They’ll be late also.」(あー、ダンナ! 彼らはすでに私に電話してきました。遅れるそうです。)

 

おっ、おう。

それを私にまず伝えておくんだ、ナオミ。今ケーキを食べ始めるよりも先だろう、ナオミ。

 

ナオミ「Ah, sir! And one girl already resigned.」(あー、ダンナ! 一人すでに辞めました。)

私「What!? Why!?」(何!? なぜ!?)

ナオミ「She got pregnant last night. I’m happy, Sir!」(昨夜彼女の妊娠が分かりました。私は幸せです、ダンナ!)

 

おっ、おう。

つっ込みたいところは満載だが、確かにハッピーだ。

妊娠、大いにハッピーだ。まだ実勤務二日目だが、大いに結構だ。

 

しかし、私の心境は猛烈に複雑だ。

複雑過ぎて、表現できない。表現できないが込み上げてくる感情にモゲてしまう。

 


[新スタッフ達。真ん中のB子が妊娠発覚のため退職。]

 

私は、一応、適切な辞職、突然の退職も含めその方法をナオミと確認した。

また、たった二日とは言え、給与はもちろん、研修に関わる人件費やその他費用も発生している。雇用契約書にもある程度の「違約金(悪く言えばペナルティ)」を取り入れざるを得なかった。

そして今後、このようなことが連続した場合には、到底ビジネスどころではなくなってしまう。

私は、フィリピンビジネスの負の可能性が果てしないことを知りつつあった。

 


 

と、このように私の現地ビジネスは、初期の頃はわからないことばかり。いろいろと語りつくせない困難があり、2018年現在に至っている。

もちろん、それらは今では最高の経験となっているわけだが。

そして、フィリピンでは今なお新たなハプニングが起きまくっており、常に勉強中である。

 


 

 

結局、この日、皆が揃ったのはお昼前。

処理しなければならない業務は溜まっており、また突然スタッフが一人減ったこともあり、午後からは大忙しだった。

 

本来は、日本では想定しえない状況を考慮して、多めに人材を確保してからビジネススタートすべきだったのだろう。私は、見切り発車もいいとこだったのだ。

 

しかし、幸いにも、ナオミと他スタッフ二人は大変優秀で、私の予想をはるかに上回るほどの飲み込みの早さ、仕事の早さを備えていた。

この日、スタートが遅れた分の「残業」が必要かなと考えていたが、大変ありがたいことに、勤務終了時には、当面はその三人で運営できる目途が立つほどだった。

 

ただし、パーリーが紹介してくる案件は今後さらに増えるらしく、スタッフの追加はやはり急ぎたい。引き続き、ナオミとスタッフの友人関係に人材募集と告知をお願いする。

 

さて、やりたいことはまだあるような気がするが…。

 

バクラランデーの渋滞で、スタッフの帰路がさらに遅くなっても申し訳ない。定刻で終わることにした。

 

皆で明日の予定を確認し、解散する。

 

私は、スマホのメッセージを確認すると…

ポニーから決して無視できないメッセージが入っていた。

 

ポニー「Can I visit your room tonight?」(今夜、部屋に行っても良い?)

 

[次回あらすじ]
ポニーから待望の再試合の申し込み。沸き立つアンセムにレンジはどう返信するのか。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

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