[レンジブログ 前回のあらすじ]
出勤前にマニラのローカルな路地を散策。職場に着くと、スタッフは遅刻、退職などトラブルが続く。仕事終わりにはポニーから今夜部屋に行ってもいいかとメッセージが。
[前回の記事]
【レンジブログ79】マニラのローカルな路地を散歩。職場ではさっそくスタッフが!
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
レンジブログ第二章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る
レンジブログ第三章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
【レンジブログ80】フィリピーナとの恋愛と金銭問題について。愛かお金か。
ポニーから、「今夜部屋に行っても良いか?」とメッセージを受け取った私は、スケベな衝動を抑え、すぐに返信する。
私「Sure. What time? You don’t work tonight?」(もちろん。何時に? 今夜は仕事じゃないの?)
ポニー「No working. Maybe 9pm.」(仕事ない。たぶん午後9時。)
私「Do you stay in my room tonight?」(今夜は泊るの?)
その後は既読も返信もなかったが、私は完全に彼女と再試合が出来ると意気込み、テンションが上がっていた。
とりあえず、通りを歩きながらホテルに戻ることにした。
[マラテのローカルストリートの様子]
オフィスを出てしばらく歩くと、夕食時ともあって、通りにはたくさんの路上レストランが並んでいた。
私はまっすぐ歩いているつもりだったが、お腹が空いていたので、そちらへ自然と吸い寄せられそうになる。
いかん、いかん。
この後、ポニーと二人で、部屋で食事を取るか、外食に出かけるかもしれない。
ここはグッと空腹は我慢だ。
9時までにはまだ少し時間がある。
私は、何か軽食と飲み物をコンビニで購入してから、部屋に帰ることにした。
近くのコンビニに入る。
スナック菓子、カップヌードル、チョコレート、水、サンミゲルライトを数本、あと彼女のために赤ワインを一本、それぞれ買い物かごに入れいていく。
[現地のエナジードリンクは日本より割安だ。]
一応、彼女との試合展開によっては延長戦もあり得る。私は、いざという場合に備え、界王拳が使えるようエナジードリンクも購入しておいた。
一昨日、一晩中ポニーと一緒だったが、本意の夜が過ごせたわけではない。私の代表戦初ゴールはおあずけのままだ。
[過去記事]
【レンジブログ74】フィリピーナとホテルで試合開始、初代表戦でゴールなるか
彼女がまた部屋に来る。ということは、今度こそ私の初ゴールがあるかもしれない。
いやいや、彼女は未だ体調が悪いかもしれない。過度な期待はしないでおこう。
期待はしていない。決してしていないが、どうしてもワクワクしてくる。
コンビニを出て、ズリ足スキップでホテルへ戻る。
[滞在先のバーチタワー前の様子]
この時、午後8時前。ポニーが知らせてきた時間まではまだ余裕があった。
私はとりあえず部屋に戻り、身を清めておくことにした。
前回は彼女に主導権を握られたが、今度は私の番だ。こちらが試合をコントロールするのだ。
私(頭の中)「ポニー、私は先にシャワー浴びておいたから、どうぞ。」
彼女がバスルームに入ったのを確認したのち、素早くゴム製の防具を準備。
彼女のシャワーを浴びる音を聞きながら、ベッドの中で彼女を待つ。
…よっし、完璧だ。
本来の布陣、戦術はこうあるべきだったのだ。今、完璧な試合展開のイメージが出来た。
私はまず室内を簡単に片付けた。そして、シャワーを浴びて部屋着に着替えてから、彼女を待った。
そして、ポニーが言っていた午後9時を迎えた。
スマホを確認すると、ポニーからメッセージが入っていた。数枚の画像も添付されているようだった。
まず、彼女からのメッセージは、「子どもがまた体調を悪くして、今日は病院に行っていた。医療費が高く、払えない。」と。
おっ、おう。
嫌な予感がしながらも、添付画像を確認する。
数枚のレシートのようなものの画像だった。良く見ると、病院で支払ったと思われる医療費のレシートだった。
[その時のレシートの一部。掛った医療費の総計はかなりの金額のようだった。]
私は「子ども、大丈夫?」と、お金の話題には触れず、ポニーの心境と子どもの体調を心配するメッセージを返信した。
すると、彼女から電話が掛ってきた。
私は、どう返答すれば良いか考えがまとまらないまま、電話に出た。
私「はい。」
ポニー「レンジ、部屋どこだった?」
私「3700です。」
ポニー「わかった。これから行く。」
今夜、試合は行われないのだろう。おそらくお金の話だ。
私は彼女とどのような話になるのか、まるで借金取りがやってくるようで不安だった。
彼女と部屋で会うことを緊張して待つ。
そして、10分ほど待つと、部屋にノックが響いた。
私はすぐに扉に向かい、開ける。
外には、ポニーが笑顔で立っていた。
ポニー「元気か?」
私「はい。ポニーは?」
ポニー「私の子ども、元気ない。」
ポニーは部屋には入ろうとせず、私達は、そのまま扉のところで話をする。
私「大丈夫?」
ポニー「子ども、ホスビタル。でも、お金ない。」
この時、メールで送られたレシート画像の実物を、彼女は手に持っていた。
やはり、高額な医療費が掛ったらしく、金銭的に工面してくれと私にそのレシートを見せてくる。
[レシートの合計金額]
合計『約17,000ペソ』、日本円では三万円以上の金額だった。
私は、考えた。それはもう必死に考えた。
彼女とは、恋人の関係であるし、彼女の困っている状況を助けたい気持ちは強い。
払えない額ではないが、今、その全額はさすがに渡せない。
「お金」を直接渡すことに、私は相当な抵抗感があった。
もし断れば、彼女は失望するかもしれない。私を見限り、別れを早くも告げられるかもしれない。
私の下心は本物だし、彼女のことは好きだ。彼女もそれをわかっている。
しかし、どうも騙されているような感じがして、腑に落ちない。
今まで、ポニーは私のお金について、全く執着していない様子だった。それが、突然こうして部屋に来て、お金の工面をお願いされることに、私は戸惑っていた。
私「How much do you need?」(いくら必要なの?)
ポニー「病院、高い。でも、あなた任せる。」
私は、彼女の本意を知った。
おそらく彼女は、私が将来、彼女の真のパートナーに成りうるかどうか試している。
しかし、冷静に考えれば、金銭的なサポートは男女交際では普通のこと。究極は結婚生活でも同じことだ。
それは日本でもそうだろう。
男女交際において、男性が映画チケット代を払う、ディナー代を払う。彼女の誕生日には高価なバッグをプレゼントする。
どれも普通のこと。交際中より、口説いている段階の方が多く出費することもあるし、帰りのタクシー代など直接お札を渡すこともある。
ましてや、結婚生活を念頭に置くなら、女性にとって男性の「経済力」は最も重要な要素。経済的に不安定な夫、生活費を家庭に入れない夫など、妻はすぐに愛想を尽かすはず。
生活があっての「愛」。金銭的なサポートは、男女交際でも結婚生活でも必要なことだろう。
それは、おそらく子どもでも知っていること。
私の幼少期、両親の夫婦仲はとても悪かった。父親が母親へ生活費を入れることを頻繁に渋っていたからだ。「あいつは男として終わっている。」と言うのが、母親の口癖だった。それを聞く度に、私の子ども心は深く傷ついていた。
日本でもこのように同じような状況はある。
もちろん、学生時代の恋愛は除く。保護者など誰かに養われている環境では、相手の人柄やルックスなどが大きな要素となり、生物的な本能に従うことがほとんどだろう。それはおそらく純粋な「恋愛」。
しかし、成長すると、愛は「お金」なしには語れない。お互いの経済力とサポートが重要なのは当たり前のこと。
一人の男性として、女性を守ることが出来る、家庭を養うことが出来る甲斐性があってこそ、女性の気持ちは本当の「愛」に変わっていくのだろう。
女性が、子育てや家庭の、より強固な安定を求めて、さらに経済力のある男性を求めることは自然なこと。付き添う男性の経済力は、女性自身の社会的な立場にも影響するだろう。
たとえ始めは「愛」だったとしても、男性側に経済力がなければ、その愛に将来性がないのは明らかかもしれない。
もちろん、女性側に経済力が十分にある、あるいは富裕層である場合は除くが…。
また、最低限のルックスと人間性は前提とする。(私はそれらも大きく欠如している。)
特に、ここフィリピンでは経済状況に困窮する女性は多い。男性も同じ状況がある。フィリピンの人々は、先進国の人々とはまずその社会背景が違う。
この時まで、私の頭の中は、まだ完全に日本人仕様だったのだ。
彼女の言葉によって、現地で現地の人と「恋愛する」ことの覚悟が全く足りていないことを知った。
外国での恋愛、外国人の彼女。私はどこか「恋愛ゲーム」でもしている感覚だったのだ。
こちらが本当に本気ならば、彼女への「金銭的なサポート」は疑問にも思わないだろう。
ポニー、本当に申し訳ない。ゴールを決めているかどうかではない。
恥ずかしながら、今回の彼女の言動で、私はフィリピーナに本気ではなかったと悟ることができた。
私はフィリピーナと恋に落ちる覚悟など全く出来ていなかったのだ。
私は、申し訳なかった。
そして、彼女への義理も感じていたので、少額だけ渡すことにした。
私「全部は渡せない。これでいい?」
ポニー「ありがとう。他にも友達に聞いてみる。」
私「そうか。とにかく、子どもの傍に居てあげてね。」
ポニー「ありがとう。レンジ。」
彼女はそう言って、お金を受け取ると、集金屋のごとく、すぐに帰って行った。
私は彼女に「次はいつ会える?」と聞いたが、笑顔を返されただけだった。
私は部屋の扉を閉め、キッチンに腰を下ろす。
この現実。どうすれば良かったのだろうか。
いや、やはり全額は渡せない。これで良い。この後はまた彼女の反応を見てからではないと、何とも判断できない。
一応、彼女に追加でメッセージを送った。
既読はすぐに付き、返信もあった。
とりあえず、今回の対応はこれで良かったのだろう。このようなことが続けば、また対応は異なるだろうが、私はこれ以上考えないようにした。
私は部屋で一人、買い込んだスナック菓子をおかずにして、カップヌードルを食べることにした。
はぁ、切ない。なんだか、切ない。
やはり全額渡すべきだったのだろうか。
私は猛烈にモゲていた。
この気持ちを消すには、再び夜の街へ繰り出すしかないのか。
すると、ポニーが部屋を出て行って、1時間ほどした頃。
彼女から追加でメッセージが入っていた。
[以下の送信画像の意訳を、画像の下部に記載しています。]
以下、ポニーのメッセージの意訳。
「話、いっぱいある。何回も考えている。私達、別れる。私はあなたが欲しい。愛してる。でも、私は彼氏、特に私の娘、家族、全てを一緒に受け入れてくれる彼氏がほしい。先月はありがとう、今回も。私はあなたに会えません。私は、あなたは他の女性を見つけた方がいいと思う。私は、あなたの思う新しい女性と出会ってほしい。
さようなら。」
私はショックを受けたが、彼女の意図はわかった。
彼女はやはり、親切なのだ。
マニラに生きる女性として、素直なだけだ。
私の彼女に対する疑いと、不本意そうにお金を渡す様子を、彼女は全て察していたのだろう。
彼女は、私の心を見え透いていたのだ。
私は、すぐに彼女に電話を掛けた。
しかし、復縁を迫るものではなく、「感謝」を彼女に伝えた。
彼女も「Me too.」と言ってくれる。
これで良いのだろう。
私とポニーの関係はここで終わった。
(後日、医療費などの偽造レシートの存在を知り、私がアフロ頭になるほど強烈にモゲるエピソードはいつか紹介したい。)
[次回あらすじ]
いきなりポニーに振られたレンジ。しかし、諦めない。新たな女性達とまだまだモゲて行くが、決して諦めない。
レンジさん初めまして。いつも楽しく拝読しております。レンジさんの葛藤すごくわかります。彼女の本気度というか真の心を見るのは非常に難しいですし色々な事情、特に家族の問題など抱えている女性は多いのではと思います。そんな中でも本気になれる人が見つかれば最高ですよね。私は不器用なんでお二人のように一度に複数は対応出来ませんが今ステキなある一人の現地女性と恋仲になりたいと必死です。
ただ、、、なかなか苦戦中 (苦笑)。
歴戦の強者のレンジさんですから今も桜花されている事と思います。これからも仕事に恋と頑張ってくださいね。応援してます。
かーわんさん、コメントありがとうございます。
人それぞれなのでしょうね。日本も、フィリピンも色々な女性がいるようです。
これからも懲りずに頑張ります。
かーわんさんも頑張ってください!
良いお付き合いになることを願っています!