2日目の朝。
朝早くからの移動、慣れない環境、たくさんの経験など、昨日は疲れ果てて、布団に吸い込まれるように寝入った。
しかし4時間ほどで目が覚めた。短い睡眠時間にも関わらず、体力はほとんど回復しているようなすっきりとした目覚めであった。
昨晩、明日朝、目が覚めたら食べたいと思っていたものがある。
それはフライドチキンと米である。
フィリピンにもマクドナルド、ケンタッキー、ロッテリア など数多くのファストフード店が存在する。そんな日本でも有名なファストフード店が軒を連ねる中、フィリピンでトップに君臨するファストフード店、それは…
Jollibee ジョリビー
である。
ジョリビーとはファストフード店であり、主にフライドチキンを中心として扱っている。
フィリピン人は、フライドチキンと米を一緒に食べる習慣があるようで、マクドナルドやロッテリアなどにもこの組み合わせのセットがあるようである。
このジョリビーはそれらの商品を非常に安い値段、かつおいしく提供しているお店である。
ジョリビーは、フライドチキンだけではなく、スパゲッティやハンバーガーなどの商品も取り扱っている。一部のフィリピーナにはジョリビーのスパゲッティもかなりの人気だそうだ。
この話をレンジさんから昨晩聞いてから、無性にそのフライドチキンと米を食べたくなっていた。
私「レンジさん、明日の朝食はジョリビーのチキンが食べたいです」
レンジ「ジョリビーは俺らの泊まっているホテルからは一人で歩いて行ける距離じゃないけど、フライドチキンと米のセットならコンビニでも買うことができるよ」
私「なるほど。明日朝、買ってきます。レンジさんいりますか?」
レンジ「朝からそんな胃がもたれそうなもん食べれられないよ」
私の日本での朝食はプロテインとヨーグルトである。調子が良くてもシリアルをこれに加える程度の非常にお腹にも筋肉にも良いメニューである。
そんな私が、朝食にフライドチキンなんて日本にいるときは考えられない。
しかし、私は寝起き5分ほどでコンビニまで走った。
コンビニの入り口には昼夜を問わず若い男たちが5人以上たむろしている。
コンビニに入ろうとする人をじろじろと見る者、チップ目当てに入り口を開けようとする者、ただ茫然としているだけの者、様々であるが、何にしても真面目に働いている感じは全く感じられない。
小心者の私は、一人でコンビニに行くときはタンクトップ+筋肉を大きく見せながら入店する脳筋っぷりである。
無事に入店、そして飲み物とお菓子を手に取り、レジに並ぶ。
フライドチキンと米のセットはレジの人に言わないと購入できないシステムである。私にとっては試練である。
しかし、思いの外、注文は意外に簡単に伝えることができた。
ホテルに帰り、さっそくチキンにソースをかけ、食べてみることにした。
私「めちゃくそうまい」
ロビンソンモールで食べたあの謎のソースに近い味がする。このソースは個人的には非常に口にあう。チキンはもちろん、米にも非常によくあう。
しかもこのチキン、いついかなる時にコンビニで購入してもサクサクジューシーである。
コンビニチキンについては日本のものより私はよっぽどおいしいと感じている。
フィリピン人はジョリビーが好きな人が非常に多いようである。タクシーで走っていると、いたるところでジョリビーの看板を目にする。
私の中で、マニラでのKTVや日本でのフィリピンパブに行ったときに、会話に困ったときは、このジョリビーネタは鉄板である。
今までに日本・マニラでこのネタを中心に話を展開して、盛り上がらなかったことはない。
特に日本にいるフィリピーナにジョリビーの話題に触れるとものすごく良い表情を見せてくれる。
実際、私は日本でフィリピンパブだけでなく、フィットネスジムで出会ったフィリピーナやショップ店員をしていたフィリピーナに
私「私、ジョリビー好きですよ」
と話したことがあるが、皆一様にものすごく喜ぶ。
日本人が自分の国の食べ物を好きだと言ってくれた嬉しさと、懐かしさ両方の思いが込み上げてくるのだろう。
私の中ではマニラを語るうえでジョリビーは欠かせない存在であり、フィリピーナとの会話を支える大きな柱のひとつである。
恐怖体験、フィリピンの絶叫マシン “トライシクル”
楽しく拝読させて頂きました。ジョリビー行ってみたし!