【ポットブログ120】三顧の礼

【ポットブログ120】三顧の礼

マキ捜索２回目も空振りでした。

嫌よ嫌よも好きのうちと言いますが、
フィリピンに絶望し、フィリピンを憎んだ男、ポットは・・・

なんだかんだ言ってフィリピンが好きみたいで、
気付いてみれば、名古屋に行く事が楽しみで仕方なくなっていました。

さて、２度ある事は３度あると聞きますが・・・

３度目はマキに会えるのだろうか？私は不安と期待で胸を膨らませ
また、名古屋に向かったのでした。

【ポットブログ120】三顧の礼

Ｋさん「いやぁ～この店は可愛い子多いのよ」
ポット「そ、そうなんですね！あ、Ｋさん、自分も行きたい店あるんすよ。」
Ｋさん「取り合えず飲もうよ！奢るからさ！」

Ｋさんは日本最大手の自動車メーカーの孫会社の管理職。
孫会社といっても、名古屋駅付近に本社を構える馬鹿デカい会社だ。

名古屋出張の大義名分を得る為、私は政治力を利用して
愛知への拠点を作ろうとしていた。

Ｋさんは会社の方針で夜の街へ出るのを禁止されているらしく
大きなストレスを抱えていた。

この頃のＫさんの会社は社内での打ち合わせも控えめで
出来る限りズームなどを利用して打ち合わせするようなっていた。

なので基本、接待というか飲み会的なものも禁止されていたのである。

Ｋさん「コロナ、コロナってよー。めんどくせえんだよ」
ポット「分かります。遊び辛い世の中になりましたよね。」
Ｋさん「そうだよ。予約しないといけないし、同伴同伴うるせーし」
ポット「お客さん確定してないと出勤も出来ないみたいっすよ」

この時期の水商売は蔓延防止条例などで営業が厳しい状態になっていた。

特に接待で使うような高級店は、来店が確定していないと
キャストも出勤すらさせて貰えないような状態になっていたのである。
(同伴で来店する場合や予約してあり来店が確定している場合のみ店を開けてくれる状態)

アルコールなしでビュッフェスタイルで食事を提供するという
奇想天外なウルトラＣを編み出したラウンジもあったが、
やはりアルコールマジックがあってこその水商売である。
あまり上手くはいかなかったようだ。

Ｋさん「その点、ここはいいよ。いつでもやってる」
ポット「そうっすね。完全に治外法権っすよね」
Ｋさん「会社に止められても、俺は飲むぞ！知ったこっちゃねえ！」

Ｋさんは相当ストレスが溜まっていたらしくガンガン飲んでいた。

Ｋさんがハマっていたのは On and On という人気店。
芸能人も来店するようなお店だそうだが、私は芸能人には遭遇した事はない。

池田公園エリアはどの店も料金スタイルは同じなので、
好みの子がいるかどうかくらいしか差がない。

Ｋさんはたまたまこのお店が気に入ったという事だろう。

しかし、私の目的はマキとの再会。

私はさりげなく、そして何気なくＫさんを誘導した。

ポット「いやぁ、実はこの近くに知り合いの子が働いている店がありまして」
Ｋさん「そっか、そっか。可愛いの？」
ポット「暫く会ってないですが、５、６年前は可愛かったですよ」
Ｋさん「そんな古い知り合いなんだ。じゃ次でチェックしていくか！」
ポット「お！ぜひお願いします。」

誘導の達人と呼ばれた男、ポットはまんまとＫさんの誘導に成功した。

・・・・かに思えたが・・・・

Ｋさん「エンチョー！」

・・・・・

ぇ・・・・・・

ストレスでガンガン飲みまくっていたＫさんは数分前の記憶すら失うレベルだった。

結果、てっぺん近くまで飲み。タクシーで帰っていった。
(※てっぺん＝午前０時の意味)

く・・・私は小心者日本代表のポット。
一人で飲みに行くのは非常にハードルが高い。

常連でお店の代表やスタッフが知り合いの店ならギリいけるが、
こんな知らない街の知らない店に一人は・・・流石に難しい。

私は悩みに悩んだ。

殻を破れ！！ポット！

成長するんだ！ポット！！

心の中の小ポット達がエールをくれる。

そして・・・

大人の階段のーぼるー♪　君はまだーシンデレラっさー♪

どこからか聞こえてくるテーマソング。

私は意を決して一人でマキの店へ突入した。

マキの店のママ「いらっしゃいませーーー！」
ポット「マキさんいますか？」
マキの店のママ「いますよ。こちらへどうぞ」
ポット「ひっ」

い・・・いた・・・

いや、もちろん会う為にわざわざ来たのだが、
いざいるとなると心の準備が・・・

もう５年以上会ってない。
ワンチャン忘れ去られてる可能性すらある・・・

うう・・・

飲み物を聞かれ、席で待つ。

心を落ち着かせる為、届いたばかりの酒をイッキに飲み干す。

その時だ！！

ポット「ぐげっっっ」

え？！！！！！！！何が起こった？？？！！！

私は突然後ろからクビを絞められた！！！！！！

ガチでは無かったが、突然だっただけに超驚く。

なんだ、なんだ？と後ろを振り向くと

そこに居たのはマキだった。

マキ「ポット！！　おまえボコボコするぞ！！！」

マキだ・・・・

久しぶりのマキだ。

感動で涙が出そうになる。

三度目の正直で私はやっとマキと再会する事が出来た。

そしてドリンクいいですか？くらいしか日本語が喋れなかった少女が
なんと日本語を喋っている。

そうか・・・・あれから大分時が流れたんだな・・・

私が感傷に浸ろうとしていたのに

マキ「おまえブロックしやがったな？！」

感動でウルウルしている私に対し、
怒りをぶつけてくるマキ。

というより、日本語が汚い・・・　おまえって・・・・

私は日本語を喋るマキが凄く面白かったので
日本語で会話してみた

ポット「覚えていたんだね」

マキ「そりゃ覚えてるだろ」

ポット「お久しぶりです」

マキ「近くに住んでいるの？」

ポット「東京です」

マキ「そうか。飲んでいい？」

おい！！！！！ドリンクまでの展開が早い！！！！

あるやろ？！こう昔話とかさ！！！

私のそんなささやかな希望は打ち砕かれ、
マキは超マイペースで話を展開していく。

マキ「ポットはテキーラが好きだったよね。よしボトル入れよう！」

ポット「いやテキーラ嫌いです。それにボトルなんて高いじゃん！」

マキ「大丈夫！１５０００円だけ。」

ポット「全然安くない・・・・」

マキ「オッケー！オッケー！」

ダメだ・・・。

日本語が喋れれば意思疎通が出来るわけではない。

この子は小学生がそのまま大人になったような子だった。
あれから５年、６年が経ち１８歳だったマキも２４歳になっていた。

だがしかし！　中身は成長しなかったようである。

Ｋさんと解散したのは日付が変わったくらい。

そこから少し悩んでいた時間もあり、店に入ったのは０時半くらい。
そして、この店は２時に閉店。

そう！！！！

残り時間１時間半程度なのにテキーラボトルが運ばれてきた。

マキとの昔話を沢山したかったのに・・
あれからどうしてた？とか聞きたかったのに・・・

テキーラモンスターと呼ばれた悪い記憶が蘇る。

違う。思い出したいのはこれじゃない・・・

もっとビュアで、スイートな記憶を復活させたいのに・・・

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[ポットブログ120あとがき]

２回空振りした名古屋出張でしたが、
３度目の正直でマキに会う事は出来ました。

しかし、私が期待していた展開ではありませんでした。

ポット久しぶり～♪　チュッ

みたいな甘い展開を望んでいたのですが
目の前のあるのは地獄のドリンク。テキーラです。

このドリンクで数多くの失敗をしてきました。

私に明るい未来はあるのでしょうか・・