[レンジブログのあらすじ]

 

日本の普通の会社員であったレンジは、知人の紹介でフィリピンのマニラへ訪れるようになる。

美しく妖艶なフィリピーナ達との出会いもあり、次第にマニラへ強い興味を持つようになる。

そしてレンジは、複数の女性と交際したり、現地でビジネスを始めたりなど普通の人には理解できないような経験をしていく。

そんなある日、日本の会社の後輩であるオノケンに「リアルドラクエ」という文言で、マニラ旅行へ誘う。

 

[レンジブログ序章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

 

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ビーーッ!!』

 

 

 

 

 

車内にも響く大きなクラクション。

危ないっ!!

 

夜のドライブ中、私が運転する乗用車は交差点を直進しようとしたところ、横から大型トラックが迫っていた。

 

右側の助手席に座る一人のフィリピーナ。彼女の手が硬直するのが見え、顔越しにヘッドライトが近づいてくる。

もう目の前。

 

私はこの異国の地で、あの世へ行くのだと覚悟した。

 

混乱したまま、アクセルかブレーキか、どちらかのペダルを踏み込む。

 

くそっ!!

 

彼女を旅行になんて誘うんじゃなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた

 

 

私「Wanna go on a trip with me? (旅行でも行きませんか?)」

 

 

四月初旬のこと。

日本では未だ肌寒く、新年度が始まる忙しい季節だった。

 

私の会社でも多くの新入社員を迎い入れた。そして私は、彼らの研修会や諸会議続きの多忙な日々を送っていた。

 

少しストレスの溜まる季節。

私は向こう一ヶ月間、なかなかフィリピンへ行く日程を確保できずにいた。

渡比する機会は常に伺っていたのだが、最低でも現地で二泊はしたいため、まずその旅程を探すことが、日本の激務のため難しかったのだ。

 

前回のマニラは3月上旬。さすがに二ヶ月近くも、フィリピン彼女達の相手をしないのは、申し訳ない。

 

ちょうどこれからフィリピンはサマーシーズン。償いとして、私はそれぞれに「旅行」を提案することにした。

 

LINEメッセージでその旨を伝える。

 

彼女達からは、「もちろん、行きたい!」と前向きな返信があった。

 

その中でも、最も興味をそそられたのが、

 

「I wanna see Mt. Apo.(アポ山が見たい。)」

 

と言うもの。

 

一人のフィリピーナがどうしてもそこへ行ってみたいと言う。

 

この時、私は「アポ山」と言う山を初めて聞いた。

すぐにネットで調べると、「フィリピン最高峰(2,954m)の山」だと知った。

 


[フィリピン最高峰のアポ山]

 

なるほど。これには私も興味がある。

 

さらに調べるとその山は、フィリピン南部のミンダナオ島、ダバオ市に近い場所にあるらしい。もちろん、私も訪れたことのない島である。

しかも、この「ダバオ」と言う土地には、きれいなビーチやナイトマーケット、広大なバナナ農園、クロコダイルパークなどがあり、さらにはフィリピンのドゥテルテ大統領の育った土地で、フィリピン人であれば一度は訪れたい場所だと言うではないか。

 


[個人的にはクロコダイルパークが最も興味を引いた。]

 

私は最もアドベンチャー感のあるこの提案に応えることにした。

 

ただし、ダバオの夜遊び情報については店外デート系を見つけたが、ネット情報で見る限り期待できそうもなかった。

 

(クレマニをスケベな下心満載でご覧の皆さんへ。このレンジ新章ではしばらく夜遊びネタ、下衆い話はありません。そちらをご希望の方へは大変申し訳ありません。いやいや、そんなスケベ心だけじゃないぜ! という方、続きをどうぞ。)

 

 

彼女と一緒の旅行なら「夜遊び調査」の時間は取れそうもないし。

今回はいいか。

 

私「I see. When?(分かりました。いつ?)」

 

相手に都合の良い日程を聞くと、日本で言えばちょうど五月の連休だと言う。フィリピンもその頃は最も暑く、旅行シーズンとのこと。

 

よし、GWには日本の職場の方も落ち着いている。休みは取れる。

旅券の価格が爆上げされる期間だが、これで少しでも彼女の機嫌が良くなるのであれば本望だ。今回、財布の痛みには耐えよう。

 

私たちはその他、旅行について細かいスケジュールなどを確認した。

 

その中で、「My family can join us?(家族もいい?)」と彼女からの提案が。

 

ん?

まあ、確かに彼女の母親とも親交がすでに深いため、それは問題ない。

 

しかし、正直なところ、私は彼女と二人っきりでゆっくりとバカンスのつもりだったが、相手の家族と一緒であれば十分なリラックスは期待できない。

少し胸に詰まるものがあったものの、彼女のご機嫌が最優先だ。

 

私「Of course! Let’s go, everyone!(もちろん! みんなで行こう!)」

 

すると、彼女は立て続けに、メッセージを送ってきた。

 

 

彼女「My father also okay?(父親も良い?)」

 

 

ちっ、っち、乳、いや、父親??

 

以前、彼の写真が送られてきたことがある。

その時私は、彼女が「実の父親」を紹介してくれるのだから、おそらく私には本気なのだろうと思った。

彼女の好意を強く感じ、写真を見たときは、大変嬉しかった。

 

と同時に、恐ろしさを覚えた。

 

 


[父親の似顔絵]

 

特にそのイカツさ。

顔面はコワオモテを通り越している。その強烈なボス感は「子分がケツを擦り付けるあまり、煙が出るほど」であった。

うっすらと彼女の面影はあったが、その表情は怒気で満ちていた。

 

その時私は、『父親には絶対に会わない』と決めた。

 

写真でも伝わってくるそのマフィアっぷりに、これ以上の彼女へのアプローチは不可能だと諦めるほど。

彼は北欧出身とのことだが、一体、何人殺めたのかと疑う眼光の鋭さ。

私が彼の娘を尻目に、夜遊びに興じているブスな日本人だと知られれば、即射殺されるだろう。

彼の迫力は、決して並みの人生では出せないものだった。

 

もちろん、彼女の「心の本丸」を落とすには、避けられない人物ではある。

ただ、父親への挨拶はまだ遠い未来の話だと思っていた。

 

それが、いきなり旅行に「参戦」だと?

初対面でいきなり一緒に旅行へ?

頭おかしいのか?

部屋とかどうするの?

 

彼女の意図が全くわからないまま、サイコロを振る思いで返信する。

 

私「Yeah! I wanna meet him also!(もちろん! 彼にも会いたいです!)」

 

彼女「So sweet, Range! And…(超嬉しい、レンジ! あとね…)」

 

追加で、彼女の幼い弟も参加することに。

もちろん母親も。

 

でしょうね。

 

結局、私を含めて5人の旅。

彼女と二人でバカンスのつもりが、いつのまにか相手の「思い出家族旅行」に付き添うだけとなっていた。

 

さて、この返事の結果、どのような旅になるのか。

 

 

その後、彼女と二人で旅のスケジュールや目的の観光スポットについて、あーでもない、こーでもないと意見を出し合いながら調整した。

 

特にホテルについては気になるところ。

彼女に意見を求めると、

 

彼女「I wanna stay in big room. Family room. Everyone together!(大きな部屋が良い。ファミリールーム。みんな一緒!)」

 

なるほど、よしよし。わかった。

この旅で、私が心休まる時間は一切ないということだ。アウェーチームとともに超アウェーのホームスタジアムに行くのだな。

よし、わかった。

 

それでも、こちらに出来るだけ有利な(ベッドルーム同士が離れているなどの)条件のそれらしいホテルを探す。

しかし、2ベッドルームや3ベッドルームを備えるホテルは少なく、特に街の中心部には見つからなかった。

 

そしてしばらく検索していると、ダバオ市内から少し離れたところに、リーズナブルなファミリールームのあるホテルを発見。

 

レッドナイトガーデンホテル


[ホテル外観写真]

 

清潔感は写真ではわからないが、部屋の間取りは2LDKと条件は良さそうだった。

 

彼女にホテル情報を確認してもらうと、

 

彼女「Nice! Okay!(素敵! いいね!)」

とのこと。

 

料金も良心的で、一泊3,000ペソ(約7,000円)程だった。

 

そして、旅程は3泊4日に決定。

 

しょうがないか。

何度も感情を抑える。

この際、彼女の家族とさらに親密になる良い機会だと好意的に捉えよう。

 

 

ん?

それにしても旅先で、私が寝ている間に殺されるようなことはないだろうな。

まさか、一家揃って私の金品目的ではないだろうな。

そんなことは決してないと信じたいが、一応用心はしておこうか。

 

一転、悪い想像をすると強い不安を感じてきた。

引き返すなら早い方がいいぞ。

私は何度かその葛藤と戦った。

 

しかし、彼女に今さら「仕事で無理になった。」などと嘘は付けなかった。もう行くしかない。

 

そして、旅行出発日は、お互いに直接空港へ向かい、エントランス外に集合しようと決まった。

 

父親とはそこで初対面となる。

 

彼と「初めまして。」からの、旅行開始だ。

 

マニラ空港での初対面挨拶を、頭の中でシミュレーションをしてみる。

 

私「初めまして、レンジです。」

 

父親「お前か。娘にチョッカイを出している輩は!」

 

私「そうですけど…。」

 

父親「許すまじカス野郎め、今すぐ息を止めろ、空気が汚れる!」

 

私「ええぇっ!」

 

父親「成敗してくれるわ!」

 

私「ひいっ!」

 

 

私のイメージトレーニングでは、銃口を突き付けられる絵しか見えない。

 

良い展開など期待できるだろうか。

 

楽しみより恐ろしさの方が強い旅。

 

どうなることだろう。

 

 

 




 

 

[謹賀新年]

挨拶が遅れまして申し訳ありません。

皆さんこんにちは。そして、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

本年もクレマニのブス担当として、周囲をドン引かせるキモさで邁進していきたいと思います。

元日初詣のおみくじでは「凶」だった私ですが、信仰心がゼロなため、100円払ったにも関わらず失礼な文言が書かれたその紙に怒りを覚え、速攻でゴミ箱に捨てました。

皆さんには幸多き一年になることをお祈りしています。

 

なお、一度完結させたはずの「レンジブログ」ですが、続きを外伝として書いてみることにしました。

章ごとに飛び飛びのエピソードになるかと思いますが、のんびり楽しんで頂ければ幸いです。

 

それでは皆さんのご活躍をお祈りしつつ、失礼いたします。

お互い良い一年なりますように!

 

 

クレイジーマニラのブス担当

レンジ

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

4 コメント

  1. レンジさん!
    新年明けましておめでとうございます。
    本年度も、面白可笑しく堪能させて下さいませ!
    宜しくお願い致します?

  2. こんにちは!
    新しい話はダバオでのものでしょうか…楽しみです。
    今年もよろしくです!

  3. hideさん、コメントありがとうございます。
    今年もどうぞよろしくお願いします。筋肉バカとあーだ、こーだ言いながら頑張ってみます。

  4. セブ好き太郎さん、コメントありがとうございます。
    今年もどうぞよろしくお願いします。そうですね、ダバオ編もお楽しみ頂ければ幸いです。

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