[前回のあらすじ]

フィリピーナ彼女とその家族と共に、フィリピン ダバオ旅行に。初日の夜、現地のローカルマーケットへ買い出しに。母親が料理した夕食を食べる。

【レンジブログ106】フィリピン旅行、ダバオのローカルマーケットへ

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

[レンジブログ第一章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

[レンジ外伝第一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた

 

 

 

【レンジブログ107】フィリピーナ彼女とダバオ旅行。家族と迎える朝

 

 

父親とリビングで二人っきり。

室内の音は、TVのみ。

 


[リビングスペース、奥はダイニングキッチン]

 

父親「Do you have amy in Japan?(日本には軍隊があるのか?)」

 

ちょうどTVには、BBCのニュース番組が流れていた。

中東での武力衝突を報道する内容だった。

 

私「We have Self‐Defense Forces, Ground, Maritime, Air. They’re not “Amy”. But there’re some U.S. military bases in Japan, United States Forces Japan.(自衛隊はありますね、陸海空。”軍隊”ではないです。でも、米軍基地はいくつか日本にあります。在日米軍ですね。)」

 

父親「Oh I see.(へー、わかったよ。)」

 

そして、沈黙。

 

ニュースが新たな話題に変わり、父親の興味がそちらに移ると、

 

父親「This guy is so crazy, Right?(この男は相当狂ってるな、だろ?)」

 

何処かの国の殺人事件を伝えるものだった。

 

私「Yeah, I think so.(ですね、そう思います。)」

 

こうして二人の夜は更けていき、日付が変わった頃。

 

父親が「そろそろ休む。君も休め。」と言い、家族のベッドルームへ入っていた。

 

私は一人、リビングのソファへ横になる。

 

TVはタガログ語のバラエティ番組に変わっていた。メインのMCが二人、うち一人はデカいオカマのようだった。

私はオカマに相当なトラウマがあったため、無言でTVを消した。

 

ソファでスマホを触りながら、時刻は午前1時を過ぎた頃。

んー、眠れない。

 

少し煽ってから寝よう。

スーツケースに忍ばせた日本からのウィスキーボトルを開ける。

しかし、私も疲れが溜まっていたのか、ストレートをダブルほど飲んだところから記憶が無い。

 

すぐに寝落ちたのだ。

ソファの上で。

 

 

 

翌朝、午前8時。

ダイニングキッチンから聞こえる話声で目が覚めた。

父親と母親だ。

 


[ダイニングキッチンスペース]

 

そして、父親が朝食の準備をしているようだった。

 

目覚めた私に気付いた父親が声を掛けてくる。

 

父親「Good morning! Range, why did you sleep on the sofa?(おはよう! レンジ、なぜソファで寝たのだ?)」

 

私「Good morning. I like this sofa. Haha.(おはようございます。このソファが気に入りました。はは。)」

 

父親「Oh I see. Can I use another room? Marco made aircon so strong. It was very cold.I couldn’t sleep.I wanna move.(おお、そうか。部屋を使わせてもらっていいか? マルコがな、エアコンを強くかけ過ぎるのだ。寒すぎて。眠れなかったよ。移っていいかな。)」

 


[私はベッドルームを使わなかった。]

 

なるほど。私もそれは心当たりがある。

基礎代謝が異常に高い彼女は、夜も発電所のように火照っている。

 

私「Of course, please use.(もちろん、使ってください。)」

 

この夜から、父親と弟がもう一方の部屋を使うことになった。

 

私は置いていたスーツケースをリビングに移し、今後はこのスペースの一画を私の場所とした。

昨夜のことがもう二日繰り返されるだけだ。我慢できる。

 

私は歯ブラシとタオルを持って、バスルームへ行った。

昨夜は寝落ちしたため、シャワーなしだった。自分の鼻からも香るおっさんの臭い。ダバオの晴れた日の朝、私はしっかりと身を清めた。

 

バスルームを出ると、マルコ達の部屋のドアが開いていた。

中の様子を伺うと、ベッドに人の膨らみが確認できた。マルコは未だ寝ている様子。別のベッドでは弟がボロのスマホでゲームをしていた。

 

私は着替えと身支度を済ませ、テーブルに座る。

父親が作った朝食が並べられていた。

目玉焼き、フニャチンウインナー、パンとライスだった。

 

料理と言っては簡素だが、「フィリピンで男性が食事の準備をする」ことが意外だった。

父親の元々の生まれはフランスだと言うので、もしかすると先進国のように男性が家事をすることには抵抗がないのかもしれない。

 

しばらくすると、マルコが起きたようだった。

 

彼女の歯磨き等を待ち、部屋から出てきたところで、皆で朝食を取り始める。

 

マルコ「Range, I love his cooking. You know?(レンジ、私はお父さんの料理大好きなの。知ってる?)」

 

私「I see. I like cooking also. So I’ll cook for you tonight or next morning.(わかりました。私も料理が好きです。なので、今夜か翌朝、あなたのために作るよ。)」

 

マルコ「Haha, talaga! That’s sweet.(ははっ、本当! それは素敵ね。)」

 

家族も私が作る料理に興味があるようだった。

今夜の食事の予定は未だわからないが、翌朝には「私が作りますよ。」と伝えた。

しかし、弟が「いやだ、お父さんの方が良い。」という旨を、小さな声でタガログ語か簡素な英語で伝えていた。

それを母親が静かに諭す。父親は苦笑い。

 

少年、空気を読め。幼き頃から異国の男のことを学ぶのだ。

 




 

 

そして、私たちは食事を終え、後片付けに入った。

 

私は感謝の気持ちで「私がやります。」と、母親からスポンジを半ば強引に引き受ける。母親は「まぁ、ありがとう。」と、私にシンクを譲る。

 

隣で私の皿洗いを眺めながら、彼女が話しかけてくる。

 

母親「Many men think that housework and childcare are women’s work.(多くの男性は、家事や育児を女の仕事だと思ってるわよね。)」

 

私「Yes. But I don’t wanna be like that.(はい。でも私はそうなりたくないです。)」

 

母親「Yes! It’s important for you to support to each other.(そう! お互いに支え合うことが大切ね。)」

 

私たちはしばらく「男女のあるべき関係」について語った。私は母親のプレッシャーを感じつつも、概ね彼女の言うことは正しいと思った。

 

特に、「女性が外で働くことには、男性は理解しなきゃ。」という言葉には、大いに同意した。今後も是非そうしてもらいたい。

 

そしてその間に、各自外出準備が完了したようだ。

 


[ホテルの外。朝のうち天気は快晴だった。]

 

そう、この日は旅の最大の目的「アポ山 Mt. Apo 」へ行くことになっていた。

フィリピン人であれば必ず見たい山だという。

元々、マルコの強い希望があったからこそ、今回の旅だ。

 

父親「I want to see the mountain once in my life!(死ぬまでに一回見たいね!)」

 

よしっ、任せろ父親。

あなたの将来の息子は頼りになるぞ!

 

もちろん私は事前にその情報を調べていた。グーグルマップによると、アポ山はダバオの南西に位置している。

そして、ダバオから近いところで、「エデンネイチャーパーク Eden Nature Park 」というところが気になっていた。

 


エデンネイチャーパーク ホームページ

 

マルコから「弟も楽しめる場所で。」というリクエストもあった。ここなら、小さい子どもも遊べるはずだ。

 

おそらく地理的には、フィリピン最高峰の山は見えるだろうし、様々なアトラクションがあることも魅力的だった。

ここならば、マルコも家族も満足してくれるだろう。

 

私たち一行は、まず「エデンネイチャーパーク」へ向かうことにした。

 

車の運転はほぼストレスを感じなくなっていた。むしろダバオでのドライブを楽しめる程に慣れていた。昨日、夜間に運転したことが大きかったのだろう。

この日は気持ち良く車を進める。

 

 

助手席のマルコは相変わらずスマホを見ている。

どうやら「韓国ドラマ」に熱中しているようだ。

 

マルコ「I like their only drama, Haha.(彼らのドラマだけ好きなの、はは。)」

 

彼女は私とのドライブには関心が無いようで、終始イヤフォンをして画面を見つめていた。

バックミラーを見ると、両親はドアの外が気になる様子。興味深そうにダバオの街並みと人々を眺めていた。

弟は後部座席の真ん中で、私の運転を不安そうに見つめていた。

大丈夫だ、少年。

今日からは安心しろ。

 

この時の私には、外の風景を楽しむ余裕があるほど、運転が楽しく感じていた。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

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