[レンジブログ 前回のあらすじ]
マニラでのタクシー利用時の注意点を紹介。今でこそGrabなどの配車サービスが一般的なったが、数年前はまだそうではなかった。当時のタクシー利用時の恐怖体験も。初めてのマニラ旅行を検討されている方には今でもぜひ読んでいただきたい記事。
[前回の記事]
【レンジブログ3】フィリピン、マニラでのタクシーについて。旅行者は特に注意が必要。
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
[オノケンのブログの第一話はこちらから]
【オノケンブログ1】転落と後悔
【レンジブログ4】車内でフィリピーナがいちゃつく。ロハス通りからマラテへ。
田原さんとパーリー、信頼のおける?ドライバーとマラテに向けて発車。
ホテルまではこの時間帯であれば30分ほどであろう。
後部座席には、右から田原さん、パーリー、私の並び。
パーリーはシャワーを浴びてきたばかりだった。シャンプーの香りがまた良くて、車内が女性の香りで満ちていた。日本の女性のものとは違うもの。南国フェロモンを感じる香りだった。
現地の女性は日にシャワーを三回は浴びるという…キレイ好きなのだ(もちろん、そうでない女性もいる)。
非日常を感じるには、雰囲気十分の車内。こちらの高揚感、海外旅行特有の心の開放を加速させる。
空港を出て街に入る。
少し交通量が出てきたようだ。赤信号の前には、深夜にも関わらずしっかりと車列ができていた。
[マニラ空港から発車したタクシーはさっそく渋滞につかまる]
『チュパっ!』
今、車内に異質な音が響いた気がした。
私の空耳ではない。黒目を動かさないようにし、真横に視界を広げてみると、
田原「No! レンジさんいるでしょ。」
『チュパっ!』
『チュバっ、ヂュバっ!』
次第に、音が変わっていく。乗車して五分も経っていない。
フィリピーナのパーリーが田原さんといちゃつき始めた。50センチ横に私は居ますけどね。
田原さん「ホテルまで我慢しなさい!」
パーリー「あなたウルサイ」
[パーリーのスカートから伸びるスレンダーな健脚のイメージした絵]
『チュチュバババフゥ!』
パーリーがおっさんを手玉に取っていた。
いやいや、落ち着け。
相手の女性は外国人だ!本気になるな、非日常の世界だ、日本人ではない。などと、いろいろ何とか脳内の合理化を目指すが、記憶にあるパーリーの超絶美貌が圧勝する。
田原「Stop!」
パーリー「ウルサイ、ホントニ」
『ヂュバッヂュバッ!』
タクシー内に響く愛撫音。
田原さんは冷静だが、パーリーは盛り上がっているようだ。
ドライバーさんも無言でハンドル握らないで。ムフフッぐらい笑って私と一緒に苦笑いしようよ。
ノーリアクションだとお互いさらに辛いでしょう。
何で俺が気まずい思いをしないといけないのよ。
はぁっ、田原さんダンディーだし、素敵だよね。その魅力は国や年齢を越える、経済力だけじゃない。
海岸沿いの大通りを北上する車、私は気不味く俯くしかなかった。
たまに苦し紛れに車外が気になる振りをしてみる。
しかしこれまた駄目押し、虚しかった。
おっ救いか。暗闇の中、目に眩しい建物が。
周囲の雰囲気とは明らかに異彩な建物がロハス通りに隣接している。金色の外飾、大型ホテル&カジノだ。
巨大でゴールデンな建物が、またこんな夜中、無駄に豪盛過ぎる。
前回の渡比時にも見た記憶のある外観、シティオブドリームス City of Dreams Manila だ。
[City of Dreams Manila の夜の様子を車内から]
一体どっからその金出てくんのよ、フィリピンにも油田あんのか、人生で苦労したことあんのか、そこのオーナーっ!!
隣で愛撫を見せつけられる私は、八つ当たりの気分だった。
『チュパっ(ハート)』
私は興味ないよと…肘を立て手の甲を顎へあて、疲れた振りを。あきらめるしかなかった。
それでも、次第に周囲の光景が私の心境を虜にし始める。
荒廃と新生が同居し、複雑に輪生する魔都マニラ。
頻繁に目に入ってくる建設途中の高層ビル群はいつ完成するのだろうか。いやいつ建設が再開されるのだろうか。記憶にある一部のビルの工事が一年前からストップしている様である…それも確かに興味深いが。
夜中でも大渋滞が生まれる事があるマニラの交通事情。
しかし、この日は目立った渋滞はなく、スムーズにマラテへ。
次第に街は賑やかになり、活気付く界隈の様子。そして、ここから強烈な渋滞が発生し始める。
行き交う車のクラクション、ジプニーの黒煙を伴う大排気音、突然増える外国人の姿。
でもこれで良いのだ。
[夜のマビニ通り Mabini St. の様子]
夜は特に賑やかなマビニ通りMabini Stはよく覚えている。フィリピンパブの前に立つ女性たち。
来た、来た、来たーっと、おかしなテンションが胸を占めてきた。
しかし、
パーリーが田原さんの膝の上にまたがっているシルエットを、車窓の反射が私の網膜に色無く輪郭だけ残す。
ホテル到着まで無視することは結局出来なかった。
早くホテルに着いてよ、とほほ。
[次回タイトル] マラテmalateのパンパシフィックホテルに到着。マニラのホテルについての諸注意。
[次回あらすじ]
パンパシフィックホテルの概要。また、その他外国のホテルを利用する際のセキュリティ、チップなどについて紹介。