[レンジブログ 前回のあらすじ]
マリーが勤め始めた日本のフィリピンパブにて。彼女の疑いを何とか退けたレンジ。その後のアプローチの許可も得て、気持ち良くフィリピンパブを後にする。
[前回の記事]
【レンジブログ53】フィリピンパブでフィリピーナにパルパロではないと説明して口説く
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
レンジブログを序章から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
レンジブログ第二章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
【レンジブログ54】結局、意中のフィリピーナを口説けず。フィリピンパブ通いを止めるかどうか
あーっ、嬉しい!!
お店を出て、マリーと再会できた喜びの余韻に浸る。
こんなに女性を恋しく感じるのはいつぶりだろうか。思春期のあのもどかしくも甘い青春時代を思い出す。
30歳を過ぎても、こんなに一人の女性の事を考えるものなのか。若い頃のウキウキした気持ちが蘇る。店を出たばかりだが、マリーにもう会いたい。
私は「I miss you so much already. Please take care Marry」(あなたのことがもうすでにとても恋しいです。どうかいつも大事にしてくださいね、マリー)とメッセージを送っておいた。
賑やかな繁華街をスキップしながら通り抜ける。太っているため、ステップは浮いておらず、ほぼズリ足だが。
あー嬉しい。人を好きになる。相手が日本人女性かフィリピーナかは関係ないんだ、と私は感じていた。
帰宅し、スマホを確認する。マリーからの返信はない、既読も付いていない。でも、良いんだっ!
彼女は疲れているのだ。また、明日から連絡すれば良い。おやすみ、マリー。
そして、次の日。
私は午前中の仕事を終え、お昼休み。朝から気になっていたスマホを手に取る。
見覚えのない番号から着信があった。つい先ほど。おそらくマリーだ。
こちらの日本の番号は伝えてある。日本の携帯の電話番号を手に入れたのだろう。
すぐに折り返す。
何度か呼び出し音が聞こえて、通話になった。
私「Good afternoon. I’m Range. Marry?」(こんにちは。私はレンジです。マリーですか?)
マリー「オハヨウ、Marry po。I’m very sleepy. Hahhhh..」(オハヨウ、マリーですぅ。とても眠たい。はー。)
マリーは寝起きらしく、大きなアクビを繰り返しながら話をした。
私は嬉しかった。彼女の寮はこちらのビルからは見えないが、歩いて行ける距離のところだ。すぐそこにマリーがいる。とにかく嬉しかった。
私「I’m sorry to disturb you. Please sleep again, Marry.」(邪魔してごめんなさい。もう一度寝てくださいね、マリー。)
マリー「Yes. I’m very tired, sleepy. Hahhhh. See you Range.」(はい。とても疲れてて、眠いの。はー、またねレンジ。)
マリーは相変わらず素っ気ない。でもそこが良いのだ。
さて、午後からの仕事も頑張るぞ! 今私の人生で、最大のモチベーションを与えてくれる彼女の存在に感謝していた。
私はそれから、仕事終わり、一週間に一度くらいのペースでマリーのいるお店に訪れるようになった。以前は月一度くらいのペースだったが、もちろんマリーにアプローチしている事を伝える為だった。
訪れる度に、「私はあなたの事が好きです。ボーイフレンドになりたいです。」とこちらの好意を伝える。
今すぐの返事は良いから、もしOKなら、私はあなたの気持ちを知りたいです。というスタンスだ。
マリーはいつも嬉し恥ずかしそうにしていた。しかし、なかなか返事はもらえなかった。
マリーが来日してから一カ月ほど経った頃。日本人ウケが良さろうなそのルックスもあってか、彼女はお店で一番人気の女の子になっていた。
しかも、マリーの入店から、急に客足が多くなったようだ。彼女の効果が大きいのだろうか。
私が訪れている時、いつも他に指名客がおり、彼女が私の席に着くことはワンセットで20分ほど。時には10分も座っていない日もあった。店長は私にいつも申し訳ないと言ってくれる。
私も本当はもっとマリーと話したいが、「店内が忙しくなって良いじゃないですか!」と器が広いフリをする。本音は嫉妬で狂いそうになるところを我慢する。
私は、彼女とはマニラで出会った数少ない日本人、しかも日本のお店まで顔を出しているという自負があった。他の指名客の事はそれほど気にならなかった。
まさか、私のようにマニラで彼女と知り合った日本人がここに来ているとは考えられないだろう…。
しかし、ルックスや経済力、もちろんハートも含めて、私なんかより余程魅力的な日本人男性は幾らでもいる。マリーを気に入ってほぼ毎日お店を訪れる指名客もいるとのこと。
強がってはいても、時にはもうマリーはすでに私よりも良い人を見つけていて、私の事など頭にないのかもしれない。単なる日本人客の一人としか考えていないのかも。と、不安になる事もあった。
私については、毎日ではないが週一のフィリピンパブ通い。日本では一般的な所得があるとは言っても、正直な財布事情は辛い。
私の方が勝手に好きになり、そのフィリピーナに会いに行くためとは言っても、他人からは馬鹿げていると思われるだろう。
「レンジ、ブスは顔だけにしておけよw」
と、学生時代に私をいじめていた旧友は笑っていた。彼とは久しぶりに会い一緒に飲んだ。しかし、金輪際、彼と会うことはないだろう…。私もそれはわかっているのだ。
それでも、国籍は関係ない、好きになった女性がフィリピン人だっただけだ。そう思ってその後もお店に通った。
しかし、マリーの来日から二カ月が経った頃。状況はほとんど変わらず、告白の返事はもらえない。
彼女は私が来店すると本当に嬉しそうにしてくれるのだが。
固定客の一人と認識されたのだろうか。この頃、私のアプローチ意欲もさすがに諦めが出始めていた。
彼女のことはもう諦めようか、フィリピンパブへ通う事はもう止めようか、フィリピンに対して情熱を持つことなど止めようか、と考えることも増えてきていた。
改めて冷静に自己分析すると、フィリピンパブでフィリピーナに入れ込む冴えないブスな日本人。いつになったら、目を覚ますのだろうか。
諸先輩方は「フィリピーナへの本気のアプローチはゆっくり、ゆっくりね」と言う。現地のKTVママ達、ガイドや友人も皆そう言う。
待ってよ、おいおい…
「できるだけ長い期間で、搾れるだけ多く、フィリピン国に日本円を流せ」 だと!?
彼らのアドバイスが、私にはそう聞こえるようになってきていた。
それでも、私は根気強い方だと思っていた。マリーやフィリピンという国が好きなことは間違いないのだが…。葛藤が確かにあった。
しかし、マリーの私に対する態度はいつになっても変わらない。素っ気ないと感じる様子が今後変わるとも思えなかった。
そして、マリーの日本滞在が三ヶ月を過ぎようとしていた頃、日本での仕事も忙しくなってきていた事もあって、その頃からお店に行く頻度は急激に落ちて行った。
彼女との電話やメッセージのやり取りも明らかに少なくなっていた。
そんなある日、スマホに着信が。
フィリピン師匠からだ。久しぶりの連絡だった。私は何だかとても嬉しかった。
田原「レンジさん、久しぶり! 元気にしてる?」
私「あー、田原さん! ご無沙汰しております! 元気です!」
[田原さん似顔絵]
田原さんは、私の初めてのフィリピン旅行へ誘った人。このクレイジーマニラが始まるきっかけを与えてくれた人である。私の人生の師匠でもある。
[田原の紹介記事]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
田原「ちょっと急なんだけど、今月下旬にマニラへ行く便があるんだけどさ。レンジさんご一緒にどうかなーって!」
私「なるほど、ありがとうございますっ! 今月下旬ですね、ちょっと確認します。」
スケジュールを簡単に確認すると、確かに無理をすれば調整できそうだった。何より良い意味か悪い意味か、フィリピンに対して前回よりも興味が増していた。
マリーとの関係も何か進展させるような発見が現地であるかもしれないし。
私は、現状を打破したかったのだろう。
私「田原さん、行けます、ご一緒します!」
[次回あらすじ]
もどかしい日本での生活に嫌気を感じていたレンジ。ナイスなタイミングで田原からのマニラへの誘い。レンジはOKを出し、3度目のマニラ旅行への準備を始める。