インスタグラムで笑顔 浮気写真流出

 

[前回のあらすじ]

マニラのKTVで出会った女性をアフターに誘うも一度は断れる。その後に何とかアフターで食事へ。翌朝、フィリピーナ彼女から電話が掛ってきて、浮気を疑われる。いや、バレた。

[前回記事]
【レンジブログ136】KTVアフターに誘って、フィリピーナに告白

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[序章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

[第一章第一話]
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ

[第二章第一話]
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る

[第三章第一話]
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。

 

レンジブログは第三章で完結しています。

それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」

 

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

[外伝一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた

 

 

【レンジブログ137】浮気写真流出、フィリピーナに浮気がバレる?

 

ーーマルコから送られてきた写真。

 

華やかな空間に浮かれている私がはっきりと映っている。

 

心当たりはもちろんある。昨日のマカティ、アンドレ達と飲んでいたときのものだ。

 

くそおぉう!

あんなに帰りたいと思っていたはずなのに、何なんだこの弾けんばかりの笑顔は。

 

そして、直後にマルコからインスタグラムのアカウントが送られてきた。

それにアクセスする。

 

手が震えてくる。

 

……手が震えているのか、眼球が震えているのかわからない。
 

インスタグラムで笑顔 浮気写真

 

7,531いいね…

 

たった一晩で、7,000人以上に見られている。

 

アカウントの持ち主のフォロワー数を確認すると、

 

54.7K

ごっ、五万四千人!?

 

震えでディスプレイが見えない。視界も暗くなる。

 

一般人のレベルを超えているではないか。もうマニラを歩けない。

アンドレではない。誰だあっ!

 

はっ!

そうだ、彼女らはモデル。一般職ではない。写真という媒体では圧倒的に有利な職業だ。

しかも、横のつながりなどいくらでもあるだろう。

巡りに巡って、マルコがこの写真を見つけたのだ。

 

ーーこの写真を消してくれと依頼しても手遅れ。思いっきり私だ。遺影にしてもらいたいほどの笑顔だ。

 

正直に話すしかない。

私はマルコに電話を掛けた。

 

呼び出し音が鳴るものの、出る気配はない。

仕方なくメッセージで説明する。

 

私「They’re just friends. (彼女らはただの友達です。)」

 

とりあえずこのまま部屋に居てもしょうがない。私は外出の準備をしながら、マルコの反応を待った。

 

10分後に返信があった。

マルコ「You’re liar. You told busy for working. This is work? Ha!?(嘘つき。仕事で忙しいって言ったじゃない。これが仕事? はっ!?)」

 

私「I should talk about that for you. I’m very very sorry. (あなたに話しておくべきでした。本当にごめんなさい。)」

 

マルコ「Liar. I don’t wanna talk to you anymore! (嘘つき。これ以上話したくないわ!)」

 

出た。

マルコの「anymore」。

この一言が私にとって破壊力抜群なのである。精神的に壊滅的なダメージを受ける。

RPGのセーブデータが全て消去されてしまうような単語、anymore。

 

ーー考えた。

疑いを払い、彼女の機嫌を取り戻す方法。

そして、私に悪魔が降りてきた。

 

私「No no. I sometimes design their clothes. The night was little party of event. (いやいや。私は時々彼女らの服をデザインしています。その夜はイベントの小さなパーティがありました。)」

 

マルコの返信が止まった。

 

 

私はホテルを出て、マカティへのタクシーに乗った。

 

追加でメッセージを送る。

私「I had to attend the party as designer. It’s one of my work. Please understand. (デザイナーとしてそのパーティに出席しなければなりませんでした。仕事の一つです。理解してください。)」

 

返信はない。調べればすぐバレる嘘、無理があったか。

続けて私は「ごめんなさい。事前に話しておくべきでした」、「彼女たちとは仕事上の付き合いしかない」、「全て私が悪いです。でも愛しているのはあなただけ」、「言うことなら何でも聞きます。許してください」など、思いつく限りの謝罪のメッセージを送った。

 

マルコ「Really? (本当に?)」

 

風向きがようやく変わった。

その直後に電話を掛けると、マルコは反応した。

私は繰り返し謝罪を伝え、その夜の出来事を伝えた。

 

彼女たちとディナーを一緒に食べて、パーティー会場のKTVに行き、その後解散したこと。デザイナーの話以外は事実に沿ったものだ。

マルコは未だ怒っている様子だったが、私の話を聞いていた。

 

ーーそして、彼女の話題が突然変わる。

 

マルコ「I wanna see “Lion”. (ライオンが見たい)」

 

ラッ、ライオン!?

気でも触れたか。

 

私「What!? (何!?)」

マルコ「I wanna go to Philippine Arena. (フィリピンアリーナに行きたい。)」

 

話を聞くと、ブラカンにあるフィリピンアリーナにはいろいろな施設が併設されており、そこに『動物園』があるらしい。マルコはそこにいるライオンが見たいとのこと。

 

フィリピンアリーナ ブラカン
[アリーナではスポーツの国際試合なども行われる]

 

私「O, Okay. What time? (わっ、わかった。何時?)」

マルコ「Three? (午後三時?)」

ということは、マカティに行ってからでは間に合わない。しかし、仕事をキャンセルすることは出来ない。

私「Five? (午後五時は?)」

マルコ「You told me you can do anything for me. Ha!? (何でもしてくれるって言ったよね。でしょ!?)」

 

くっ、我慢だ。

今日も仕事があると知っているはずなのだが。

 

私「I think you need time for ready. Make up or choose your clothes… (準備に時間が要るでしょ。メイクしたりとか服を選んだりとか…。)」

しかし、あまり強くは言えない。戦犯は私だ。

 

マルコ「Oh, yeah. Let’s Four! (ええ、そうね。四時にしましょう!)」

 

「レッツフォー じゃねぇわ!」と反論したかった。

我慢だ。これ以上彼女を刺激することはできない。私はそれ以上の折衝は諦めた。

 

とりあえず、浮気写真の件は収まったようだ。良かった。

 

ーー私は日中の仕事を早めに切り上げ、マルコの家に急いだ。

 

マニラのタクシー車内の写真

 

道中、Grabのドライバーは気さくに話しかけてきた。

 

ドライバー「What are you going to Quezon for? (何でケソンに行くの?)」

私「My girlfriend and her family. (私の恋人とその家族です。)」

ドライバー「Oh, so you have family here? (おお、つまりここに家族を持っているの?)」

私「I hope so someday. Haha, not yet. (いつかそう願います。はは、でも未だです。)」

 

ドライバーは私の話と日本人であることにテンションが上がってしまい、フィリピンの家族の築き方についていろいろとアドバイスしてくれた。

彼も同じ年頃の娘さんがいるらしく、私をその彼氏と重ねたのだろう。父親として誇らしく話していた。

とにかく、父親と母親に気に入られていれば問題ないとのこと。

そして、自宅を訪れる際には、父親については「お酒」を、母親には「花束」を持って行けと言う。特に初めて自宅に伺う際には必ずそうしろとのこと。

私は耳を疑った。

私が自宅に伺う際の手土産はいつも大量の「ドッグフード」だ。見当違いも甚だしい。

お酒? 花束? 早く教えておいてくれ。そんなフィリピンの文化は知らないぞ。

 




よっし。

私「Kuya, can you stop next store? I wanna buy Alcohol and flowers for her parents. (ドライバーさん、次のお店で止めてもらえる? お酒と花束をご両親のために買いたいです。)」

ドライバー「Yes, of course. And chocolate for her and young brother. (そうだ、もちろんだ。あと、チョコレートを本人と幼い弟さんにだ。)」

私「Copy! (わかりました!)」

 

ドライバーは「任せとけっ!」と、スピードを上げた。

 

そして、マルコの家に辿りつくまでに、「お酒」、「花束」、「チョコレート」を無事購入することが出来た。

 

フィリピン人彼女と家族への手土産

 

ーー家のドアをノックすると、父親が現れた。「レンジ、入れ」と肩を叩きながら招いてくれる。

 

ダイニングキッチンでは、母親が洗い物をしていた。私は彼女にも挨拶をしながら、手土産を渡す。

母「Wow! Range, you’re so sweet! (わお! レンジ、とても優しいのね!)」

よっし。

彼女のリアクションを確認する限り、あの悲惨な写真は見られていないようだ。

さすがのマルコもあの写真を家族に共有するのは気が引けたのだろう。優しい父親も銃を構えてしまうかもしれない。

 

そして、マルコが現れた。

彼女は髪を括りながら、手土産を確認する。私には目を合わせなかった。

 

マルコ「I don’t like flowers. (花なんていらないわ。)」

母「Yeah, we can’t eat flowers. We like fruit much better. (そうよ、花は食べられないでしょ。フルーツの方がずっと良いわ。)」
 
ぶふぇっ!
 
父「Range, you know I can’t drink alcohol. Haha, but it’s okay. (レンジ、私がお酒飲めないの知っているだろう。はは、まぁいいよ。)」
 
ぶふぃっ!!
 

そうだった。

 
リビングにブラックホールを感じた。
 
そちらに目を向けると、マルコと目が合った。
 
 
この暑いマニラで寒気がした。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

4 コメント

  1. この記事、過去最高に好きです!レンジさんの良さが満載ですね、魅力と言うかなんと言うか。明日残念です、、、

  2. いつも楽しく拝読させて頂いてます!
    いやー今日の記事、最高に面白かったです!
    実は来週、フィリピンで特別な友達の家に遊びに行くので手土産のハナシ、参考にさせて頂きます!
    タイムリーなネタ、ありがとうございます!

  3. 話も画像も秀逸。もっと読みたい。著者の方には酷だが、笑ってしまう。癒しすら感じてしまう。

  4. インスタのくだりがリアルに怖いですね。明日は我が身、気を付けようと思いました笑笑

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