[ポットブログ 前回のあらすじ]

フィリピンでのマーケティング開始。フィリピーナの『クレア』とモールでデート。彼女のスーパーマーケットでの爆買いに付き合う。そして、彼女の自宅へ向かう。
【ポットブログ22】フィリピーナの爆買い!? スーパーマーケットにて

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

※クレイジーマニラでは以下の二つのブログがメインコンテンツでした。
そして、この4月から新連載【ポットブログ】をスタートしました。

 

オノケンブログ累計610万PV達成 第一話へ
オノケンブログの第一話はこちらから
【オノケンブログ1】転落と後悔

 

クレイジーマニラ レンジブログ
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【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

 

クレイジーマニラ ポットブログ第一話
ポットブログの第一話はこちらから
【ポットブログ1】タイで起業!先輩の誘い、女を求めてフィリピンへ!

 

 

【著者ポットより】

皆さん、こんにちは。

クレイジーマニラのカモ担当ポットです。

みなさん、いつも読んで頂きありがとうございます。

ロビンソンのマーケットで買い物をした私とクレア。

爆買いにも程がありましたね。

そして、持つのが大変な量の食材を買い込み、クレアの家に向かいました。

初めて招かれるフィリピン女性の自宅。

私は緊張と興奮が止まらず、何度も心の中で「冷静・丁寧・正確に」と繰り返すのでした。

それではポットブログ23をスタートさせて頂きます!

 

 

【ポットブログ23】大冒険終焉の危機!? ワンチャンより命が大事!

 

ーー『クレアの家は飲食店でもしているのだろうか?』と思うほどの大量の食材。

一体、どのような家に運ばれるのか。

彼女のいろいろな背景に興味が出てくる。

 

タクシーに乗ったクレアは運転手とタガログ語で話していた。

私には「オポ」以上はほぼ分からず。

完全にクレアにお任せ状態。

しかし、出発するなり、クレアが怖い顔で私に言った。

 

クレア「鍵を閉めて。窓は絶対に開けてはダメ」

 

うほっ!

車内でプレー開始なのか!?

テンションがマックスの私。

彼女が私を遮り、ドアロックした瞬間、抱き付いてキスをした。

 

クレア「ポット! バカっ! 違うっ!」

 

ぶふぇっ!?

しかし、勘違いだったようで、肝心のクレアはどうも試合という雰囲気になっていない。

 

クレア「本当に危ないだから」

 

 

私「ごっ、ごめんなさい」

 

そして、キス以上の展開に進めないまま、移動が続いた。

 

ーーまだマニラを出て10分程度。

次第に、周りの景色のローカル感が増していき、私の想像を遥かに超えた景色に変わっていった。

 

そして、おもむろにクレアが口を開き、私に説明し始めた。

 

クレア「この辺りはドアを開けて中の物を取ろうとする人がいるから、鍵は絶対に閉めないといけない」

私「は、はい」

クレア「何かを子供が売りにきても絶対に買ってはいけない。何人にも囲まれて動けなくなる」

私「は、はい」

クレア「この国は都市部以外は本当にデンジャーだ」

 

真剣なまなざしで私に説明するクレア。

彼女の表情を察した私は、『これは私のエロい気持ちを止める為のディフェンスではなく、本当に危ない場所なんだ……』

と感じた。

 

外を見ると、道路の脇にトタンで作られたようなチープな小屋が並ぶ。

道端では、何かが燃えていた。たき火にしては大きな火だった。

 

 

まるで北斗の拳の世紀末のような情景の実写版のような景色。

 

ーーそこから更に車は進み、車は田舎道へ。

木々の生えるエリアはジャングルの中のようだった。

 

これは…… ジブリ映画に出てくるような森の中。

『トトロの家?』と思わせる程の森の中だった。

見るからに飲食店は無く、民家もない。

 

運転手も「こっちで良いの?」とクレアに何度も確認するが、彼女は「オポ」しか言わない。

 

ーーそして、少し広くなった所にある駄菓子屋の前でタクシーは止まった。

周りに家は1軒も見えない。物置か小屋のようなものだけ確認できる。

 

クレアは「車はここまでしか入れないので、ここから5分くらい歩く」と言う。

 

 

どこだ、ここは?

ちょっと待ってくれ。

自分の置かれた現状分析の時間が欲しいのだが……。

 

タクシー代を出そうとすると、クレアは「沢山買い物をして貰ったから私が払う!」の一点張りで引かない。

仕方なくクレアにタクシー代を払って貰い、大量の荷物を両手に抱える。

その間にも私は現状分析を続け、ようやく事態を把握した。

 

まずい……。

これは非常にまずい状態だ。

 

私は気付いたのだ。

ここに来る道中、スキがあればチュッチュしていて、周りを全然見ていなかった。

というより、見るに値する景色は一切なかった。

途中電車のようなものを見た気もするが、それも大分前の話でそこまでの道も分からない。

 

一応電話の電波を見た。電波は繋がるようだが、私はタクシー会社の電話番号を知らない。

知っていたとしても、ここの住所を知らないのでタクシーを呼べない。

つまり私は今、非常にピンチである事に気付いたのだ。

 

肉食動物がうじゃうじゃいるかもしれないサバンナを、生身の全裸で駆け抜けるような無防備さに等しい状況だと気付いたのだ。

 

 

私は脳をフル回転。

とりあえず帰宅の保証はここで欲しい。

私はクレアにお願いし、「運転手へチップを渡すのでここで待っていて欲しい。ロビンソンまで乗せて帰って欲しい」と伝えて貰った。

 

運転手は快くOKしてくれた。

よっし。

何とか帰りの足は確保できたようだ。

 

その後、両手に荷物を持ったクレアは山の中へ入って行く。

いや、少し表現が違う。

谷の方へ降りていくという表現が正しいだろう。

人が一人通れるくらいの道幅しかない道を当たり前のように歩いていく。

 

私は『これ道なの? 大丈夫? 獣が出てきたら? いや、人が出てきた方が怖いのだが……』とビビっていた。

しかし、クレアはどんどん進んで行くので、彼女に付いていくしかない。

 

途中でチラホラ平地があり、1,2軒のボロ民家が見えたが、クレアはまだまだ歩いて行く。

 

そして、完全なる獣道へ。

この辺りなら、たとえ私が命を落としても誰からも気付かれないようなところだ。

 

「これはいよいよ危ない!」と思った瞬間、木が打ち付けてある小屋が目に入った。

 

そして、慣れた様子のクレアが手招きする。

 

 

これは……、家ではない。

 

私くらいの体重がある男が、本気のショルダーチャージを食らわせたならば、たちまち崩れるような木の小屋だった。

 

クレアのような美しい女性が住んでいい場所ではない。

しかし、彼女はその中へ入って行った。

すると、間髪入れずに「マン!」という声が響き、子供が飛び出してクレアに抱きついた。

 

そうだ。

クレアは子持ちのシングルマザーだったのだ。

今の今まで忘れていた。

 

家に誘われてワンチャン出来ると舞い上がった自分を殴ってやりたい。

家には子供がいるとなぜ想像出来なかったのか・・・。

自分の分析の甘さを思い知った。

相手の事も知らず、勝手に自分が舞い上がってしまっては、勝てる戦も勝てない。

そうでなくても、既にワンチャンへの気持ちは切れかけていたので、これはこれで幸いしたと言えるだろう。

 

私は大量の買い物袋を家に置き、「運転手を待たせてるから戻るね」とクレアに告げた。

 

ーークレアは「家にあがってコーヒーでも飲んで」と言ってくれたが、荷物を置いた時に私は家の中を見てしまった。

 

 

冷蔵庫がないのだ。

洗濯機もない。

お鍋を作る時にお店が出してくれるようなカセットコンロが1つあっただけ。

もちろん、エアコン、扇風機、テレビもない。

家の中には電気すら点いていなかった。

おそらくここまで、電気が通ってないのだろう。

 

ーーこれは後日談なのだが、クレアに「あんなに買った食材はどこに置いたの?」と聞いた所、「近くに冷凍庫を持っている家があるので、そこに保管して貰う」のだそう。

また、「保管して貰う時に半分くらい減ってしまうので、多めに買っておかないと子供にお腹いっぱい食べさせられない」という悲しい話だった。

 




 

さて、それよりも今度は自分の命の方が心配になってきた。

現在自分がどこにいるのか分かっていない。

完全なるジャングルの中。

このエリア付近、全体の人口が10~20名程度ではないかと予想されるこの集落。

お店は小さなサリサリ駄菓子屋が1軒のみ。

 

 

『早くここから脱出したい。マラテに帰りたい』

 

私はそう強く願った。

 

家に来るまでは超ハイテンションであったが、今はテンションが低いを通り越して地中にいるような感覚である。

何度フィリピンでこのフリーフォールのような急上昇と急落下を繰り返すのだろうか。

日本では絶対に出来ない体験をフィリピンでは何度もだ。

 

ーー来る時は下りで早かった坂も、返りは登りで結構辛い。

登山とまでは言わないが、足元も悪い。

更に外が徐々に暗くなっており、足元も見づらくなっていた。足を踏み外したら、私は奈落の底へ落ちてしまう。まだ死にたくない。

ガラケーのショボい光を足元に当てつつ、ゆっくりと坂を登って行った。

 

しかし……。

 

私はこの時、命を諦めざるを得ない状況に遭遇するのであった。

 

駄菓子屋の前まで戻ってきた私。

一本道なので迷う事はなかったはず。

 

待ってくれているはずのタクシーが……

 

いない!!!!!!

 

洒落にならん!!!!!!

 

死ぬ!!!

 

なんと、この携帯の電波もギリギリあるかないかの場所で、しかも自分がどこにいるのか説明も出来ない超田舎にも関わらず、頼みの綱だったタクシーが姿を消していたのだ。

 

日本のみんな……

 

今までありがとう。

 

私はこの時、生きる事を諦めた。

 

 

 

[ポットブログ23終わり]

 

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[ポットブログ23あとがき]

 

クレアの自宅の実情は、電気も届かない小屋のような家。

それを見て大きなショックを受けました。

とてもワンチャンなんて事を考えられなくなってしまいました。

しかし、それよりも帰りの約束をしていたタクシーに逃げられてしまい、絶対絶命の危機に陥ったのでした。

次回、果たしてポットは生きて帰れるのか? 大冒険は続くのか!? の巻

 

オノケン
クレイジーマニラ ライター オノケン
ポットさん、お疲れ様です。何となく分かります。私もいくつか貧しい環境の場所へ行ったこともあるので。貧困はまだまだありますね。
レンジ
クレイジーマニラ ライター レンジ
ポットさん、お疲れ様です。大冒険飛ばし気味かもしれませんね。いきなり見知らぬ土地に行くのは、かなり無謀かと言われるかもしれません。どうかご無事で!

 

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ポット
クレマニのカモ担当。アラフォー。日本じゃシャッチョさん、マニラじゃカモネギさん。 日本の恩人のススメでマニラで起業を試みるが、仕事より女性を優先してしまうダメ男。 果たしてビジネスは成功するのか?マニラで性交できるのか?

6 コメント

  1. ほらー、言わんこっちゃない笑笑
    あんまりホイホイ付いて行くと本当に危ないですよ!
    ポットさんの事例は、普通の旅行者の方は真似しないように!
    って、相当ぶっ飛んでる話になってますけど笑笑

  2. 後日談があるって事は、この後、クレアが心配して見に来てくれて無事に帰れて感動、
    そしてさらにかもられたってことですかね(笑)
    それにしても命知らずですねぇ。気をつけてくださいね。

  3. こんなスラムから、あの煌びやかなマラテまで毎日働きに来てるって、フィリピンに旅行に行ける日本人からすると衝撃すぎますね…

  4. あ~あぁ、やっちゃいましたね~(^o^)
    前回からフラグ?は上がってましたけど、見事過ぎますw
    よく知らない人について行ってはダメって幼い頃親から言われませんでしたか?
    フィリピンでは都市圏を離れるとガラッと雰囲気等変わりますから気をつけないと。
    う~ん、この後無事に生還されることを祈ってます!(^_^)/

  5. ぜったいポットさん超ベテランさんでしょう?こんなこと初心者は絶対に無理でしょう?フィリピンに少し慣れたころに夜の景色にあきて庶民的な場所にいきたくなるのはわかりますが、これはチョットないでしょう。怖くて肛門のあたりから背筋を通り越して脳ミソに嫌~な電波がながれます。チンコはチジミ上がり顔がほてり、ヤバイ・怖い・となったことがあります。

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