名古屋 繁華街

[レンジブログ 前回のあらすじ]

フィリピーナのマリーが日本に到着。レンジが住む街の、レンジがよく知っているフィリピンパブでタレントとして働くと言う。

[前回の記事]
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ

レンジブログ第二章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る

また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m

オノケンブログの一覧はこちらから

【レンジブログ52】マニラで出会ったフィリピーナと日本のフィリピンパブで再会

 

この半年で、マリーはどのように変わったのだろうか。私はマニラで彼女に出会ってからの事を思い出していた。

 

初めて出会った彼女は、大人しい美人フィリピーナという印象だった。

 

出会いはマラテのパンパシフィックホテル前。その後、ディスコに行き、なぜか彼女を泣かしてしまった事。トイレへの謎エスコート。彼女が現地で初めてKTV 勤務を始めた事。パルパロだと怒られた事。アフターの約束をした事。しかし、KTVの同僚とモメたらしく、その後は会えなかった事。

[過去参考記事]
【レンジブログ35】フィリピーナが会話中に大号泣。マラテのディスコ EXKLUSIVE にて
【レンジブログ45】フィリピーナにパルパロではないと説得できるのか
【レンジブログ47】フィリピーナが客の取り合いを始めて修羅場に?

 

そして、私が帰国してからはラインでのやり取りが今も続いている事。

 

うおー! 思春期、転校で離れてしまった好きだった女の子に再会できる様な気持ち。私はマリーがやっぱり好きだ、彼女に会いたい。

 

私は、皆が認める太ったブスのおっさんである。それでも、私にも人権があるはず。彼女に本当に恋心を抱いているのだ。学生時代のように甘くすっぱい気持ちが、30代を過ぎても感じることができる幸せ。

 

その夜、彼女からの返信はなかった。それでも良い。人生に生きる意味を再び与えてくれている人が近くにいる。それだけで幸福感があった。

 

 

そして次の日。

 

この日は平日、私はもちろん仕事があった。日中はマリーの事が頭を巡りあまり業務に集中出来なかった。

 

とにかく幸せな気分だった。日本で今日マリーに会えるかもしれない。

 

午後8時、仕事が終わり、会社を出る。

 

 

さて。

 

スマホをチェックするが、昨夜から返信はなかった。ここ日本は、現地ほど通信状況が悪いとは考えられない。店の寮にはWi-Fiがある事は知っていたし、おそらく勤務の準備等で忙しくしているのだろうか。

 

時刻はちょうどお店が開店した頃。私はマリーがまだ働いていないかもしれないと思ったが、一応そのフィリピンパブに寄ってみることにした。会社からは徒歩五分の場所。本当に目と鼻の先である。

 

とりあえず、会社を出てすぐの牛丼屋で空腹を満たす。ほぼ毎晩寄るお店、メニューも決まっている。「牛丼大盛り、別にご飯二杯、おしんこセット」、たんぱく質も野菜も取れているバランスの良いメニュー。塩分を気にしているので味噌汁は抜きだ。(当時の食生活を今のケンさんに知られると怒られるので黙っておこう。)

 

夕食は仕事終わりの至福の時間。でも、体型は気になるので腹八分目で止めておこう、と完食した後にいつも思う。

 

さて、マリーのところに行ってみよう!

 

賑やかな繁華街へ。そして、そこを通り過ぎ、裏の静かな通りへ向かう。

そのお店は本当に昔ながらのフィリピンパブという感じで、古めかしいフィリピーナの顔写真が看板のところ。日本の普通の30代男性が通うには少し照れてしまうような店構えだ。実際、何度も訪れているピンパブだが、過去に私より若そうな客は見かけたことがない。

 

階段を登り、お店の前に立つ。多数の防犯カメラが入店する客を見下ろす。ここのオーナーはとても用心深いのだろう。同伴やアフターが厳禁であることからもその徹底した経営姿勢が感じられる。いつものように少し緊張しながそのエントランスの扉を開ける。

 

店長「いらっしゃいませー! あー、レンジさんこんばんは!」

私「どうも、お疲れ様です! 店長、実は…」

 

私は事のいきさつを説明した。マニラで出会ったフィリピーナが、ここで働き始めると聞いたので来店しましたと。

 

店長「レンジさんそれ、結構な奇跡ですね! えっとね、確かにその女性は今日から入ってますよ。」

私「本当ですか!? 嬉しいです!」

 

やった、マリーに会える!

 

店長に今日のマリーの様子を聞くと、午後に起きてからはずっとショータイムのレッスンをしていた、昨日は移動日だったので大変疲れているだろうとのこと。そして、彼女が使用する名は、マニラのKTVで働いていた時とはまた別のものらしい。

 

私はマリーを指名した後、席に通された。いつも座る場所、入り口側奥の席だったが、マリーに再会できるかと思うと、期待感と同時に緊張してきた。

 

店内は平日の早い時間という事で客は私一人だった。いつも閑散としているが、本当に経営は大丈夫なのだろうか、このピンパブは。

 

そして、ドリンクをオーダーした後、しばらく。

 

これ以上、待たされると心臓の鼓動が大きくなってきそうな感覚。うーっと、期待が緊張を超え始めたころ。

 

衣裳部屋のある方から、その人はゆっくりと現れた。

 

 

 

マリー「Hi」

 

[日本にやってきたマリー、外見の変化はないようだった。]

 

うおー、マリーだ!!!

本当に日本に来て、今この店で会えていることが信じられない。でも、本当に彼女だ!

 

私「Hi…」

 

おっさんは涙もろくなっていた。彼女の顔をまっすぐ見れない。ブスが泣くなと心で思うが、本当に嬉しかったのだ。

 

しかし、確かにマリーだった。半年前にマニラで出会ったあのマリーだった。見た目はほとんど変わっていない。

 

そして、マリーも目線を外しながら、私の横に座る。お互いの膝は拳三つ分ほど離れていた。

 

私は笑顔を強制的に作ったが、ぎこちない。おそらくマリーも同じだった。

 

さて、何から話すか。いや、入店前に決めていた。

 

私「Do you know about me?」(あなたは私のことを知っていますか?)

 

 

私の渾身の一言だった。

 

それを聞いた彼女は潤んだ目で満面の笑顔になる。

 

 

マリー「Range, of course. Of course.」(レンジ、当たり前。当たり前。)

 

 

マリーは両手で私の膝を強く揺すりながら、「知ってるに決まってる」と言ってくれる。

 

私の一発目ツイートで二人はすぐ笑顔になった。私のブスジョークが通じたようだ、良かった。

 

マリー「I, I… I was so surprised just now! I don’t know where you live in Japan. Diba? 」

(私は、私は… 私はさっき本当に驚きました。私はあなたが日本のどこに住んでるか知りません。でしょ?)

 




 

私「Yes」(はい)

 

マリー「You know I’d not choose where to work in Japan. You live in this city? 」(あなたは、私が日本のどこで働くか選べないことを知っています。あなたはこの街に住んでいるの?)

 

私「Yes!」(はい!)

 

マリー「It’s unbelievable…」(信じられません。)

私「Me too. 」(私もです。)

 

女性は運命や奇跡と言う言葉に弱い。フィリピーナは特にロマンティックなことが好きだ。いや、世界共通か。

 

私(心の中)「I feel this is fate. God made us find each other. 」(私は運命を感じています。神様がお互いを巡り合わせてくれました。)

 

感激のあまり、どブスなセリフが頭に浮かんだが、ブス過ぎるためこれはいつかどこかに取っておこう。

 

とりあえず、私たち二人は再会を喜んだ。Anyway, long time no see! とお互いに肩を叩いた。

 

また、How are you? I miss you so much for long time. など、SNSでやりとりしていた会話を、実際に顔を合わせてコミュニケーションが取れていることがとても嬉しかった。すぐに、お互い半年の空白は埋まったように感じていた。

 

そして、私とマリーのドリンクが運ばれてきて、二人で乾杯。

 

フィリピンから日本へ、ようこそマリー!

 

私「Actually, I’ve been to this KTV many times.」(実は、私はこのKTVに何度も来たことがあります。)

 

マリー「・・・What!?」(・・・なに!?)

 

あれっ、何かおかしいこと言ってしまったのか? マリーの表情が急変していく。

 

私「I have some friends here.」

 

マリー「Haaaahh!?」(はあぁぁああ!?)

 

あー、これ懐かしい。

 

マリーに会えた嬉しさで足元が見えていなかったのだろう。私はまた地雷を踏んでしまったようだ。いや、調子に乗って地雷地帯でぐるぐるバットをしてしまっていたようだ。

 

マリーの感情ジェットコースターが発車した。

 

[マリーの過去記事]
【レンジブログ35】フィリピーナが会話中に大号泣。マラテのディスコ EXKLUSIVE にて
【レンジブログ44】フィリピーナがパルパロだと怒る?その理由について

 

[次回あらすじ]
マリーとの再会を日本で果たしたレンジ。しかし、彼女にこの店に出入りしたことを伝えてしまい、険悪なムードに。再びパルパロではないと釈明できるのか。

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

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