[レンジブログ前回のあらすじ]
フィリピーナの元彼女マリーに会うため、マニラへ。彼女は娘と一緒で忙しいと言う。時間を持て余したレンジは夜遊びに興じる。そして、翌日にマリーからお金の工面の話を振られる。
[前回記事]
【レンジブログ162】フィリピーナに恋して恋して、そして焦がされる
レンジブログ
[レンジブログ第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
レンジブログは第三章で完結しています。
そして、それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。
オノケンブログ
[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。
ここまで三つの外伝がそれぞれ完結しています。
レンジブログ外伝
[外伝一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた
[外伝二章第一話]
【レンジブログ121】フィリピンから帰国、その日にフィリピンパブへ
[外伝三章第一話]
【レンジブログ140】フィリピーナ彼女を初めて日本へ招待してみた
【レンジブログ163】超ショック! フィリピーナからお金の相談をされる
マリーからのメッセージを読んだ後、私は絶望感に包まれ、しばらく視界を失った。
彼女は私の既読を待っていたのだろう。直後、立て続けにメッセージと画像が送られてきた。
「ごめん。今回だけ助けて」と言う文言、クレジットカードの写真、カード支払明細、督促の転送メール。
先月、クリスマスのためにカード払いで買い物をしたのだが、何か問題が発生したため、残高が足らないと言う。
約50,000ペソ。
これをヘルプしてくれ、もしくは貸してくれと言うメッセージだった。
[マニラのマラテエリア]
マリー、お金が無いのか……。
それにしてもなぜ未払いが発生したのだろう。払えると見込んでいたのに、十分な給与を得ることができなかったのだろうか。
私は彼女がお金に大変厳しい人だと知っていた。お金の管理はもちろん、他人への貸し借りにも厳しかった。そんな点も彼女の良いなと思うところだったのだが……。
彼女のメッセージには多々不審な点があり、私はすぐに「OK」とは言えなかった。
まずは電話で話を聞いてから。
私は彼女に電話した。
彼女は待っていたように電話に出た。
ーー話の内容は、メッセージで受け取ったものとほぼ同じ。
彼女はとにかくお金が必要で、今回だけお願いと言う。
確かに今までマリーからお金の工面の話は出たことは無かった。彼女が言う「今回だけ」は信じることができる。
彼女とはいつもケンカだったが、金銭で揉めるのは初めてだった。
ーーまた別に確認したいことがある。もっと重要なこと。
彼女のドラッグ疑惑だ。
最後に電話した時、彼女は不吉な単語を連呼していた。男の声とともに。
私は彼女の金銭話を遮り、「それよりあなた、前にドラッグしてたの? 男もいたでしょ?」と聞いた。
フィリピーナ彼女からの衝撃の告白。フィリピンの闇に触れる
「NO! Last time call diba? Not me. He’s my brother’s boyfriend. I don’t know where they are now. (違う! 最後の電話でしょ? 私じゃないわ。彼は弟のボーイフレンド。今は何処にいるか知らない。)」
おっ、おう。
改めて彼女の話では、ドラッグ疑惑があったのは同じシェアルームに住んでいた弟の彼氏。彼女は弟カップルに憤慨し、その場で同居を解消したと言う。
特にマリーはその時、ミンダナオから子どもを連れて来ていた。それもあって怒り狂い、弟たちとは勘当したと。
その一連のやりとりを電話で聞いた私は、怒号が飛び交う中、彼女がキメていると勘違いしたのだろうと。
なるほど。
これについては、まずホッとした。彼女の弟さん達のことは心配だが。
ーーしかし、今まで彼女とは音信不通だった。
それなのに直近から連絡して来たという事は、今回のお金のトラブルがあったためだと考えるのが普通だ。
『レンジ=忘れかけていたATM』
である。
千年の恋も冷めると言うやつである。
私は自らの言動に絶望し、マリーに対しても同様だった。
ーーこのとき、電話はお互いの押し問答のようになったため、「ごめん、急用で忙しいから」と私の方から切った。
すると、その後鬼のように着信が続いた。
私は全て無視をした。
しかし、彼女からの猛攻は止まらない。
[以下、そのときの長文メッセージ連打の一部です。画像の下に意訳を掲載しています。]
[メッセージ意訳]
「電話に出てよ」
「信じられない。私があなたのお金でラッキー? 何で?レンジ、あなたの中で、私が悪いことしたなんて一度もない。特にお金に関しては。ふざけてるの? それともどうかしたの? ねぇ、レンジ、子どもじゃないんだからちゃんと聞いてよ。そうよ、私はフィリピーナであなたは外国人。もし過去に嫌な経験をしたとしても、それを私と比較しないで。全てのフィリピーナが悪いと決めつけないで。全てを知ってるわけじゃないでしょ」
「あなたはお金に関して悲しい、失望している? あなたは本当に私の彼氏なの? それとも体目的?」
「もし、ヘルプしてくれないなら良いわ。モウオネガイシナイ。別の新しい素敵な女性を見つけて。金銭問題が全くないような。あなたはラッキーね」
自然消滅したと思っていた関係だったが、彼女はまだ私の事を彼氏だと認識しているようだ。
その点だけは少し嬉しかった。
しかし、私は無視を続けた。
ーー気分を変えようと、外に出て昼食を取ることにした。
そして、マッサージへ向かう。
[マラテ おすすめマッサージ『Mavi』]
年末年始のマニラに何で来てしまったのか。
全てはマリーのためだったのに。
くそっ。
私はすでに予約した帰りのLCCを諦めて、日程を早めようかとまで考えていた。
ーーマッサージを終えると、いくらか気分が落ち着いてきた。
彼女からの未読件数は再び10件を越えていた。
マリー……。
もう止めてくれ。
ーー夜になりホテルへ戻る。
20件を越えたメッセージ。
私はようやく既読を付け、返信した。
「ただあなたを愛しています。でも、あなたは私ではなく、私のお金だけに興味があります。だから、とても悲しい」
と返した。
「それはあなたの考えでしょ!」
「あなたは言うだけね! それは真実ではない! とても悪い考え方よ」
「もし助けてくれないなら、本当のこと言ってよ! あなたは言い訳ばかり。モンク バカリ! アナタノ カンガエル ワルイ。ヘルプ シナイ ダタラ オシエテヨ。遠回しじゃなくて」
普段、連絡してこないのに。お金のトラブルがあったから連絡してきたのだろう?
私のことをATMだと思っていると、はっきり言ってくれればこちらも諦めがつく。
手切れ金として約10万円。
過去に愛した人だ。それくらい渡すよ。
だからもう止めてくれ、マリー。
ーーそれ以降、さらにヒートアップした。
「あなたは私が金銭問題を話したから、とても悲しいって? 本当に自己中ね」
「もし私がお金に興味があったのなら、なぜ二人はワンチャン? 私が愛も無しで? バカ ジャナイノ?」
それは分かっている。マリーは真面目な女性だ。
今、本当に困っているだけなのだろう。
「OK、もう心配しないで。もう止めたわ! 二度とあなたの邪魔はしないから! あなたは私と合わない。ありがとう。幸せにね」
この後も、私にとっては酷い言葉を受けた。彼女も同様に私からの酷い言葉を受けた。
そしてやりとりは終了した。
彼女とは完全に終了した。
ちーん、である。
あのー、何だっけ。
死ぬ間際に聞きたいお経。
『夜マラテ― ホテルで過ごす― もったいないー』
これを唱えたマッチョよ。
私はきっと成仏出来ずに、蘇るぞ。
マニラで祟りを起こしてみせる。
今までのフィリピンでのことを回顧した。
ここまでマニラを好きになり、仕事まで始めたのは、マリーに恋をしたのがきっかけだ。
いつも彼女のことが頭にあり、いつも彼女のために何かをしたいと考えていた。
目的を見失ってしまった。
私は悲しさと寂しさのあまり、ケンさんにLINE電話を掛けた。
彼はすぐに出た。
「レンジさん! お疲れ様です!」
「あー、モゲた」
「マリーに会えました!?」
「会えてない。と言うか、完全に終わったっぽい」
「えっ!? 何があったんです?」
「お金さ。カードの未払いが5万ペソほどあって、それを立て替えてくれって」
「えっ!? マリーがそんなこと言ってきたんですか?」
「んで、ケンカになって。俺も分かってるんだけど、タイミングがね」
「そうですよね。ずっと連絡なくて、ここぞとばかりにお金の話されたらショックですよね」
「これさ、フィリピンの学校で教えておいてほしい。将来的にお世話になりそうな人には月一回は連絡を取っておくってさ。俺もいきなりじゃなかったら別にそこまで気にしないんだけど」
「いやー、でも額も大きいでしょ」
「まぁね。5,000ペソでも渡しておけば良いんだろうけど。いかんせん、相手がマリーだから。落ち込んでる」
「何言ってんですか! マリーのことは残念ですが、次行きましょうよ、次! 街がレンジさんを待ってますよ」
「客としてでしょ」
「うわっ! そんなダサいこと言います? 末期ですね」
「でも、ありがとう。ちょっと元気出た」
私は夜の街に出るか悩み始めた。
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このとき滞在していたホテル
おすすめホテル「JMMグランドスイーツ」
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高層コンドミニアムタイプのホテルです。
アクセス、清潔感、コスパ、総合的に判断してマラテの一押しホテル。チェックインやチェックアウトも超早いです。
長期滞在や、バスタブが無くても構わない方へおすすめします。
一点、四基あるエレベータが時間帯によって混雑することがあります。
んー、お金のことは難しいですから。パートナーならサポートしても良いですけど、タイミングが悪いですね。
でも何とか解決できたら良いですね。
約10万ですもんね…すごい額ですよね…この話をレンジさんから聞いたときは、僕もかなり暗い気持ちになったことを覚えています。この時はお互い不幸でしたね…
ショックです泣
マリーのエピソード読んだ後だとさらに萎えます。
レンジさんとの関係を今後も期待したのですが。マリーも結局お金だったんでしょうか…
潮時、では?!
ご自愛ください、レンジ殿
レンジのパロパロがバレて、試されてるとか?
マルコさんには言われるがままにガバガバに使って、現金要求には厳しいですね(笑)ふんわりと分かります。
私は現金要求でもガバガバですけど(笑)
ブログの内容だけじゃはっきりわからないけど、マリーって根は素直なんじゃないかなぁ
それにしてもレンジブログ、どの回も余さず面白いですね!
これだけの質と量を毎日アップされていることに感服いたします。
フィリピーナとの交際において誰しもが経験する金銭問題。いや、日本でも将来を見据えれば同じことか。
一読者としては、マルコよりマリーが好きです。でも今回の話はかなり堪えますね。マリーはもう難しいでしょう
やはり彼女もでしたか。とは言え、まだ良識あるケースでは?
お金を要求する時の熱量がハンパないですもんね…その情熱を俺に向けろって思うときあります。
わたし今回のマニラであるKTV嬢とつきあうことになりました…
あなたはわたしをお客として会いたいですか?といったらなんと違うと!
しばらく会ってたらどーも違うということで…
まあいずれ金にくると思うので、やはりその時が切れ目ですかな…
私の場合まずなぜクレジットカードを持っているのかという疑いから入りますので、今回の件は完全にアウトですね。どんなに良い子でもお金と生活がかかればなりふり構わなくなります。それがフィリピン。しかし、いつだって突然今日明日中にお金が必要だと言ってくるのは勘弁して欲しいっすね。笑
若くて可愛いらしいフィリピーナがお金をねだってきたらあげれば良いのです。安いものです。だって日本では、モテないからわざわざフィリピンにいくのでしょ?それは、フィリピン国のセット料金です。
私はお金をねだって来たらアウトです。
お金があれば使う国民性ですからキリがないです。