【エッジブログ27】マニラ駐在、上司の彼女が彼女ではなかった！？

 

 [エッジブログ前回のあらすじ]

エッジは、マニラ駐在員として忙しい日々を送っていた。ある日、台湾に住む台湾人彼女がフィリピンに会いにやってくる。そして彼女の帰国日、見送りのため一緒に空港へ。
【エッジブログ26】マニラ駐在、台湾人彼女の帰国日。一緒に空港へ！

 

 

※クレイジーマニラでは現在まで、以下の四つのブログがメインコンテンツでした。

 

上記に、今秋『エッジブログ』が新しく加わりました。

内容は全く新しい連載物で、他ブログとは別ストーリーになります。

 

それでは、エッジブログ第27話をスタートさせていただきます。

 

 

 

 

【エッジブログ27】マニラ駐在、上司の彼女が彼女ではなかった！？

 

 

ーーマニラ駐在も慣れてきたある日の事。

日本からの出張者を連れ、クリークサイドに雪崩れ込んだ。

このときは、珍しくボスも一緒だった。

 

日本からの出張者はマニラへ何度も来ているので、開拓するよりも馴染みの店でまったりしたいらしい。

見た目もシュッとしていてがっつき感はあまりない。

日本でもBMWを乗り回すお洒落さんだ。

 

ーー行くところが思いつかない時の便利な『Geminus』へ。

私、BMW、ボスの三人で入店した。

 

[マニラのKTV（写真はイメージ）]

 

店内に入ると、珍しく工事事務所関連の人たちがいない。

今日は休肝日だろうか？

店内も少し落ち着いた雰囲気だ。

 

皆、各々女の子をつけ席に着く。

私にはウルトラマンの指名嬢オバＱがつく。

彼女はウルトラマン情報を仕入れようとしている感満載だ。私も彼の情報には興味がある。彼女にいろいろと聞いてみよう。

 

ーーしばらく歌を歌ったりスローな時間が過ぎていく。

ＢＭＷが徐に小高い丘を片手で耕しながら、私に小声で聞いてきた。

 

ＢＭＷ「あの、エッジさん。……ボスに着いている子は女性ですよね？」

私「えっ？　そうだろう」

ＢＭＷ「何か、こう。ゴツくないです？　なんなら喉仏出てますよね？」

 

私はドキッとして、その女性を注視してみた。

 

私「お、おぅ。そう言われて見れば……」

 

よくよく見てみると……。

またそんなことを言われたら、そういう風に見えてくるから不思議だ。

 

私「ボス、その子とは知り合って長いんですか？」

ボス「ん～、半年ぐらいかなぁ」

 

半年？

じゃあ、もう、……ですよね？

 

[ボスの似顔絵]

 

ＢＭＷ「イスカンダルは見つかったんですか？」

ボス「イスカンダル？　当たり前だろ。サルガッソーに迷い込むこともなくしっかりと。ふふふ」

 

ヤバい、噛み合わない。

 

私「ひょっこりデスラーが出てきたりしませんでしたか？」

ボス「ん？　お前たちは何を言っとるんだ？」

 

どう伝えようか迷っていると、

 

ＢＭＷ「エッジさんが、その子、男なんじゃないか？　って。いや、僕は『違うんじゃないかな』と言ったんですけど……」

 

こっ、この野郎！　裏切りやん！

しかも盛大に盛られて売られる！！

何なら私は気が付いてなかったし。

 

ボス「お前なぁ。そんな訳あるか？　きれいな子だろ？」

 

BMW＆私「……はぁ」

 

まぁ、キレイはキレイですけど。

 

隣のオバＱと目が合う。

彼女は小声で「バクラ（オカマ）」と耳打ちして、ウンウンと頷いている。

……確定じゃん。

 

これ以上追い込むのはどうかと思い、口を噤んだ瞬間、ＢＭＷがまたいらんことを呟く。

 

ＢＭＷ「僕たちについてる女の子もバクラって言ってますよ」

 

やめろぉぉお！

それ以上言ったら、仕事に支障をきたすぞ！

 

ボス「えぇえ？　そんな事あるかぁ？　違うよね？」

とその女の子に聞く。

 

女の子（？）は恥ずかしそうに俯き、モジモジしている。

 

ボスの顔は今まで見たことがないほどモゲていた。

怒り、絶望、悲しみ、あらゆる感情が渦巻きコントロールできないのだろう。

フルフルと震えていた。

 

……まぁ、もう後の祭りだし、

 

私「さぁボス！　飲みましょう！」

 

ボス「……悪いけど、今日はもう帰るね。うん、帰って忘れよう。それが一番」

 

打ちひしがれて帰っていくボス。

それはそうだろう。半年間も『女性』だと思っていたのだから。

私たちは見送ることしか出来なかった。

 

しかし、なぜか満面の笑みのＢＭＷ。

どういうことなん？

 

ＢＭW「いやぁ、ボス、ヤバいっすね！」

私「いや、君だよ。知らなくていいこともあるじゃん？」

 

いや、いいことはないけど。そっとしておいた方がいいかもでしょ？

 

 

ーー次の日、ボスの元気はなかった。

 

しかし、立ち直りも早かった。

すぐに新しいガールフレンドができていたのだ。

ボスは

「ははっ、気の迷いだったね！」

と苦笑いを見せる。

傷ついている……。

 

完全に忘れることは出来ないだろうが、どうやら心の整理はついたようだ。

 

ＫＴＶでバクラが普通にいることは当時は珍しかった。

が、あんな風に持っていかれることもある。

今も珍しいはずだが？　いや、あるのかもしれない……。

 

ーー駐在員も皆、バクラにつかまらないよう気を付けていた。

性別関係なく楽しめる人も中にはいたこともあるが、それ以外はごく普通の人だった。

特にＫＴＶとかではなく普通のバーなんかに紛れ込んでいることがけっこうあるから大変だ。

何ならライブハウスにだっている。

 

[マニラのライブハウスレストラン（写真はイメージ）]

 

私はよくライブハウスで飲んでいた。

基本的にはそこでナンパはあんまりしたことがなかったが、確かに性別がグレーな感じの人もチラホラいる時もあった気がする。

 

例えば、『ＬＡカフェ』のような場所が流行るまでは、普通のカフェやバーがナンパスポットだったが、そうなると色んな種類の女の子(？)が集まってしまうのだった。

 

バクラがバクラとして相手を探しているなら未だしも、そうじゃない時は交通事故が起きることがある。

ＢＭＷも過去、実は一度ナンパした相手がそうだったそうだ。

相手はカフェにお茶をしに来ていた。

 

死ぬほどキスをしてしまい、しばらく色んな意味で唇がマヒしていたそうだ。

でも、ぜんぜんわからないぐらいキレイで、脱がして初めて自分と変わらない体だったことに気付き、チップを多めに払って丁重にお帰り願った。

ショックのあまり寝られなかったと言う。

 

その話題は『ボスを追い込んだ罰だ』としばらくネタになっていた。

 

それからはけっこうしつこく女性なのか確認して、嫌われることも増えたらしい。

ホントに分からないのだ。疑心暗鬼になるのはしょうがない。

 

皆さんは、そんな女性(？)たちと思わず国際交流してしまったことはありますか？

私は断じてありません。

たぶん。

 

 

 

[エッジブログ第27話終わり]

 

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次回、エッジブログ第28話「KTVのフィリピーナ」

 

 

 

 

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