レンジさんの会社から歩いてホテルに戻っていた。
ホテルに到着する直前、レンジさんが携帯を握りしめたまま立ち止まる。
私「レンジさん、どうかしましたか?」
しばしの沈黙後、
レンジ「まずい、マリーがなぜかよくわからないけど激ギレしてる」
私「え?マリーって昨日空港に来てくれたマリーですよね?すごく温厚そうな人でしたが、キレるんですか?」
レンジ「キレるよ。すげーキレるよ。実はマリーはああ見えてすごい扱いが難しいよ。危険物」
私「危険物!?そんな扱い難しいんですか?」
レンジ「うん、取扱説明書見ながら丁重に丁寧に扱ってんのにたまに暴発する」
私「それすでに説明書ではないでしょ。レンジさんが作った説明書なら、なおさら信用できませんし。で、マリーはなんで怒っているんでしょう?」
レンジ「うーん、よくわからないけど、たぶんケンさんとずっと一緒にいて、自分の相手をしないことに怒っているんじゃないかな。ちゃんとケンさんが初めてのマニラだから、一緒に観光するって何度も伝えてるんだけどな。たぶんケンさんに嫉妬してるよ」
私「え?僕男ですよ!?もしかしてマリーに僕のことゲイだと伝えましたか?」
レンジ「いや、フィリピン女性の嫉妬ってものすごいのよ。同性の友達であっても嫉妬するからね」
私「なるほど。なんかすみません」
レンジ「大丈夫よ。俺がお店行ってあげて笑顔とともにウインクをバチコーンすればすぐコロッと機嫌よくなるから」
私「すごいですね。僕もお店行っていいですか?」
レンジ「うん、一緒にいこうか。ちなみに一昨日、俺は一人で6時間お店いたら4万かかったよ。Haha」
私「死ぬ!!」
レンジ「俺も一昨日それくらいいたからもう長居はしないから大丈夫だよ」
私「他のKTVにも色々行ってみたいので、早めに切り上げましょう」
こうして2人はまずホテルに戻り、長い夜に向けて体力の回復に全力を注いだのであった。
次回 初めてののKTV、花と蝶HANA TO CHO。初めてのショーアップ。そしてフィリピン・マラテにて運命?の出会い