フィリピン SIM インターネット

 

 [レンジブログ 前回のあらすじ]

今から数年前、レンジがマニラでビジネスをスタートさせた頃、オノケンをフィリピンへ誘う数か月前のエピソード。
フィリピーナ彼女のマルコをホテルに残し、別のフィリピーナ彼女のサンの元へ。自宅前で待っていた彼女を家の中に入れると、衝撃の展開に!?
【レンジブログ191】フィリピーナとの恋愛を楽しむブス日本人男性

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

クレイジーマニラでは以下の三つのブログがメインコンテンツです。
平日に『小説ブログ連載』、週末は『トピックス(コラム)』をアップしています。

現在は【レンジブログ外伝五章】を連載中です。

 

オノケンブログ累計610万PV達成 第一話へ
オノケンブログの第一話はこちらから
【オノケンブログ1】転落と後悔

 

クレイジーマニラ レンジブログ
レンジブログの第一話はこちらから
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

 


ポットブログの第一話はこちらから
【ポットブログ1】タイで起業!先輩の誘い、女を求めてフィリピンへ!

 

 

[筆者レンジより]

読者の皆さんへ。

いつもクレイジーマニラをご覧いただき、本当にありがとうございます。

また、コメントをくださる方々、ラジオを聞いてくださる方々、いつもありがとうございます。

 

ーーさて。

前回の記事では、サンの過剰な愛に臆してしまいました。

フェイスブック、インスタ、その他アイコンや背景画面が私たち二人の写真に設定されていたのです。

「それはマジで勘弁してほしい」と必死の説得を試みたのですが。

彼女の逆鱗に触れたようです。

 

それでは、レンジブログ192話をスタートいたします!

 

 

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【レンジブログ192】フィリピーナの激情に振り回される日本人男性

 

ーー日本の夜の街でキャバ嬢に良く言われる。

 

「レンジ、あんたいつか刺されるよ」

 

……ふっ、本望だね。

私は、他人から「刺された」ってエピソードを聞いたら嫉妬するんだ。

 

それって相手が刺したいほど憎愛か嫉妬に狂ったってことだろ。

 

あるいは、本気の愛を奪ったんだ。

そして、最高に想われたんだよ。

 

俺の理想的な死に方はまさにそれ。

 

KTVでカラオケを熱唱する日本人男性
[夜遊びでイキるレンジ]

 

ーーとは言った過去がある。

しかし、実際にそのような状況になると足が竦む。

彼女を諭そうと立ち上がった瞬間、あまりの恐怖に尿漏れを起こしたと思う。

 

……しっ、死にたくねぇ。

全く本望じゃねぇ。

こんな感じでは絶対に死にたくない。

刺されたくない。

めっちゃ痛いし。

それに、相手がマリーかマルコならまだしも、この女性にそこまで想い入れは未だない。

 

何処に怒りのスイッチがあったのだ?

私が知らぬ間に踏んでしまったようだ。

 

サンの顔は青ざめ、両手でナイフの持ち手を握っていた。

 

「…Sun, calm down. please. Sun?(……サン、落ち着いて。お願い。サン?)」

 

私は彼女を刺激しないよう、小声で話しかけた。

 

キッチン マニラ コンドミニアム
[自宅キッチンにて]

 

ーーサンの目の焦点が合っていない。

これはマジでヤバい。目が逝っている。

 

私は彼女に「落ち着いて。落ち着いて」と繰り返し伝えた。

 

「…fight… (……戦闘……)」

 

ん?

サンが小声で何か喋った。

 

「Sun? What? (サン? 何?)」

 

「I decided. (決めたわ。)」

 

「What? (何?)」

 

「I can fight also. Let’s work together. (私も戦う。一緒に頑張りましょう。)」

 

 

……おっ、おう。そう言うこと?

 

それは良いが、私は気付いた。

彼女が手にしているナイフ。

 

……テーブルナイフだ。

 

先端は丸く、殺傷能力はゼロに近い。

なんなら、人間の皮膚に傷を付けることすらできないだろう。

 

「Sun. I love you so much. So let’s talk about that. (サン。愛してる。だから話そう。)」

 

「I can fight for you, Range. (あなたのために戦えるわ、レンジ。)」

 

「Okay, okay. Please go put that. (オーケー、オーケー。それを置いてきてください。)」

 

「Oh my god! sorry! Kyahahaha! (なんてこと! ごめん! きゃはははっ!)」

 

ーー生気を取り戻した表情のサン。ようやくテーブルナイフをキッチンに置いた。

 

ヤバい。この女性をキレさせたら危ないぞ。私のブス行動がバレたら、誰かしら命を落とすかもしれない。

明るい女性だと思っていたが、このような爆弾を抱えているとは……。

 

ーー二人でソファに座り、話し合った。

 

私はもう「アイコンを変えて」と口走ることは止めた。彼女の地雷が何処に埋まっているか未知数過ぎる。

今は、彼女の愛に応えよう。スマホの件はそのままで良い。

私は真摯に事情を説明した。

 

ーーそして、朝方。彼女の眠気がピークに来たところで一緒にベッドルームへ。

私も少しでも睡眠時間を取りたかったが、月曜日。これから出勤しなければ。

 

彼女が寝付くのを待った。

 

ベッドルーム マニラ コンドミニアム
[自宅コンドミニアム]

 

ーー彼女のイビキが響き始めたころ。私はブス忍者と化した。

 

サンのスマホのPINコードをしっかりと記憶していたのである。

彼女の熟睡を確認し、私はそのスマホを手にする。

ロックを解除し、フェイスブックやインスタを開く。

後ろめたさはあった。しかし、どうしてもダメだ。

 

アイコンの全てを変え、私の写真も全て消した。

 

これはプライバシーの侵害、肖像権に関わるもの。そして、私の命に関わる問題だ。

こう言った真のブス行為は褒められたものではないが、保身に負けた。

 

……彼女が起きたら驚くかもしれない。怒り狂うかもしれない。

しかし、布石を打っている。

後で、こう言い訳しよう。

 

「ほら。奴らに狙われている。私の仕業ではないよ。もう君の運命は私と一緒だ」

と。

 

レンジ 宇宙飛行士

 

ーー彼女を部屋に残し、私はマカティのオフィスへ向かった。

タクシーの中での記憶が無いので、寝ていたのだろう。

到着したときにドライバーの声で目が覚めた。

疲れのピークだった。

 

オフィスへ入ると、ナオミと数名の社員が出勤していた。

始業まで時間があったため、全員ではない。

 

ナオミが私に駆け寄り、心配そうに声を掛けてくれた。

「Sir, Are you okay? (ダンナ、大丈夫?)」

「Ah… Can I sleep little? (あー…… ちょっと寝て良いかな?)」

「Sure, Are you sick? (もちろん、調子悪いの?)」

「Maybe. (たぶん。)」

 

ーー私はオフィス奥のデスクに伏せて、しばらく寝ることにした。

 

マカティ オフィス
[マカティのオフィスイメージ]

 

目が覚めたのはお昼頃。

ナオミが軽食を買ってきてくれていた。

私はそれをいただき、今日の打ち合わせをスタートさせた。

 

ーー午後からは、先日のクレーム対応と、新規顧客のヒヤリングが入っていた。

特に心配していたクレームの対応だが、以前から付き合いもあったため大事には至らなかった。

 

新規顧客は、いつものようにパーリーからの紹介。

彼女の会社と私たちの業務は『分業制』のようになっており、彼女が営業をかけ、その振られた仕事を請け負うようになっていた。

直接的に彼女に利益はないのだが、ナオミの実の姉と言うこともあり、いつも私たちを気に掛けサポートしてくれていた。

 




 

午後8時ころ。マカティでの仕事を終え、岐路に着く。

家ではサンが待っているはずだ。そろそろ起きて良さそうだが。

まだ彼女から連絡はなかった。

 

……アイコンの件、もしかして気付いてショックを受けているかも。

 

渋滞の中、マラテへ。

今夜もサンの相手をしないといけないのか……。

私は少し憂鬱だった。

 

と、その時。

サンからメッセージが入ってきた。

 

「I wanna die. (死にたい。)」

 

うえっ!?

私は最悪のケースを想像した。彼女の激情振りはその事態を招きかねない。

すぐにメッセージと電話を掛けるが反応がない。

くそっ、きっとアイコンと写真消去のことが原因だ。やはりちゃんと納得させてから、本人と行うべきだった。

 

ーーコンドミニアムへ着き、急いでエレベーターに乗る。

 

そして、自宅玄関前へ。

恐る恐るドアを開ける。

 

見てはいけないものを見る可能性もある。

この時は、いろいろな意味で恐ろしかった。

頼む。無事でいてくれ。

 

バスルーム、リビングに姿はない。

 

ベッドルームへ。

 

……いない。

 

ベランダか?

まさかっ!!

 

……いない。下を見るがそのような騒ぎにもなっていない。

 

ーーどうやらサンは外出したようだった。

でも、一体どこへ。自宅へ帰ったのだろうか。

いや、彼女は「しばらくは出勤しない」と言いながら、昨夜も出勤したようだし。

 

もしかしたらと思い、私は526へ行ってみることにした。

 

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

10 コメント

  1. サンさんはレンジさんの気を引くために必死なんだなぁ、と思いましたよ(^.^)/~~~
    まぁ、行き過ぎなところはある感じですけど(^-^;
    それにしてもどこに行ったんですかね?探して欲しいんですね、これは?
    こういう時ってニアミスやらナンやらが起こらないことを願いますね、イヤ、ホントにw

    • Ackieさん、いつもありがとうございます!
      ほぼこの後の展開分かりますよね笑
      このような女性にたまーに当たるので困ります。
      女性を本気にさせると怖いっす…

  2. 夜遊びをブスってるレンジさんだからこそ、色々な経験がありますが、これって、普通なら、喜ばしいくらい愛されてる証拠ですよね(笑)
    それを落ち着かず自ら時限爆弾をセットして仕事に行く…さすがっす\(^o^)/

    • プンプンさん、いつもありがとうございます!
      これ私の素なんです。気づけば周囲にトラブルを発生させるブスな存在です。
      彼女たちもそうですけど、ケンさんとかは一番の被害者かもしれません笑

  3. サンさんは、恋愛経験が少ないまま、いきなり深い仲になったレンジさんが
    そんな特殊(笑)な職業の人だったなんて・・・と
    頭が追いつかないんでしょう。
    予想外の対応をされると、どっと疲れますね。
    さらに・・・なんてならないことを祈ってますw

    • G1Rさん、いつもありがとうございます!
      そこまで意図してない女性から、凄まじく好かれることがたまにあります。
      このサンもそうですけど、なんだか燃えないんですよね。高い壁の方が燃えます。
      彼女には本当に悪いことをしたなと。
      ただ、彼女とも付き合いは長くなるのでご安心を!笑

  4. 最初からクレマニ読んでますがノンフィクションがフィクションになって来ましたね(笑).
    レンジさん頑張って下さい。

    • limさん、コメントありがとうございます!
      最初からお読み頂き感謝感謝です!
      クレマニでは事実に即しながら、それでも読者の方に楽しんでもらえるように試行錯誤しながら描いています。
      ご理解頂ければ幸いです。
      どうぞ今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m

  5. レンジさん!l
    昨日付き合ったKTVママ?早速ストーカーになっています
    Family がいる時にmessenger でコールされました!
    私はiPadなのでメッセンジャーでコールされたら声がダダ漏れです!

    咄嗟に切りました。
    今はブス界の言い訳探してます。

    • とことんツイテルさん、いつもコメントありがとうございます!
      そうですねー、楽しいですね!
      そのようにアタフタ慌てるのが楽しいんですよねー!
      言い訳には、ビジーよりエマージェンシーをオススメします笑

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