KTVsakuraの外観写真 マニラ夜遊び

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[レンジブログ前回のあらすじ]

マニラの夜遊びはLAカフェで作戦会議をしてから開始。まずは高級店巡りからスタートし、午前3時から向かうのは未だ営業しているKTVへ。

[前回記事]
【レンジブログ171】LAカフェで始まるマニラ夜遊びの作戦会議

 

レンジブログは第三章で完結しています。

そして、それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

オノケンブログ

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
オノケンブログ累計400万PV達成 第一話へ

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

ここまで三つの外伝がそれぞれ完結しています。

 

 

【レンジブログ172】マニラの夜遊びは朝遊び、AMの時間の方が長い

 

ーー時刻は午前3時を過ぎた頃。

KTV「花と蝶」を後にし、私とリョウさんは二人でマラテの街を歩き始めた。

 

「リョウさん、大丈夫ですか?」

「おぉうよ! レンジさんに付いて行くよ! こんな楽しいことは日本じゃ経験できないからね!」

「リョウさんは日本で飲みに出ないんですか?」

「たまにはね。でも、こんなに若返り感を感じるのはないね。マニラ最高ー!」

「そう言ってもらえると嬉しいですね! どうです? 来月も予定ありますけど」

「いやいやいや。俺はそこまでじゃないよ、ははっ!」

 

そんな会話をしながら、千鳥足の二人。

道行く人と謎にハイタッチをしながら、目的のKTVへ向かった。

 

ーーサークルの南側にある「KTVsakura」へ。

 

KTVsakuraの外観写真 マニラ夜遊び
[KTVsakuraの外観写真]

 

閉店時間は午前4時。あと一時間ほどある。私たちはここへ入った。

 

ーー金耀夜にも関わらず店内は閑散としており、客は私たちだけだった。

 

KTVsakuraの店内写真 マニラの夜遊び
[KTVsakuraの店内写真]

 

以前は「花水木」と言うKTVだった場所。その頃はよく来たKTVだが、Sakuraに変わってからはさっぱりわからない。

二人ともあまり馴染みがないKTVだったので、ショーアップをお願いした。

 

20人ほどの女性が並ぶ。

んー、なかなか可愛いではないか。半分は『有りな』女性たちだ。

私とリョウさんはそれぞれタイプの女性をリクエストした。

 

KTVsakura

 

二人ともすでに完璧に仕上がっており、目は半開きであった。

女性たちのノリは良く、めちゃくちゃ盛り上がった。

私の指名子は、私のことを気に入ってくれたようで、さっそく連絡先の交換と後日のデートを約束した。

 

リョウさんも連絡先を交換していた。

どうかそのまま良い関係を保って、リョウさんも頻繁にフィリピンへ来てくれるようになると嬉しいのだが。

仲間が増えれば冒険も楽しい。

 

ーーそれから一時間程経過した頃、チェックの伝票を受け取った。

閉店時間を過ぎていた。

 

「いやー、やっちゃいましたねリョウさん!」

「もっと居たい。彼女の膝枕で寝たい。延長お願いします!」

「いやいや、もう閉店ですって、リョウさん」

 

そのとき、背か高くガタイの良い男性が入店してきて、テーブルに走って来た。

 

「おっ、ケンさん!」

「お二人とも! もう行きますよ! 女性たちが待っています!」

 

ケンさんが言うには、マヤの体調が回復したらしく、彼女の友達二人とアフターに行くとのこと。

私とリョウさんを、外で待っているらしい。

 

「おー、ケンさん! 俺、この子気に入ったわ! 延長!」

「やかましいぃ! ほら、行きますよ!」

 

リョウさんは未だ女性と一緒に過ごしたい様子だった。

それを制したケンさんは、伝票を受け取り、彼が私たちの会計を済ませた。

とても急いでいるようだった。

 

ーーKTVsakuraを出て、サークル方面へ向かう。

どうやらアフターはクラブのようだ。

 


[クラブZZYZX(ジージックス)の前]

 

ファーストラインの女性陣はもう中に入って待っているとのこと。

私たちはセキュリティチェックを受け、急ぎ足で中に入った。

時刻は午前4時半を過ぎ。

 

ーー1階のテーブル席に、マヤとその友達二人が座っていた。

三人とも暇そうにスマホを触っていた。

マヤがケンさんに気付き、我々男性陣の姿を確認する。

 

私とリョウさんはこの謎のアフターに付き合う。

私たち二人とも目は1/3も開いてなかった。

 

ZZYZX マニラ夜遊び アフターでのクラブ遊び
[クラブでの夜遊び]

 

女友達二人については、私もリョウさんも面識があった。

過去に指名したことはないが、何度か通ったKTVであるのでそれなりに知人も多い。

名前は覚えていない。

しかし、アルコールのラストスパートを仕上げていく内に、私たちは古い友達のように仲良くなって行った。

 

そして、3対3の合コンアフターがお互いに何となくカップルに別れ、それぞれの組でステージの方へ踊りに行った。

私とリョウさん組が踊っている間は、ケンさん組がテーブルで私たちの荷物を見張りをしてくれる。

ケンさん組が踊りに行った時は、その逆。

これを繰り返しながら、夜が明けていく。

 

ーークラブを出たのは午前6時過ぎ。ようやく解散である。

 

夜遊びが過ぎて『朝遊び』である。PMよりもAMで遊んでいる時間の方が長いのだ。

ニワトリの鳴き声も再び「ヤリヤガッター」に聞こえる。

 

これぞマニラの夜遊びならぬ朝遊び。死ぬ直前にようやくホテルに帰着するやつである。

 

『お疲れさまでした!』

 

ここで解散かと思っていたら、ケンさんが、

「レンジさん、ちょっと飯でも行きません?」と。

おっ、珍しい。

私はもちろん常に空腹を感じているので彼に付き合うことにした。

リョウさんは限界突破したようで、今すぐホテルへ戻るとのこと。

明日(と言っても、この日だが)の昼食は串まさでランチを取ることを約束し、別れた。

 




 

ーーケンさんと二人で、明るくなったマラテの街を歩く。

人や車は少なく、静かな朝だった。

 

マラテ 明け方

 

「レンジさん、大丈夫ですか? ありがとうございます、ラストまで付き合ってもらって」

「ふぁあ? 俺は大丈夫よ。リョウさんは大丈夫かな」

「大丈夫でしょ。あー見えて、体の中身は我々より若いですから」

「何食べる?」

「朝マックとかですかね」

 

ーーそして、辿りついたのはいつもの韓国焼肉店。

 

マラテ 焼肉
[フィリピンで人気の韓国焼肉店]

 

「ケンさん」

「なんですか?」

「最後の晩餐って何食べたい?」

「何ですか急に」

「いやぁ、まぁ。ケンさんは最後の晩餐に何食べる?」

「母親の味噌汁とかですか?」

「そうだね…」

「一体何ですか?」

「いやぁ。この世に『さぁこれが最後の飯だっ! これ食ったら死ぬぞっ』って人、どれくらいいるんだろう」

「そんな幸せな最後はまず無理でしょう」

「そう。人間いつ死ぬか分からないし、どの飯が最後かなんて分からないよね」

「何の話ですか?」

「いやね、俺の父親の最後を思い出してさ」

「はぁ」

「最後の方は胃ロウでね。食事取れなくなって次第に弱ってさ」

「そうなんですね」

「笑うのがさ、父親が死ぬ間際に何て言ったと思う? 『ラーメン食いてぇ』ってさ。それが最後の言葉だった」

「……いっぱい食べてもらいたかったですね」

「ありがとう。でさ、ケンさんの最後の晩餐って何よ? 味噌汁じゃなくて」

「プロテイン、豆乳割りです」

「ぶふぇっ!」

「当たり前でしょう。ダビデ像のまま死ぬのが理想です」

「いや、俺が言いたいのはさ。いつ死ぬか分からないんだから、いつも最後の晩餐のつもりで食えってこと」

「はぁっ!?」

「もし死ぬ瞬間、『あー、腹減ったなぁ』とか『あれ食べときゃ悔いないんだけどなぁ』とか思ったら最悪じゃん?」

「はぁ」

「つまり、毎食、毎食、悔いが無いように好きなものしっかり食えってこと。だから食べて良いの!」

「レンジさん。健康を保って長生きして、歯が無くなっても肉食っててください。しゃぶしゃぶしてても良いです。僕はそう願いますよ」

「ぶふぇっ!」

「不摂生の言い訳になっていません!」

「とりあえず、焼肉5種盛りお願いします!」

「ごらぁっ!」

 

マニラの韓国焼肉

 

「レンジさん、本当によく食べますね。本来、ブレイクファーストの時間ですよ。胃を最初にブレイクしてどうするんですか」

「それよりもさ、今日の収穫はあった?」

「まぁ、それはオノケンブログで書きます。レンジさんは?」

「まぁ、特にない」

「……マリーですか? マルコですか?」

「結局ね。俺は今時間が止まってる。その他の女性については、今は新規ファイルとして開けない」

「はぁ。そんなパンパンな顔でカッコいいこと言われましても」

「とにかく、日曜日。マルコに会って来るよ」

「ケソン行くんですか?」

「そうだね。もう一度顔を合わせてくる」

「まぁ、ほどほどに」

 

ーーそして、土曜日も同じようなことを繰り返し、日曜日。

夕方頃にケソン行きのタクシーに乗った。

 

 

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マニラのおすすめホテル

[マニラのマラテエリア]
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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

11 コメント

  1. 毎度気になっていたのですが「いつもの韓国焼肉店」ってどこの店ですか?
    私もよく行くんですが、お二人の行かれるお店の方が美味くて安いのではないかなと思ったので。

  2. クレマニでオフ会みたいなのありませんか??めちゃくちゃ参加したいんですけど!是非ご検討よろしくお願いします?

  3. 大人も思春期に戻れる場所ですね
    日本は堅苦しくて…マニラは度々は行けないので年一の楽しみ行事です

  4. 若いなぁ私も昔はそんなペースで遊んでた時もあったけども
    今は固定の子が出来たのでほとんど遊びに行けてない汗
    シングルが羨ましい、、

  5. レンジブログが面白くて途中まで読んだけど、先が気になり過ぎてこの最新話を読んでしまった
    また元のページに戻って読みますね

  6. クレマニって原作として漫画になりませんか?
    実写ドラマでも良いんですけどとにかく見たいです。

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