[レンジブログ 前回のあらすじ]

田原とパーリーとレンジの三人で焼き肉に行く。その後、田原から彼女との夜を相談される。

[前回の記事]
【レンジブログ13】50代男性とフィリピーナの夜。焼肉牛門Gyumonについて。

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m

オノケンブログの一覧はこちらから

 

[レンジブログの第一話はこちらから]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

 

 

【レンジブログ14】フィリピンでのビジネス、取引先の銀行について。

 

パーリーがコーヒーを飲み終え、外に出てきた。

 

田原さんと何か言葉を交わしたようだった。

 

田原「レンジさん、今日ちょっと銀行に行きたいんだけど。付いてくる?マカティにあるんだけど。」

 

私「はい、もちろん。」

 

マカティへは交通状況にもよるが車で30分ほどのところだ。前回初めて訪れた場所だが、日本の都市を思わすほど洗練された綺麗な街並みを覚えている。その時私は、「たいくつな場所だなー」くらいしか印象になかった。

 

今回もマカティのことはあまり興味がなかったが、日中は特に予定なし。田原さん達に同行するほか選択肢はなかったし、そうしたかった。

 


[パンパシフィックホテル 明るい時間帯の外観写真]

 

田原さんは電話でボブに指示を送っているようである。ボブはしばらくすると、昨日と同じ車で配車してきた。三人で車に乗り込む。

 

とりあえず現取引先の銀行へ向かうらしい。

昼間の時間帯は、また道路周辺の雰囲気は異なる。外国人らしき姿は減り、現地の学生や社会人の姿ばかりになる。皆どこかへ向かっている。夜とは違った健全な喧噪が広がる。

 


[KTVやナイトクラブが集まるアデリアティコ通りも昼間は静かである]

 


[マラテから目的の銀行へ向かう途中、マビニ通りを北上。ここも昼間は夜の様な喧騒はない]

 

パーリー「止めて」

ロビンソンモールの正面前、パーリーが道端に居た露天商の果物が欲しいらしい。車を止めて、パーリー一人で買いに行く。なんだろう、マンゴーの仲間のようだが。

 


[マラテの街並み 通りではいろいろな露天商が食べ物やお土産を売っている]

 

たまに渋滞を避けるためショートカット。メインストリートから外れ脇の道に入ると、そこには外国人はあまり立ち入ってはいけないような雰囲気が急に広がる。廃墟だろうか、ぼろぼろの建物が立ち並び、荒廃を続ける危険な香りがする。

 


[マラテの街並みの写真。]

 

一本でも通りを変えると、一気にローカル感が増す。治安が良さそうには見えない雰囲気が広がる。

 


[マラテの街並みの写真。人々のローカルな生活が垣間見えるが、すぐ向こうには高層ビル群]

 

一見発展ばかりが目立つマニラ。光と影がこうも隣接しているのかと実感する瞬間である。

 

そして、しばらく車を走らせると、マカティに入り、目的の銀行へ到着したようだ。

店構えは一般的な現地の地方銀行のようだが、看板の表記は英語の銀行名ではなく、フィリピン資本ではなさそうなことはすぐにわかった。

 


[マカティの街並み]

 

田原「取引先の一つの銀行なんだけど、ここは特にいろいろと手続きが複雑で、対応も不親切なところもあるからさ。メインバンクはBDOなんだけど、そこに全て集めようかと思っててね。」

私「銀行によっても、いろいろと対応が違うんですね」

田原「うん。全然違う。もう大変よ、面倒くさい!」

 


[参考写真。BDO銀行は現地では最大手。現在では私も法人取引、個人口座ともに利用している。一番おすすめの銀行。]

 

田原さんと私、ボブは車内に残り、パーリーのみが銀行の中へ入っていく。脇には書類をどっさり挟んだファイルを抱えている。

 

田原「こっちのお金の管理は、パーリーに全て任せてある。」

 

私「そうなんですね。」

 

田原「そう。お金の管理は信頼できる女性に限る!若いころはそれこそよく騙されたよ。今はね、パーリーが居てくれるから本当に助かってる。」

[パーリーとボブの紹介、似顔絵がある記事はこちらから 【レンジブログ2】フィリピン人女性パーリー、美人現地責任者 ]

 

なるほど。海外でビジネスをするには、まずは現地に完璧な信頼をおける人材を確保すること。田原さんにとってパーリーは恋人であり重要なビジネスパートナーなのである。田原さんと行動をともにすることは、極上の社会勉強になる。私に取って、田原さんの話はこの上ない講義だった。実地研修も兼ねているし。

 

田原さんはパーリーを待っている間、眠りに落ちていた。私は出口のガードマンの大きなショットガンを眺めていた。ボブは運転席でリラックスし、電話で家族と談笑しているようである。その会話はもちろんタガログ語だ。この時の私には全く理解できていなかったが、ボブの一家の幸せそうな印象は伝わってきた。




一時間ほどすると、パーリーは外に出てきた。表情はとても険しいようだ。

 

車に乗り込むと田原さんと英語で議論を始めた。あまりにも高速の英語で、私にはほとんど聞き取れなかった。パーリーの「difficult」、田原さんの「You should」という言葉は何度か耳を霞めた。何となく、パーリーが断念しようとしており、田原さんはなかなかそれに同意できない様子だった。

 

田原「レンジさん、ごめんなさい。一旦仕切り直してもいいかな。ホテルに一度戻りたいんだけど。今日は時間かかりそう。」

 

私「全然良いですよ。もしあれでしたら、私一人で行動しますし。ロビンソンモールにでも行ってみます。」

 

田原「えー、大丈夫かな。まー、この時間帯なら大丈夫か。歩いていくってことだよね、道はわかる?」

 

私「大丈夫です。」

 

私もそろそろマニラ初心者を卒業したいところ。ホテルからロビンソンモール近辺であれば既に地理は把握していた。何より、一人で行動してみたいという気持ちが大きかった。

 

[次回タイトル] マニラでの一人行動開始。ホテルから徒歩でロビンソンモールへ。

[次回あらすじ]
マニラ マラテのランドマークの一つ、ロビンソンプレイスモールにレンジが向かう。フィリピン初心者のレンジは昼間でさえ一人行動が怖かったが、果たして。

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

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