【エッジブログ16】マニラ駐在、台湾人彼女がフィリピンにやってきた！

 

 [エッジブログ前回のあらすじ]

エッジは、アジアの担当者として台湾への出張で忙しい日々を送っていた。何度かのマニラ出張を経て、マニラ駐在員となる。その頃のフィリピンのインフラについて。
【エッジブログ15】マニラ駐在時代のインフラ（通信、交通、電気）

 

 

※クレイジーマニラでは現在まで、以下の四つのブログがメインコンテンツでした。

 

上記に、今秋『エッジブログ』が新しく加わりました。

内容は全く新しい連載物で、他ブログとは別ストーリーになります。

 

それでは、エッジブログ第16話をスタートさせていただきます。

 

 

 

 

【エッジブログ16】マニラ駐在、台湾人彼女がフィリピンにやってきた！

 

ーー台湾人の彼女、美玲（めいりん）との後日談を紹介したい。

【エッジブログ９】台湾へ出張、マニラ駐在を彼女にどう説明する!?

 

私がフィリピン駐在後も、彼女とは遠距離交際が続いていた。

……そして、この話は少し長くなる。

 

[美玲(めいりん)似顔絵]

 

93年も終わりに近づいていた頃、私はマニラで忙しくしていた。

決して美玲を忘れていたわけではないが、疎かになっていたかもしれない。

１２月の初め頃、電話がかかってきた。

 

その内容に相当驚いてしまった。

 

美玲「どうしたの？　なんで驚いているの？　明後日そっちに行くよ」

私「うえっ！？　急だよね……。それにそういうことって1週間ぐらい前にあってもいい気がするんだけど」

美玲「なんで？　行けるスケジュールが今決まったから連絡したの」

私「いや、部屋が片付いてないし。汚いし」

美玲「なんだ、そんなこと。私がしてあげる」

 

ーーで、やってきた！ｗ

早い。

空港のピックアップゾーンにて。

 

[マニラ空港（写真はイメージ）]

 

相変わらずスタイルのいい女の子だ。

黒く長い髪を後ろで緩く縛り、よくわからない柄のＴシャツを着ている。

下は黒のジーンズだ。

台湾からだとさらに暑いだろう。じんわりと汗ばんでいる。

タオル地のハンカチで汗を拭っている。

私と無事会え、気も緩んだんだろう。笑顔を見せてくれた。

こちらも合流出来て一安心だ。

 

私「早かったね。ホントにちゃんと準備してきた？」

美玲「あのね、少し忘れ物があるから、コンビニによって」

私「コンビニはないよ。スーパーとデパートに行こうかｗ」

美玲「コンビニないんだ。日本の企業とかそういうのすぐ作りそうだけど」

私「それに近いのがあるからね。サリサリストアっていうんだけどね。品ぞろえはコンビニに遠く及ばないんだけどｗ」

 

ーー彼女は１週間の滞在予定。

しかし、私は仕事があるからなぁ……。

日中はどうしてるつもりなんだろう。

観光？　だよなぁ。ホテルのツアーに参加させるか。

まぁ、あとは私が有休取ったり定時上がりしたりだな。

 

ーー二人でとりあえずマカティにある『ランドマーク』というデパートにいった。

基本的に何でもそろっているデパートだ。

足りなかったモノや食材を買い込む。

 

そして、コンドに戻る。

一息ついて、ベランダに出て風にあたりながらサンミゲルを飲んでいた。

 

美玲「いいとこに住んでるね。景色はビル群に囲まれていていいとは言えないけど、ビルがギューギューじゃないから窮屈な感じじゃないね」

私「うん、風はちょっときついけどね。でも、風が通るので比較的暑さは和らいでいるんだよ」

美玲「部屋、片付いてるじゃん」

彼女はいたずらっぽく笑った。

私「片づけたんだよ」

こちらも苦笑い。

 

[マニラのマカティエリア（写真はイメージ）]

 

ーー部屋に入ってソファに座り、「滞在中どうするのか？」と聞いてみた。

 

美玲「あなたに会いに来ただけだから、特に何かしたいというのはないんだ」

私「じゃあ、観光でもするか」

美玲「平日は一緒にいられないか。じゃあ、観光しようかな」

 

ホテルのレセプションに電話して、ツアーに参加できるか聞いてみる。

どうやら色々あって、半日コース、１日コース、数時間コースと様々だ。

同じツアーも英語コースと日本語コースに分かれる。

「中身は同じ」と言っているが、お土産屋による時間が違うらしい。

日本語コースの方がお土産屋での滞在時間が長い。

……どんだけ日本人の金に当て込んでいるんだ？

 

美玲は英語が話せるので、英語ツアーに参加させることにした。

月曜から観光に行かせても数日で粗方廻れてしまうので、一日おきぐらいでツアーに参加してもらう。

そして、空いた日は私が休暇を取って一緒にいることにした。

 

ーー予定も決まってちょっと安心したのか、「疲れたので休む」と言ってベッドで横になった。

 

これはっ！

波動砲がチャージされていく。

徳川機関長が「ホントか？　いけんのか？」と片手間にチャージ作業している。

最近働かせ過ぎたのか、すぐ仕事に掛からない。

横着ものである。

「飲み物を台所に取りに行っている間に仕事してくれよ」と檄を飛ばす。

 

ーードリンクを持って寝室に行くと美玲はもう眠っていた。

仕方ないので私も横になった。

中途半端にチャージ中の波動砲が重い。

 

ーー目を覚ますともう日も落ちていた。

モソモソ起きだす。

美玲を起こす。

眠そうだが日が落ちていることに気が付くと体を起こした。

やさしくキスしてそのままもう一度ベッドに体を戻す。

 

美玲「待って。お腹空いた」

私「お腹ね。そうだね。食べに行こうか」

 

とりあえず、ご飯を食べに行くことになり、グリーンベルトの外れにあるイタリアンのレストランに行く。

 

ここはリーズナブルな値段でイタリアンの食事が楽しめるレストランだ。

イタリア人のシェフが料理を作っており、かなり美味しい。

ワインも良いものを揃えていて、客は皆満足していた。

店内は狭いが、その中にグランドピアノを置いているのでさらに狭く感じる。

一晩に数回ピアノ演奏があり、混んでいないとリクエストに応えてくれる。

すっかりマニラにいることを忘れてしまう空気が漂っている。

 

ーー食事も終わり、コンドに戻ろうとタクシーを拾おうとしていたら、美玲に突然聞かれる。

 

美玲「普段は食事の後、どうしてるの？　台湾だとよく飲みに行ってたじゃない。フィリピンだとどうなの？」

私「けっこうすぐ帰ることが多いかな」

美玲「うそでしょ。飲みに行ってるでしょ」

 

うそが普通にバレる！

 

美玲「いつも行ってる所に私も行ってみたい。行こ」

私「いや、台北にもあるようなカラオケだよ。それよりせっかく来たんだし二人で過ごしたいな」

美玲「うーん、それはそうだけど」

私「でしょ？　じゃ、帰ろうか」

美玲「よし、カラオケに行こう！」

 

よしの意味が分からん……。

 

 

ーー仕方なく、Geminusに連れていくことに。

どこに連れて行っても誰かしらとバッティングしそうだ。

一番大怪我し無さそうな場所が『みんなのGeminus』。

 

クリークサイドの店の前にタクシーが止まる。

お店の様子を窺うが、外からでは当然わかるはずもない。

警備員がやって来てにこやかに手を振ってくる。

彼に一応聞いてみる。

 

私「今日、お店にうちの関係者どう？　いる？」

警備員「ウルトラマンさんしかいないですよ。今日は落ち着いてます」

私「……オーケー。美玲、ここに行こうか」

美玲「なんの確認？」

私「いや、混んでたら別の店に行こうかと」

 

美玲はもう店に向かって歩き始めていた。

急いでタクシー代を払って追いかける。

 

入り口のドアが開き中に入る。

 

「いらっしゃいまーせー」

 

あぁ、とうとう入っちゃった。

さて、ウルトラマンになんて言おうか……。

でも、週の中で休みをもらう話もしておこうと思っていたので、このタイミングで良かったかもしれない。

店の中を見渡すと、こちらを意外そうな顔で見ているウルトラマンがいた。

 

私「こんばんは……」

ウルトラマン「あれエッジさん、珍しいですね。いつも週末はBigwigに行ってませんでした？　あそこの誰でしたっけ？　えーっと……」

 

[駐在同僚ウルトラマンの似顔絵]

 

やばい！　盛大にやばい！

 

私「ちょっと、待て待て。こちら、私が付き合っている台湾の彼女なんだよね。少し日本語がわかるんだ」

ウルトラマン「あ、ナイストゥミ―チュー、はじめましてぇ」

美玲「初めまして、お友達ですか？」

ウルトラマン「同じ会社で働いています」

美玲「彼はいつも夜はどうしてますか？」

 

どストレートやん。

まずは乾杯でしょ。

普通ですよ。普通です。

 

ウルトラマン「……普通にジェントルマンですよ。酔って潰れることもないし」

 

ナイスだ！

さすが地球のためにきたウルトラマン！

何ならあとで主題歌を歌ってあげよう。

 

美玲「ふ～ん、そうなんだ……」

 

ん？　何が不満？

 

美玲「ちゃんとしてるんだね。感心感心」

 

ーー１セット楽しんでGeminusを後にした。

ウルトラマンが色々聞きたそうだったが、別の日に酒を飲みながら話そうとなった。

このとき彼に向けて主題歌を熱唱しておいたが、お気に召さなかった様なので美味いメシ屋に連れて行く約束をした。

一応、有休はとれそうだった。

 

美玲「次は？」

私「どういうこと？」

美玲「ゴーゴーとか行ってみたい！」

私「ゴッ、ゴーゴー！？　あまり治安も良くないところだし、それはまたの機会に……」

美玲「もう早く行こっ！」

私「そっ、そうだね」

 

弱い。

弱いぞ、オレ。

 

 

[エッジブログ第16話終わり]

 

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次回、エッジブログ第17話「台湾人の彼女とともにブルゴスへ！」

 

 

 

 

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