[レンジブログ 前回のあらすじ]
ロビンソンモール内でさらに交際事情を探る。レンジは現地男性に連れられてモールのさらに奥へ向かう。レンジは現地の男女交際をどう考えるのか。
[前回の記事]
【レンジブログ18】モール内で女性と出会う?マニラの強烈な交際事情。その2
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。
また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m
[レンジブログの第一話はこちらから]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
【レンジブログ19】マラテの夕方。パンパシフィックホテルのロビーにて
時刻は夕方5時を過ぎた頃。
パンパシフィックホテルのロビー、チェックインカウンターにはたくさんの荷物を持った人々が並んでいる。これからこのエリアに滞在するのであろう。明らかに遊びにきたような日本人グループ、韓国人たちの姿もある。
あー、今日は金曜日か。これからますますマラテの夜は賑わいを増すのだろう。
ホテルのWiFiは使わず、先ほど手に入れたルーターからインターネットにアクセスする。電波は良好なようである。
[現地のモールで購入したポケットWifi 本体は1,500ペソだった]
とりあえず、溜まっていたLineの未読を返信し、スマホを整理する。一番来てほしいはずのカーラからはメッセージはない。こちらから、「I’m so happy to see YOU again!(あなたにまた会えてとっても嬉しいです!)」とは送ってある。そのうち返信があるだろう。気長に待つことにした。
昨晩グランドヨーコ Grand Yokoで出会ったアミーから返信が来ていた。私からは「Me too Please take care(私も同じです お大事にしてください)」とだけ追加返信しておいた。
ロビーで待ち続け一時間ほど、夕方6時頃。
田原「ごめーん!本当にごめんね。待たせたね。」
私「いや、大丈夫ですよ」
田原さんとパーリーがエントランスから入ってきた。
あの後、銀行では再び揉め、今度は田原さんも参戦し、今まで銀行にいたとのこと。銀行も田原さん達もお互いに折れることはなく議論は平行線のまま終わったらしい。
[パンパシフィックホテルのエントランス、カフェスペース]
田原「なかなか難しいね。」
私「お疲れさまです!」
田原さんとパーリーはけんかしてしまったようで、今も気まずい空気が漂っている。
気付けば外はすでに陽が傾いていた。
田原「まー、気にしないで行こうか!それにしてもこっちって、何でこんなに早く日が暮れるんだろうね。来るたびに思う。本当にすぐ夜が来るよね。」
私「そうですね、そう思います。」
その日の行動開始が、いつもお昼頃というのもあるが。マニラ滞在中は、私も本当に早く日が暮れてしまう感覚になる。これも一つのマニラマジックか。
田原「とりあえず、ディナーに行こうか!」
私「はい」
三人で、ホテルのロビーからエントランスを出ようとする。
そのとき、私たちの目の前を大柄長身のがっつり墨の入った日本人風の男性が足早に通り過ぎる。
40代後半くらいだろうか、身なりはだれから見ても超富裕であろう雰囲気満々の異質さ満載の男。彼は同じくホテル外へ向かっている。
[男の似顔絵。目があった瞬間、殺されるかもと思った]
私は、「いかついなー、一般人ではなさそうだ」と感じる程度だった。このような風貌の人物は、この界隈ではたまに見かける。その時は特に気にならなかったし、気にも留めなかった。
しかし、突然、田原さんが私の肩をたたき、目を配る。エントランスの外を見ろと。
田原「あの女性、アマンダのとこのスタッフじゃない?」
田原さんが示した先、そこには見覚えのある女性がこちらをニコニコしながら、立っていた。カーラだ。
[カーラの似顔絵のある記事はこちらから 【レンジブログ16】ロビンソンモールのスタッフに小さな恋をする。現地のWiFiルーターについて。 ]
私は嬉しくなり、手を振ろうとした。しかし、すぐに止めた。いや、やっぱりこちらに気付くな。
気まずい空気が流れる。
カーラは私たちに全く気付いてない様子だった。
そしてやはり、先ほどのイカツイ大柄の男性がカーラに近づく。カーラはその大男と強くハグして、ディープなキスをした。
私は見たくなかった。
まるで元カノが他の男とデートしているところを見かけたような心境であった。失恋後、女性は上書き保存、男性は名前をつけて保存という摂理である。
カーラとその男性は、ホテル前で高級そうなハイヤーに乗り込んで、どこかへ二人消えていった。
田原「あの子、絶対アマンダのとこのスタッフだよね!カーラだ、レンジさん覚えてる?」
私「はい、覚えています。」
田原さんは面白いところを見たぞとニヤニヤしている。私は強烈に傷ついていたが。
田原「あっ、レンジさん。今日アマンダのとこ行ったんだっけ?あの子だよね、いた?」
私「はい、たぶん彼女、カーラですね。」
田原「カーラ良いよねー。面白いとこみたね。」
私「はい、そっとしておきましょう。」
田原「あんだけ美人ならいくらでもパトロンもいるだろうね。」
私はなんとなく今日のカーラとのやり取りを思い出した。
アマンダのお店の給料は1日300ペソ、プラスその日の売り上げ次第で追加のコミッションが発生する。日本を良く知るカーラ、お金の価値は良くわかっているだろう。子どももいる。どの男性からみても美しく魅力溢れる彼女、彼氏らしき人とどんな生活をしているか、なんとなく想像してみた。私のチップなど施しにも感じてなかったのかもしれない。
考えてもしょうがないか。彼女とは良い友達というところまで行ければ十分ではないか。それでいい。深入りしない方が良い。
と言っても、中学生の頃に恋心を寄せていた人が、最近彼氏が出来たらしいという噂を聞いたとき以上の憔悴感に襲われた。とてもツラかった。
やさしいだけの男に幸せはない。私はその時ようやく吹っ切れた。私の人生の大階段が崩れ落ち始めたのは、おそらくここからだったのだろう。
[次回タイトル] フィリピン、マニラおすすめのレストラン。ハーバービューレストラン Harbor View restaurant
[次回あらすじ]
この日の夕食シーンはハーバービューレストランにて。マラテからレストランに向かう道中とレストランの紹介記事。