[レンジブログ 前回のあらすじ]

フィリピーナのポニーがホテルの部屋で手料理を振る舞ってくれた。そして、今夜は部屋に泊っていくという。

[前回の記事]
【レンジブログ73】フィリピーナと食材を買い物、ホテルで彼女の手料理を食べる

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

レンジブログを始め(序章)から読んで頂けると幸いですm(__)m
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

レンジブログ第一章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ

レンジブログ第二章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る

レンジブログ第三章は以下のリンクからどうぞ
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。

 

また、オノケン(現在の話)とレンジ(過去の話)のブログは交互にストーリー展開します。登場人物も共通する人が出てくるので、始めから読んで頂けるとより記事の内容が分かりやすいと思います。オノケンブログもチェックしていただければ幸いですm(__)m

オノケンブログの一覧はこちらから

 

【レンジブログ74】フィリピーナとホテルで試合開始、初代表戦でゴールなるか

 

ポニーが、今夜私の部屋に泊っていくと言う。

 

私「Are you Okay?」(大丈夫?)

ポニー「I’m Okay.」(大丈夫です。)

 

願っていた展開だが、急に緊張してきた。

この後は、日本の恋愛ドラマのようなスタンダードな流れで良いのか? そもそも日本の戦術は世界的に通用するのか。

初めてのことなので、どれが正解というものがわからない。

あー、パーリーかナオミに相談して、事前にフィリピンの夜の国際試合について、その流れを確認しておけばよかった。

 

とりあえず私たちは食事を終え、キッチンを片づけることにした。

私は、「洗い物するよ」と言い、大変美味しかったポニーの手料理に感謝を伝えた。

 

頭の中はそれどころではなかったが、「洗い物の間、ポニーはリラックスしてて」と伝えた。

 

すると、彼女はバッグからスマホを取りだし、どうやら母親に連絡、メッセージ送信と電話をしているようだった。

彼女は子どものことを気にかけているようだった。しかし、大丈夫そうだ。本当に、ポニーはここに今夜泊るつもりだ。

 

そして、私が手早くキッチンを片づけ、コーヒーでも淹れようかとしていると…

 


[ホテルの簡易キッチンスペース]

 

 

ポニー「私、先シャワーいいか?」

 

何っ!?

この瞬間、私の心境はまさにこのスタンプであった。

 

私は初の代表選でスタメン、緊張と興奮が過ぎていたのか、キックオフの笛が聞こえていなかったのだ。

気付けば、相手ボールで試合は既に始まっていた。

試合内容はもちろん、試合開始のタイミングもこちら男性側がリードしたいところだった。しかし、女性側に先手を打たれた感は否めない。

 

私「Sure, sure.」(もちろんどうぞ。)

 

振り絞った言葉だった。私は「シャワーのことなんて、そもそも頭に全くなかったよ」くらいの、口笛を吹くがごとくの「Sure, sure.」を伝えた。

相手の速攻に何とか対応する。

こちらが円陣を組みディフェンスラインの高さを確認し合っていたところ、不意にホイッスルが鳴り、相手はいきなり縦の突破だった。

 

ファーストプレイから、相手が格上だと感じる試合の立ち上がり。決して簡単な相手ではない。

相当、強い。

うかつにボールを運ぶと、すぐにショートカウンターの餌食になる気配ムンムンだ。周囲を見渡し、自身のポジショニングを再度確認する。

 

 

ポニーは、彼女のカバンから着替えを取りだしているようだった。そして、私にバスタオルの有無を確認してくる。

そして、それらを持って、慣れた様子でバスルームに入っていた。

 

試合の立ち上がりは一方的に攻め込まれている。完全に相手ペースだ。

 

私は、自分のプレイに集中しようと冷静さを取り戻すことに努めた。

落ち着け私、練習でやってきたことを出せばよい、恐れるな。

 

そうだ、それに試合展開は終了までこのペースのままとは行かないはず。

私にも必ずゴールチャンスがあるはずだ。

 


[この部屋のベッドスペース。]

 

もう、国際試合のピッチに立っている。

自分の部屋ではあるが、ベッドスペースは相手のペナルティエリア内。

 

勝負は私がシャワーを浴びた後の、試合後半。相手のエリア内で、自分の良さが出せるかどうかだ。

 

私は冷静を取り戻すために、ベッドに腰をかけ、TVを見ながらポニーを待った。

 

そして、ポニーは20分ほどでバスルームを出てきた。

メイクを落とし、髪は濡れていた。彼女はとてもリラックスしているようだった。私に笑顔を見せる。

手には脱いだ服とドライヤーを持っていた。

 

ポニー「レンジもシャワー行く。早く寝る。あなた疲れてる、私知っている。」

私「は、はい。ありがとう。」

 

動きに対応できない。どうしても相手にボールを回されてしまう。プレスを掛けているつもりなのだが、ことごとくこちらの意図を読まれているような動きだ。

 

そしてこのまま、ハーフタイムへ入る。

 

私も着替えを持ち、バスルームへ。

さて、このあとは試合の後半に入る。

 

落ち着け。集中だ。もうすでに3点差のような展開。その点差をひっくり返すような気持で行かなければ。

まだ自分のプレイを全く見せることができていない。私はこんなものではない。欧州からも注目されているだろうスケベなブスなのだ。

 




 

私は、バスルームでしっかりと身を清め、歯ぐきから豪快に出血するほど歯を強く磨いた。

そして、代表ユニフォームをバスタオルへと変更する。上半身は裸なので背番号はない。

 

よっし。

パンパンの頬を自分で叩き、奮い立たせる。

後半のキックオフへ向け、バスルームを出る。

 

ポニーはすでに髪を乾かしたようで、ベッドで横になり、スマホを触っていた。

 

彼女は待っている。私のチャレンジを待っている。間違いない。

 

私はとりあえず、カウンターのキッチンチェアに腰をおろし、タバコに火を付ける。

さぁ、これを吸い終われば、試合再会の笛だ。

 

後半はカウンター重視と見せかけて、最初のワンプレイで一気にペナルティエリアに運んでみせる。

 

ポニーはベッドの布団に包まりながら、こちらを見ていた。

 

 

彼女は、私のタバコを吸う姿、上半身裸、下半身をバスタオルで巻いた姿をクスクスと笑いながら見ていた。

 

ポニー「何してる、レンジ。」

私「うん、これだけ吸わして。」

 

 

深呼吸を繰り返す。笛はそろそろだ。

 

そして、彼女が色っぽく声を掛けてくる。

 

 

 

ポニー「私、メンスだから。」

 

んっ、メンス?

 

私「What?」(何?)

 

メンスとは何だ。…野菜か、何かか?

 

ポニー「Menstruation」

 

ん? めんすとれいしょん?

 

意味がわからなかった。

 

…新たなフォーメーションか何かか?

あるいは、ポゼッション率を今更あえて重視するような新しい戦術なのか?

 

ポニーは私の様子を伺っているようだった。

 

 

ポニー「セ・イ・リ! だから、出来ない。」

彼女はそう言いながら、ベッド横のティッシュ箱、私がその下に忍ばせたゴム素材の防具を手に取り、ニカッと笑う。

 

ポニー「これ、オカモトのだろ?」

 

 

ぶふぇぇえっッ!

 

あまりの衝撃に、いつもなら爆発的なオナラが出るところ、逆に、空気をケツから強靭に吸い込むほどだ。

そして、それを我慢するあまり、私の顔面は過去最高にモゲていただろう。

ポニーにスーパーゴールを決められてしまった。

 

 

女性は「母」で偉大なのだ。当然、男性の思うようには行かないこともある。

お互い相手の体調を気遣い、大切にすることはどこの国だろうと変わらない。

 

私の初代表戦は、前半のみで交代。

一度のボールタッチすら許されず、ノーゴールで終了となった。

 

 

 

私は一度バスルームに戻り、短パンをはいてTシャツを着る。

 

その間に、ポニーはベッドを出てきたのだろう、キッチンで再び何か始めるようだ。

どうやら、私のためにお酒に合うような夜食を作ってくれるらしい。

そして、彼女は、冷蔵庫に入っていたお酒で飲み直そうと言ってくれる。彼女なりに私を慰めてくれているのだ。

 

 

彼女は男性のゴールへ向かう欲望が良く分かっていたのだろう、「ごめんね」と言ってくる。

 

ポニー、大丈夫。わかっている。

こちらこそ、男としてがっかりしている様子を感じさせてはいけない!

 

私「いいよ。ごめんね。体調悪いのに、今夜会ってくれてありがとう。美味しい料理まで。」

ポニー「うん。レンジ、優しい。大好き。今度はヤルぞ!」

彼女はたまに本当にワンパクな日本語を使う。そこがまた可愛らしいのだが。

 

それから、しばらく私たちは談笑しながら、寝酒と夜食を楽しんだ。

 

私「もう、遅いけどどうする?」

ポニー「うん。一緒に寝る。こっち来い。」

 

私達は、一緒にベッドに入った。

 

そして、ポニーは、私の腕枕に頭を預ける。

彼女は居心地よさそうにリラックスした様子で、スマホを触っていた。どうやらスマホのパズルゲームに熱中している様子だった。

私は、時々笑い声を上げるポニーの頭を撫でていた。

 

ポニー「私、後で寝る。レンジ、先寝る。」

 

 

確かにこの調子だと、私は翌朝までこのまま我慢汁が出続け、脱水症状を起こすか、病的なオネショをしたのかと間違われてしまう。

 

ポニーはまだまだゲームに熱中している。

私は眠たい振りをして、腕をポニーの頭下から抜き、背を向けた。

 

背後のポニーの気配、モンモンとする意識の中で、目を閉じる。

 

私は、疲れと酔いもあったため、いつの間にか寝入っていた。

 

[次回あらすじ]
ポニーとホテルで一晩を過ごした後、レンジは仕事へ。彼女は家に帰る。そして、またマニラの夜はやってくる。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

5 コメント

  1. はじめまして初コメです!
    いつも楽しく読ませて頂いてます。
    日本でも難しいのに海外でビジネスするなんて凄いですね
    それにしてもこの時点でマリーと国際マッチしてないとは驚きです笑

  2. けーんさん、コメントありがとうございます!
    ビジネスは、運良く人に恵まれたようです。
    恋愛の方は、もっとモゲていきますのでご期待ください!

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