この記事はタガログ語(フィリピン語)入門講座です。
基本文法から会話文の応用まで順序立てて解説していきます。
また記事の後半では「瞬間タガログ語作文」を練習することができます。ちょっとスケベな下ネタも入れていきます。学習のまとめと実際の会話訓練にどうぞ活用ください。
このタガログ語入門講座はシリーズ化して、一通り習得できるようにしていきます。
皆さんの学習にお役に立てれば幸いです。
基本文法「名詞ang~や人名si~が主語」入門
名詞ang~が主語の肯定文
それではまず、基本の肯定文からスタートします。
「(名詞)は~です。」
~ ang 名詞.
名詞もしくは形容詞 + ang + 名詞.
タガログ語の基本肯定文と同じ語順です。
普通名詞が主語になる場合は、主語の前に「ang(冠詞、aやtheのようなもの)」が付きます。
例として、「このペンは高いです」は
Mahal ang pen. 「Mahal…(値段が)高い」
となります。
普通名詞の主語の前に「ang」を付ける
- 「AはBです。」は、「B ang A.」と言う語順になります。
- 「ang」は英語の「a,the」の意味があり、「その」を意味する冠詞として使います。
- 複数形「それらの」は、「ang mga」を単語の前に付けます。
タガログ語基本例文
Matigas ang utong.
Mabuti ang bata.
Kawili-wili ang libro. 「kawili-wili…面白い、興味深い」
Maingay ang Maynila. 「maingay…騒がしい」、「Maynila…マニラ」
Mura ang mga camera.
Pilipina ang mga babae.
単語をつなぐリンカー「-ng」と「na」
「この」、「その」、「あの」を強調したい場合には、主語の後ろに「ito」、「iyan」、「iyon」を付けます。
これは複数形の「ang mga」の場合でも同様です。
例えば、「”この”本は難しい」は、
Mahirap ang librong ito. 「Mahirap…難しい」
となります。
「”あれらの”カバンは重い」は、
Mabigat ang mga bag na iyon.「Mabigat…重い」
となります。
ここで、
あれっ!?
「本」って『libro』じゃないの? なんで、『librong』なの?
それと『na』って何!?
と思われるでしょう。
これは「リンカー」と言われるタガログ語ルールの一つです。「単語にngを付ける」あるいは「naを挿入する」ことで、単語と単語をつなぐ役目をしています。
例えば、「バッグ」と「これ」をつないで「これ、の、バッグ」とする場合に、リンカーの「na」を用いて「bag na ito(このバッグ)」とします(英語の『of』のようなもの)。
また、リンカーの前の単語の語尾が母音あるいは” n ”の場合は、「-ng」をセットにした形になります。例えば、「本」は「libro(最後が母音)」なので、「この本」は「librong ito」となります(「na」は挿入しません)。
ここの例では、主語の単語を「この、あの」と指示して修飾する必要があるのでリンカーを使います。
【単語の終わりが母音または ” n ” の場合】
単語の語尾に「-ng」を付ける
【単語の終わりが母音または ” n ” 以外の場合】
単語 + na + 代名詞など
それでは、もう少し例を出して説明します。
Mainit ang kapeng ito. 「Mainit…熱い(暑いも同じ)」、「kape…コーヒー + ng」
この場合、単に「コーヒー」であれば「kape」ですが、「”この”コーヒー」と強調させるために、まず後ろに「ito(これ)」を付けます。
さらに、「kape na ito」としたいところですが、「kape」の最後が母音(e)なので「na」の挿入ではなく、「kapeng ito」となっています。
Maganda ang bulaklak na iyan. 「bulaklak…花」
この場合、単に「花」であれば「bulaklak」で、単語の最後が母音でも”n”でもありません。そのまま「na」を挿入します。
それでは以下、同様の例文です。リンカーの「-ng」あるいは「na」の使い方を確認してください。
タガログ語基本例文
Maanghan ang pagkaing iyon. 「Mainit…暑い」、「pagkain…食べ物 + ng」
Sariwa ang mga prutas na ito. 「sariwa…新鮮な」、「prutas…フルーツ」
Hapon ang mga lalaking iyon. 「lalaki…男性 + ng」
「この、その、あの」を強調したい場合、語尾に「ito, iyan, iyon」を付ける
- かつ、前の単語を「-ng」にするか「na」を挿入する
- 単語の終わりが母音または ” n ” の場合は、語尾に「-ng」を付けた形にする
- 単語の終わりが母音または” n ”以外の場合は「単語 + na 代名詞」の形にする
ちなみに、「この本」を「ito + -ng(もしくはna) + libro」と考えて、
「itong libro」
としてもOKです。この時は単数なので、「ang」は隠れています(itoの前には付けない)。
例えば、「この本は難しい」は
Mahirap itong libro.
と書くことができます。
「これらの本は難しい」は、複数形なので「ang mga」を付けて、
Mahirap ang mga itong libro.
となります。
つまり、指示代名詞と普通名詞は語順を入れ替えても良いと言うことです。
「この本」は「ang librong ito」か「itong libro」どちらでも使うことができます。
指示代名詞と普通名詞は語順を入れ替えてもOK
なお、リンカーについては別記事で詳しく紹介します。
人名si~が主語の肯定文
人名の前に「si」を付けます(男女関係なし)。
語順は普通名詞と同じです。複数人名の前は「sina」を付けます。
「(人名)は~です」
~ si (人名).
名詞もしくは形容詞 + si + (人名)
~ sina (人名).
名詞もしくは形容詞 + sina + (人名)
タガログ語基本例文
Matangkad si Ken. 「matangkad…背が高い」
Estudyante si Naomi. 「estudyante…学生」
Masipag sina Bob. 「masipag…勤勉な」
Kakilala sina Maria. 「kakilala…知り合い」
敬称「Ginoong(男性)」、「Ginang(女性)」
英語の「Mr.」や「Ms.」の表現は新たな語句を追加します。
「Mr.(男性)」…「Ginoong」
「Ms.(女性)」…「Ginang」
Mayaman si Ginoong Ken. 「mayaman…裕福」
Mataba si Ginang Naomi. 「mayaman…裕福」
なお、それぞれ略して「G.」あるいは「Gng.」と書くことができます(男女共通)。
普通の会話やメールのやりとりでは、英語の「Mr.」なども使います(si Mr. Ken)。
Kinnikubaka si Mr. Ken. 「Kinnikubaka…筋トレこそ正義だと思っている様」
瞬間タガログ語作文練習
以下に、今回紹介した文法について例文を10個掲載しています。
日本語を読んだ後、タガログ語を瞬時に脳内で作文して、実際に発音してみてください。それぞれ下部ボタンをクリックすると解答例が表示されます。
これを繰り返し練習することで、タガログ語での会話の時にスムーズに話すことができます。
※下ネタも入っています。
その本は面白いです。
Kawili-wili ang libro.
Mura ang mga camera.
”この”コーヒーは熱いです。
Mainit ang kapeng ito.
”その”花は美しいです。
Maganda ang bulaklak na iyan.
ボブたちは勤勉です。
Masipag sina Bob.
ナオミは濡れています。 「basa…濡れている(アソコも含む)」
Basa si Naomi.
マークは学生です。
Estudyante si Mark.
そのおっぱいは柔らかいです。 「malambot…柔らかい」
Malambot ang suso.
マニラは騒がしいです。
Maingay ang Maynila.
”これらの”フルーツは新鮮です。
Sariwa ang mga prutas na ito.
まとめ
普通名詞の主語の前に「ang」を付ける
「この、その、あの」を強調したい場合、語尾に「ito, iyan, iyon」を付ける
リンカーとして「-ng」を付けるか「na」を挿入
指示代名詞と普通名詞は語順を入れ替えてもOK
人名の主語の前に「si、sina(複数)」を付ける
敬称は「Ginoong(男性)」、「Ginang(女性)」
kawili-wili …「面白い」
maingay …「騒がしい」
Maynila …「マニラ」
mahirap …「難しい」
mabigat …「重い」
mainit …「熱い(暑い)」
kape …「コーヒー」
bulaklak …「花」
maanghan …「辛い」
pagkain …「食べ物」
sariwa …「新鮮な」
prutas …「フルーツ」
lalaki …「男性」
estudyante …「学生」
masipag …「勤勉な」
Ginoong …「男性敬称」
Ginang …「女性敬称」
mayaman …「裕福な」
basa …「濡れている」
malambot …「柔らかい」
以上、タガログ語入門講座五回目でした。
今回は、名詞や人の名前が主語の肯定文を紹介しました。
次回は、このパターンの否定文と疑問文を説明していきます。
少しずつステップアップしていきますので、ゆっくりと学習していきましょう。基本構文のみ理解すれば、あとは会話フレーズを覚えて行くだけです。
タガログ語は決して難易度の高い言語ではないので、頑張りましょう!