[オノケンブログ前回のあらすじ]
フィリピンのマカティはマラテに比べてかなり安全な場所です。しかし、油断は禁物です。一つ道を入るとローカルで危険な場所はたくさんあります。Grabで設定した場所を間違えてしまい、変な場所に到着してしまいました。さて、目的地にたどり着けるのでしょうか?
マカティの危険地帯?を歩く。真珠の森へ無事にたどり着けるのか?
オノケンブログを最初から(序章)読んで頂けると幸いですm(__)m
私がレンジと出会う前、レンジがどのような経験をフィリピンでしてきたのか、私がマニラに通うようになる以前について書かれていますので、レンジの章を読むことでよりクレマニを奥深くお楽しみいただけると思います。
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
[フィリピーナとのデートはどこに行く?映画?カフェ?ホテル?]
いきなりレンジさんからの“マルコと別れる”宣言。
夕方からのデートで一体何が起こったのだろうか?
私「何があったんですか?」
レンジ「会って話そう。戻ってこられる?」
私「やかましい。こちとらメイに会いにわざわざマカティ来とるんじゃい!“別れる”なんてどうせ一時の感情で、明日になれば“やっぱマルコは自分の大事な人だ”なんて言ってること間違いなしなんだから、マラテには帰りません!」
とメッセージを送ることもできるが、メイの指名客は店に来た時は長く居座ることが多いようで、この先私がここにいたところで、メイは行ったり来たりすることが目に見えている。
それならば、早めにマラテに戻って、レンジさんと共に夜の街に出た方が得る物は多そうである。
今日については、とりあえず明日のデートプランを立てることが目的であり、ここまでの時間でその話し合いは済ませていた。
明日のデートプランは、まずマクドナルドに集合し、近くにあるボーリング場でボーリングを行う。その後グリーンベルトでカフェデートである。
フィリピン人はボーリングが好きな人が多く、デートで行くことも多いそうだ。
かくいう私も元々ボーリングは好きで、学生時代は週に3回ほどラウンドワンに足しげく友人と共に通った経験があるほどにボーリングが好きである。
かと言って、玄人が良くやるカーブボールなんて投げない。
私の球種はスーパー剛速球ストレートのみである。
今までの人生で、自分より速い球を投げることができる人物に出会ったことがないほどの剛速球である。
バックスイングで後ろに肩が外れるほどに引き、投げる瞬間に地面に着いた左足からのパワーを腰へ伝え、そのパワーが分散されることの無いように腰のひねりへとつなげる。
そして腰から大きな力を得たパワーを肩、腕を経由し、ボールにすべての力を加える。
忘れてはいけないのが、ボールを話す瞬間に
“吹き飛び死ねーーーーーー!!!”
と心の中で叫ぶことである。
砲丸投げやハンマー投げなどの雄たけびと同じである。
気持ちをボールに乗せるのである。
15ポンドのボールを剛速球で投げ、ヘッドピンを捉えた時はピンは“倒れる”ことはない。
“吹き飛び乱れ散る”
高スコアを目指すのは二の次。“ピンが吹き飛ぶ様を見る”ことが私のボーリングをプレイする際の最重要事項である。
そして、どんな状況でも全力投球である。
もちろん1本しか残っていなくても1投目と変わらず全力投球である。
ピン「いや、残り俺一本だけなんだから、もっと優しく投げて。痛いやん。無駄に吹き飛ばされるやん」
という言葉が聞こえてきそうなほどに手加減はしない。
なんならピンを捉えられなくとも、ボールの風圧で倒すのが目的である。
決して人に自慢できるほどのアベレージスコアがあるわけではないが、その辺の人には負けない自信があるボーリングでメイにいいところを見せるのである。
もちろん行く前に彼女には
“ボーリングは好きだけど、全然うまくないから俺のスコアには期待しないでね”
と伝え、ハードルは下げ済みである。
ハードルが低い方が“実はうまかった”時の好感度アップが狙いやすい。
“メイにいいところ見せたくて、一生懸命やったんだよ。きっとメイが力をくれたんだね”
と言いつつ、ウインクバチコーーンと決めれば完璧だ。
まぁ、私はウインクができないのでこの計画は使えないが。
当初の目的を果たして、休みの可否は関係なくデートできる約束は取り付けたため、私はメイに“レンジさんがものすごくへこんでいるから、理由を聞きにマラテに戻る”事情を説明し、早めのチェックをお願いした。
ただ、それを言った後に
メイ「そうなんだ。ケンさんがよければ今日、仕事終わりに一緒にご飯食べに行きたかったのにな...」
と言うのを聞いて、とてつもない後悔が襲ってきた。
しかし、メイにはへこんでいる友人のためにわざわざマラテに戻ってあげる友達想いの一面を見せたばかりなので、
私「仕事後に一緒にご飯!?それならレンジさんなんて関係ない。レンジさんは少々のへこみなんてジョリビーのチキン食えば治る!!ほっとけばいい!!行こうアフターに!行こうピリオドの向こうへ」
なんて薄情なことも言いにくい。
後頭部の髪が全部抜け落ちるほどに後ろ髪引かれる思いがしたが、マラテへと戻った。
ホテルに近づくとレンジさんが黄昏ながらタバコを吸っている姿を発見した。
私「・・・」
なんと絵にならないことだろう。
増量に増量を重ねたレンジさんはさらに丸みを帯びてきている。
KTVでは
レンジ「今、妊娠6か月。この子はあなたのベイビーだよ」
なんてギャグが鉄板化するほど腹が出ている。
マタニティー用の服が似合うだろうその体型を持ってして、遠くを見つめてタバコを吸っているのである。
30代にはとてもだせない哀愁は感じられるものの、残念ながらかっこいい要素はまるで感じられない。
私「…お疲れ様です」
レンジ「悪いね、わざわざ帰ってきてもらって…メイとはうまくいきそう?」」
私「まぁまぁですね。とりあえず明日はデート行きます」
レンジ「そうか。ケンさんは上手くいっているようでいいなぁ」
私「で、何があったんですか?」
レンジ「マルコに“俺はお前のATMじゃない”って言って大ゲンカになった」
私「・・・」
なんとも私の想像を超えない範囲である。
地雷危険地帯を、まるで花畑のようにキラキラ・うきうきした感じでスキップをして渡ろうとするレンジさんの悪いところが出たというところだろうか。
どうせまたレンジさんが平謝りして仲直りするんだろうなぁと思いつつ、レンジさんの話を黙って聞いていた。
ただ、今回についてはマルコにもやりすぎている点も多くあった。