マリーからの耳打ちが終わり、レンジさんがこちらを向く。
私「ごくり」
レンジ「明日みんなでボーリング行かないかってマリーが言ってるよ」
私「えっ?」
レンジ「ボーリング行きたいんだって」
私「まじですか。てっきり僕は、
“もうおまえつまらないから帰っていいよ”
って言われることを覚悟してました」
レンジ「よかったね。少なくとも悪い印象はないみたいだね」
私「よっしゃ、この死へ誘うようなビールのバスケット、僕が担当しますよ!!」
レンジ「おぉ、いいねぇお供します!!」
私「いや、レンジさんはそろそろやめとかないと、そろそろ血を吐きますよ」
レンジ「とーつーげーきー!!!」
こうしてレンジさんと私のビール早飲み対決が始まった。
対決をしてみて改めて感じるが、レンジさんのビールの消費速度はすさまじい。あれだけマリーに飲まされ、吐かさた後にも関わらず、衰えを感じさせない消費スピード。
まるで夏の暑い日に汗びっしょり、喉カラカラで飲む一杯目のビールかというほどのスピードである。
ただ、トイレに行くスピードと頻度もすさまじい。2,3杯飲んでは猛スピードでトイレに走っていき、
あからさまにトイレで吐いてきたなというような涙目で帰ってきては、またビールを消費していく。
私(心の中)「すげえ。すげえけど、もうビールを飲んでるのか、トイレにビールを移動しているだけかわからん状況だ」
私も負けじとビールを流し込む。そしてトイレに駆け込む。
それを見ているマリーはケラケラと高笑いをしている。女王様は満足そうである。
突然レンジさんが叫んだ。
レンジ「よぉーし、踊ろう!!」
私「(; ̄Д ̄)!!!!」
ステージ下までマリーの手を引き走り出すレンジさん。
私もその頃はもう酔いでわけのわからない状態になっていたので、リョウコの手を引きステージ下に行った。
ステージ下に私たち2人が到着した頃には、もうレンジは踊りだしていた。すさまじく激しい何のジャンルにも属さない情熱的なダンスだ。
マリーはそれを茫然と見守っている。
私もレンジさんに負けじと2人で何のジャンルにも属さない情熱的ダンスを踊った。
混沌としていた。
その後は飲んでは踊り、飲んでは踊りを繰り返し、記憶が曖昧であるが、楽しかった思い出のみを強く残し、朝6時の閉店時間を迎えた。
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