マニラ夜遊び ブルゴス ゴーゴーバーエリア

 

[前回のあらすじ]

フィリピン彼女との動物園デートを終え、マニラのKTVエリアへ向かったレンジ。新たにアプローチを開始した女性から、元彼女の情報を聞く。元彼女は音信不通で行き先も不明だったが、実はマカティで働いてると言う。

[前回記事]
【レンジブログ138】フィリピンアリーナで彼女と動物園デート

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[序章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

[第一章第一話]
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ

[第二章第一話]
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る

[第三章第一話]
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。

 

レンジブログは第三章で完結しています。

それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」

 

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

[外伝一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた

 

 

【レンジブログ139】彼女がマニラのゴーゴーバーで働いていた?

 

ーーミユキから出てきたのは、「マリーがマカティのバーで働いている」と言うもの。

私はもっと情報が欲しかった。

 

ミユキにその話をした女性が手掛かりだ。その人をVIPルームに呼んでもらうことにした。

 

もう諦めれば良いと一瞬思ったが、マリーに会いたい想いは全く消えていないことに気付いた。

あのような最後ではこちらも気持ちが切れない。

 

[参考記事、オノケンブログより]
フィリピーナ彼女からの衝撃の告白。フィリピンの闇に触れる

 

少しでも新しい情報が欲しい。

彼女に会いたい。

 

フィリピーナ彼女
[マリー似顔絵]

 

私とマリーの関係を知っていると言うその女性が部屋に入ってきた。

 

「Hi」と挨拶される。これまた美人だが、顔は見覚えのない女性だった。

彼女はもう四年以上ここで働いているとのこと。

マリーとは直接親しくないが、その周辺とは交流があったらしい。

 

私はマリーについて聴取する。

今何処に住んでいるのか、何をしているのか、元気なのか。

 

しかしマリー自身がもともと友達付き合いが悪く、周囲には隠密的に行動しているようで、彼女もミユキに話したこと以外に詳しくは知らないらしい。

 


[マニラのKTVのVIPルーム]

 

マカティに居ると言っても、そんな広い範囲で見つけるのは不可能に近い。具体的な場所が知りたい。

私「Where Makati? (マカティのどこ?)」

女性は少しだけ口ごもった。

 

女性「Maybe Burgos. (たぶん、ブルゴス。)」

 

その地名を聞いて、気を失いそうになった。

嫌な想像が真っ先に襲ってきたのである。

 

…まさか、ゴーゴーバーか?

 

眩暈がしてきた。

いやいや、マリーに限ってそんなことあるはずがない。しっかりしろ。有り得ない。

ブルゴスと言っても、いろいろなバーや飲食店がある。大衆向けの普通のバーやレストランでウェイトレスでもしている可能性の方が高い。

それとも再びKTVかもしれないし。

 

激高する自分を抑えながら女性に再度問う。

 

しかし、「単なるバーとだけ聞いた」と言う。

それ以降は話に進展はなかった。

 

ミユキに断りを入れる。

「私はあなたにアプローチしているが、正直、元彼女のことが心配です」と。

彼女は理解を示してくれた。

 

ーー私はグランドヨーコを出た。

時刻は午前3時。

女性たちをアフターに誘う気は起きず、そのままホテルへ戻る。

 

マニラ夜遊び ktv
[マニラのKTVエリア、マビニストリート]

 

このとき、あらゆる悪い考えが頭を巡っていた。どのように歩いて帰ったか記憶にない。

 

マリー。

私から去ってしまったと思っていた女性がすぐ近くにいる。

人生の中から失ったと思っていた人だ。

 

思い出せば、彼女との最後の電話は不吉なものであった。

現在の生活を想像するに、決して幸せになっているとは思えない。何か深い闇を抱えているところも感じたことがある。

 

[過去記事]
【レンジブログ95】フィリピーナの彼女宅へ。彼女の部屋に初めて入る。

 

私が初めて恋に落ちたフィリピーナ。今でも大切な人であることは、心の中では変わらない。

彼女だけは忘れられない。

特別な、特別な女性。

一目会いたい。

 

でも、どうやって…

ブルゴス中のバーや飲食店を片っ端から入っていって探すのか?

 

マニラ夜遊び ゴーゴーバーエリアのブルゴス通り
[マカティにあるブルゴス通りはマニラ最大のゴーゴーバー地帯]

 

彼女からの連絡が途絶えた後も私はコンタクトを試みていた。

毎日、ライン、メッセンジャー、電話、国際電話、ショートメールなど出来ることは全て。マニラでも日本からでも。彼女の親しい友達にも連絡を取っていた。

いつか返信が帰ってくるはず。そう思って、毎日欠かさずメッセージと着信履歴は残していた。

 

今も彼女の反応はなく、所在も分からないまま。

彼女の連絡先が全て変更されている可能性はある。しかしそれでもと思い、私からのアクションは欠かさなかった。

今日ももちろん同様だった。

 

マリーからの応答は期待できない。しかも探すのも困難。

 

やはり諦めようか。ブルゴス中の飲食店を探し歩くなど馬鹿げている。

いや、でも万が一、ゴーゴーだったら…

 

私はその夜、胸騒ぎを抑えることが出来ぬままベッドに入った。

マニラのホテル ベッドルーム

 

ーー翌朝、午前11時に目が覚めた。

 

今日はマニラでの仕事最終日。イベント事なので忙しい日になる。

とりあえずしっかりと腹ごしらえをしよう。

私は大好きな日本の定食屋へ向かった。

 

マニラの日本食レストラン
[マニラのマラテにある日本食レストラン」

 

ここは、昼間は定食メニュー、夜は居酒屋メニューが楽しめる。

日本の一般的な定食屋クオリティなので、マニラで日本食が恋しくなった場合にはおすすめのレストランである。

 

マニラのグルメ 焼肉定食
[焼肉定食:390ペソ]

 

私は一食食べた後、なぜか逆にもっとお腹が空いてきた。

 

そう言えば、ケンさんはここでいつも「チキン照り焼き定食」を頼んでいたな。

よっし。

私は追加でそれをオーダーした。

330ペソ。こちらの方が美味しかった。

今度からはチキン照り焼きの方をオーダーしよう。

二つ。

 

ーーしっかりと腹を満たした私は、マカティの仕事会場へ向かった。

 

この日は各企業の新製品を紹介するイベントで、10社ほどが出展する。

私たちはその一つをサポート。設営準備や広報資料の作成、当日のビジター対応などを応援することになっていた。

 

マニラのモール イベント会場

 

仕事中はずっとマリーの事が頭にあった。

 

しかし、食事を取る時間も無いほどに忙しく、あっという間にイベントは終了した。

 

終了後のミーティングでは、クライアントからの感謝の言葉で泣きそうになった。

この仕事を手掛けて良かったと、ナオミやパーリーと労った。

 

ーーイベントの片付けもあり、解散は午後10時を過ぎた頃。

 

私は一人、マカティの別のエリアへ向かった。

唯一の手掛かり、ブルゴスストリートへ。

マリーに会えるかもしれない。頭にはそれしかなかった。

 

マカティ ブルゴス通り ゴーゴーバーエリア マニラ夜遊び

 

「この界隈のバーと飲食店全てを調べる!」と意気込む。

よっし。

とりあえず歩いて、片っ端から入って行くしかない。

 

ブルゴス ゴーゴーバー マニラ夜遊び

 

さぁ、この何処かにマリーがいるはず。どんどん行こう!

 

ブルゴス ゴーゴーバー マニラ夜遊び

 

しかし…

 

ブルゴス通りの大衆バー 人々で賑わう

 

しかし、ものの数軒でわかった。

 

ゴーゴーバーで有名なブルゴス通り、レストランバー

 

無理だ。

それは無理である。

 

こんなにも多数のバーや飲食店、通りを歩く人々の姿も多い。

そこから一人の女性を見つけ出すことなど難しいに決まっている。

 

それでも。

私のマリーに対する想いは強く、調べた飲食店は20軒を超えた。

 

ーー午前一時を過ぎた頃。

私の最初の意気込みは、ほぼ諦めに変わっていた。

 

ブルゴス通りにはたくさんの飲食店やバーが並ぶ マニラの人気夜遊びスポット

 

やはり、難しい。

そろそろマラテに戻ろうか。

マリーの事はまた今度探せば良い。ひょこっと連絡をしてくるかもしれないし。

待とう。

 

私はとうとう諦めた。

 

そして、せっかくブルゴスに来たのだから…

ちょっと目の保養に行こうかな。

 

私は調べてきた通りを戻った。

 

一度入ったゴーゴーバーの中で、最もレベルの高そうだったバーへ向かった。

 

私はマリーを必死で探しながらも、ゴーゴーバーの女性の下見をしてしまっていたのだ。

 

そして、そのバーへ入る。

 

ブルゴス ゴーゴーバー マニラ夜遊び

 

店内では、美しい魅力的な女性たちがセクシーな格好で彷徨っていた。

ステージ上では女性側が男性客にアピールの視線を送り続ける。

ポールダンスをしたり木馬にまたがったりしている女性も。

 

うーん、堪らん。

スケベですなぁ。この世に天国があったんですなぁ。

 

私は女性の乳、ケツ、顔面、そして、乳、ケツ、顔面を繰り返しガン見していた。

視力は7.0、天然双眼鏡と化していた。

 

私はその光景をツマミにビールを飲む。

 

ゴーゴーバーの店内にあった木馬

 

んー、木馬になりたいですなぁ。

どの子も可愛い。私は噴き上げそうになる鼻血を必死で抑えていた。

 

特にタイプは一番右の子かな。

乳75点、ケツ80点、顔面90点!

私は勝手に女性に点数を付け始めた。

 

乳だけで言うと、私の斜め前で接客している女性かな。爆乳かつ美乳。乳レベルが高過ぎるため、彼女のことは乳ビックバンと呼ぼう。

ケツだけで言うと、正直ブタ以外は誰でも良い。皆さんお若いためか良いケツをしていらっしゃる。さらにTバック演出でその良さは倍増している。

パチンっと叩いてみたい。

 

顔面だけで言うと、木馬に跨がっている女性かな。

 

顔面は100点に近い…

 

あれっ?

 

 

んんっ???

 

……似ている。似すぎている。

いや、本人か?

 

こちらに目を合わせないため、はっきりと顔が見えない。

 

よく似ているだけか?

目を細めてじっくりと観察する。

 

……全身が震えだした。

 

マリーだ。

こんなこと…。何と酷い仕打ちだろうか。

私については良い。クソな人間なのは誰よりも自覚している。私自身が堕ちるのは耐えられる。

しかし、マリーだけは。

 

恋人だった人が堕ちたことは初めての経験。まずは恐ろしいと感じた。

 

神様、何もこんな境遇に置かなくても。信じる人は救われるような教えがあったはず。

彼女の自宅の鏡台には立派なキリスト像を置いていた。あんなに信心深かったのに。なぜゴーゴーバーで働かなければならないのか。

神なんて、誰が信じるのか。

くそぉぉう!

 

世界を呪いたい。

 




 

ーーでも、どうする?

指名するのか、あるいはステージまで話しかけに行くのか。

いや、知らないフリをしてこのまま店を出ようか。

…彼女とは終わった関係だ。どう生きようと彼女の勝手。それも人生。

私が口を出したところでどうもならない。

 

しばらく悩む。

 

その間、マリーと思われる女性は木馬をゆっくり揺らしていた。

セクシーなランジェリー姿。

履いているTバックは股間に完全に食い込んでいる。薄い生地を介しているだけで、彼女のゴールマウスは木馬の背に直接触れている。とんでもなくエロい。

 

その間、彼女は私のブスな視線に気付かない。

 

ーー心は決まった。

私は彼女を指名した。

 

それを伝えられた彼女は気怠そうに木馬を降り、ステージからこちらへやってくる。

 

近づいて確信する。

間違いない、マリーだ。

 

私「Hi. How are you? (やあ。元気?)」

女性「Nice to meet you. (初めまして。)」

 

はっ?

 

私「Marry! What are you doing here! (マリー! ここで何してるの!)」

女性「Ha? Marry? I’m Chris. (は? マリー? 私はクリスです。)」

 

あれっ?

違うのか? マリーじゃないのか?

他人の空似にも程があるだろう、双子だったのか?

マリーであってほしくないと思う私の本心のため、胸が混乱していた。

 

いやいやいや、私が間違えるはずない。

マリーだ。

何故、嘘を付くのだ。

この距離だぞ。絶対に間違えるはずはない。本人だ。

 

私「I’m Range! You’re Marry! (レンジです! マリー!)」

女性「Hello, Range. Are you Japanese? (ハロー、レンジ。日本人?)」

 

くそっ、何なんだこのやり取りは。

マリーじゃないのか? それでは誰だ、この女は!

 

記憶喪失にでも合ったのかと思ったが、彼女の返答はしっかりしていた。

 

そして、私は感じた。

彼女はこの瞬間を無いものにしようとしている。知らないふりをしてこの場をやり過ごそうとしていると。

 

噛み合わない会話がしばらく続いたが、私はどうすれば良いかわかった。

 

それは名前。

 

彼女の本名をフルネームで呼んだ。

 

 

彼女は下を向き、フッと笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー私は翌日、昼の便で日本に帰国した。

 

もう、マニラへ行くことは止めよう。

ここまでモゲることがあるだろうか。と、毎回思う。

 

ーー次の日、死んだ顔をしながらオフィスに出勤。

いろいろな疲れが全く取れていない。

私は『誰も話しかけてくるなオーラ』を出していた。

 

しかし、彼は違った。

 

オノケン「レンジさん、お疲れ様でした! どうでした、フィリピンは!」

 

私「あーもう、声がデカいよ。モゲにモゲた。モゲすぎたけど、レベルは上がったかな」

 

オノケン「ほう。まだレベル上がるんですね」

 

私「レベルってさ、Lv99までだと思うじゃない? でもね、たぶん三桁目があるよ」

 

オノケン「はぁ?」

 

私「俺らが経験してる冒険なんて未だ始め。まだまだ果てしなく、底知れない。無限に近く続くってこと」

 

オノケン「なるほど。いろいろあったんですね。とりあえず今回はどうだったんですか? お疲れのところでしょうが、話聞かせてくださいよ」

 

私「いやー、今はちょっと。明日でもいい?」

 

オノケン「ズルっ! 良いから教えてくださいよ。マニラで何があったんです?」

 

私「もう。簡単に言うと、お母さんの土地の話があって、おっさんが脱糞して倒れてて。おばさんの石使いが凄くて大発射。フィリピーナのフィッシング、あーでもその後のバーベキューがめちゃくちゃ美味しかったし。翌朝、俺が軽く炎上したね。それから、ブラカンでライオンを見てさ。トドメに木馬に乗ってた女が…」

 

オノケン「はぁ?」

 

私「え?」
 

オノケン「マニラの話ですよね?」

 

私「そうよ」
 

オノケン「…キャンプでもしてたんですか?」

 

私「違うわ!」

 

 

 

[レンジブログ外伝二章終り]

 

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

6 コメント

  1. 執筆お疲れ様でした!レンジブログ最高ですね、毎日楽しませていただいてます。明日からのオノケンさんのも楽しみです。

  2. レンジさんの話はどれも深いですね。この話も笑いで済ませるには申し訳なく感じます。
    結局マリーさんはどうなったのか。読者としてはとても気になります。しかしそこは読み手に任せると言うことなのでしょう。
    これからも楽しみに読ませていただきます!

  3. いつも楽しくみてます。
    私は一度もフィリピンには行ったことがないのですが…
    レンジさん、人生ではかなり特殊な経験をされていますね。
    本当に興味深いです。
    読者としてはレンジロスを感じてます。
    次作期待しています!

  4. レンジさん、最高です!マリーとその後どうしたのか、それともマリー本人なのかどうか…教えてくださいw その他表現、見事です!

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