マニラ おすすめホテル ダシュタニ マカティ

 

ーーマカティへ向かう車内にて。

「付き合ってもらってごめんね。ハナには何て説明したの」

「彼女には『急な仕事が入ってマカティ行く。帰りは遅くなるかも』と」

「ナイス」

「はい。どうせなら楽しもうと」

 

 

【レンジブログ207】マカティ夜遊び開始、結婚相手の暴走を止められるのか!?

 

 

ーー16時頃。

タクシーは目的のダシュタニホテルに止まった。

マリーとの待ち合わせ場所である。

 

 

彼女はまだ到着していない。私たちはタクシーを降りてホテル内のカフェで待つことにした。

 

コーヒーと軽食を頼んだ。

「レンジさん、今夜の予定は」

「真理子に行こうか」

「その後は?」

「ケンさんに任せるよ。今は付き合ってもらってるから」

「そうですね…… マラテに戻るのもアリですか」

「全然大丈夫だよ。マリーには適当に言い訳して脱出しよう」

 

カフェで時間を潰す。

ケンさんは頼んだ軽食を「マズっ!」と言いながら食べていた。

しばらくするとマリーからの連絡が入り「さっき起きたわ」と。

「ごめんケンさん、まだかかるわ」

私は強い眠気を覚えテーブルに伏せてしまった。

 

ーー二時間ほど経過したところでマリーから「やっぱりマカティスクエアに来て」と連絡が入る。

夕刻。ホテルを出てマカティスクエア方面へ歩き始めた。

右手にモール街やオフィス街が見える。この辺りの光景も大変懐かしい。

「ところで昨夜はマリーにどう言い訳したんです?」

「久しぶりのマニラだからね。『ケンさんとベラージオで飲んで。部屋で休んでたら眠ってた』って」

「なるほど。怒ってはないんですね」

「うん大丈夫」

 

2kmほど歩いてマカティスクエアへ。待ち合わせ場所を探す。これまた懐かしい建物内をウロウロした。

マリーから電話。「出口付近で待っている」とのこと。

そちらの方へ早足で向かう。

 

居た。

 

 

久しぶりの彼女の姿に涙が出た。二年ぶりの再会だ。

彼女を抱きしめて鯖折り状態で持ち上げてグルグル回した。

「Hey! Stop! Fxxkin Range! (ちょっと! やめろ! クソ豚!)」

彼女は笑顔でケンさんにも挨拶。二人も再会を喜んでいた。

 

ご飯でもと思ったがマリーはもう職場へ向かうらしく、お店での合流を約束した。

 

彼女を見送った後スマホを持つ。

「ケンさん、近くにナオミも住んでるんだけど。彼女にも会っていいかな」

「お餅ですね。懐かしいですね、大丈夫ですよ」

「そこで待とうか」

近くのシェイキーズに入り、30分ほどすると彼女は現れた。

少し仕事の話をした。

そして場所を日本風居酒屋に変えて一緒に夕食タイム。

私とナオミ、ケンさん三人でワイワイ食べていると、日本人グループが隣の席に座った。

何だか見覚えあるような。

あれっ? もしかして…… ダイスケさん!? こんな奇跡あるのか。

「ケンさん、横。ダイスケさんじゃない?」

「うおっ!? 本当だ!」

私たちが声を掛けるとダイスケさんも驚いていた。久しぶりの再会が色々と続き嬉しくなる。

 

ーー夕食を終え店を出た。

私は「じゃナオミ、例の件お願いね!」と伝えてここで彼女と別れた。

「ケンさん行きますか!」

「はい、行きましょう!」

私たちはタクシーを捕まえてKTV真理子へ向かった。

 

マニラ夜遊び KTV「真理子 Mariko」 マカティの人気店

 

入店。

二階のVIPルームに通された。

私はマリーを指名し、事前に聞いておいた彼女の友達をケンさんの指名嬢とした。

 

ーードレスアップしたマリーが入ってきた。

彼女も二十代後半になり多少老けたなと思っていたがまだまだ第一線で働ける容姿だ。

彼女は私の隣に座り腕を伸ばしてきた。

「I love you so much, sooo much. (ガッツリ行くぜATM野郎)」

「I love you more more more. (上等だぜ潮吹きマシーン)」

私とマリーはベッチャベチャにディープキスをしまくった。

ついでに乳を豪快に揉みしだきドレスを持ち上げガシマンした。

彼女も我慢ならず私の股間を鷲掴みにして耳を噛んでくる。

 

「ちょ、ちょっと! レンジさん、マリー!」

「んあっ、ごめん。ついつい」

「Oh sorry. (居たのかゴリラ)」

 

ドアのところにもう一人女性が立っていた。マリーの友達、ケンさんの指名嬢のようだ。

彼女は会釈しながらケンさんの横へ座った。マリーが彼女に「ほらカッコいいでしょ」とケンさんを紹介する。

私はケンさんの表情を見逃さなかった。殺し屋のような目をしていたのである。

その理由はすぐ分かった。女性はケンさんのタイプでない。

特にそのスタイル。腹のお肉に緩慢な弛みがある。彼は自分にも他人にも厳しい。不満足な体型の女性は彼の恋愛対象にはなりえない。

また挨拶直後からケンさんを気に入ったのか彼女は彼をベタベタと触り始めた。誰もがケンさんの筋肉に興味はある。しかし女性自ら行ったらダメだ。下品だ。

案の定ケンさんの不機嫌さはこちらまで伝わってきた。

ケンさんよ、すまん。申し訳ない。申し訳ないが『よっしゃー』という思いが心の何処かである。もしかなりの美人でスタイル抜群の女性だったなら私は嫉妬に狂ってしまう。

今宵は私のターンだ。適当に相手をしてこちらを見守ってくれ。

 

ーーマリーはケンさんに小声で話しかけた。「昨夜は何してた?」と聞いている。私の行動を疑っているのだ。

ケンさんは「ベラージオで飲んでホテルに戻ったよ」と忠実に弁明した。

その他にも私の近況についてしつこく尋問されていた。ケンさんがもしウソ発見器にかけられたなら機械ごと即ブッ壊れるだろう。

全て隠しながらナイスフォローをしてくれた。

 

ーーようやく納得した様子のマリーは呼び出しボタンを押した。

 

スタッフが部屋に入ってきた。

だいたい予想がついた。私が「ボトルにしようか」と聞いたのだが断られた。ショットの方が効率よく稼げるからだ。

 

たくさん来た。最初こそ記憶にあるが何杯頼まれたか覚えていない。

途中から別の女性たちも部屋に入ってきて「みんな友達だ。指名な」と命令を受けた。

この二年間放置していたのだ。ごめんねマリー。今夜くらい良いよ。

婚前の祝杯さ。無限に逝ったるわい!

想像をはるかに超える杯数が来た。私も共闘し『どうせなら店の新記録出したろか!』となった。

 




 

ーー膀胱がバカになるほど飲みベロンベロンになった。

女性陣もかなり酔っ払い徐々に場が荒れてきた。

 

「We’re getting married tomorrow. (明日結婚するの)」

マリーが私の首根っこを持ち周囲に発表した。

皆は「ヒュー!」と歓声を上げ拍手。

「I’m sorry I’m not pogi. haha. (ごめんねカッコよくなくて。ははっ)」

私は自分の太った腹を擦りながら釈明した。

 

「Are you sure!? Haha! (マジでこんな豚と結婚するの!? ははっ!)」

友達の一人がマリーに言い放った。

 

「I don’t care!! (良いんだよ!!)」

マリーがブチ切れた。女性陣は凍りつき気まずい空気で固まった。

怖っ。

マニラで初めて女性が女性にキレるところ見たかも。

 

「He’s the best. That’s why. (こいつは最高だ。分かったか)」

マリーの言葉に皆がうなづく。

 

「Let’s sing! (歌おうぜ!)」

私は空気を変えようとリモコンとマイクを持った。ケンさんも続いて歌い始めた。

しかしマリーのブチ切れが怖すぎたのか女性陣の表情は引きつっていた。雰囲気がなかなか戻らない。

 

「Range, are you okay? (てめぇ、まだ飲めるよな?)」

「You know I’m Range. Where my drink? (誰に言っているのですか。シラフですよ?)」

「Here. (これだ)」

ん? このボトルはどこからやってきたんだ。誰が注文したの?

「Here we go! (逝くぞ!)」

「My pleasure! (おうよ!)」

グラスに注がれたウィスキーのストレート。乾杯しマリーと共に煽った。

 

……ゲホッ、ゲホッ。くあーっ、喉が灼ける。

「Water please! (水下さい!)」

マリーがペットボトルを開けグラスに注いだ。私がそれに手を伸ばそうとすると「これはワシのじゃ!」と叩き落とされた。

「Hey. (こっちじゃ)」

私は別のグラスを受け取り『ごくごくッ』と喉を洗い流そうとした。勢いよく飲み始めた瞬間、

「ぐふぇぇっ! これJINROじゃん! うえーっ!」

「Oh my, fxxkin Range! Kyahahaha! (最高、ウケるレンジ! きゃはははっ!)」

マリーはその様子を見て凶々しくケタケタ笑っている。

ケンさんが『そのくだり何回やってんすか。久しぶりですけど』という目で見ている。

私は涙目で『もうギブ。帰ろう』と伝えた。

 

ーーマリーに断りを入れて仕事後に会う約束をした。

「Never go to sleep tonight! (今夜寝たら命は無いと思え!)」

彼女は私の首元を千切らんばかりに噛んできた。

「Copy that! (正座して待ってます!)」

 

我々はKTV真理子を後にした。

 

ーーマラテに戻るタクシーにて。

「ケンさんどうだった?」

「どうもこうもないっすよ。最悪でした。乳首チロチロされて。しかもお気に入りのTシャツにキスマークなんて。一度ホテル戻っていいですか?」

彼はかなり耐えてくれた。ありがとう。これからの時間は彼に任せよう。

「どうするかな。プレミアクイーン?」

「いや、昨夜の女性は今夜は出勤していないようで」

「そうか。残念だね」

「はい。Aijinでもいいですか」

「もちろん」

 

リヴィエラマンションホテルに到着。30分後に再集合とした。

私は部屋に戻る理由がなかったので周辺を徘徊しながら待つことにした。

 

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

6 コメント

  1. レンジさんの会話の訳が最高ですね😆👍
    でも、意味合いは捉えてるんだろうなぁと思ってます。ケンさんはご愁傷様でしたね😅

  2. 赤裸々なド変態からの殺し屋のするどい目線🤣お気に入りのピナちゃんを狙う狩人の目と今回の殺し屋の目…ギリギリのラインですがどちらの方が男らしい目でしたか?🤣

    • 彼は好き嫌いがはっきりしていてストライクゾーンが狭いです。私は相当なゲテモノも同類なので合わせる事ができます。

  3. 私も3年程フィリピンに行けてませんが、当時の風景や景色などいろいろ思い出しながら読んでます。
    ホント面白いです🤣
    オノケンの章でオノケンさんがちょうど怒ってた場面ですけど…レンジさんはそれどころじゃなさそうですね。

    • 彼の不機嫌は明らかに伝わってきました。申し訳ないと思いつつ腹では爆笑していました。女性陣に弄ばれてアヘ顔のゴリラは良い余興でしたね。

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