マニラ 夜遊び フィリピン

 

ーーケンさんを待つ間、近くを散策しようと思ったが今夜も長い可能性がある。

少し歩いて引き返した。

リヴィエラマンションホテルのフロントのソファに座った。ここで待とう。

深く座り直すと疲れのピークを感じた。眠い。すこし目を閉じた。

 

 

【レンジブログ208】KTVマニラ夜遊びワンチャン女性との展開は!?

 

 

「..ir.. Sir…… (……ンナ…… ダンナ……)」

「うああっ!? 殺さないでぇ!」

「Hey, you had a nightmare? (こんばんは。どんな夢見てたんですか?)」

えっ……  寝てたのか。ホテルスタッフが起こしてくれたようだ。

「You slept well. You were snoring so loud. (爆睡でしたよ。奇獣の残響みたいなイビキでした)」

「It’s horror. (ホラーですね)」

真上に顔を上げて口を開けていたらしい。何かに変身するのかと周囲が心配するほど。

体は少し軽くなったが酔いは残っている。

気まずい私は「ご迷惑おかけして申し訳ありません」と外へ出た。

リヴィエラマンションホテルの裏手に回りシェラトンホテルの喫煙所へ。

 

 

タバコを吸っているとケンさんが現れた。

「お待たせしました! いやー、ここも懐かしいですね」

「そうだね。ねぇ、お店へ行く前に周辺歩かない? 酔い醒まそうよ」

「ですね。周辺がどうなったか。まだあまり散策してないですし」

一服を終え歩き始めた。

 

ーーまずアドレアティコ通りを南下しながら賑やかなところへ向かう。

人通りは多く活気を感じる。外国人より現地の人々の姿が目立った。

 

そしてレメディオスサークル周辺へ。

ここでは多くのガイドたちに声を掛けられた。何人か知っている顔もあったがほとんどは初見のガイドだった。

中にはしつこく付いてくるガイドもいた。私たちは無難に躱して周辺散策を続けた。

 

マラテ 夜遊び マニラ

 

しばらくするとケンさんが後ろを気にし始めた。

「レンジさん。彼ずっと付いてきますね。気味が悪いです」

気付けば一人の小柄な男性がブツブツ言いながら私の斜め後ろを付いてくる。

ひたすら無視を続けていたのだがあまりにもしつこい。

「そろそろハナのとこ行こうか」

お店に入れば諦めるだろうと思った。しかし甘かった。

その男性は私の歩幅に合わせて一緒にお店の中へ入ってきたのだ。

さすがにスタッフが追い出してくれるだろうと期待したが、運悪く店内は多くのお客さんで慌ただしい。

私たちがBOX席に座っても男性は離れず横で何かブツブツ言っている。手をポケットに突っ込んだまま。

 

私は諦めて100ペソを渡した。

すると男性は舌打ちのような音を立てて店を出て行った。

 

「マジ怖いっすね。気持ち悪かったです」

「変な人だったね」

「はい。ポケットから物騒なもの出しそうで」

「ははっ。それにしても賑わってるね」

私たちが座ったことで満席となった。女性もほとんどが接客中で残っているのは数人ほど。

と、その時だった。別のBOX席から突然私たちの前に男性が現れた。

「ケンさん! レンジさん!」

『ダイスケさん!?』

こんな奇跡があるのか。

マカティで出会ったことすらその確率はゼロに等しい。しかもその時に今夜の行動はお互い確認していない。それぞれ別の知人と一緒だったため『また今度飲みましょう!』と約束しただけ。

それがまさかマラテで、同じKTVで再び会うとは。

趣味が似過ぎでしょうよ。さすがダイスケさん。

「レンジさん、さっきのは誰です?」

「変な人です、ははっ」

「あー、なるほど。たまに居ますね変な人。気を付けてくださいね」

 

ダイスケさんとしばらく談笑し彼は元のBOX席へ戻っていった。

 

「また会うなんて凄い確率ですね。0.00001%の二乗くらいでしょ」

「そうだね…… んっ? ケンさん、もしかしてダイスケさんの指名嬢って」

「はい。ハナらしいです」

「どぅわっ!」

驚いた。これまた凄い確率だな。もし三角関係にでもなればネタとして面白いが。

 

ーー私の方は指名嬢の希望は特になかった。

強いて指名するならアンナかなぁ…… と思ったが彼女もダイスケさんたちのBOX席で接客していた。火星人マーズも別の席で接客中。

酔いが醒めてきた。どうせなら楽しもう。私はショーアップをお願いした。

女性たちが前に並ぶ。その中に一人すらりとした美人が居た。昨夜は居なかったはずだ。私は即決めた。

 

左側に座った彼女の名は”シンゲキ”。

日本のアニメが大好きなのだと。スマホにダウンロードされた様々なアニメを見せてくれた。特に『進撃の巨人』が好き過ぎるらしい。

私も「ミカサとリヴァイが好きだよ」と伝えた。

彼女は「きゃっ!」と喜び私にぴったりと体を寄せる。何かしらのスイッチが入ったのか「ササーゲヨー! 心臓をササーゲヨー!」といきなり歌い出した。

その顔はマジで心臓を捧げるのではないかと思うほど真剣で迫力があった。彼女の推しはハンジらしい。

すぐさま私たちは仲良くなりアニメトークで盛り上がった。

他にも鬼滅の刃や呪術回戦、ハンターハンターなども知っておりそれぞれお気に入りのキャラを挙げていった。

私は『煉獄、五條、ヒソカ』を挙げた。

シンゲキは『童磨、真人、プフ』を挙げた。

おおっ、なるほど。センス良いな。かなりサイコ感のある美女だ。

そして彼女は思い出したかのように突然「ササーゲヨー! 心臓をササーゲヨー!」と歌い出す。

こっ怖ぇぇ。

 

ーーショータイムが始まった。

 

「レンジさん、僕のヘルプ嬢が……」

「うんワカメちゃんみたいだね。俺もずっと笑い堪えてた。凄い出てるね」

 

KTV マニラ フィリピーナ

 

パンティが完全に見えているのである。彼女は知ってか知らずか股間を強調気味に舞う。

丈の足りない服を上げ下げする度に乳輪が見える。乳首は見えない。服の端が突起に引っかかっているのだろう。

彼女は眩い笑顔で踊っていた。その元気の良さはショーの中で一番目立つほど。

「レっ、レンジさんw ふふっ、見てくださいよw」

「ふふっ、ふっw 分かってるw 言うなってw」

「パっ、パンツが恥骨もっこりw ふふっw」

「ふふっw ちっ、ちく、乳首がっw」

「ふふっ、ふっw 引っかかってw」

「だから言うなって、ふふっw」

「にゅ、にゅw 乳輪チラチラw」

「ふふっw しっ、漆黒w」

『ぶぅはははっwww』

我々は笑いを堪え切れず爆笑してしまった。

 

ーーその中にアンナを見つけた。退屈そうな表情を浮かべ、おしとやかに踊っている。

彼女と目が合う。

その表情には『てめぇ、何考えてんだ』と言っているような氷薄の殺気を感じた。

昨夜は気付かなかったが…… アンナ、よく見れば結構良い女やん。ドレスアップしメイクも髪も決まっている。乳もある。

一方、マーズは遠目に見ても顔面のパーツが自由過ぎる。何故に昨夜指名してしまったのか。美人に思えたのだが。

シンゲキは皆と違う動きをしていた。微動だにせず拳を左胸に立てている。なぜ踊らない。あの口の動きはまさか。

心臓を捧げている。

 

ーーショータイムが終わりシンゲキが戻ってきた。

彼女は「見てくれた!? ハンジを意識したのよ!」とハイテンションだ。「やっぱりね。すぐ分かったよ」と彼女の奇行を褒めた。

 

店内が落ち着いたところでダイスケさん御一行が席を立った。会計を終えたのだろう。私たちに会釈しながら店を出ていった。

 

ドレッシングルームへ戻ろうとするアンナ。私をじっと見ている。私の横にはシンゲキ。

やはり別の女性を指名していることに怒っているのだろうか。一瞬笑顔を見せた気がしたが目の中には邪鬼が居た。

 




 

ーーハナがケンさんの元へ来て「疲れたわ」と彼の腕を抱きしめる。ケンさんは彼女の頭をなでていた。

私は「昨夜は遅くまでごめんね」と声を掛けた。そしてアンナを追加指名した。

 

アンナは私の右側に座るとすぐベタベタと接客してきた。女性二人に挟まれる形となり私は照れた。

シンゲキは我々の事情が分かっておらず困惑していた。私は「アンナとは親しいんです。君のことは気に入ったからこのまま居てください」と伝えた。

改めてアンナに「ごめんね。忙しそうだったからシンゲキを指名したんだ」と伝えた。「いいわ。今夜は何故かお客さん多くて。元気?」彼女は優しかった。

真横に見ると、アンナの小顔と健康的なスタイルはとても魅力的に思えた。

今朝の出来事がフラッシュバックする。何だかんだ相性も良かったよなぁ……。

酔いも手伝ったのか私は彼女の背に手を回し抱き寄せた。彼女は怒ったフリをして私の股間を『ガシガシガシッ!』と擦ってきた。意地悪そうな笑顔を見せる。

アンナ…… エロいやん。

シンゲキは我々の様子を見て捧げたはずの心臓が止まりそうな表情をしていた。

 

ーーカラオケが響く店内。

私はシンゲキの膝に手を置いた。「今夜は先に君を指名したんだから君が優先だよ。アニメの続きを見せて」と耳元で囁いた。

彼女は機嫌を取り戻しスマホのロックを解除する。

アンナはハナと会話を始めた。

その隙に私はシンゲキと連絡先を交換した。

 

ーー午前一時頃。

ケンさんに疲れが見えたのでワンセットで店を出た。

「これからどうする」

「今夜はもう解散でいいですか」

昨夜の長丁場もあり私も疲れていた。この後マリーがマラテに来ることもあって私たちは各自のホテルへ戻った。

 

ーーコンビニで買い出しをして部屋へ入る。

ふうっ。

マリーが来るまで少し時間があるな。

彼女がダイレクトでマラテに来るとは思えない。去り際の雰囲気からすると女性陣の反省会もあるかもしれない。

到着はおそらく四時以降だ。

 

ギリギリの戦いになるかもしれないが試す価値はある。

 

私は別の女性に連絡を取り始めた。

 

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

4 コメント

  1. ワンチャンにかける感じいいですね🤩
    でも、結構キツキツですね😅
    リスクとチャンスってホント仲良いですよね👍

    • おっしゃる通りです。リスク無しにハッピーはありえません。人はハッピーよりリスクを優先する生き物だと思います。

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