[前回のあらすじ]
フィリピーナ彼女とその母親が来日して4日目。有馬温泉を後にし、レンジが住む名古屋へ向かう。レンジは一旦仕事のため、彼女達とは別行動に。
[前回記事]
【レンジブログ151】フィリピン彼女と名古屋のホテルにチェックイン
[序章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
[第一章第一話]
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
[第二章第一話]
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る
[第三章第一話]
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。
レンジブログは第三章で完結しています。
それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。
[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。今まで二つの外伝がそれぞれ完結しています。
[外伝一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた
[外伝二章第一話]
【レンジブログ121】フィリピンから帰国、その日にフィリピンパブへ
【レンジブログ152】フィリピン彼女とピンパブへ! 栄の池田公園にて
ーー翌朝、9時頃に起床。
私は自宅を出て、マルコたちが宿泊するホテルへ向かった。
この日も年末にしては暖かい朝だった。
ホテルに入り、彼女らの部屋へ。
ノックすると、すぐに母親がドアを開けた。
もう外出の準備は出来ているようだった。
「Good morning! (おはよう!)」
挨拶を交わし、「昨夜は眠れた?」とご機嫌を伺う。
マルコは熱心にヘアアイロンで髪形を整えていた。
昨日私が買ったものを大変気に入って使っている様子。
そして、コンビニで買ってきたチョコレート菓子パンと500mlのミルクパックを渡す。
これが日本での彼女たちのお気に入りの朝食だ。
私はソファベッドに座りTVを付ける。
普段は見ないワイドショー、眠気がまた襲ってくる。
あくびをして目をこじ開けながら、彼女達の朝食と出発準備を待った。
ーー午後11時頃。ホテルを出て、タクシーに乗り込む。
目的地は『名古屋城』。
と、その前に『着物レンタル店』へ。
この日の日中は、マルコに着物を着せて、写真撮影に付き合うことになっていた。
ーー私は普段、会社近くの美容院で髪を切っている。
先月私が訪れた際、そこのスタイリストの人に今回の『フィリピン彼女の訪日』を話題にした。この名古屋にも立ち寄るのだと。
「レンジさん、それ着物着せてあげたら喜びますよ! 名古屋城をバックに写真撮ったらどうですか?」
「そうですね、ウレションするほど喜ぶでしょうね」
「私、知り合いに着物レンタル店やってる子がいるんで。紹介しますよ!」
「あっ、それはありがたいです!」
さっそくマルコに提案すると、すぐに大賛成。着物を着ることも夢の一つだったようで、大変楽しみにしているようだった。
私も良い思い出づくりになるぞと、この日を楽しみにしていた。
ーー着物レンタル店へ到着。
スタイリストさんの友人の方と挨拶し、謎に名刺交換をした。
着物レンタル料金は半日で5,000円、着付け代込みでお友達価格のようだ。
着物は何種類かあるものから、自分の好きなデザインを選び、スタッフが帯を締めてくれる。
私は着付け室のカーテン越しに「大丈夫?」と聞きながら、彼女の着替えを母親とともに待った。
ーーマルコが着物を着て出てきた。
「Ohhh, very nice! (おおー、とても素敵!)」
母親と一緒にその姿を喜んだ。振袖ではなく簡単な『普段着着物』だったが、それなりに美しく似合っていた。
彼女も得意気に袖を広げながらその場で回る。
「Like a Japanese diba! (日本人みたいでしょ!)」
私は一応、「着物って現代は相当オフィシャルな服だから、普段はあまり着ないよ。普段から来ている人は余程高貴な人か特別な職業の人です」と伝える。
マルコは「わかってるって!」と笑っていた。
ーー再びタクシーに乗り、名古屋城へ。
周辺を観光しながら、彼女の写真撮影にしっかりと付き合った。
おそらくここでは、USJで撮った枚数以上の写真をスマホに収めた。
着物姿が相当気に入ったのだろう。
こんなに喜んでくれるのなら、『浴衣』をお土産として買っても良いかな。
私たちはしばらく名古屋城周辺を歩き、遅めの昼食を取った。
その後も写真撮影は続き、マルコが満足するまで付き合った。
そして、日傾きかけた頃。
タクシーで着物レンタル店へ戻り、マルコの着替えを待つ。
その後、私の自宅を見たいと言っていたので、少しだけ寄った。
ーー歩いて自宅マンションに着き、エントランスのオートロックを解除する。
マルコは「オフィスみたいね」と言う。
三人でエレベーターに乗り、部屋へ。
室内は昨夜しっかりと掃除をして片づけておいた。
最初こそ「Nice room!(素敵な部屋!)」と言ってくれたものの、二人はそれほど興味は示さなかった。「わー、レンジの家だ! 凄い!」と、もっと感動してくれるかなと期待していたのだが。
……相当リッチな生活をしていると思っていたのだろうか。
すまん、私は平均的な日本人だ。
母親はキッチンへ向かい、「あなた、ちゃんと食べてるの?」と言いながら戸棚を開けまくっていた。
マルコは暇そうにソファに座り、スマホを触っていた。
一応、冷蔵庫にあったコーラのペットボトルを彼女たちに『お茶』として振る舞う。
マルコは「温かいコーヒーは無いの?」と不満そうだった。外で着物だけを着ていたため、かなり体が冷えたのだろう。
私はもともとコーヒーが飲めない。家に暖かい飲み物を用意すると言う概念がなかった。
何だか申し訳ない。
自分の気の利かなさに後悔する。
とっさに「お湯を沸かして、お茶漬けかカップラーメン食べる?」と聞くが、鬼の形相で拒否られた。
くそっ、梅こぶ茶でも買っておけばよかった。
結局、滞在30分ほどで私の自宅を後にした。
ーー日暮れが早い。
しかし、夕食までには少し時間があった。
私たちはとりあえず栄駅周辺へ向かうことに。
オアシス21の中をしばらく歩き、私たちに疲れが見え始めた頃、カフェに入った。
ーーコーヒーとケーキをオーダーして、今後の予定を話す。
明日はホテルをチェックアウトして、京都へ行く予定だ。
京都の後は再び大阪へ。クリスマスを過ごし、そして、日本を発つ。
あともう少し。この旅の終わりが見えた。
私の中で惜別の思い。いや、それは偽りだ。歓喜の方に近いカウントダウンが始まっていた。
『ずっと一緒に居たいが、早く帰ってほしい』
矛盾した考えに頬だけ緩む。
ーー午後7時前。
ケンさんから連絡が入り、近くの繁華街で待ち合わせすることに。
私たちは外へ出て、飲食店が集まる方へ向かった。
街はすっかり夜の顔を見せていた。
日中は人通りが少なかったエリアが急に活気づく。人種も多様になっていく。
私たちは何軒か飲食店を周り、席の空きがあったところへ入った。
焼き鳥屋だった。ここならマルコも不満は無いだろう。
ケンさんに店の場所をメールで指示する。
しばらくすると、彼が現れた。
ーー「すいません、遅くなりました! お疲れ様です」
マルコと母親は彼の顔を見て喜んでいた。
「ケンさん、悪いね。お疲れ様」
「いえいえ、それにしても皆さんお元気そうで! 会えて嬉しいです!」
彼が英語で話しかけると、二人はもっと笑顔になった。この日本の地で知った顔に会えるとそれは嬉しいだろう。
マルコも母親も今回の旅のことを一生懸命説明していた。
ケンさんがどこまで理解出来たかわからないが、彼女たちは「日本滞在を本当に楽しんでいる。名古屋も素敵なところね」と言う。しっかりと「レンジに感謝している」という文言も含まれていた。
それを聞いて嬉しかった。
また、母親は「マルコはフィリピンに帰りたくないんだって。もうマルコだけ日本に残して、私だけ帰ろうかしら」と冗談めいたことを言っていた。
おっ、おう。冗談であってもそれだけは止めてほしい。
とりあえず私の心の整理のため、一度フィリピンに帰れ。
ーー料理が運ばれてきて、皆で食事を楽しんだ。
特に、マルコは焼き鳥屋のメニューが気に入ったらしく、「Can I have this and this?(これとこれも良い?)」と積極的にオーダーしていた。
母親も「ここは良いレストランだわ!」と日本の焼き鳥屋が好きになったようだ。
「レンジさん、名古屋で飲むのは久しぶりですか?」
「先週は広島だったから。前の週が錦だったけど、栄は久しぶりかな」
「そこ分ける必要あります?」
「とりあえずピンパブにはしばらく行ってない」
私とケンさんは日本に居るときは会社で顔を合わすものの、二人で一緒に飲む機会はあまりない。
そのようなコミュニケーションはほとんどフィリピン滞在中に取る。日本では季節に一回ほどクレマニミーティングをする程度である。
「この後、どうします?」
「とりあえず、賑やかな方に行けばいいでしょ。社会勉強だね」
「ものは言いようですね」
「それよりもさ。ケンさん、面白い話聞きたい?」
「えっ、今この状況より面白いことなんてあるんですか?」
「まぁ、面白いっていうか。……昨夜、ある人物から返信があったんだよ」
「マリーですかっ!?」
「早っ! 当てるの早っ!」
「マジですか!? 何て、何て返信あったんです!?」
「いやー。昨夜、女の子たちに『メリークリスマス』って乱打してたのよ。すると返信がいきなりあって。ほら……」
私はそのメッセージのやりとりの画面をケンさんに見せた。
「……マジですか。ショックと言うか何と言うか。ちょっと言葉が出てきません」
「そうだね。もうどうしようかなと」
「いやー、でもレンジさん次第でしょ」
「最終的にはね……」
その後、皆満腹になったところで焼き鳥屋を出た。
ーー繁華街を四人で歩く。
池田公園周辺は相変わらず雑踏さを感じる。
冬の期間はイルミネーションが光って一見綺麗だが、その周りには国籍不明の人達。
通りではフードを被っている男の一団が大声で何か盛り上がっていた。
フィリピンの繁華街ほどではないが、異臭も少しする。
道路こそ綺麗に舗装されて歩きやすいが、日本の安全なエリアとは雰囲気が少し異なる場所。
「Many people.. (たくさんの人……)」
「Yeah Ken often has work out and night out around here.(ええ、ケンはこの辺りでしばしば筋トレして夜遊びしています。)」
「Haahh!? (はぁあ!?)」
「Joke joke lang! (冗談、冗談です!)」
そして、フィリピンパブがいくつか入っているビルへ。
ーーここは店の前こそ何度か通ったことがあるが、入店するのは初めて。ケンさんも同じく初めてとのこと。
入口に立っていた男性に声を掛け、とりあえず店内を見させてもらうことに。
店内は大繁盛。カラオケが響き、ほとんどの席は埋まっているように見えた。
私たちの雰囲気を察したのかスタッフが「中央の席がもう空きますので」と。
しばらく待っていると、一つの大きなソファ席が空いた。
私は一応、料金の確認をした。
「女性二人同伴です。私には女の子付けなくていいです。ワンセットおいくらでしょう?」
「あー、そうですね……。お一人2,500円です」
私たち四人はその席へ。
左から母親、マルコ、私、ケンさんの並びで座る。
マルコたちは店内の騒がしい様子と初めて訪れるこのような空間に戸惑っている様子だった。
そしてすぐに、この店のママらしき年輩の女性が席にやってきた。
「イッラッシャイマセー。あらっ? こちらは……」
ママはマルコたちを確認すると、タガログ語でコミュニケーションを取り始めた。
早くも三人でハイタッチをしながら会話をしている。
どうやらママも『ケソンシティ』出身らしく、お互いにその話題で盛り上がっているようだ。
また、ママは日本人と結婚しており、日本在住20年、三人のお子さんを持つ。上の子どもは大学生とのこと。「日本は綺麗で安全で最高よ! 日本人の旦那さんって優しいし、お金持ってるし!」と笑っていた。
その話を二人は熱心に聞いていた。
特に母親はママとかなり話し込んでいた。おそらく自分の娘について、どのような未来が予想されるのか心配だったのだろう。
ーー私はテーブルに置かれたオレンジジュースを、ストローでちょびちょびと飲みながら過ごしていた。
右横に向くと、マッチョには一人のフィリピーナが接客していた。可愛い子だ。
そして、そのマッチョの顔を見ると……。
とんでもなく鼻の下が伸びている。一瞬、馬かと思うくらい。伸びきっている。
人間が出来得る最高のスケベ顔に変わっていた。
おいおいケンさんよ、私はそれどころじゃないのに。
彼は私たちのことなど気にも留めず、すぐにそのフィリピーナの連絡先を聞いていた。
全力でピンパブを楽しんでいた。
ーーマルコもこの空間に疲れてきた様子。
他のフィリピーナから話しかけられても、ほとんど軽い対応をしていた。
私に救いを求めるような表情で「凄いところね……」と言う。
私も「そうだね。俺はこんなところは苦手。一人では絶対に来ないよ」と言う。
……大嘘である。大好きである。
本音はマルコたちを差し置いて、ケンさんに「どけぇえいっ!」と言い、私がその可愛らしいフィリピーナを口説きたい。
安いウィスキーをゴクゴク飲んで酔っ払い、歌詞が読めない程になったところでカラオケを歌いたい。
ぐぬぬぬっ。
ワンセットがこんなに長く感じたのは初めてだった。
ーーお会計の時。
ケンさんに接客してくれたフィリピーナとママに一杯ずつドリンクを振る舞ったのだが、料金はちょうど10,000円だった。
マルコたちが同郷だったからだろうか。良心的なサービスだと感じた。
私たちは店を出た。
「レンジさん、ご馳走様でした。お疲れさまでしたっ!」
「あぁ、こちらこそ付き合ってもらって悪かったね」
「いえいえ。とんでもないです」
「まぁ、一番楽しんでたのは誰なのか……」
「えっ、誰でしょうね。そんなやつ居たんですかね」
私たちはしばらく店の前で談笑し、その場で解散することに。
マルコと母親は「Good night! See you next in Manila!」と笑顔でケンさんを見送っていた。
ーータクシーでホテルに戻る。
明日の朝は再び私がここへ来て、10時頃にチェックアウトする旨を伝えた。
「Good night!」
ーー彼女たちと別れ、ホテルを出る。
そして、私はすぐケンさんに電話を掛けた。
「一号車、一号車、こちらレンジ、応答せよ!」
「はっ! こちら一号車! どうぞ!」
「現場は?」
「はっ! 栄○丁目、クレマニビル3階。ただ今ビル前にて待機。女性確保の為、本部からの連絡待ちであります!」
「店内の状況は?」
「はっ! 約20名が在籍、内5名が先週より一気に入れ替わり。初来日との報告です!」
「突入準備は?」
「はっ! 店長ならびにママさんが協力者。その他スタッフも新顔。万全であります!」
「指揮系統は?」
「はっ! レンジさんの到着待ちであります!」
「よしっ、現場へ急行する!」
その後、私はケンさんと合流し、また別のピンパブへ。
もちろん閉店まで飲み歌い、目が見えなくなったところで帰宅した。
オノケンさんが本当にツボです。レンジさんが唖然としているのも。どっちがボケかツッコミか分からないですね笑
本当にクレマニ大好きです!
今日も読める幸せ。
さて、これからピンパブ行くぞー!
妻子ある身です。
最近まで、マニラのフィリピーナに恋をしていました。
当初は日本の家庭を置いて遊びに興じていました。
今は落ち着きましたが、あの時は本気で離婚しようかと考えていました。
何が正解なのか分からない日々。
レンジブログを読みながら、気を紛らわせています。
レンジさんは、こんな尻にひかれた様なブログを書いてますが中々のツワモノですね!
全て脚本あるかのような面白さです。
母親の心配がリアルです。
実際、フィリピーナと結婚されている方も多いですし、皆さんの理解が広まるといいですね。
大嘘…大好き 最高にウケる?
ここが面白いって聞いてやって来ました!
超ー面白い。いきなり引き込まれました… これからゆっくり最初から読みたいと思います。
楽しみが出来ました。ありがとうございます!
なんか凄いですねもう笑
人間として最低ですけど、ありのままの姿を描いている感じ。
そして、絶妙な笑いのセンス。
かつ無料で読める幸せ。
この感謝、届けレンジさんへ!
最後のくだりが最高にバカで最高w
はははっ!!笑かす!
クレイジーマニラは頭おかしいわ。好きやわーこの乗りw
もう可笑しくて。オフィスで開いたのが間違いでした。デスクでニヤニヤが止まりません笑笑笑
「ここからは職場で読むことはオススメしません」とか注意書きお願いします。読みますけどね笑
報われてほしいけど報われて欲しくない。レンジおそるべし…
もしや突撃先はxoxoまたははplaygirlではありませぬか?w
いつもの迷コンビのやりとり面白く読んでます。
素でコントしてますね!実際のお二人にお会いしたいなぁと思いながらいつも読ませて頂いております。