マラテ KTV

[オノケンブログ前回のあらすじ]

顔は男の履歴書とはよくいったもので、その人の性格、今までやってきたことなど、その人の顔をみるとだいたいその人の性格がわかるものです。女性はその限りではないにしてもやはりそれなりに顔をその人の性格を映すものと言えるでしょう。

マラテKTVファーストライン(FIRST LINE)で出会った悪人面。顔は男の履歴書

オノケンブログを最初から(序章)読んで頂けると幸いですm(__)m

転落と後悔

私がレンジと出会う前、レンジがどのような経験をフィリピンでしてきたのか、私がマニラに通うようになる以前について書かれていますので、レンジの章を読むことでよりクレマニを奥深くお楽しみいただけると思います。

【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

[衝撃の選曲と高音。KTV全体を一体化させる魂のこもった圧倒的な歌唱力]

ファーストラインで楽しい時間を過ごして1時間ほどが経過した。

私はコークハイボールの濃いやつをがぶ飲みしていたため、1軒目から泥酔状態に陥っていた。

とにかくお酒がおいしかったのだ。

マラテ KTV

理由はある。

単純に、髪型を変えたマヤのかわいさが増していたためである。

ハナとは美のジャンルが違うので、どちらがということは難しい。

 

ただ一つだけ確実なことは、マヤとの時間は本当に楽しいのである。

それについては、マヤが圧倒的な勝利である。

この楽しさとかわいさがあるからこそ、少々日本にいる時のメッセージの淡白さも許してしまうのだ。

 

さて、時刻も9時がすぎたところだが、レンジさんからは30分ほど前にメッセージがあった。

 

レンジ「今からケソンから戻ります」

私「米軍基地ちゃうんかい」

 

レンジ「いや、移転してさ」

私「お店かっ」

 

レンジ「あと30分くらいでそっちだと思う」

私「わかりました。ファーストラインです」

 

このやり取りをしてちょうど30分が経過しようとしている。そろそろ到着してもいいころだと思っていた時にレンジさんがようやく登場した。

到着した彼の表情はあまり優れなかった。

 

私「遅いですよ」

レンジ「ごめんごめん。いやぁいろいろあってさ...いろいろありすぎてさ...とりあえず歌っていい?」

私「とりあえず飲むんじゃなくて歌うんですね。どうぞ」

 

この時、レンジさんの記憶に残る歌が誕生する。

 

 

ほどなくしてレンジさんがリクエストした曲が流れ出した。

 

 

私「う...wake me up...」

 

彼がとりあえず歌いたい曲が、この曲である意味がこの時わからなかった。

私自身、この曲を彼が歌うのを聞くのは初めてである。

というより、この歌を歌おうとする男も初めてである。

 

確かにレンジさんは歌が上手で高音もかなりでるほうだ。

しかし、この曲はspeedのなかでも高音が必要な歌である。

当時13歳だった島袋寛子が、全力で高音を出したサビ終盤の部分は、女性でもなかなか歌えるものではない。

 

いくら高音域が出せるレンジさんとはいえ、1オクターブ下げて歌うんだと、そう思っていた。

しかし…

 

 

・・・原キーでいくんかい。

 

レンジさんは原曲キーで歌い出した。

 

しかし、この曲はサビ以外の部分はそこまでの高音ではなく、多くの男性でもなんとか歌えるレベルの音域であろう。サビになった途端、一気に音域が上がる。

サビまでは余裕を持って歌い上げたレンジさん。サビは1オクターブ下げるはずだ。

 

レンジ「WAKE ME UP!!!」

 

 

・・・原キーかい。

 

まさかのサビも原キーで迎えた。

しかもちゃんと音がでている。声がでている。

改めて感じたレンジさんの音域の広さ。

しかし、サビよりもさらに厳しいのはその後

 

“ありのままの自分をもっと好きになりたい”

 

の最後の“なりたい”の部分の高音は鬼である。

私なんかが無理して歌うと喉から血が噴き出る。

固唾を飲んでレンジさんの勇士を見守る。

 

レンジ「自分をもっと好きになりたーい!!」

 

音でるんかい。女性でも難しいこの部分を男性が歌うなんて...もちろん裏声など使っていない。

 

まさに魂の叫びともいえるほどの歌い方と歌唱力である。

単なる歌詞である。レンジさんはそれに沿って歌っているだけであるが、私はそのパートにレンジさんの思いが込められているように感じた。

 

自分をもっと好きになりたい...か...

筋トレしろレンジさん。




 

 

さて、2番・大サビ部分の高音も魂で歌い切り、最後のサビに差し掛かる。

ここにきて私は気が付いた。

 

 

この歌にはもう一つ、高音以外の特徴があるんだと。

 

 

まさかレンジさんの本当の狙いは...

 

 

レンジ「新しい朝 動き出す街 どんなときでも明日を信じてる~♪」(4:04~)

 

この一瞬、完全にKTV内は静寂に包まれた。

おそらくその場にいた数グループの他のお客さんたちは皆日本人だったのだろう。

皆、この後に何が待ち受けているのかわかっているのだ。そのワンフレーズを皆待ち望んでいる。

 

 

そのワンフレーズを歌う瞬間、今まで画面に目を向けていたレンジさんがおもむろにこちらを向いた。

 

 

レンジ「・・・もう泣かない・・・」

レンジ カラオケ KTV マニラ夜遊び

 

こちらをむいた彼の眼は少し潤んでいるように見えた。

今までそんなエコーきいていたかと思うほどに強めにかけられたエコー。

再び訪れた静寂に彼の切なそうな“もう泣かない”だけがこだまする。

 

寒気で泥酔状態も一気に冷めそうなほどの衝撃。

鳥肌が立ちすぎて鳥になれそうな感覚。

お腹の中がからっぽでも感じるほどのひどい吐き気。

 

マルコと何かあったのだろう。

レンジさんは今の心境をこの歌に込めて私に伝えたかったのだろう。

 

しかし、ちょうどいい歌があったものだ。

もう22年も昔の曲を引っ張り出してくるとは、この人の引き出しはどれだけ性能が良いのだろう。

 

歌い終わった時には、周りのお客さんからも惜しみない拍手が送られた。

中にはスタンディングオベーションで彼の歌を称える人までおり、彼はおじぎで答えていた。

太ってはいるが、その姿は少しだけかっこよく見えた。

 

遅れてやってきて、ものの5分。

一曲で完全にファーストラインの空気を一つにした。

それくらい色んな意味でこの歌を歌うことには価値があるのである。

 

今後、レンジさんはマルコなど女性関係で何かあり、傷ついた時はこの歌を歌うようになる。

この曲をもしKTVで熱唱しているぽっちゃり+それを冷やかな目で見ているマッチョを見つけたら、まず間違いなく我々と思って問題ないだろう。

 

なぜならこの曲を歌える人はもちろん、選曲する人さえも恐ろしくレアであることは間違いないのだから。

 

レンジさんさすがだ!この歌を歌えるなんてあんたやるやんか!!

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オノケン
オノケンは日本で働く普通の30代サラリーマン。先輩レンジの誘いから、マニラ旅行へ。それ以来、マニラに通うように。趣味はフィットネスで筋肉こそ正義だと思っている。海外旅行はリアルドラクエのため筋トレでレベル上げをしている。 オノケンブログでは、マニラ旅行記やフィリピーナとの恋愛をメインに、英会話の上達方法などを記事としてアップしていきます。

13 コメント

  1. このように青春時代に戻れるのもマニラの良いところですよね。
    日本にいるだけじゃ老け込んでしまってしょうがない…
    私も久しぶりに行ってみようかな!
    元気もらいました。楽しいブログありがとう!

  2. Speedの歌はマラテじゃあまり聞かないし、歌ってればすぐバレるねw
    二人と飲みに行きたいなぁ
    こんなブログのようだと楽しいだろう…

  3. 名古屋のピンパブ行ったときはカラオケ聞いてる際にアンテナ張っておきます。生レンジさん聞いてみたいです。

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