マニラ空港 ターミナル3

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[レンジブログ前回のあらすじ]

フィリピーナの元彼女マリーの生い立ちについて。ミンダナオの漁村で育った彼女はいろいろと苦労してきたようです。前編と後編に分けてエピソードを紹介、その後編。

[前回記事]
【レンジブログ161】マニラで出会ったフィリピーナの生い立ち(後編)

 

レンジブログは第三章で完結しています。

そして、それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

オノケンブログ

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
オノケンブログ累計400万PV達成 第一話へ

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

ここまで三つの外伝がそれぞれ完結しています。

 

 

【レンジブログ162】フィリピーナに恋して恋して、そして焦がされる

 

ーー2018年、年末のマニラ空港。

 

マニラ空港 ターミナル3
[マニラ空港第三ターミナル、エアポートタクシー乗り場]

 

このとき、マリーと出会って数年が経っていた。

交際は約3年前に始まったが、実際にはその半分の期間は会えていない。

最後に会ったのは1年以上前だ。

 

記憶にあった彼女の声。

気の強さは消えていたが今も変わっていない。

電話口で彼女に聞きたいことはたくさんあった。

ただ一つだけ。

 

「会える? 会いたい」

 

と彼女に伝えた。

しかし、言葉は少なく、

「No. I can’t. I’m busy now. (いいえ。今は出来ません。忙しい。)」

と返事。

私は、「残念です。でもあなたの状況を理解します。マリアと一緒で大変でしょう」と伝えた。

彼女は「はい、そうです」とだけ。

そして、電話を切った。

 

ぐむむっ!

 

久しぶりの彼女の声。血沸き肉踊る嬉しさだったが、また我慢の始まり。

落ち着け。まずは今、同じ陸地を踏んでいることを喜ぼう。

私はメッセージで「この後マラテに向かって、ホテルにチェックインしたらまた連絡します」と伝えた。

 

真冬の日本から一変。熱帯夜の気候を浴びる。

上着を脱ぎ、外でタクシーを掴まえた。

 

ーー空港を出た後、目立った渋滞は無く、繁華街へ。

 

フィリピン 夜遊び
[マニラのマラテエリア、ボコボ通り]

 

ホテルのチェックインを済ませ、彼女にメッセージを打つ。

 

「I’m in hotel now. (今ホテルです。)」

「Please take a rest soon. (早く休んでね。)」

「I miss you so much. (とても恋しいです。)」

 

それからしばらくして返信があった。

 

「Me too. (私も。)」

 

Me.. too..

ミー、トゥ!?

マリーも私を恋しいだと?

 

ぶふぉぁあっ!

 

日本人男性 鼻血 噴き出る

 

あまりの嬉しさに震えだした。そして、震えは大きくなりながらシェイクに変わり、謎のシャックリまで始まった。

あぁ、嬉しい。この言葉を聞けただけで報われた気がする。

私はシェイク&シャックリしたまま、すぐにホテルをチェックアウトして、そのまま帰国してしまいそうなほどの満足感に襲われた。

 

すぐに彼女に電話を掛ける。

しかし、一瞬コール音がした後、通信が途切れた。

直後に、

「I’m busy. Sorry. (忙しい。ごめん。)」

とショートメールを受信。

 

なるほど。

私はそれ以上のアクションを諦めた。

良いんだよ、マリー。娘さんを大事にして。大変忙しいはず。

 

私は天にも昇る気持ちだった。今なら羽ばたける。

手でブンブンと空気を掻いた。

数ミリ浮いていたかもしれない。

 

恋をするとはこういうことだったのか。

彼女と出会った頃を思い出す。

 

あの頃の想いが再び訪れた。冬を越え、春が来た気分。恋にも四季があり、繰り返されるのだと思い出した。

 

「アイミッスユー、ミートゥ、アイミッスユー、ミートゥ!」

一人で連呼しながら、そのメッセージ画面を眺めた。

何と素敵な言葉……。

 


[マニラの夜景]

 

明日以降もまたマリーと連絡が取れるだろう。楽しみだ。

もしかしたら本当に彼女に会えるかもしれない。

娘さんと一緒でも、短時間でも、食事でもできれば。ただ顔を見れるだけで良い。

 

私は荷物を整理し、一服する。

時刻は未だ午後9時過ぎ。

スマホをホテルの室内のWiFiに接続。

ユーチューブでロナウジーニョのプレイ集を見始めた。

 


[宿泊ホテルの部屋『JMMグランドスイーツ』]

 

そして、彼の空中エラシコのシーンを10回ほど見返していたとき。

 

ーーどこからともなく聞こえてくる。

 

ちーん、ポク、ポク、ポク……。

 

あのマッチョがお経のように言っていた俳句を思い出す。

 

『夜マラテー ホテルで過ごすー もったいないー』

 

凄すぎる言霊フレーズに戦慄が走る。百人一首に登録されるレベルだ。

一度で完璧に成仏できるほどの威力を要している。フィリピン最強の夜遊びスポットで生まれたお経。もはや親族が何回忌もする必要はない。

 

よし、ぜひ彼の葬式では私が唱えよう。

『夜マラテー ホテルで過ごすー もったいないー

夜マラテー オノケン結局ー ノーフィニー」

 

火葬場へ送り出す前にはこれで決まりだ。

安心してあの世へ旅立て、マッチョよ。

来世はミミズにでもなって土壌を耕せ。

 

マニラ ライター オノケン

 

いや、それは言い過ぎた。ごめん。

とにかくケンさん!

そうだった。

如何なる事情があろうとも、私たちには使命がある。

夜遊びに努めなくては。

 

頭を切り替え、女性たちにメッセージを送る。

今宵は誰と過ごそうかなぁ!

えっ、マリーに一途って?

違う。これはこれ、あれはあれなのだ。

 

このとき細心の注意を払ったのはマルコ。彼女には超内緒の滞在。絶対にバレるわけにはいかない。

もしバレるような事があればピンポイントでミサイルを撃ち込まれるだろう。下手をすれば本当にゲリラを雇われるかもしれない。

ただ、マリーからの連絡が急にあるとも限らない。

私はフィリピン用のスマホを機内モードにした。そして度々、着信の有無を確認すれば良い。

 

ーー最も早く返信があったのは、ザリ。

さすが安定感抜群。私はすぐに返信した。

「What are you doing now? (今何しているの?)」

 

「I’m in airport. Makao! (今空港です。マカオ!)」

 

私はその単語を見て理解した。

見切られた。

私が不満足な男だと彼女は悟ったのだ。

正しくは私の本心に気付き、自分で人生を切り開こうとしている。

むしろ応援すべきだろう。彼女は未だ若い。これから楽しいことがたくさん待っている。

色々と人生経験を踏むべきで、私に囚われ続けた人生を歩むことはない。

 

ただ、彼女は後にマニラへ帰ってくることになる。

一回り逞しくなって私と再会するのはしばらく先のことだった。

 




 

ーーさて。

まず向かうはグランドヨーコ。

 


[マラテのKTV『グランドヨーコ Grand Yoko』]

 

ミユキに会いに行こう。

 

 

今、返信が無いと言うことは忙しいのだろう。しかし、彼女には寂しい思いをさせている。

「ああっ、私ったら。今夜はいろんな指名客で忙しいわっ!」

と言う日もあっていいだろう。私はその一翼を担うことにした。

 

ただ、そこには未だマリーの知人がいるかもしれないので、危険極まりないチャレンジ。

ドキドキだ。

マリーに連絡が行ってしまった場合は、またその時対応を考えよう。

彼女とはもう終わった関係だと言えば都合はつく。

 

がははっ。

人生は何とかなるのだ。いつでも再出発可能。これは私自身がフィリピーナから学んだことでもある。

 

実はこのとき事前に、ミユキとはアフターの約束をしていた。しかも、アフターの後は一緒にスリーピングすることまで。

それもあって、一番に向かった。

 


[KTVグランドヨーコのVIPルーム]

 

ミユキと再会。

クリスマスを一緒に過ごせなかったことを謝罪した。

そして、久しぶりに彼女の臭いを嗅ぐ。この極上の体を今宵は頂くのだ。

 

「レンジさん、遅い!」

「ごめん、ごめん。会いたかったよ!」

「でも会いに来てくれて嬉しい!」

「俺もさ!」

 

私はビールをオーダーし、ミユキにも何か飲んでもらいたかった。しかし、彼女はこの時も遠慮してレディースドリンクは頼まなかった。「別のお客さんのところで飲んだから」と言う。

 

むーん。そんなところもナイスである。

 

ーーしばらくすると彼女は別の指名客のところへ。

ヘルプは断った。今だけはミユキに一途。また、私のことを知る女性が増えるとその分困ることが多くなる。

 

そして、ワンセットが終わろうとした頃。ミユキの指名客が帰ったらしく、その後は私とずっと二人っきりに。

すぐに延長をお願いした。

 

その夜、結局ラストまでグランドヨーコのVIPルームで過ごした。

 

会計の伝票を待っている間、私は彼女に尋ねた。

「今夜仕事終わった後は忙しい? 部屋に来る?」

 

さぁ、ミユキ。年末に派手な花火を打ち上げようじゃないか。

 

私はこのとき手応え100%だった。

 

さぁ、ミユキ。

 

 

「ごめん。忙しいの」

 

ぶふえぇっ!

 

日本人男性 鼻血が噴き出る

 

 

私は溢れる汁を惜しまず出した。

 

ミユキはこの後、朝から病院でメディカルチェックを受けると言う。ピンクカードのため。

私は平静を装いながら、「そうか。寝られないから大変だね」と彼女を気遣った。

 

そして、午前3時過ぎ。

私は肩を落として一人ホテルに帰った。

 

マニラのおすすめホテル
[夜のボコボ通り]

 

ーー翌日、お昼前に目を覚ました。

スマホの機内モードを解除し、メッセージをチェックする。

 

マリーからメッセージが入っていた。

 

ん?

彼女からの未読が10件以上。

大量の内容に驚く。

 

 

カードの支払い?

 

払えない?

 

お金が必要?

 

 

メッセージを要約すると、私にお金の工面をお願いする内容だった。

 

 

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このとき滞在していたホテル

[マニラのマラテエリア]
おすすめホテル「JMMグランドスイーツ」

JMMグランドスイーツ

高層コンドミニアムタイプのホテルです。
アクセス、清潔感、コスパ、総合的に判断してマラテの一押しホテル。チェックインやチェックアウトも超早いです。
長期滞在や、バスタブが無くても構わない方へおすすめします。
一点、四基あるエレベータが時間帯によって混雑することがあります。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

12 コメント

  1. この時のレンジさん、確か過去最高レベルで太ってましたよね?じゃあ飛ぶことはできません。なんなら腕を上に振ったタイミングで数ミリ沈んでいることでしょう。

  2. 夜遊びネタが面白い?
    やっぱり不幸なレンジさん…
    この後の記事も気になりますな…マリー…

  3. いつも楽しく拝見しております。
    前回の記事、素晴らしかったです。そしてこの良い意味での落差。
    今後の展開も楽しみです。

  4. レンジブログはオノケンさんとはだいぶ作風が違いますが、笑いの持って行きかたとかセンスは同じく高い。
    毎度期待してますよ!
    今まで一番笑ったのは初期の頃にオカマに襲われかけた話ですけどねw あれは声を上げて笑ってしまいましたww

  5. 初歩的な質問なのですが、
    レンジさんやケンさんはどこで両替してるんですか?
    年明けにマニラに行きたいのですが、オススメの両替所とかも教えてはしいです!

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