誕生日プレゼント iPhoneX セッティング

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[レンジブログ前回のあらすじ]

フィリピーナ彼女の誕生日を祝うため、フィリピンのバタンガスへ。二泊三日の旅程で家族とともにリゾートホテルで過ごす。

[前回記事]
【レンジブログ168】マニラから近いおすすめリゾート「バタンガス」

 

レンジブログは第三章で完結しています。

そして、それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

オノケンブログ

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
オノケンブログ累計400万PV達成 第一話へ

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

ここまで三つの外伝がそれぞれ完結しています。

 

 

【レンジブログ169】フィリピーナ彼女と衝撃の破局、死ぬかと思った

 

ーー翌朝、午前10時頃に目が覚めた。

バタンガス旅行の最終日。

この後、軽く食事を取ってチェックアウトだ。

 

私はマルコを起こし、チェックアウトの準備をするよう伝えた。

彼女は「お腹が空いた」と言う。確かに、昨晩はあまり食べずに、疲れのため早めに休んだ。

私もかなりお腹が空いていた。

 

彼女の準備を待つ間、母親たちの部屋へ行き、皆のチェックアウトの確認をした。

 

ーー準備が整ったところで、レストランへ。

 

キャンプネタンヤ レストラン 朝食

 

サラダとスパゲティをオーダー。

皆でシェアしながら軽めに食べた。

 

そして、部屋から荷物を運び、カウンターへ。

チェックアウトをお願いする。

 

キャンプネタンヤ チェックアウト

 

二泊三日の滞在であったが、しっかりと満喫することができた。

この「キャンプネタンヤリゾート」は大変良いホテルであった。

マニラから近いリゾート地として、バタンガスとともにオススメしたいところである。

 

ーーこの日も晴天だった。

駐車場を出て、私たちは気分良く、車を発進させた。

 

バタンガスからマニラへ戻る ドライブ
[バタンガスの海沿いの道]

 

海を眺めながら山道を走り、一度バタンガスの市街地へ向かう。

今日はこの後に、「タガイタイ」と言う高原リゾート地に立ち寄って、ランチを食べる予定。

それからマニラへ戻る事になっていた。

 

バタンガスからタガイタイへ向かう
[タガイタイへの山道]

 

タガイタイへ向かうまで、私の頭の中はマルコにどのように別れを伝えるかで一杯だった。

彼女には酷なことかもしれない。もし私を本当に愛しているならば。

誕生日直後に彼氏から別れを告げられる。

いや、むしろ良いタイミングかもしれない。

彼女ももう若くはない。

適齢期に向けて新たなスタートを切るには、この誕生日周辺の方が気持ちの切り替えはスムーズかもしれない。

 

問題は別れの文言。

なるべく傷付けないように。揉めないように。しかし、こちらの意思はしっかりと伝えよう。

お互いに前向きな別れとなるよう。

 

私はハンドルを握りながら、口にする英文を頭で組み立てていた。

 

ーー山道を登り、一時間ほどでタガイタイに到着した。

 

高原リゾート タガイタイ 道の駅
[高原リゾート地タガイタイ]

 

小高い丘の上に「道の駅」の様な観光エリアがあった。「ツインレイクス Twin Lakes」と言う場所だ。

そこからは眼下に「タール湖」と言う大きな湖。中央に島が浮かぶカルデラ湖のようだった。

 

この施設内にはいくつかショップやモールが入っているようだ。

観光客らしい人々で賑わっている。

車を施設内の駐車場に停め、私たちはいくつかあったレストランの一つに入った。

 

高原リゾート タガイタイ レストラン
[タガイタイのツインレイクスのレストラン]

 

おしゃれで綺麗な店内だった。このレストランも含めてまだ新しい施設。

近くには「スカイランチ Sky Ranch Tagaytay」と言う遊園地もあるようだ。弟が行きたいと言っていたが、これは今回、立ち寄ることは出来なかった。

 

 

席に付き、それぞれの食事をオーダーする。

私はアドボのライスプレートを注文した。

 

高原リゾート タガイタイ レストラン
[このときのテーブルの上]

 

店内には、若い女性客の姿が目立った。

このタガイタイをメインとした小旅行デートも良いなと思った。日帰りドライブデートでタガイタイは「アリ」な所で、オススメである。

 

ちなみに私は、近日中に別のフィリピーナとこのタガイタイに来る事になる。

 

ーー私は、このランチタイムが一つ良いタイミングの様な気がして、マルコに「ちょっと大事な話があるんだけど」と伝えた。

マルコは「今、食事中だから後にして。……車の中で話して」と言う。

私の話が決して良いものでは無いと感じたようだった。

 

ーーランチを終え、周辺をしばらく観光した後、タガイタイを後にした。

 

タガイタイからマニラへ戻る

 

高速道路に乗るために、少し市街地を抜けた。

夕刻のラッシュが始まりつつあり、交通量は増え、車はゆっくりと進んだ。

 

この時、私は呼吸を整え、マルコに話し掛けた。

 

「There is something I need to tell you. (ちょっと話があるんだけど。)」

「What? (何?)」

「We need to talk. (話がある。)」

「So what? (だから何?)」

「I don’t know how to tell you this…… (どう言えば良いか……)」

「What!? (何よ!?)」

 

マルコの鬼のプレッシャー。

ぐむむっ。負けるな。

 

「……Let’s break up. (……別れよう。)」

「Hahh!? Why!? (はぁ!? 何でよ!?)」

「I think this relationship won’t work out. (この関係は上手く続かないと思う。)」

「Do you have another girl? (他に女がいるの?)」

「No. Never. (違う。絶対にいない。)」

 

嘘である。

むしろ、片手では収まらないほどに気になる女性がいる。

 

しかし一度嘘を付いたら、これは墓場まで持って行かなくてはならない。

男女交際において、浮気は絶対に相手にバレてはいけないのだ。

 

ここで私に、例の如く悪魔が降臨した。

 

「Actually, I’m incurable disease. (実は、私は不治の病です。)」

「No way. What is the disease? (そんな。何の病気?)」

「I can’t say about that. (それについては言えません。)」

「……Cancer? (……癌とか?)」

「No. But more terrible. (違う。でももっと酷い。)」

 

私の場合、恋煩いと言う病、フィリピン熱と言う病があるならば、それに当たるだろうか。

しかし、彼女は私が嘘を付いていると感付き始めた。

 

くっ、難病は無理あったか。……しかも、これは人として最悪である。

別れ話のアプローチを変更しなければ。

 

「There are other reasons. (他にも理由があるんだ。)」

「Tell me everything. The truth. (全部話して。本当のこと。)」

 

私は出来得る限り、眉にシワを寄せ、難しい表情を作った。

過剰に深呼吸を繰り返し、涙目を演出した。

 

「Actually, the government doesn’t allow our marriage also. (実は、政府も私たちの結婚を許していません。)」

「Why!? (何で!?)」

「You know I work for the goverment. And I often have very important mission.(政府のために働いているって知っているよね。よくとても大事なミッションがあります。)」

「Yeah, I know. But.. (ええ、知ってるわ。でも……)」

「Sorry. Goverment and many people need me and wait for me. Please understand. (ごめん。政府と多くの人々が私を待っています。理解してください。)」

 

レンジ 宇宙飛行士

 

「You leave me? Even You proposed me? (あなたは私を振るの? プロポーズしたのに?)」

「I mean yes. (そうだね。)」

「Are you crazy!? Unbelievable haha. (頭おかしいの? 信じられないわ、ははっ)」

「Please understand. (理解してください。)」

「No. I’m very sad. I can’t understand. (いいえ。とても悲しい。理解できない。)」

 

 

マルコは黙っていた。

後部座席も沈黙。

車内、私たちの会話がどのように落ち着くのか、私もわからなかった。

 

マニラの高速道路 夕方
[マニラ近郊の高速道路上]

 

陽が傾き、周囲は夜を迎えようとしていた。

 

「My really feeling, I don’t want you to waste your time. (正直に言うと、あなたの時間を無駄にしてほしくない。)」

 

黙っていたマルコが顔を上げた。

何か閃いたのだろうか。

「Okay. Anyway, Let’s hurry up! (大丈夫。とにかく、急ぎましょう!)」

 

うええっ!?

えっ、でもこれで別れたことになるのか?

iPhoneXはどうなったのだ?

 

「Wait. How do you think? (待って。あなたはどう思う?)」

「I can’t answer now. We’re not sure our future. (すぐには答えられないわ。将来はわからないもの。)」

 

うえぇ!?

ちょっと!

一気に風向きが変わった。

私は母親に助けを求めた。心の中で「マルコ、レンジのような男は見切りなさい!」と言う言葉を期待した。

「Mom, How do you think? (お母さんはどう思う?)」

 

母親はイヤフォンを外し、「何が?」と言う。全く私たちの会話を聞いていない様子だった。

使えねぇ。

それでも私たちの別れ話の雰囲気を察知したのか、

「Just enjoy your time. Haha. (楽しめば良いのよ。ははっ。)」

と。

 

は? 何を楽しめと?

私はもう一度チャレンジした。

 

「Marco, we should separate. I don’t think we’re a good match. We are too different. (マルコ、別れよう。私たちは合わない。価値観全て違う。)」

「I told you already. I can’t answer now. (もう言ったじゃない。今は返事できないわ。)」

「But.. (でも……)」

「Anyway hurry up. Mall will close soon. You promised iPhone on my birthday. (とにかく急いで。モールが閉まるわ。誕生日、iPhone約束したでしょ。)」

「But.. (でも……)」

「You break promise!? Ha!? (約束を破るの!? はっ!?)」

 

いやいや。

心情的には、婚約破棄の方が余程大問題だろうに。新型iPhoneはそれよりも大切なのか。

 

ーーマルコは私の話を受け流し、意識はモールのスマホ売り場に集中しているようだった。

 

私は、諦めた。と言うか、逃げた。

ここで揉めると、もっと揉めるかもしれない。

これは必要経費だ。

彼女と別れるための。

 




 

ーーマニラに到着し、渋滞を抜けながら、SMメガモールへ向かった。

私はいつもしない舌打ちを、車が止まる度に響かせた。

くそっ!

詰んだ。

 

SMモール メガモール
[SMメガモール スマホ売り場]

 

この時、私はもう目が見えていなかったと思う。眼球が機能していなかった。

しょうがない。

彼女との約束を果たして、そしてお別れだ。

 

誕生日プレゼント iPhoneX
[店頭の一番前に並ぶ新製品]

 

これが新型か。

デカいし、綺麗でかっこいい。

良いなぁ。私のスマホは5Sなのに。

マルコはこんな良いの持つのかぁ。

 

買いたくねぇ。

 

「Marco, which? (マルコ、どれ?)」

「iPnone Xs Max, 512GB, Gold color! (一番良いやつ!)」

 

誕生日プレゼント iPhoneX
[値段表]

 

3,207ペソ……

 

月々?

 

いや、一括は!?

 

……99,900ペソ

 

日本人男性 鼻血が噴き出る

 

 

私は財布を持つ手が震えていた。

 

財布からなかなかカードが取り出せない。

 

急に老いた気がして、カードを持つ握力すら失っていた。

 

誕生日プレゼント iPhoneX セッティング

 

買った。

 

買ってしまった。

 

でもこれで、彼女とは終わり。

 

これで良いんだ。

 

「Happy birthday, Marco. (誕生日おめでとう、マルコ。)」

「Thanks. (ありがとう。)」

 

私は、以降全く言葉が出て来ず。

モールを出て、マルコ家族を自宅まで送った。

 

彼女は盗賊のように新しいiPhoneを持ち、無言で家に入って行った。

 

一応、母親と弟とお別れの挨拶をした。

 

ーー私は空港へ戻り、レンタカーを返却。

その後、マラテへ戻った。

 

切り替えていこう。

このまま落ち込んではダメだ。

ユウトは初めてのマニラ。大切な後輩の手前、死にそうな顔で現れてはいけない。

 

 

 

ーー後日、日本へ帰国。

 

二週間後にマルコから、

「お父さんの親戚がフランスにおいでって。フランスに移住するわ。あなたとは終わり。じゃあね!」

と。

 

私はこのとき、モゲ記録最高を更新した。

 

衝撃のあまり、出た屁は凄まじく。

ケツから内臓が出たのかと思った。

死ぬかと思った。

 

 

ーーそれからしばらく。

荒れた私、夜遊びに明け暮れる日々が始まった。

 

 

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バタンガス旅行おすすめホテル紹介

「キャンプ ネタンヤ リゾー トアンド スパ (Camp Netanya Resort and Spa)」

キャンプ ネタンヤ リゾー トアンド スパ (Camp Netanya Resort and Spa)はバタンガス旅行でおすすめのリゾートホテルです。
小高い丘で海に面しており、プールサイドから見るとディズニーアニメに出て来そうな雰囲気のホテルです。
マニラ市内から車で約3時間ほど。食事はホテル内のレストランかルームサービスを利用できます。
シーサイドは「岩場」で白い砂浜ではありません。砂浜やシュノーケリングへのアクセスはホテル内のチャーター船を利用します。
ホテル内にはジムやスパ、お土産物屋やショップも充実しています。
バタンガスの人気リゾートホテルです。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

20 コメント

  1. レンジさん、ドンマイです笑笑
    また良い子に会えますよ!頑張って、元気出してー

  2. ケツから内臓が出るほどの衝撃ならウ○チはそれはもう最新のおむつが余裕で根を上げるほどに大量に出たことでしょう!!スマホの購入についてのつっこみは他の読者さんがしてくれるだろうと思いますので、私はスルーします。

  3. レンジさん、お金持ちですねぇ。
    別れるのに旅行とiPhoneで30万くらいいったんじゃないですか?
    でもたぶんフランスには行ってないですよね(笑)

  4. 高い手切れ金・・・ようやった!!
    しかし、レンジさん金持ってるね。

    1クリックしときます。

  5. スゲー展開だ…
    しかもスマホ、日本より高い…
    今度、日本の中古買ってプレゼントしてみよ(笑)

  6. マルコ、ムカつくわー
    普通はそんな状況でプレゼントおねだりせんでしょ
    レンジにはスカッとした仕返しでもしてもらいたい

  7. マルコなりにプライドがあったんでしょう。どうせ別れるならタダでは嫌だと。フランス行きが分かってたのに今までレンジを振り回してたなら相当なもんですが汗

  8. 日本の侍とピナ侍の切っ先激しくぶつかり合う真剣勝負
    これはコレ、あれはアレの理論に基づき
    両者draw (笑》
    この先rematch は有るのかな?
    こんな戦い自分には出来ませんw
    ピナとの戦い=諸行無常

  9. レンジさんとの別れがフランス移住を決意させたのかも?
    プライドがあれば尚更かもですね。
    モデルを抱けたんだから損はないのかな。

  10. 旅行の帰りの車内で別れ話って。。。
    しかもファミリーいるのに。。。
    どうせならパパも一緒だっだら、どうだったんだろ?と想像してしまいます(^-^;
    しかし、プロポーズから破局までもジェットコースターですねえ(笑)
    ハチャメチャな性格のマルコさんですが、相当な美人でナイスバディーなんでしょうね?
    確かに散財してるように見受けられがちですが、それに見合うだけの存在だったのでしょう‼
    経済的な許容範囲は人それぞれですからね。

    今後の新たなピナさんとのストーリーに期待しております。

  11. ゲリラ雇われなくて良かったと思いましょう!ポジティブさでフィリピーナに負けてはいけません。
    彼女らは人から受けた恩を一瞬にして忘れますから…

  12. すごいタイミングで別れ話しましたね…
    下手したら車内で暴れますよ!
    親の前やし…
    iPhoneは日本のが安いですよ〜
    それをたかるババエもたくさんいます!

  13. 根こそぎ財産を持っていかれた高齢者の方々にくらべれば、ハムスター位可愛いらしいものですよ。可愛いもの!ふふふ

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