JMMホテル エレベーター

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[レンジブログ前回のあらすじ]

ディナーの後、私のホテルの部屋で休憩。娘が眠りに就いた頃、マリーと二人で晩酌をする。ビールが切れ、外へ買いに行こうとしたとき、突然マリーが強く抱きしめてきた。

[前回記事]
【レンジブログ178】フィリピーナ彼女とその娘とホテルで過ごす夜

 

レンジブログは第三章で完結しています。

そして、それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

オノケンブログ

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
オノケンブログ累計400万PV達成 第一話へ

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

ここまで三つの外伝がそれぞれ完結しています。

 

 

【レンジブログ179】この期に及んで別のフィリピーナをキープ!?

 

 

ーーマリーの強いハグを受け止めた時。

 

私の理性は飛びそうになった。

 

 

 

[以下の記事には下衆な表現が含まれています。下衆な内容が苦手な方は閲覧しないでください。『もう大人だし、下衆も嫌いじゃないよ』と言う方のみどうぞ。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはもう、

 

舌を失うほど濃厚なディープなキスをして、

 

マリーの胸元をプリンッと剥がし、

 

潰すほど揉みしだきながら、

 

一緒にシャワールームへ行き、

 

我慢できずに立ちバック……

 

二年分の小レンジを爆発させ、

 

溢れた出したもので水道管が詰まるほど……

 

と、欲望シーンが脳裏に流れたが、留まった。

 

……娘マリアの顔が浮かぶ。

静かに寝ている彼女を起こしてはダメだ。

 

私は鮫の目になりかけたところで、正気を取り戻した。

この期に及んでワンチャンを考えるほど不埒なブスではない。

ブス界にもマナーがあると古から伝え聞いている。

 

今夜は少し休んでもらって、彼女達は夜中に出発だ。

 

ーー私はマリーの頬に軽くキスをして返した。

 

「Just a minutes. (ちょっと待っててね。)」

 

そう伝え、部屋を出た。

 

ふうっ!

頭を冷やすんだ。

ついでにビール以外にも、マリアのためにジュース類を買ってこよう。

 

ーー外へ出て、ロビンソンモールの向かい、近くのミニストップへ。

 

マニラ マラテ ロビンソンモール
[ロビンソンモール前]

 

店内には多くのお客さんの姿があった。

日曜の深夜なのに……。皆、観光客なのだろうか。

 

アルコール類を置いてある棚からは、サンミゲルライトやその系統のビールが全て売り切れていた。

店員に聞いても「常温のものも全て在庫切れです」と。

ではスーパードライか? いや、マリーはサンミゲルが良いと言っていた。

私はそのコンビニを出て、他のところへ行ってみることにした。

 

ーー反対側の通り、アドレアティコにて。

シェラトンホテル前のセブンイレブンへ立ち寄ろうとする。

 

交差点に立っていると、何人かの夜遊びガイド達が話しかけてきた。

皆、何処かのKTVのスタッフ。

私は「ごめん、忙しくて!」とお辞儀で逃げる。

 

マニラ マラテの夜景
[シェラトンホテル前]

 

交差点を渡り、中へ入ろうとした時、

 

「Range! (レンジ!)」

聞き覚えのある男性の声に振り返る。

 

お互い思わず笑顔がこぼれる。

久しぶりの再会。

マニラの夜遊びガイドの一人、マークだった。

 

マニラの夜遊びガイド
[マニラの夜遊びガイド『マーク』]

 

私のフィリピン夜遊びは彼から教えてもらったようなもの。

マニラで初めて出来た友人であり、人生の先輩のような人だ。

 

「Wow, long time no see! (ワオ、久しぶり!)」

 

彼と会うのは半年振りくらいだろうか。

その間もマニラには訪れていたのだが、私が夜遊びへ繰り出した日はいつも彼は「休み」だった。

 

このとき話を聞くと、ちょうどその頃は田舎の家族のことで忙しかったのだと。たまにしか夜のガイド業が出来なかった言う。

彼との長い付き合いもあり、しばらくその場で話し込む。

そして、お互いの恋愛事情や世間話で盛り上がってしまった。

 

ーー「Range, anyway.. how’s Zalih? (レンジ、ところで…… ザリは?)」

「Ah.. Last time, she told me that she went to Macau. (あー…… 前回、彼女はマカオに行くって言ってたけど。)」

「Oh!? No, she already came back here. She’s working Ajisai KTV now.(えっ!? 違うよ、彼女はもうここに帰ってきてるよ。今はアジサイKTVで働いてるよ。)」

「Really!? I message her everytime, but she didn’t let me know about that.(本当!? いつもメッセージしてるんだけど、それについては教えてくれてないよ。)」

「Ah.. I think she had a Chinese boyfriend in other KTV before. But already broke up. (あー…… 例の中国人の彼氏かな。でもすでに別れたみたい。)」

「..Haha, I see. It’s sad. (……はは、わかりました。悲しいね。)」

「Yeah! But it’s okay. Many girls here. Diba!? (そうだね! でも大丈夫。マニラにはたくさん女性いる。でしょ!?)」

「Yeah! Of course, I know! All over the world. (そうだね! もちろん、知ってる! 世界中ね。)」

 

彼の話では、ザリはこの数カ月、以前勤めていたKTVで出会った若い中国人男性と恋人関係にあったらしい。

もちろん、マークは私とザリの関係を知っていた。ザリも、マークと私が親しいことを知っている。

 

ザリ、私どちらも浮気者である。

一番可哀想なのは中国人の彼か。

 

しかし、それはお互い夜の世界で出会った話なので、あまり固執しない方が良いと言うのはわかっている。

私の場合、嫉妬心と言うのがゼロに近い。根っからのブスなのだ。

 

ーーマークにもう少し詳しく聞く。

どうやらその彼の紹介もあって、ザリはマカオへ滞在していた。現地で仕事も探していたようである。

それが最近別れたことでフィリピンへ戻り、マラテの新たなKTVで働いているらしい。

 

……KTVアジサイと言えば、今年出来たところ。ここから大きな看板がすぐ見える。

 

AjisaiKTV アジサイKTV マラテ 夜遊び マニラKTV
[KTV アジサイ AJISAI KTV BAR]

 

ザリ……。

再び新しい恋人を探しているのか、生活の支えを求めているのかはわからない。

 

ーー私はマークに「ちょっと待ってて」と言い、コンビニへ入り、追加の飲料を数本購入する。

今はホテルでマリーが待っている。あの様子だとまだ眠らないはずだ。

急いでホテルに戻りたい。

しかし、ザリの顔も見てみたい。

 

ーーコンビニから出ると、マークは私を待ってくれていた。

 

「Range, where will you go? Do you go to Ajisai now? (レンジ、何処行くの? これからアジサイに行く?)」

「I’ll go back to hotel. But only browsing inside okay. (ホテルに戻るよ。でも、中を見るだけなら良いよ。)」

「Okay okay, Range. Thank you! (良いよ良いよ、レンジ。ありがとう!)」

 

まっすぐホテルへ戻るか悩んだが、やはり少しだけザリの顔が見たい。

嬉しそうなマーク。

彼の先導で、そのKTVへ向かう。

 

ーー店内に入る。

内装は綺麗で広い空間のラウンジ席。

しかし、お客の姿はほとんどない。多くの女性たちが暇そうに時間を潰していた。

 

その中に、居た。

ザリだ。

 

彼女は私とマークの姿を見ると、軽く舌打ちしたような表情でその場に立った。

私はその姿でほとんどを悟った。

 

フィリピーナ彼女
[ザリの似顔絵]

 

うおー、でもまたちょっと綺麗になったような。

……あわよくばキープしたいが。

 

私は店内のスタッフに「忙しいから10分だけ。セット料金は払うから」と言い、席に着いた。

 

そして、ザリを指名。

彼女はゆっくりと、私の横へ。

不機嫌な口元が営業スマイルに変化する。

 

「Can I drink? (飲んで良い?)」

 

うえっ!? 一言目がそれ!?

顔は笑っているのに、声に怒気を感じた。

 

「Sorry, Zalih. I just wanna see you now. But I have to go soon. (ごめん、ザリ。今顔見たくて。でもすぐ行かなきゃ。)」

 

「Why? (何で?)」

 

「Why? I’m busy. (何でって? 忙しいから。)」

 

「No. You treat me. (ダメよ。LDお願い。)」

 

「Can I ask? (聞いても良い?)」

 

「What? (何?)」

 




 

「Am I your boyfriend now? (私は今彼氏?)」

 

私がそう聞くと、彼女は「今さら?」と言わんばかりの無表情に。

彼女も悟ったようだ。

 

「I don’t know. (知らない。)」

 

おっ、おう。

切り替えの速さと、100点満点の解答にビビる。

 

ザリにもう未練は無いが、この期に及んで「若い女性」を引き繋ごうとした自分に寒気がした。

……ブス過ぎる。

 

ーー彼女の話をもう少し聞いた限りでは、「マカオに行かなければならなかったのはレンジのせいだ」と言うニュアンスだった。

私は「そうだね、ごめんなさい」と伝えると、彼女は「大丈夫よ」と、表情を強くして答えた。

逞しくなったなと感じた。

 

KTVを転々と変え、おそらくこれから夜の世界でベテランとなっていくのだろう。

この街でいつか素敵な男性と巡り合ってほしい。

 

KTVマニラ
[ザリとはKTVサオリ(今は『KTVパロパロ』に変わっている)で出会った]

 

ーーその場を上手くやり過ごし、支払いを済ませる。

 

エントランスまで見送られるが、彼女はすぐ振り向く。

私はその後ろ姿を見ながら、店を出た。

 

外にはマークがまだ居たので、彼に50ペソをチップとして渡した。

 

「I’m sorry, Mark. I’m busy now. Next time! (ごめんね、マーク。今忙しくて。今度ね!)」

「It’s okay, Range! Thank you! (いいよ、レンジ! ありがとうね!)」

 

私は急ぎ足でその場を離れた。

 

ーーごめん、マリー!

遅くなった!

ここに来て久しぶりに思い出す彼女の感情ジェットコースターのトラウマ。

小一時間ほど待たせてしまった。

 

私はホテルに戻り、エレベーターのボタンを連打した。

 

JMMホテル エレベーター

 

ーー幸い、エレベーターは他の階に止まることなく、部屋のある階へ一気に到着。

高層階のため、気圧の変化には耳抜きが必要だった。

 

ドアを小さくノックすると、部屋から物音がして、ゆっくりと開いた。

 

まず謝らなければ。

 

「I’m so sorry for being late. It was difficult to find SamMig around here. (遅くなってごめんなさい。この近くでサンミゲルを見つけるのが難しくて。)」

 

彼女は「何で? 心配したのよ」と優しかった。

私は「この辺り、日曜の夜なのに人が多くて。どこもビールが切れてた」と言い訳をした。

 

どうやらこの間にシャワーを浴びたらしい。髪が少し濡れていた。

 

とりあえず怒ってはいないようだ。

良かった。

 

ーーカウンターテーブルに向かい合って座る。

 

フィリピーナ彼女と宅飲

 

私たちはもう一度乾杯した。

 

会話の再スタートは世間話だった。

お互いの仕事のことや日常の悩み、二人の思い出話。

 

私は彼女の話を聞きながら、改めて嬉しかった。

夢にまで見たマリーが今、目の前にいる。

 

そして、将来の話になった時。

 

私は少し冗談めいて聞いてみた。

 

「Marry, How do you think? If I tell you I wanna be her new father.. I mean step father. (マリー、どう思う? もし彼女の新しいお父さんになりたいって言ったら…… 継父。)」

 

その言葉に、マリーは出会ってから今まで、一番の笑顔を見せた。

瞳には光るものが溢れている。

 

「Of course, I’m so happy. (もちろん、嬉しいわ。)」

 

マリアは四歳。

そろそろ記憶を残していく歳頃だ。

 

「Marry? So, we’re a couple? (マリー? つまり、ほぼカップル?)」

 

彼女は目頭を押さえ、

 

「…Maybe haha. (たぶんね、はは。)」

 

と。

 

お互い多少の酔いが入ってきていたので、未だ真剣な話ではないだろう。

ただ、彼女の本心は十分に伝わって来た。

 

私は改めて彼女に告白した。

 

「I love you so much, Marry. (愛してるよ、マリー。)」

 

「I love you too. (私も。)」

 

そして、私が以前感じていた愛情よりも、今はもっと強いと伝えた。

 

彼女も「私も」と。

 

「Come here. (こっちへおいで。)」

 

マリーを呼ぶと、彼女は私の膝の上に座った。

 

 

明日、レンジブログ外伝四章完結です! 「この記事が面白い」と思った方、ブログ村の応援よろしくお願いします!

 

このとき滞在していたホテル

[マニラのマラテエリア]
おすすめホテル「JMMグランドスイーツ」

JMMグランドスイーツ

高層コンドミニアムタイプのホテルです。
アクセス、清潔感、コスパ、総合的に判断してマラテの一押しホテル。チェックインやチェックアウトも超早いです。
長期滞在や、バスタブが無くても構わない方へおすすめします。
一点、四基あるエレベータが時間帯によって混雑することがあります。

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

20 コメント

  1. 今日、更新無いのかと…
    しかし、引っ張りますねw
    明日どうオチるのか楽しみにしてます。
    更新お疲れ様です!

  2. 待った甲斐ありましたっ
    期待通り、読者を引き込み振り回すレンジさん?
    最終話楽しみにしてます!!!

  3. まぁさすがと言うか何というか
    人気ブログには面白いだけじゃない理由があるんだなと…
    筆者の方、ぶっ飛んでますねって褒め言葉です笑笑

  4. 安定のザリも闇があったのか
    天性のものか
    最初からだったら相当な女よ
    マルコ以上かも

  5. うおっ!
    今日のうちに読めて良かったです!
    でも、これで寝れると思ったら続き気になって寝れないw

  6. マリーに会った時、何と言って彼女を泣かせたのだろうと気になってました。
    多分娘さんの事に触れたんですね。
    と勝手に解釈しました。
    その時からマリーはレンジさんを本気に考えていたのかなと。
    伏線お見事。

  7. ザリパターンの女性多いです。
    このケースは初彼氏の間に子どもが出来ていない。
    その逆が現地では多いかなと…

  8. マリーはレンジさんと出会ってからずっとレンジさんのPATIENTを見定めていたのかも…

  9. クレマニを何回か読み直すほどハマっております。
    しかし、なかなか結果が出ません。本意ではない子とは上手く行くのですが…
    本命子にはいつも惨敗です。

    次話でレンジブログ終了ということでしょうか?大変お疲れ様でした。

    恋愛メインももちろん有難いのですが、いつかビジネス関連のブログも書いて頂きたいですね。

    実は今勤めている日系企業からの独立を考えていまして。レンジさん達のアドバイスが記事としてアップされると嬉しいです。

  10. いつも楽しく拝見しています。
    今回の記事はレンジさんらしいやつですね。
    冒頭から笑いました?
    でも人の子を育てるのは大変ですよ… 可愛いですけどね。
    器の広いレンジさんなら安心出来ますね、きっと!
    出来る限り多くのフィリピーナが幸せになりますように。

  11. ザリの闇落ちにショックが隠せない╭(°A°`)╮
    けど、マリーとは良い仲であり続けて欲しいです♡

  12. 初めまして、煮物女と申します!
    最近こちらを読み始めて、ようやくここまで辿り着きました!
    面白すぎて仕事中もこっそり読んでいました(実は今も)。約半月かかりました。

    元々読書好きの私ですが、ここまで楽しく熱中した読み物はあまり記憶に無いです。
    今日の完結、楽しみです!!
    レンジさんの集大成ですよね!
    では、失礼します。

  13. どっちに結末持って来るのかワクワクする
    なんかワクワクする
    大事なことなので2回言いました

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