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マニラ マラテの夜景

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

[レンジブログ前回のあらすじ]

フィリピーナ彼女と二年ぶりの再会。彼女の娘とともに三人でマニラのオーシャンパークへ行く。ディナーの後、突然彼女が「ホテルに行って充電器を借りたい」と言い始める。

[前回記事]
【レンジブログ177】マニラオーシャンパーク(水族館)で家族デート

 

レンジブログは第三章で完結しています。

そして、それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。

オノケンブログ

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
オノケンブログ累計400万PV達成 第一話へ

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。

ここまで三つの外伝がそれぞれ完結しています。

 

 

【レンジブログ178】フィリピーナ彼女とその娘とホテルで過ごす夜

 

ーーマリーが、「これからレンジの部屋に行っていい?」と聞いてきた。

 

電池切れしそうなスマホを充電したいのだと言う。

 

エメラルド 中華料理レストラン
[エメラルド 中華料理レストラン 店内]

 

時刻は午後8時を過ぎた頃。

 

「Bus is okay? I think it’s late. (バスは大丈夫? 遅いけど。)」

「It’s okay. (大丈夫よ。)」

「So, we bill out now. After this, we’ll go to my hotel together? (つまり、今から会計して、この後に一緒にホテルに行くってこと?)」

「Yes. If you’re okay, Range. (そう。あなたが良ければね、レンジ。)」

「Sure. I’m okay. (もちろん。大丈夫だけど。)」

「Just borrow your charger. Don’t worry. (あなたの充電器貸してほしいだけよ。心配しないで。)」

 

おっ、おう。

私は娘のマリアの調子が心配だったので確認しただけで、特に何かを疑っている訳ではない。

もちろん、もう少しでもマリー達と過ごせるなら嬉しい。

 

ーー騒がしかった店内が一段落し、客が徐々に帰り始めた。

 

私たちも会計を済ませる。

数パーセントのバッテリー残量を気にしながら、店内でGrabを予約した。

 

行き先はすぐ近くの「バーチタワー Birch tower」。私の宿泊していた「JMMグランドスイーツ」が入っているコンドミニアムへ。

 

エメラルド 中華料理レストラン
[おすすめ中華レストラン『エメラルドガーデン Emerald Garden』]

 

ーーレストランの前に止まった車に乗り込む。三人とも後部座席へ。

 

マリアが私の膝の上に乗って来た。

これからまた何処かへ連れて行ってもらえると思っているのだろう。外の景色を見ながら、膝の上でジャンプを繰り返す。

 

マリーはとうとう充電が切れてしまったスマホをバッグにしまっていた。

 

エルミタからマラテへ。

このエリアの景色を見るのが久しぶりなのだろうか。

入れ替わっている飲食店を見つけては、私に「ここ新しくなった?」と聞いてきた。

 

ーー10分ほどでバーチタワーの前へ。

 

フィリピン 夜遊び
[バーチタワー前 ボコボストリート]

 

100ペソを支払い、Grabから降りた。

 

私は、「部屋に飲み物くらいしかないけど、何か買ってこようか?」と聞くと、マリーは「要らない」と言う。

マリアは周囲の喧噪が珍しいのか、興味深々にキョロキョロとしていた。

 

建物に入る前、私はマリーにエントランスのセキュリティーカードを渡した。

幼児はカードが無くても、コンドミニアム内に入ることができる。

 

ーーエレベーターに乗り、部屋へ向かう。

 

JMMホテル 廊下
[バーチタワー内の廊下]

 

私は、最近マニラに滞在するときはこのコンドミニアムが多いと説明した。

マリーは初めて入る様子。

そして、部屋のカードキーでドアを開けた。

 

「Please relax and take a rest. (リラックスして休んでね。)」

 

マリアは嬉しそうに部屋に入り込む。

 

マリーは「ここで靴脱いだ方が良いよね?」と聞いてきた。

私は「どっちでも良いよ。狭くてごめんね。一人だから」と答えた。

 

JMMホテル
[部屋はクイーンサイズのベッドが一つ]

 

マリアはベッドの上でジャンプをしたり、勢いよくダイブしたりして遊んでいる。

このようなスプリングの入った広いベッドは初めてなのだろう。

 

マリーはキッチンスペースを少し見た後、外の景色が気になる様子。

私は彼女を導きながら、カーテンを開けた。

 

マニラ マラテの夜景
[バーチタワーから望むマニラの夜景]

 

そして、「こっちにおいで」とマリーをテラスへ誘う。

 

マリーも以前は高層コンドミニアムに住んでいたので、このような景色は珍しくはないはず。

しかし、興味深そうに足下の夜景を眺めていた。

 

「Is that Circle? (あれはサークル?)」

「Ah, yeah. And.. that’s PanPacific Hotel. And.. Exclusive night club. You know? (あー、そうだね。あと……あれはパンパシフィックホテル。あと…… あれはエクスクルーシブナイトクラブ。知ってる?)」

 

マリーは「どれ? あー、そうね!」と昔を思い出したようだ。

そのホテル前とナイトクラブは数年前に彼女と初めて会った場所。

 

 

「懐かしいよね!」と二人で笑った。

 

ーーしばらく、彼女とテラスで夜景を眺めながら、私は周囲の光の元を説明していった。

彼女は約二年、マラテからは遠ざかっているので、街の変化に少し戸惑っている様子だった。

 

室内のマリアは、ベッド遊びに疲れたのか、TVのリモコンを操作していた。

そして、アニメのチャンネルを見つけ出し、それをベッドの枕に身を預けながら見始めた。

 

ーー私たちも部屋に入る。

マリーは横になってマリアの頭を撫で始めた。

私はUSB充電器をマリーに渡した。

 

「Please take a quick break, Marry. (ちょっと休んでね、マリー。)」

 

この日は朝にパンパンガから出てきて、日中はマニラで水族館巡り。疲れたに違いない。

この後はまたバスに乗っての長い帰り道だ。

 

ーー私はキッチンに向かい、飲み物を探した。

 

キッチン
[部屋のキッチンスペース]

 

冷蔵庫にはペットボトルの水とビール、飲みかけのウィスキーのボトル。

子ども用のジュースはなかったので、もう一度「買いに行ってこようか?」と聞くが、マリーは要らないと言う。

 

「And.. What time will you leave here? (それで…… 何時に出発するの?)」

「The first bus is.. Maybe 3AM? (始発は…… 午前3時かな?)」

「Oh very early.. Are you okay? (えっ、早いね…… 大丈夫?)」

「Yeah, It’s okay. (ええ、大丈夫。)」

 

午前3時か。

ここを出るのは午前2時。

今が午後9時過ぎだから、しばらくは休めるか。

私は帰国日なので、昼前にホテルをチェックアウトすれば良いだけ。

 

それにしても彼女たち、明日は大変だろう。

娘さんと、子育てをしながら働く彼女を心配した。

 

ーーボトルウォーターを一本、マリーに渡し、私もベッドに横になる。

マリアとは少し間を空けて、三人で川の字に。

 

すると、再び息を吹き返したマリアは元気良く私のお腹の上に乗って来た。

「Kyaaaa! Rangee! (きゃー! レンジ―!)」

 

ぐふおぉっ!!

 

子どもからの容赦無い「遊び」。

マリアは私のお腹に膝を立てたり、無慈悲な力加減で顔を抓ったりしてきた。

また、耳元で絶叫する声は、ガラスが割れるほどの高周波。私の鼓膜は死んだかと思った。

巨大なオモチャを手に入れた彼女、さらにテンションが上がって来たようだ。

 

「Maria, sleep na! Sleep! (マリア、寝るのよ! 寝るの!)」

 

母親からのきつい言葉に、マリアはギャン泣きを始めた。

一日中興奮していた彼女は眠たいのに、眠れられない。この部屋も慣れていない空間だろう。

可哀想に。

マリーも少しでも休みたいのに、休むことができない。

子どもの寝かしつけは大変だ。

本当に大変だ。

 

ーー泣き続けるマリア。

私はマリーと担当を変わる。

腕枕をして寝かしつけようと、頭と背中を撫でた。

 

次第に泣き止んだマリアは目を閉じる。

四歳と言っても、まだまだ幼い。

 

私は知っている英語の子守歌を歌おうとした。

 

しかし、「ハッピーバースデートゥーユー」しか思い出せない。

……今日は誰の誕生日でもない。

意味が分からないので、知っている日本語のアニメソングを日本語で歌った。

 

『ひっかるーくーもーをつきぬーけ、ふぁーらうぇいー』

 

マリーが「何、その歌。レンジ頭おかしいんじゃないの?」と笑う。

 

「I don’t know myself. (自分でも分かりません。)」

 

子守唄には適していないか。冒険に行きたくなってしまう。

しかし、もう私の頭の中はそれしか回っていなかった。

 

『しゃーらーへっちゃらー、なにーがおきてーもーきぶんはー』

 

マリアも「ふふっ」と笑う。

 

そして、私が歌い終わる頃にはマリアは寝息を立て始めた。

 

腕の中で安心して眠る彼女が堪らなく愛おしく感じた。

 




 

ーーマリーはスマホを触っていた。

画面を横から見ると、今日のアシカショーの動画だった。

 

私は腕枕から腕をゆっくりと引き、トイレへ。

少し寝る前、歯を磨こうと思った。

 

JMM ホテル バスルーム
[部屋のバスルーム]

 

そして、バスルームを出て、水を飲もうと冷蔵庫を開ける。

 

そのとき、マリーがベッドから出てきた。

 

「Range. Do you have a beer? (レンジ。ビールある?)」

 

彼女が少し飲もうと提案してきた。

最近は全く飲んでいないと言う。

久しぶりなので飲み慣れた「サンミゲルライト」が良いと。

 

「Only Flavered okay? (フレーバー入りのしかないけど良い?)」

「Okay. (大丈夫よ。)」

 

私は冷蔵庫に残っていたビールを二本取り出した。

 

フィリピーナ彼女と宅飲

 

私たちは小さく乾杯して、少し会話を始めた。

 

私には一番聞きたかったことがあった。

彼女の最近の変化についてである。

 

「Marry, why have you changed? What happened to you? (マリー、なぜ変わったの? 何かあったの?)」

 

「Actually, I don’t know. (自分でも分かりません。)」

 

「You’ve changed. Before, I think you didn’t trust me and you were strict to me. Little scary haha. (変わったよね。以前は、私を信頼していなかったし、厳しかった。ちょっと怖いくらい、はは。)」

 

「Yeah, I think so. (ええ、そうね。)」

 

「No message or no call also. (メッセージも電話も無かったよね。)」

 

「Yes. (そう。)」

 

「But now, I feel you trust me. (でも今は、信頼しているのが伝わって来る。)」

 

「Yes. (そう。)」

 

「Why? (なんで?)」

 

「I feel the same. (あなたと同じ。)」

 

私と一緒?

同じ気持ちと言うことは…… 何だろう。

 

「..Time? (……時間?)」

 

マリーは少しだけ笑みを浮かべ、

 

「Yes. (そう。)」

 

と言った。

 

ーーマリアの寝息がベッドルームから聞こえてくる。

その後、しばらく話をしたところで、ビールが切れた。

 

もともと冷蔵庫にはビールが二本しか無かったので、「買ってこようか?」と聞く。

 

マリーは「もう少し飲もうかな」と言う。

 

私はカードキーは置いたまま、「部屋に戻ったらノックするから、静かに開けてね」と伝え、靴を履く。

 

そして、財布だけ持ち、ドアを開けようとした。

 

そのときーー

 

マリーが突然、私を抱き締めてきた。

 

 

今週、レンジブログ外伝四章完結です! 衝撃のラスト? いや感動? それともやっぱり? 「この記事が面白い」と思った方、ブログ村の応援よろしくお願いします!

 

このとき滞在していたホテル

[マニラのマラテエリア]
おすすめホテル「JMMグランドスイーツ」

JMMグランドスイーツ

高層コンドミニアムタイプのホテルです。
アクセス、清潔感、コスパ、総合的に判断してマラテの一押しホテル。チェックインやチェックアウトも超早いです。
長期滞在や、バスタブが無くても構わない方へおすすめします。
一点、四基あるエレベータが時間帯によって混雑することがあります。

 

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Range Abe
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

18 コメント

  1. なぜ子守唄に”Wake me up!!”をチョイスしなかったのですか?その歌を熱唱してマリーにどんなつっこみを受けるか知りたいところでした。私なら”いや、寝かす気あるんかい!!”ってつっこみますが…

  2. マリーの変化は何なんでしょう…
    全ては時間が解決してくれる?という事??
    誰か教えてください

  3. 初めまして。
    レンジブログをずっと読み勉強しているものです。
    フィリピーナの事が何となく分かってきました。もちろん同じケースはありませんが、似たような経験があったので、改めて自分の浅はかさを知った次第です。

  4. 私は我が子の子守唄に、チャゲアスの「万里の河」歌ってましたけどね(笑)

  5. 終わるんですか?
    寂しい?
    もっといつまで読んでいたい…
    オノケン二章に期待してます!

  6. 感動的なシーンになりそうな予感ですが。。。。。
    まだマルコストーリーありますよね(笑)

  7. 少なからずレンジさんの経済力を期待している
    でもそれだけじゃなく「ココロ」を見てるんでしょうね。

  8. クレマニ的には、倒したはずの魔王がさらに強力なラスボスとなって現れて、ようやく倒せるみたいな感じですか
    いや、失礼しましたっっ
    最終話期待してますっ

  9. マリーのマンション編がこのストーリーに効いてると思う
    謎は深い
    彼女の個性、キャラクターも絶妙で秀逸
    語られてない各女性のストーリーも読みたい
    クレマニ、マジでハマる

  10. さて、最終話が近づいて来て、これからレンジさんがどう話を持ってくるか
    一読者として大変興味があります
    ワクワク
    でも終わらないで欲しい
    でも最後読みたい、うーん?

  11. この話って先月ですよね
    クレマニの二人が実際にマニラいると思うと不思議な感覚
    あっ、今週マニラです w

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