[前回のあらすじ]

フィリピーナ彼女とその家族と共に、フィリピン ダバオ旅行へ。旅行最終日、レンジは田原に、マルコと彼女の家族を紹介する。その後の彼女の変化を期待したが、車内では再び黙ってしまう。そして、三泊四日の旅行は終わりへ。

【レンジブログ119】フィリピン女性の態度を劇的に変化させる方法?

 

クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

[レンジブログ第一章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ

[レンジ外伝第一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた

 

 

 

【レンジブログ120】フィリピン女性の態度が家族旅行を経て激変した

 

 

田原さんを見送り、時刻は午後1時を回ったところ。

 

家族は少しお腹が空いたと言う。

 

空港のチェックインには未だ早いため、近くのレストランで昼食を取りながら、その時間まで待つことにした。

 

一度入った空港の駐車場を出る。

空港の近くでそれらしいレストランを探すと、マクドナルドが見つかった。

 

「ここはどう?」と聞くと、家族は皆賛成だった。

特に弟は大喜び。お馴染みの食事が恋しかったのかもしれない。

 


[ダバオのマクドナルド]

 

車を留めて、中へ入る。

 

父親と弟は先に席を確保してくれるようだ。

私と母親、マルコ三人で注文の列に並ぶ。

 

カウンター上のメニューを確認する限りは、フィリピンのマクドナルドは何処も共通のようだった。

 

マルコ「Range. (レンジ。)」

私「Yes!? (はい!?)」

 

黙っていたマルコが突然話しかけてきて驚く。

 

マルコ「My order is… 1-pc chicken, spaghetti, regular fries, orange juice no ice and chocolate sundae.(私のオーダーはね… チキン一つ、スパゲッティ、普通サイズのポテト、オレンジジュースの氷なし、それとチョコレートパフェね。)」

 

私「What!? (何!?)」

 

彼女が一気にオーダーを伝えてきた。

それは初めてのことだった。

態度の激変に驚く。

 

彼女は笑いながらもう一度同じメニューを繰り返す。オーダーはお気に入りのものらしい。

 

彼女「Okay? (わかった?)」

私「Yes. Copy. (はい。わかりました。)」

 

彼女は「任せたから。」と言うと、列を離れ、父親たちが待つ席に向かった。

私は戸惑いながら母親の顔を見ると、「レンジ、任せられたわよ!」と言う表情だった。

母親も変化を感じ取ったのだろう、嬉しそうだった。

 

マルコの中で、私に対する感情が大きく変化したことは明らかだった。

おそらく私が今後も、彼女のオーダーを覚えていてくれるか試して来たのだろう。

それは、今度マニラで一緒にマクドナルドに行った際は、何も言わずとも同じメニューをオーダーしろということだ。

 

私には、最高のプレイだ。

 

 

しばらく列で待った後、彼女のオーダーを含め注文する。

 

そして、オーダー全てを受け取り、席へ。

弟は大変嬉しそうに、チキンを頬張る。

その様子を皆で笑う。

 

マルコ「Do you remember my order? (私の注文、覚えた?)」

私「Yes! (はい!)」

 

あえて NO と言って、怒られるパターンも良いが、今は素直に応じよう。私の悪ふざけをこのタイミングで挑戦するには危険過ぎる。

 

せっかくマルコの態度が好転したのだ。大人しくしておこう。

 

マルコ「Range. (レンジ。)」

私「Yes? (はい?)」

マルコ「I wanna go to Japan someday. (いつか日本に行ってみたい。)」

私「Sure! You must come. (もちろん! 是非来てよ。)」

 

過去にも彼女は日本の事が大好きだと言っていた。

 

マルコ「I wanna eat Japanese riceball. Like a triangle, and wrapped in seaweed. (日本のおにぎりが食べたいの。三角の形で、海苔に巻かれていて。)」

彼女はそう言いながら、手で三角形を作ってみせる。

 

おっ、おう。

日本のおにぎりなら似たものがマニラでも手に入るだろうと思ったが、黙っておこう。

そして、もちろん「レンジに会いに行きたい。」など言ってもらえるとは期待していない。

せめて、「東京に行きたい」など、日本である理由を含めてくれればいいのだが。

おにぎりが食べたいと言うのは、彼女なりの譲歩なのだろうか。

 

それでも、彼女が急に前向きな話を始めたことは大きな進展であった。

 

また、私へのボディタッチが積極的になっていた。

以前は、室内や家族の前でも二人の体の接触は避けていた。

しかし、今は公共の空間、人前にもかかわらず、彼女は私の腕と手をベタベタと触ってくる。

 

これについても、単純に嬉しかったが、正直止めてほしいと思った。昼間のマック店内で、小レンジが反応してしまうからだ。

しばらく喜びと葛藤が戦った。

 

この時、二人の関係が次の段階へ進むために、私を試しているのだと思った。

そして、私はチャンスだと思った。

 

食事が終わった後、家族とマルコに「二人だけで少し話したい」と伝える。

その意味がわかったのか、マルコは急に大人しくなり、神妙な空気を察知した家族はテーブルを立った。

 

家族が車に入って行くのを確認した後、彼女に話かける。

 

マルコは「さっきはやはり恥ずかしかった。大切な人に会うなんて聞いてなかった。」と言う。

私は「ごめんなさい。ただ、私が思ったように、そのまま行動してしまいました。」と伝えた。

加えて、彼女に対する今の素直な思いを伝えた。

私の言葉を聞くマルコは俯いていたが、見える口元は優しく、こみ上げているのだろう嬉しさは隠せていなかった。

 

また、私が「日本に来たいって言ったけど…」と、再度その話題に触れると、

マルコ「Of course, I wanna visit your hometown. (もちろん、あなたの街に行きたい。)」

 

私にはその言葉が聞けただけで、彼女から「I love you.」を聞いたも同然だった。

喜びに失禁しそうになった私は、とりあえずそこで会話を切った。

 

そして、「これダバオ旅行の記念に。さっき買った。」と、小さな真珠風ピアスを彼女に渡した。

それを見て嬉しそうに、「今度マニラで付けるね!」と言ってくれる。

 

私はこのとき、大きな幸福を感じていた。

この旅に来て良かったと心から思った。

 

さて、そろそろ良い時間だ。

マルコに「そろそろ行こうか」と伝える。

 

レストランを出て、空港へ向かう。

この後、レンタカーを返却しなければ。

 

駐車場に着くと、レンタカー会社のスタッフが待っていた。

彼に挨拶をして、車を引き渡す。

返却時は特に問題なく、後日保証金が返金される旨を説明された。

 

そして皆でスーツケースを押しながら、空港の出発口へ向かう。

 

と、レンタカー会社のスタッフが走って私達を追って来た。

まさか、車に何処かキズでも入ってしまっていたか?

急に不安になる。

 

しかし、スタッフは「忘れ物です。」と、小さな紙袋を渡して来た。

それは、私が先ほどマルコにプレゼントしたピアスだった。見事に車内に置き忘れられていたのだ。

 

彼女は恥ずかしそうに、タガログ語で慌てていた。

そんなところがマルコらしい。

 

そして、空港のチェックインカウンターへ。

人は並んでおらず、すぐに受付が始まった。

 


[ダバオ空港マニラ行きチェックインカウンター]

 

しかし、どうやら私達のチェックインが遅かったらしく、すでに他の乗客で席が埋まっており、皆バラバラの席になるとのこと。

ウェブでチェックインをしておけば良かったと後悔したが、マニラまではすぐだ。そこまで気にすることではない。

 

フライト時刻は予定通りのようで、私達はそのまま出発ゲートへ向かう。

 

この旅行が終わりを迎えようとしていた。

 

その時、父親が私の肩を叩く。

他の家族はそのままゲートへ。

 

私達二人だけが通路で立ち止まる。

 


[ダバオ空港の滑走路]

 

父親の目には涙が浮かんでいた。

 

父親「Thank you so much. Nothing is more precious than this experience. (本当にありがとう。この経験はなにものにもかえがたい。)」

 

父親が家族を代表して感謝を伝えてくれているようだった。

 

私「My pleasure! I’m gonna miss you. (どういたしまして!もう寂しいです。)」

 

父親は半身でハグをして来た。

私の言葉を聞いて、涙を堪えられなかったのだろう。

私も抱きしめ返した。

おっさん二人の熱い抱擁である。

 

そして、飛行機の中へ。

 

私達はそれぞれ離れた席に着く。

マニラまではすぐだ。着いてから、もう一度、さようならを言わなければ。

 

空が紅くなり始めた頃、飛行機は飛び立つ。

 

一時間ほどすると、見慣れた街の光が見えてきた。

 

無事にマニラ空港着。

 

荷物を受取り、空港を出る。

出口は夕刻ともあって、大変混雑していた。

 


[マニラ空港ターミナル2出口]

 

マルコ達は自宅まで戻る交通手段を相談していた。

 

彼女はGrabでドライバーを探していたようだが、ケソンシティまでなら、エアポートタクシーでも価格は変わらない。

私は待ち時間が少なそうだったエアポートタクシーを勧めた。

 

家族とともに乗り場へ向かう。

 

その時、マルコが弟に何やら話しかけていた。

それを聞いた弟が恥ずかしそうに私に近づいてくる。

 

弟「Thank you. (ありがとう。)」

 

このとき、弟が初めて私に話しかけてくれた。嬉しかったし、何より可愛いと思った。

 

私「See you soon! (またすぐ会いましょう!)」

 

そして、タクシーに乗った家族を見送る。

 

マルコは遠ざかって行く窓越しに、私に手を振り続けてくれた。

これも初めてのことだった。

 

 

空港に一人残った私は、そのまま日本へのフライトに備える。

さて、明け方までその辺りで待とうか。

 

とりあえず、腹ごしらえをすることにした。

 

近くに見えたジョリビーへ向かう。

 


[安定のクオリティ]

 

食べた後は、近くの待ち合いベンチで腰を掛け、マルコへ「家に着いたら教えてね。」とメッセージを送る。

この後は、荷物を預けて、フライトのゲート付近でゆっくり待とうかと考えた。

しかし、満腹と疲れからその場を動けず。

私はスーツケースを抱えながら少し仮眠をとった。

 

 

気付けば、午後11時を過ぎた頃だった。

 

この時、私は全てから解放されたためか、目が冴えていた。

 

搭乗は午前6時。

チェックインは2時間前か…。

 

まだ時間がある。

 

 

 

これ、今からマラテ往復行けるんじゃね?

 

 

[レンジ外伝一章終わり]

 

 

 




 

 

[レンジ外伝一章あとがき]

 

皆さん、こんばんは。

クレイジーマニラの記事をいつも読んでいただき、本当にありがとうございます。

常々、皆さんに読みやすいものをと努めていますが、どうか寛大な心でお楽しみ頂ければ幸いです。

 

レンジブログについて、一度区切りが付いたのでそのままにしていましたが、この度「外伝」ということで短編エピソードを書いてみました。

そして、今後もこのような形でワンオフのものを書いていこうと思います。

 

お気づきの方もいるかと思いますが、今回の外伝エピソードは、進行中の「オノケンブログ」と少し時間差を生じさせています。

次回から再開するオノケンブログは、このダバオ旅行の少し前のことになります。

外伝エピソードを踏まえたうえで、これからのケンさんの話を読んで頂けると、より一層楽しめるのではと思います。

 

現在の私とケンさんは、相変わらず日本とマニラを往復しながら、バカな話ばかりしています。偏差値は順調に下がっていますが、とても元気です。

ただ、この年明けはレンジブログを連発させたせいで、せっかく痩せつつあった私の体重は元以上に戻ってしまいました。2019年もブス全開ですが、何とかなるでしょう。

 

また、以前「トピックスのライター様」を募集させて頂きました。幸運にも、お一人の協力者の方が手を挙げてくださいました。今後、その方の記事も公開していきたいと思いますのでどうぞご期待ください。

なお、トピックスのライター様は随時募集していますので、興味のある方は是非お問い合わせください。

【お知らせ】クレマニ、一周年。トピックスの「ライターさん」募集!

 

 

申し遅れましたが、改めまして、

 

本年も、クレイジーマニラをよろしくお願いいたします!

 

皆さまには幸多き一年になることをお祈りします。

 

クレイジーマニラ ブス担当
レンジ

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

10 コメント

  1. 初めまして。
    年始から読ませて頂いております。
    自身に通ずるものがあり、大変興味深いお話でした。
    ただし、これは誰もが言える事なのですが、恋愛に正解は無いように思います。
    むしろ人は正解から逃げるような、逆に困っていくような選択をする傾向があるよう感じています。
    それは何歳になってもなかなか変わりません。
    長文失礼しました。
    今後も楽しみにしております。

  2. レンジさん、お疲れ様です。今度はゲスーイ話が聞きたいです!あとレンジさんにはもっともっとモゲてほしいですねー

  3. いやー、笑わしてもらいました。オノケンさんの話も期待。夜遊びネタ希望

  4. たなかたつしさん、コメントありがとうございます。
    ケンさんの方は夜遊びメインですのでお楽しみ頂けるかと思います!

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